背中を構成する筋肉の部位
背中はいくつもの筋肉が複雑に重なり合っており、それら全てを把握するには専門的な知識が必要です。
ここでは最低限知っておくべき背中の重要な筋肉を3つ解説します。
1.上側:僧帽筋(そうぼうきん)
僧帽筋は背中の上側から両肩、首にかけて十字状に広がる大きな筋肉です。
二足歩行する人間にとっては両腕を支える重要な筋肉でもあります。
直立しているときには常に働いているため疲労がたまりやすく、別名「肩こり筋」ともいいます。
僧帽筋をしっかり鍛えて血流を増やすと、筋肉のポンプが働いて肩こりを防ぐ効果も期待できます。
【参考】ダンベル&自重で背中の厚みを作る僧帽筋の筋トレメニュー10選!
2.下側:広背筋(こうはいきん)
広背筋は腰の中央から両脇にかけて扇状に広がる筋肉で、腕や肩を背中側に引き寄せる働きをしています。
肩を後ろに引いて胸を張る動作には不可欠で、広背筋が衰えると猫背になりやすくなるんです。
また、脇の下から腰にかけて広がるため、逆三角形のたくましい上半身を作るには欠かせない筋肉でもあります。
【参考】自重・ダンベル・ケーブルで広背筋の筋トレメニュー20選!
3.背筋の内部:脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)
脊柱起立筋は腰から背骨に沿って直線状に伸びる筋肉で、いくつもの細かい筋肉の総称になります。
その名の通り脊柱を直立させて安定させるための筋肉で、腰痛予防にも非常に重要な役割を持っています。
脊柱起立筋をしっかり鍛えることで体幹が安定し、コンタクトスポーツにおける当たりの強さにも繋がる筋肉です。
【参考】自重&ダンベルを使って脊柱起立筋を鍛える筋トレ8選!
背筋を鍛える3つのメリット
背筋を鍛えるメリットはたくさんありますが、その中でも特に重要な3つを紹介します。
メリットをしっかり理解した上で、効率的に背筋を鍛えていきましょう。
1.逆三角形の上半身を手に入れられる
上半身がきれいな逆三角形で、肩幅が広く腰にかけてくびれていると、とてもかっこいいですよね。
この逆三角形の上半身は、広背筋とその下の大円筋の発達によるもの。
背筋をしっかり鍛えることで背中が広がっていき、モテモテの逆三角形ボディが手に入ります!
2.胸筋を大きくしやすい
背筋は身体の前側にある大胸筋の拮抗筋(反対にある筋肉)です。
物を引っ張るには広背筋を使い、物を押すには大胸筋を使います。
このように正反対の働きをする筋肉を拮抗筋といい、拮抗筋をどちらも鍛えることでバランス良く筋肉を成長させられます。
なので大胸筋を鍛えるには拮抗筋である広背筋も同じくらい重要なのです!
3.基礎代謝が上がる
背筋群はいくつもの筋肉が複雑に重なり合っていますが、それらをまとめると非常に大きな筋肉。
大きい筋肉を鍛えると筋肉量が増えて基礎代謝が上がり、太りにくく痩せやすい体質へと変わっていきます。
しかも背筋は常に直立しているときに働いているため、代謝を上げる作用が大きい筋肉なのです。
自重で背筋を鍛える筋トレメニュー10選
まずは特別な道具を使わず、自重のみで背筋を鍛えるメニュー10個を紹介します。
自宅筋トレでもしっかりやれば効果は十分!まずは自重筋トレからはじめてみましょう。
1.エアプルダウン
エアプルダウンは筋トレというより、広背筋の動作を確認する種目になります。
まずは普段は意識しない背中の筋肉を動かしてみて、背筋を収縮させる感覚を掴みましょう。
筋トレ初心者はもちろん、広背筋を肥大させたい上級者のウォームアップとしてもおすすめです。
エアプルダウンのやり方
- 胸を張って両腕をバンザイする
- 肘を背中側に引き寄せて肩甲骨を寄せる
- 背中の筋肉をグッと収縮させる
エアプルダウンのポイント
- 胸を張って顔はやや上を向く
- 肘は下ではなく後ろに引く
2.ダイアゴナル
ダイアゴナルは、片手と逆側の片足だけで行う強度の高いプランクです。
背筋の伸展に加え体幹に対する回旋負荷が加わり、数あるプランクの中でもトップクラスの高強度。
初心者は膝つきでもOKです。
30秒以上できたらアスリートレベルとも言われ、普通のプランクに慣れてしまった方はぜひ挑戦して下さい!
