僧帽筋とは
僧帽筋とは背中の一番表層にある筋肉で、首から肩・背中あたりにあります。(筋肉の位置は下図)
僧帽筋には肩甲骨を安定させる役割をはじめ、首や肩関節の動きを補助する役割があります。
また、肩こりの原因になる筋肉であり、負担がかかりやすい筋肉なので、筋トレで鍛えたあとはストレッチでしっかりとほぐすことが大切です。
僧帽筋を鍛える3つのメリット(効果)
僧帽筋の筋トレメニューを見て行く前に、まずは僧帽筋を鍛えることで得られるメリットを紹介します。
僧帽筋は大胸筋などの前側の筋肉と比べて成長を実感しにくいので、鍛えるメリットを理解して筋トレを継続できるようにしましょう!
1.厚くてたくましい背中を作れる
僧帽筋を鍛えることで背中の厚みがまして、たくましいボディラインになります。
さらに、背中の凸凹がくっきりと出るので、上半身裸になった時の筋肉アピールがしやすくなりますよ。
2.姿勢がよくなり肩こりが改善される
肩こりの原因は様々ですが、僧帽筋が衰えることによって肩こりになってしまう人が非常に多いです。
特に、長時間デスクワークをしている場合、僧帽筋が弱りやすいので注意が必要。
僧帽筋を鍛えることで筋肉の衰えを防ぎ、慢性的な肩こりを解消することができます。
また、血行が良くなったり筋肉のコリがほぐれる効果もありますよ。
3.大胸筋を鍛える手助けになる
僧帽筋を鍛える直接のメリットではありませんが、僧帽筋を鍛えることで大胸筋が筋肥大しやすくなります。
というのも、人の体は相対する筋肉でバランスをとろうとする作用があり、胸筋や腹筋などの前側の筋肉を発達させたいのであれば、背中側の筋肉も同じように鍛えた方が効率的なのです。
僧帽筋は目に見えにくいので鍛えた実感を得にくいですが、大胸筋などの前側だけでなく、背中側の筋トレも日々コツコツと継続しましょう。
【参考】大胸筋の筋トレメニュー
ダンベルやマシンを使った僧帽筋の筋トレ6選
まずはダンベル・バーベル・マシンを使った高負荷の僧帽筋筋トレを紹介します。
自重トレーニングと比べて負荷の調整が容易なので、僧帽筋を徹底的に追い込みたい方はダンベルやマシンを活用しましょう。
*ダンベル・マシンを使った筋トレは、コンパウンド種目(多関節運動)とアイソレーション種目(単関節運動)の両方ができるので、効率よく僧帽筋を鍛えることが可能です。
1.ショルダーシュラッグ
僧帽筋をきたえる代表的な筋トレメニュー「ショルダーシュラッグ」。
ピンポイントに僧帽筋を鍛えることができるので、徹底的に僧帽筋を追い込みたい日は必ず取り組みましょう。
また、ダンベルやバーベルの重量を選択することで負荷を容易に変更できるのもショルダーシュラッグのメリットです。
重量選択と可動域を意識して、効果的に僧帽筋を大きくしていきましょう。
ショルダーシュラッグのやり方
- 適切な重量のダンベル・バーベルを持つ
- 肩をまっすぐ上下動させる
- 10回を1セットとして、3セット行う
ショルダーシュラッグのコツ
- 僧帽筋上部を鍛えたい場合は肩をすくめる
- 僧帽筋下部を鍛えたい場合は肩甲骨をよせる
- 可動域を十分に動かせる重量にする
2.アップライトローイング
三角筋と僧帽筋を鍛える「アップライトローイング」。
背筋を伸ばしてしっかりとバーベルを引き上げることで、三角筋と僧帽筋を鍛えることができます。
また、アップライトローイングはダンベルでもできますが、バーベルの方が高重量を扱いやすく、フォームが安定しやすいのでおすすめです。
アップライトローイングの正しいやり方
- 肩幅より少しだけ狭い幅でバーベルを握る
- 太もも・お腹・胸と身体を沿うようにバーベルを真上にあげる
- あごの下まであげたらゆっくりと元に戻す
アップライトローイングのコツ
