
ラットプルダウンの正しいフォームを解説!鍛えられる部位や重量設定のコツも紹介
背中の広背筋・大円筋を主に鍛える「ラットプルダウン」。
マシンに設置されいるバーを引くことで背中を鍛えるトレーニング種目です。
軽い重量から2.5~5kg単位で調整もできるので、筋トレ初心者の方や体力に自信がない方でも十分追い込むことができます。
この記事では
- ラットプルダウンで鍛えられる筋肉
- 正しいやり方と注意点
- 部位別!ラットプルダウンのバリエーション種目
についてご紹介します。
「厚みのある背中」「スッキリとしたキレイな背中」は筋トレをしなければ手に入りません。
ラットプルダウンをメニューに導入して、理想の背中を手に入れましょう。各種目のコツや注意点も含めて解説していくので、ぜひ参考にしてください。
ラットプルダウンとは
ラットプルダウンはトレーニングマシンで背中を鍛える代表的な筋トレ種目。
バーを掴み、自分のカラダに向けて引き寄せることで背中や肩甲骨周りの筋肉を鍛えます。
カラダのブレをおさえるため、下半身を固定する膝パットがあるので安定性も高く、フォームさえ理解してしまえば筋トレ初心者の方でも効果的に背中を鍛えることができます。
また、ラットプルダウン以外の背中を鍛えるトレーニング種目として「チンニング(懸垂)」「ベントオーバーロウ」などがありますが、筋力や柔軟性が必要なため中上級者向けのトレーニング種目です。
一方、ラットプルダウンは体力に自信がない方やカラダが硬い方でも手軽に取り組めるといったメリットがあります。
ラットプルダウンの効果やメリット
ここでは、ラットプルダウンを行うメリットについて紹介します。
以下を参考にして、ラットプルダウンを行う目的をはっきりさせましょう!
1.ボディライン、シルエットの整ったカラダになる
背中の筋肉は逆三角形の形状をしており、ボディラインの形成において非常に重要な部位です。
メニュー強度しだいで「厚みのある背中」「引き締まった背中」を作ることができます。
背中を広くしたい方や、くびれを作りたい方は、ぜひメニューに取り入れましょう。
2.姿勢が良くなり猫背改善
背中の筋肉は「抗重力筋」と呼ばれており、重力に従って丸くなりやすい背中を矯正してくれる働きがあります。
猫背は肺を圧迫し、呼吸が浅くなることで集中力や睡眠の質を低下させることにも繋がりかねません。
キレイな姿勢を身に着けたい!腰や背中のダルさ・つっぱり感を解消したい方には最適です。
3.肩こり改善
肩甲骨を上下左右斜めに動かすラットプルダウンは、肩周りの血流を大幅に改善してくれます。
特に、首肩の境目あたりが凝りやすい方にはおすすめ。
肩こりがひどくなるにつれて、偏頭痛や疲れやすくなるなど日常生活にも支障をきたすようになります。
デスクワークや長時間同じ姿勢で作業して首肩周りが凝りやすい方は、ぜひ導入してみましょう。
肩こりの改善に効果的なトレーニングは「肩こりを解消する簡単ストレッチ&筋トレ9選!」で紹介しているので参考にしてください。
ラットプルダウンで鍛えられる筋肉部位
ラットプルダウンで鍛えられる筋肉をご紹介します。
ラットプルダウンを行う際は、以下の筋肉を必ず意識しながら行うようにしましょう!