ダイアゴナルのやり方
- 肘とつま先で身体を支えて一直線になる
- 右手と左足を浮かせて前に伸ばす
- 身体が傾かないように20秒耐える
ダイアゴナルのポイント
- 手を浮かせる前から腹筋に力を入れておく
- 浮かせた手は前にしっかり伸ばす
【参考】ダイアゴナルの正しいやり方!効果的に鍛えられる筋肉や回数の目安を紹介
3.バックエクステンション
バックエクステンションは背筋の自重トレーニングの中で基本的な種目です。
うつ伏せの状態から足を頭を持ち上げ、腰を大きく反らせる時に脊柱起立筋が強く鍛えられます。
強い体幹と背筋を作りたい初心者や、腰痛を予防したい人におすすめのトレーニングです。
バックエクステンションのやり方
- うつ伏せになって両手は前に出す
- 腰を反らせて足と両手を同時に持ち上げる
バックエクステンションのポイント
- 目線は下ではなく前を見る
- 腰は反動で反らせすぎない
バックエクステンションの効果やコツについて詳しくは「バックエクステンションの正しいやり方を解説」で解説しているので参考にしてください。
4.ヒップリフト
ヒップリフトは仰向けの状態で膝を立て、お尻を持ち上げるトレーニングです。
本来は大殿筋のトレーニングですが、お尻を持ち上げて身体を一直線にする際に脊柱起立筋にも負荷が入ります。
大殿筋が発達するとウエストとの段差が際立つため、メリハリのあるボディとなりますよ。
ヒップリフトのやり方
- 膝を立てて仰向けに寝る
- お尻を浮かせて、肩から膝までが一直線になるようにする
ヒップリフトのポイント
- お尻の筋肉を使っていることを意識する
- 反動をつけず、ゆっくりと動かす
- お尻を上げ切ったとき1~2秒キープする
5.リバースプランク
リバースプランクはその名の通り裏返って行うプランクです。
通常のプランクは腹筋を伸展させる負荷に耐えるトレーニングですが、リバースプランクは腹筋を「屈曲」させる負荷に耐えることで脊柱起立筋群をまとめて鍛えます。
身体の前面と背面をバランス良く鍛えられるため、セットで行うと良いでしょう。
リバースプランクのやり方
- 仰向けの姿勢になる
- 肘をついて、上体をもちあげる
- 足を伸ばし、かかとを立てて、下半身を持ち上げる
- 足から頭までを一直線にして耐える
リバースプランクのポイント
- 視線はおへそに向ける
- 腰を反らさずまっすぐに保つ
【参考】リバースプランクの正しいやり方!インナーマッスルを効果的に鍛えよう
6.パイクプッシュアップ
パイクプッシュアップは腕立て伏せで肩を鍛えるトレーニングです。
三角筋がメインとなりますが、腰を大きく曲げた姿勢を維持するために僧帽筋にも負荷が入ります。
肩が肥大することで逆三角形の上半身が際立つため、広背筋のトレーニングと並行して行いたい種目です。
パイクプッシュアップのやり方
- つま先と両腕て体を支え腕立て伏せの姿勢になる
- お尻を大きく上に突き出して身体を「へ」の字にする
- 肩に負荷を感じながら肘を曲げ伸ばしする
パイクプッシュアップのポイント
- プッシュアップバーや椅子を使うとさらに効果的
- 首を持ち上げて頭が当たらないようにする
7.リバーススノウエンジェル
リバーススノウエンジェルはうつ伏せで広背筋を鍛えるトレーニングです。
「スノウエンジェル」とはクリオネの別名であり、クリオネのように腕を振ることで広背筋の動作を確認します。
うつ伏せで重力に逆らって腕をふるため、広背筋の筋力と柔軟性を同時に鍛えることができるトレーニングです。
リバーススノウエンジェルのやり方
- うつ伏せになり両腕は腰の横に置く
- 頭を持ち上げ背中の上で両腕を左右にふる
リバーススノウエンジェルのポイント
- 頭を持ち上げる際に反動を使わない
- 広背筋がグッと収縮するまで腕をふる
8.タオルローイング
タオルローイングはタオルを使って広背筋を鍛えるトレーニングです。
広背筋は何かを引っ張るための筋肉なので、タオルを引っ張ることで効率よく鍛えられます。
広背筋を強く収縮させられるので、初心者から上級者までおすすめできます。
タオルローイングのやり方
- 直立して両腕にタオルの両端を持つ
- 両腕を頭上にあげる
- タオルを両手で引っ張りながら顔の前に下ろす
タオルローイングのポイント
- タオルの持ち幅は肩幅より狭く
- 肘は下ではなく背中側に引く
【参考】気軽に始められるタオルを使った自宅・筋トレメニュー!