- 背中を丸めない
- 腰を反らない
- バーベルを真上にあげる
- 三角筋と僧帽筋の2つの筋肉を意識して行う
3.ダンベルローイング
広背筋や僧帽筋を鍛える「ダンベルローイング」。
外旋するか内旋するかで負荷のかかる筋肉が変わるので、鍛えたい部位に合わせて調整しましょう。
また、高重量を扱いやすいですが、高重量にするとフォームが崩れやすいので、常にダンベルローイングのフォームをチェックしながら行いましょう。
ワンハンドダンベルローイングのやり方
- 肩幅に脚を開き、ベンチに片手と片足を乗せる
- ダンベルを持ち、背中を丸めず胸を張る
- 肩をすくめないようにして、ダンベルを脇腹まで引き上げる
- ゆっくりとダンベルをおろす
- 10回を1セットとして、3セット。左右を入れ替えて3セット行う
ワンハンドダンベルローイングの注意点
- ダンベルを真上にあげるのではなく、弧を描くようにあげる
- ダンベルを強く握りすぎて、肩や腰に余計な力が入らないようにする
- 横腹までしっかりとダンベルを引き上げて、広背筋を刺激する
- ダンベルを引くときに息を吐き、降ろすときに息を吸う
- 腕で引かずに広背筋を意識して引くようにする
4.ベントオーバーローイング
僧帽筋をはじめ広背筋や三角筋後部などの背中側をまんべんなく鍛えられる「ベントオーバーローイング」。
僧帽筋へ負荷を加えたい場合は、みぞおちに向かってバーベルを引くのがポイントです。
肩甲骨を内転させてバーを引くことで、僧帽筋をメインで使う筋トレになります。逆に、足の付け根からおへそに向かってバーを引くと、広背筋をメインで鍛える筋トレになります。
また、ベントオーバーローイングは正しいフォームで行わないと腰痛の原因になるので気をつけましょう。
ベントオーバーローイングのやり方
- 肩幅orやや狭い幅で立つ
- 手の位置は足幅よりやや広くする
- 背筋をまっすぐにしたまま、上半身を45度へ倒す
- みぞおちへ向かってバーベルを引く
- ゆっくりとダンベルをおろす
- 10回を1セットとして、3セット。左右を入れ替えて3セット行う
ベントオーバーローイングのコツ
- 膝が前に出ないようにする
- 背中を丸めない(頭から腰までが一直線になるようにする)
- 大臀筋とハムストリングで支えるイメージで行う
- 上半身は45度前後に倒す
5.シーテッドローイング(ロープーリー)
主に広背筋を鍛えるマシントレーニングですが、サブのターゲットとして僧帽筋も鍛えることができる「シーテッドローイング」。
正しいフォームで行えば背中を効率よく筋肥大させることができますよ。
シーテッドローイングのやり方
- マシンに胸を張って座り、バーを握る
- 身体も少し引きながら肩甲骨を寄せてバーを後ろに引く
- 後ろまで引ききったら、ゆっくりと元に戻す
シーテッドローイングのコツ
- 背中を丸めない
- 肩甲骨を寄せることで広背筋を使うことを意識する
6.デッドリフト
筋トレで欠かすことのできない王道種目「デッドリフト」。
僧帽筋をメインに鍛える筋トレではありませんが、背中全体を鍛えることができるのでやっておいて損はありません。
正しいフォームで行わないと鍛えるどころか腰痛になってしまうので、動画と説明書きをしっかりと読み込んでくださいね。
デッドリフトのやり方
- 脛(すね)にバーベルをくっつけ、両手でバーベルを持つ
- 肩甲骨を寄せて、胸を張った状態で構える
- 上半身を真っ直ぐに保ったまま、股関節を伸展させてバーベルを持ち上げる
- しっかりと最後まで伸展させたら、ゆっくりとバーベルを下ろす
- 10回を1セットとして、3セット行う
デッドリフトのコツ
- 肩に力が入らないようにする