1.広背筋
「広背筋」は、逆三角形やくびれを作るボディラインの形成において非常に重要な筋肉です。
二の腕から腰にかけて付着しており、人体で一番面積が大きな筋肉でもあります。
そのため、小さな筋肉を鍛えるよりも効率的に代謝アップをする効果も期待できます。
広背筋を鍛えるトレーニングについては「広背筋の筋トレメニュー20選」で紹介しているので参考にしてください。
2.大円筋
「大円筋」は二の腕から脇の下に付着しており、モノを持ち上げたり、肘を後ろに引いてモノを引っ張る動作の際に作用する筋肉です。
ラットプルダウンにおいては「広背筋」の補助をする共働筋として働いています。
3.僧帽筋
首から肩(鎖骨や肩甲骨の内側)にかけて付着している大きな筋肉です。
「上部」「中部」「下部」の3パートに分かれており、鎖骨に向けてバーを引くラットプルダウンでは下部、頭の後ろに引くビハインド・ラットプルダウンでは上部を主に鍛えることができます。
僧帽筋を鍛える筋トレについては「僧帽筋の筋トレメニュー」の記事で紹介しているので参考にしてください。
ラットプルダウンのやり方
筋トレは量より質が大切です。
100回の雑な筋トレよりも、10回の正確な筋トレの方がトレーニング効果は遥かに勝ります。
ここからはラットプルダウン正しいやり方と目的別メニュー、注意ポイントを含めを解説していきます。
ラットプルダウンの正しいやり方
- マシンの前に立ち、バーを握る。手幅は肩幅から拳2~3つ分外側の位置にセットする
- バーを握ったら、マシンに座りパッドを膝に当てる
- 背筋を伸ばして、上半身を拳1つ分、後ろに倒す
- 目線は斜め上に向いて、マシンの上端を見る
- 鎖骨に向かって丁寧に引く
- 4の位置までゆっくり腕を伸ばす
ラットプルダウンの注意点
・首を長く、肩甲骨を下げる
肩がすくむと僧帽筋(上部))や腕にばかり効いてしまい、背中に効かせることができません。
・息を吐きながら引く
筋トレにおいて呼吸は重要です。
筋肉が収縮するときに息を吐くので、ラットプルダウンではバーを引く時に息を吐きましょう。
・反動は使わない
反動をつけて引いてしまうと、軌道がぶれたり、腕や肩にも余計な力みが入ってしまいます。
背中へのトレーニング効果が落ちてしまうため、1回1回を丁寧に行ないましょう。
・親指は外して、手のひら全体で握る
親指と人差し指の握りが強くなってしまうと腕に力が入りやすいです。
背中に意識が向きやすいよう親指を外して握ります。トレーニング中、どうしても手のひらが疲れてしまう方は重量を下げましょう。
あるいは「トレーニングストラップ」「パワーグリップ」を利用することをおすすめします。
ラットプルダウンの回数や頻度の目安
目的別にトレーニングメニューを解説します。これからはじめる!筋トレ初心者の方
- 重さ:体重の半分以下の重量
- 回数:10回
- セット数:3
- 休憩時間:60秒
背中をスッキリ!きれいにしたい方
- 重さ:体重の半分〜体重の1/3の重量
- 回数:15~20回
- セット数:3
- 休憩時間:60秒
かっこいい背中を作りたい!厚みを出したい方
- 重さ:体重の半分〜2/3以上の重量
- 回数:8~10回
- セット数:3
- 休憩時間:60秒
- 補足:重さは1セット目で12〜15回できる重量にしましょう。
ラットプルダウンの部位別バリエーション
背中の部位別に通常のラットプルダウンに一工夫加えたトレーニング種目を紹介します。
バリエーション種目によって、効きやすい部位も変わるのでポイントを理解することが重要です。
ご自身のトレーニングメニューに組み込んで、理想の背中を作り上げましょう。
1.リバースグリップ・ラットプルダウン
リバースグリップ・ラットプルダウンでは、広背筋・大円筋・僧帽筋下部を効果的に鍛えることができます。
腕(上腕二頭筋)の関与もあるので、重量が扱いやすいのが特徴です。
リバースグリップ・ラットプルダウンの正しいやり方
- マシンの前に立ち、手幅は肩幅にして、手のひらを体に向けて(逆手にして)バーを握ります
- バーを握ったら、マシンに座りパッドを膝に当てる
- 背筋を伸ばして、上半身を拳1つ分、後ろに倒す
- 目線は斜め上に向いて、マシンの上端を見る
- 鎖骨に向かって丁寧に引く
- 4の位置までゆっくり腕を伸ばす
- 8~10回を目安に3セット行う
リバースグリップ・ラットプルダウンのコツ
- 脇を締めて、肘はまっすぐ後ろに引く
- アゴが上がると肩がすくみやすいので、アゴは常に引く
- 引く位置はみぞおちを向かって引く
2.ワイドグリップ・ラットプルダウン
ワイドグリップ・ラットプルダウンは、広背筋の外側・大円筋を鍛えられるトレーニングです。
手幅が広い分、重い重量が扱いにくいですが、広背筋の外側を鍛えることができるので、逆三角形の広い背中を手に入れてたい方におすすめです!