9.タオルシーテッドロウ
タオルシーテッドロウはタオルローイングより強力な広背筋トレーニングです。
マシンで行うシーテッドロウはウエイトが負荷になりますが、この筋トレは自分の足の力が負荷になります。
タオルを介して足と背中の力比べをし、自宅であっても効率的に広背筋や僧帽筋を鍛えることができるのです。
タオルシーテッドロウのやり方
- タオルの両端を両手で持ち中央を足にかける
- 足でタオルを前に押しながら両腕で引っ張る
- 足の力を調整しながら肘を背中側に引く
タオルシーテッドロウのポイント
- 肘は下ではなく背中側に引く
- 背中を丸めず胸を張る
10.机を利用した斜め懸垂
懸垂は背中の自重筋トレとして最も優れたトレーニングです。
しかし懸垂をするには鉄棒や懸垂台が必要であり、なかなか自宅ではできませんよね。
そこで高さのある机があれば、自宅でもこの机を使った斜め懸垂ができるんです!
斜め懸垂も広背筋を鍛えるのに十分効果的であり、自宅で手軽に行うにはぴったりのトレーニングです。
机を利用した斜め懸垂のやり方
- 机の下で仰向けになり両手で机のヘリを持つ
- 胸を張って肘を背中側に引き寄せる
- 戻すときもゆっくりと戻す
机を利用した斜め懸垂のポイント
- 体重が偏って机が倒れないように注意
- 肘を背中側に引いて胸を机に付ける
【参考】斜め懸垂で効果的に広背筋を鍛えるやり方!
【参考】器具なしで広背筋や僧帽筋を鍛える方法・背筋の自重トレーニング8選!
マシンを使った背筋の筋トレメニュー5選
ジムにあるマシンを使った背筋の筋トレメニューを紹介します。
どこのジムにもある定番のマシンを使えば、より効率的に背筋を鍛えられます!
1.懸垂
懸垂は広背筋をジムに通って鍛えるなら、まず最初にやるべき種目です。
背筋を構成する広背筋・僧帽筋・三角筋後部などを一度に鍛えることができ、逆三角形の上半身を作るのには最適。
体重が重い方には難易度が高いですが、補助がある懸垂台もあるので是非チャレンジしてみてください!