- 膝が前に出ないように気をつける
- 呼吸を止めない
器具なし自重でできる僧帽筋の筋トレ4選
ここからは自重でできる僧帽筋の筋トレを4つ紹介します。
ダンベルやマシン筋トレと組み合わせることで、僧帽筋を限界まで追い込むことができますよ。
*僧帽筋の自重トレはコンパウンド種目(多関節運動)になるので、ピンポイントで僧帽筋だけを鍛えられません。ただし、1つ1つのトレーニングを正しく行うことで僧帽筋に効果的に効かせることが可能です。
1.懸垂(チンニング)
僧帽筋や広背筋などの背中を効果的に鍛えられる「懸垂」。
自重トレの中ではもっとも負荷が大きく、背中を鍛えるトレーニングとして欠かせないメニューです。
手の幅を調整することで、メインで鍛える筋肉を変えることができるので、手の幅を調整しながら懸垂を行ってくださいね。
懸垂のやり方
- 肩幅よりやや広めにバーを握る
- 背筋をまっすぐ伸ばし、身体を少し浮かせる
- 息を吐きながら素早く身体を引き上げる
- 息を吸いながらゆっくりと身体を戻す
懸垂のコツ
- 小指側に力を入れる
- 肘を腰につけるイメージで引き上げる
- 胸を張ってまっすぐ上下動する
- 腕の力で身体を引き上げない
- 慣れてきたら手の握る幅を変えて行う
- 懸垂ができない場合は「斜め懸垂」から始める
2.デクラインプッシュアップ
角度をつけた腕立て伏せで僧帽筋と胸筋上部を鍛える「デクラインプッシュアップ」。
自宅で行う場合は椅子を使って、ジムで行う場合はトレーニングベンチを使いましょう。
また、肩の真下に手をつくのではなく、脇が45度になるように斜め下に手をつくのがポイントです。
デクラインプッシュアップのやり方
- 足を地面よりも高い場所に乗せ、両手を肩幅に広げて地面につく
- 身体をまっすぐの状態に保ち、肘を曲げて、身体を地面に近づける
- 地面ギリギリまで下げたら、元の状態まで戻る
デクラインプッシュアップのコツ
- 脇が45度になるように手をつく
- 僧帽筋と胸筋上部の筋肉を使うイメージで行う
3.ヒンズープッシュアップ
体全体を大きく動かすことで胸筋や僧帽筋を鍛える「ヒンズープッシュアップ」。
僧帽筋をメインで鍛えるトレーニングではありませんが、正しいフォームで行えば僧帽筋にも負荷を加えることができます。
ヒンズープッシュアップのやり方
- うつ伏せにねる
- 肩幅から拳一つ分程離したところに手をおく
- つま先を立てて、両手とつま先で体を支える、この時頭からお尻までが一直線になるようにする
- お尻の位置が一番高くなるように、腰をあげ、膝を伸ばしたまま足を近づける
- 体全体を床に近づけるようにして、少し体を前に移動させながら、体をおろす
- 円を描くようにして5の姿勢にもどる
ヒンズープッシュアップのコツ
- 肘を曲げて体を下げるのではなく体全体を床に近づけるイメージ
- 身体を上げたときはお尻が一番高くなるようにする
4.ラットプレス
僧帽筋を集中的に鍛える自重トレの「ラットプレス」。
腕を使うのではなく僧帽筋で頭を持ち上げるのがポイントです。
ラットプレスのやり方
- 仰向けに寝る
- 手を真横〜やや下につく
- 肘を支点にして、頭を持ち上げる(手は浮かせる)
- 地面に頭がつかないように下げる
ラットプレスのコツ
- 持ち上げた時に1〜2秒静止する
- 腕や腹筋ではなく僧帽筋を使う
まとめ
僧帽筋を鍛えるメリットをはじめ、ダンベル・バーベル・マシン・自重で行う僧帽筋の筋トレメニューを紹介しました。
鍛えている効果を実感しにくい僧帽筋ですが、厚い背中を作るために欠かせないので日々コツコツとトレーニングを継続しましょう!
また、僧帽筋と合わせて脊柱起立筋や広背筋などの背中を鍛えて逆三角形のボディを目指しましょう。