ワイドグリップ・ラットプルダウンの正しいやり方
- マシンの前に立ち、バーを握る。手幅は肩幅から拳4つ分外側の位置にセットする
- バーを握ったら、マシンに座りパッドを膝に当てる
- 背筋を伸ばして、上半身を拳1つ分、後ろに倒す
- 目線は斜め上に向いて、マシンの上端を見る
- 鎖骨に向かって丁寧に引く
- 4の位置までゆっくり腕を伸ばす
- 8~10回を目安に3セット行う
ワイドグリップ・ラットプルダウンのコツ
- 小指の握りを強くすると効きやすくなる
- バーを引く際は、肘と肘をくっつけるイメージで引く
3.ビハインド・ラットプルダウン
ビハインド・ラットプルダウンは、広背筋・僧帽筋の上部を鍛えるトレーニングです。
逆三角形で厚みのあるボディを目指す方にはおすすめのトレーニングですよ!
ビハインド・ラットプルダウンの正しいやり方
- マシンの前に立ち、バーを握る。手幅は肩幅から拳2~3つ分外側の位置にセットする
- バーを握ったら、マシンに座りパッドを膝に当てる
- 背筋を伸ばして、上半身を拳1つ分、前に倒す
- 目線はやや斜め下を向く
- 後頭部に向かって丁寧に引く
- 4の位置までゆっくり腕を伸ばす
- 8~10回を目安に3セット行う
ビハインド・ラットプルダウンのコツ
- 髪が引っかかりやすいので、髪が長い方はヘアゴムで斜めに結ぶ
- 下を向きすぎると背中が丸まってしまうので、背筋を伸ばすことを忘れないようにする
- 首や肩に力が入りすぎてしまう場合は、重量を下げる
4.チューブ・ラットプルダウン
チューブ・ラットプルダウンは、僧帽筋の中部と下部を効果的に鍛えられるトレーニング。
肩甲骨を内側に寄せる動作取得に最適。肩こりの解消にも効果的ですよ!
チューブ・ラットプルダウンの正しいやり方
- 両手を肩幅に開き、チューブを握る
- 頭上に上げる肘は軽く曲げる
- 外に広げながら首の後ろに引く
- 頭上に上げながら、2の位置に戻す
- 8~10回を目安に3セット行う
チューブ・ラットプルダウンのコツ
- 肩がすくまないように、首を長くして肩を下げる
- 腕の開きに左右差が出ないよう姿見鏡や洗面台の鏡を活用する
- 立ったまま行うと腰に余計な力が入ってしまう方は、イスに座って行うと良い
まとめ
軽い重さから始めることができるラットプルダウンは、初心者でも行いやすいトレーニング種目です。
背中は自宅で行えるトレーニングでもなかなか追い込みきれないため、ジムに行くのであればトレーニングメニューの1つとして導入し、背中のトレーニングを行ないましょう。
大きな筋肉であるがゆえに、見た目の変化も出やすい部位でもあります。
トレーニング後の鏡に映る後ろ姿をチェックして背中の変化を楽しみましょう。