懸垂のやり方
- 両手で鉄棒にしっかり掴まる
- 胸を張って身体を持ち上げる
- 下ろすときもゆっくりと下ろす
懸垂のポイント
- 肘は下ではなく背中側に引く
- 胸を張って鉄棒に近づけるように引く
- 肘は完全には伸ばしきらない
2.フロントネックプルダウン
フロントネックプルダウンはどこのジムにもあるラットプルダウンマシンを使って行います。
マシンのバーを顔の前側に下ろす方法で、肘を背中側に引きやすいため広背筋に良く効きます。
肩関節の負担も少ないため、特に初心者にはおすすめの種目です。
フロントネックプルダウンのやり方
- ラットマシンに座り両手でバーを持つ
- 肘を背中側に引くようにバーを顔の前に下ろす
- 戻すときもゆっくりと戻す
フロントネックプルダウンのポイント
- 胸を張って胸に向かってバーを引く
- 目線は斜め上を見る
【参考】ラットプルダウンの正しいフォーム・鍛えられる部位や重量設定のコツ紹介
3.ビハインドネックプルダウン
ビハインドネックプルダウンはラットプルダウンを頭の後ろに下ろすトレーニングです。
フロントネックと違って胸を張りにくく、肘が真下に降りるため広背筋より大円筋や上腕二頭筋に効きやすいといわれています。
背中の筋トレにバリエーションをつけたい上級者向けで、フロントネックの後に行うと良いでしょう。
ビハインドネックプルダウンのやり方
- ラットマシンに座り両手でバーを持つ
- 頭を下げ頭の後ろにバーを下ろす
- 戻すときはゆっくりと戻す
ビハインドネックプルダウンのポイント
- 肩への負荷が大きいため痛みを感じたら中止する
- 目線は下に向けるが背中は丸めない
4.シーテッドロウイング
シーテッドロウイングはジムで僧帽筋中部を鍛える定番トレーニングです。
ラットプルダウンは「背中の広がり」を増すのに対し、シーテッドロウは「背中の厚み」を増す効果があるといわれています。
ラットプルダウンと必ずセットで行いたい種目ですね。
シーテッドロウイングのやり方
- マシンに座り膝をやや曲げてパットに足をつく
- 両手でバーを握り肘を背中側に引く
- 戻すはゆっくりと戻す
シーテッドロウイングのポイント
- 腰を丸めず胸を張る
- 脇を開きすぎず肩がすくまないよう注意する
5.マシンバックエクステンション
マシンバックエクステンションは脊柱起立筋を鍛えるためのトレーニングです。
床にうつ伏せで行う背筋トレーニングは、背筋が伸びた状態からさらに伸ばすため腰への負担が大きくなります。
マシンバックエクステンションであれば、腰を曲げた状態から伸ばす自然な動きであるため、腰への負担が小さく脊柱起立筋を効率的に鍛えられます。
マシンバックエクステンションのやり方
- マシンに座りパッドを背中に固定する
- 両手でバーを握ってゆっくり身体を起こす
- 戻すときもゆっくりと戻す
マシンバックエクステンションのポイント
- 反動をつけて勢いよく上げない
- 腰を反らすまで上げる必要はない
バーベルを使った背筋の筋トレメニュー5選
この章ではバーベルを使って背筋を鍛える定番の筋トレメニューを紹介します。
バーベルは非常に強い負荷が全身にかかるため、細かい筋肉まで鍛えられるのがメリット。
マシンの筋トレで基礎的な動きを覚え、ある程度筋肉がついてきたらバーベルで全身をレベルアップさせていきましょう!
1.デッドリフト
デッドリフトはバーベルを使った最強の背筋トレーニングです。
背筋群すべて・大臀筋・ハムストリングスなどをまとめて鍛えられ、細かい筋肉まで刺激されます。
バーベルを使った背筋の筋トレならまず覚えたい種目なので、最優先で覚えましょう!
デッドリフトのやり方
- バーベルを床に置きバーの下に足を入れて立つ
- 両手でバーを握り足で床を押し込むように持ち上げる
- バーが膝まで上がったら股関節を使って上半身を持ち上げる
- 逆の順番でゆっくりと下ろす
デッドリフトのポイント
- 腹筋に力を入れて絶対腰を丸めない
- バーは身体に沿うように持ち上げていく
【参考】デッドリフトの正しいやり方。効果を高めるポイントや怪我をしない注意点も解説
2.ハーフデッドリフト
ハーフデッドリフトはバーベルを床から引くのではなく、膝の高さから引くデッドリフトです。
可動域が狭くなる分重量を上げやすく、背筋に高重量をかけて強く鍛えるには非常に効果的な種目。
バーベルを置く台を利用したり、パワーラックのセーフティーバーを膝の高さに設定するのが定番のやり方ですね。
ハーフデッドリフトのやり方
- 台やラックを使ったバーベルを膝の高さに置く
- 両手でバーを握り足で床を押し込むように持ち上げる
- ゆっくりとラックに下ろす
ハーフデッドリフトのポイント
- 持ち上げる際に肩甲骨を引き寄せる
- 1回1回ラックに置かず触れたらすぐに上げる
【参考】ハーフデッドリフトの正しいやり方や鍛えられる部位・重量設定のコツも紹介
3.ベントオーバーロウイング
ベントオーバーローイングはバーベルを使った背筋トレーニングの定番です。
バーベルを引き寄せる広背筋・僧帽筋はもちろん、前傾姿勢を安定させる脊柱起立筋・大臀筋にも負荷がかかる効果的なトレーニング。
背中の厚みを増し、迫力のある後ろ姿を作りたい方にはぜひおすすめです。
ベントオーバーローイングのやり方
- ラックにバーベルを置き順手でバーベルを持つ
- 前傾姿勢となったままバーベルをみぞおちに引き寄せる
- 戻すときはゆっくりと戻す
ベントオーバーローイングのポイント
- 脇を開きすぎず肩がすくまないよう注意する
- 上半身の角度を保ち反動を使わないようにする
4.ドリアン・ローイング
ドリアン・ローイングは逆手で行うベントオーバーローイングです。
かつて鬼の背中で有名となったボディビルチャンピオン「ドリアン・イエーツ」が好んでいたことからこの名が付きました。
逆手にすることで僧帽筋により効きやすく、背中の厚みを増すのに非常に効果的な種目です。
ドリアン・ローイングのやり方
- ラックにバーベルを置き逆手でバーベルを持つ
- 前傾姿勢となったままバーベルをみぞおちに引き寄せる
- 戻すときはゆっくりと戻す
ドリアン・ローイングのポイント
- 脇を開きすぎず肩がすくまないよう注意する
- 上半身の角度を保ち反動を使わないようにする
5.バーベルグッドモーニング
グッドモーニングは直立した状態から、お辞儀をするように上半身を倒すトレーニングです。
挨拶のように頭を下げることが名前の由来で、脊柱起立筋にダイレクトな負荷をかける種目になります。
自重ではほとんど負荷がかからないので、バーベルで加重するのが有効。
腰痛の予防にも有効ですが、重量を上げすぎると怪我をしやすいので注意しましょう。
グッドモーニングのやり方
- 直立して肩にバーベルを保持する
- お辞儀をするように上半身を倒す
- 腰の力を使って上半身を起こす
- 息を吸いながら下ろし、吐きながら上げる
グッドモーニングのポイント
- 腰を痛めやすいので重量は無理をしない
- 膝の曲げ伸ばしを使わず、伸ばしたまま
ダンベルを使った背筋の筋トレメニュー5選
ダンベルを使って背筋を鍛える定番のメニューを紹介。ダンベルはバーベルよりも自由度が高く、より効果的に狙った筋肉に効かせることができます。
難易度は高くなりますが、筋肉を自由にコントロールできるようになる有意義なトレーニングですよ。
1.ワンハンドローイング
ワンハンドローイングはダンベルで行う広背筋の筋トレのなかで最も基本的な種目。 手と膝をベンチについて身体を安定させるため、高重量を扱うことが可能です。
筋トレ初心者だと広背筋に効かせる感覚は掴みづらいですが、ワンハンドローイングなら高重量を扱えるので、広背筋に効く感覚を掴むのも有効な手段です。
ベンチで身体を安定させるため、腰を痛めるリスクが低い点もおすすめ種目である要因です。
ワンハンドローイングのやり方
- ベンチに片腕、片膝を付き、脚を開いて身体を安定させる
- 片腕でダンベルを持ち、みぞおちの横に向けて引く
- 息を吐きながら引き、吸いながら下ろす
ワンハンドローイングのポイント
- 胸を張って腰を丸めないようにする
- 脇を開きすぎず、みぞおちの横に引く
2.ダンベルプルオーバー
ダンベルプルオーバーは広背筋の引っ張る力を使ってダンベルを上げ下げするトレーニングです。
特に広背筋の外側から下部に効きやすく、背中の広がりを作るのに有効。
大胸筋や上腕三頭筋にも効く種目なので、背筋の拮抗筋である胸筋も同時に鍛えられる一石二鳥の種目。
肘を閉じると大胸筋が主に使われ、肘を広げると広背筋が主に使われるので、取り組みながら調整してみてください。
ダンベルプルオーバーのやり方
- ベンチに仰向けに寝て両手でダンベルを持つ
- 腕を振り上げるようにダンベルを頭の先に降ろす
- 広背筋を絞りながら胸の上に持ち上げる
- 息を吐きながら上げ、吸いながら下ろす
ダンベルプルオーバーのポイント
- 広背筋に効かせる場合は肘を外側に開く
- 胸に落とすと危険なので、無理のない重量で行う
3.ダンベルデッドリフト
デッドリフトは脊柱起立筋だけでなく、大殿筋やハムストリングスなども一緒に鍛える非常に有効な筋トレ。
バーベルでやることが多いですが、ダンベルデッドリフトの場合は腕の自由度が高いため、背筋で引っ張る力が特に重要になります。
ダンベルの場合は一回ごとに床に付ける必要がなく、膝辺りまで下ろしたら上げるようにしましょう。
ダンベルデッドリフトのやり方
- 両手でダンベルを持ち、腰を丸めないように前かがみになる
- 両足で地面を押すように上半身を起こす
- 息を吸いながら下ろし、吐きながら上げる
ダンベルデッドリフトのポイント
- 息をしっかり吸い込んで腰を丸めない
- 背中の力を抜かず、ダンベルを常に支える
【参考】ダンベルデッドリフトの正しいやり方。鍛えられる部位や回数・重量の設定方法も紹介
4.リアレイズ
リアレイズは僧帽筋の中部から下部を鍛えるトレーニングです。
三角筋後部も一緒に鍛えられるため、立体的な背中を作るのに有効な筋トレ。
扱える重量は軽くなりますが、その分回数を重ねたり丁寧に動かすことで背筋を意識しながら取り組んでみてください!
リアレイズのやり方
- ベンチの上にうつ伏せになり、両手にダンベルを持つ
- 腕を水平に開いてダンベルを持ち上げる
- 息を吐きながら上げ、吸いながら下ろす
リアレイズの注意点
- 僧帽筋に効かせるには、肘を若干曲げて背中に引き寄せる
- 反動をつけて振り上げない
5.ダンベルシュラッグ
ダンベルシュラッグは首から肩に広がる僧帽筋の上部を鍛える筋トレです。
肩の先端を首の方に引き寄せ、「肩をすくめる」動作を繰り返すだけの非常に地味なトレーニング。
地味ではありますが僧帽筋の上部を鍛えるには非常に効果的で、高重量を使うため握力の強化にも繋がります。
ダンベルシュラッグのやり方
- 直立してダンベルを両手に持つ
- 肩をすくめるように持ち上げて3秒キープする
- 息を吐きながら上げ、吸いながら下ろす
ダンベルシュラッグのポイント
- 軽い重量では効かないので重たいダンベルを使う
- 下ろすときも力を抜かず、ゆっくり下ろす
【参考】他にもダンベルを使って背中を鍛えるトレーニングを紹介
自宅で背筋のトレーニングを補助する筋トレグッズ
自宅で背筋を鍛えるには、自重やダンベルだけでなく便利なグッズが沢山あります。
背筋トレーニングにおすすめの自宅用筋トレグッズを2つ紹介しましょう。
1.チンニングスタンド
チンニングスタンドがあれば自宅でも懸垂ができるようになり、広背筋を鍛えるスピードが一気に加速します。
懸垂だけでなく、大胸筋トレーニングのディップスや腹筋トレーニングのハンギングレッグレイズができるようになり、背中以外の上半身の筋トレも可能です。
大きいので場所をとるのが難点ですが、それさえクリアできれば非常に有効な筋トレグッズと言えるでしょう。
【参考】懸垂ができない人向けのできない原因とできるやり方を徹底解説!
2.トレーニングチューブ
トレーニングチューブは間違いなくコスパ最強の自宅用筋トレグッズです。
最大のメリットは安価かつ邪魔にならないこと!
自宅だけでなく出張先に持っていって筋トレすることもできます。
背筋は引っ張るものがないと鍛えられないので、手軽に高強度で引っ張る動作ができるトレーニングチューブは、背筋を鍛えるのに最適。
さらに背筋だけでなく、腕や肩を含む全身のトレーニングが可能です!
【参考】広背筋を鍛える自宅でできるチューブトレーニング6選!
まとめ
背筋を鍛える筋トレメニューについて、まとめて紹介してきました。
自分の目では見えないために気が抜けがちな背筋ですが、身体のカッコよさを高めるには絶対欠かせない部位でもあります。
アスリートはもちろんダイエット目的であっても、背筋をしっかり鍛えて健康的でカッコいいボディを手に入れましょう!