バーベルを使ったデッドリフトとダンベルデッドリフトの違い
冒頭でも紹介したように、ダンベルデッドリフトと似た種目にデッドリフトがあります。
まずは、2つのトレーニングの違いを理解してトレーニングの目的に合わせて使い分けられるようになりましょう。
具体的な違いとしては以下の2つが上げられます。
- 可動域の広さ
- 扱える重量の重さ
バーベルを使った通常のデッドリフトは、可動域は狭いですが、重い重量を扱えるので高負荷なトレーニングが可能。
力のMAX値を上げたい場合は、バーベルを使ったデッドリフトを行うのがおすすめです。
一方で、ダンベルデッドリフトは重い重量を扱うことはできませんが、可動域を広く使ってトレーニングを行うことができます。
広背筋を大きく使って筋肉のサイズアップを目指す場合は、ダンベルデッドリフトを行うのが有効です。
自分の目的に合わせてトレーニングを使い分けてくださいね!
ダンベルデッドリフトで鍛えられる4つの筋肉
ダンベルデッドリフトでは背筋から下半身にかけて、多くの筋肉を鍛えることができます。
ただ漠然と鍛えるのではなく、動かしている筋肉を意識することでトレーニングの効果を最大限に引き出せます。
鍛えている筋肉を意識しながらトレーニングできるように、ダンベルデッドリフトで鍛えられる4つの筋肉を理解しておきましょう。
1.広背筋
広背筋は脇の後ろから背中側まで広がっている筋肉。
本来は体幹部の筋肉に属しますが、肩を動かす動作の中で重要な役割を担っています。
また、懸垂などの腕を伸ばした状態から身体に引き付ける動作の時によく使われます。
広背筋を鍛えることで、逆三角形のボディラインを作ることが可能。
逆三角形の背中を作り上げたい方は、ダンベルデットリフトで広背筋を鍛えましょう。
広背筋を集中的に鍛えるトレーニングを知りたい方は、「広背筋の筋トレメニュー20選」で紹介しているので参考にしてください。
2.脊柱起立筋
脊柱起立筋は、背中にある筋肉の中で最も長く大きな筋肉。
体幹部を横や後ろに曲げる時に使われる筋肉で、姿勢を安定させたり、かがんだ状態から上体を起こしたりする時によく使われます。
脊柱起立筋は日常生活の中で頻繁に使われており、筋肉として持久力が求められる筋肉です。
脊柱起立筋の筋肉の構造や鍛え方について知りたい方は「脊柱起立筋を鍛える筋トレ」で詳しく解説しているので参考にしてください。
3.大臀筋
大臀筋はお尻の筋肉のことで、人間の身体の中で一番大きな筋肉。
大臀筋とハムストリングは繋がっており、主に股関節を伸展させたり外旋させたりするときに使われます。
歩くときにはあまり使われない筋肉ですが、走る時やジャンプするときに必要となるので、運動能力の向上を目指す方は積極的に鍛えたい筋肉です。
また、大きな筋肉なので、鍛えることで基礎代謝の向上にも繋がりますよ!
大臀筋を集中的に鍛えたい方は「大臀筋を鍛える最強の筋トレ」で紹介しているので参考にしてください。
4.ハムストリング
ハムストリングはももの裏側に位置する筋肉。
股関節の伸展や屈曲などの作用があります。
ハムストリングは主にダッシュをする時に使われる筋肉で、鍛えることで走力アップなどの効果を期待できます。
なお、ハムストリングは怪我をしやすい筋肉でもあるので、ダンベルデッドリフトで鍛えた後はしっかりとストレッチをしてあげましょう。
ストレッチ方法については「ハムストリングを柔らかくするストレッチ」で紹介しているので参考にしてくださいね。
また、ハムストリングを集中的に鍛える方法は「ハムストリングを鍛える筋トレ15選」の記事で紹介しています。
ダンベルデッドリフトの基本的なやり方
ダンベルデッドリフトには応用的なトレーニングメニューもありますが、まずは基本的なダンベルデッドリフトのやり方を紹介します。
間違った方法でトレーニングを行うと腰痛の原因となってしまうので、まずはしっかりと正しいやり方を身につけましょう。
ダンベルデッドリフトの正しいやり方
- 両手にダンベルを持ち、足を肩幅に広げる
- 背中を丸めないようにして、前傾姿勢をつくる
- ハムストリングの緊張を感じながら、上体を起こす
- 上体を起こしながら、広背筋を寄せる
- 15回を1セットとして、3セット行う
ダンベルデッドリフトのコツ
- 背筋はまっすぐ伸ばす
- 肩甲骨を寄せて、肩には力を入れない
- 股関節から曲げるようにして動作を行う
- ダンベルは強く握り過ぎずに、身体の裏側の筋肉で上体を起こす
- 広背筋が緩まないように、しっかりとキープする
- 急にダンベルの重量を上げない
ダンベルデッドリフトの回数と重量の設定方法
以下ではレベルに合わせて最適な回数と重量の設定方法を紹介します。
・初心者の方はまず15回を目安に
筋トレ初心者の人は、15回で限界がくるくらいの回数設定が最適です。
トレーニングをしたことがない人が、いきなり高負荷なトレーニングをしてしまうと筋肉を傷めてしまいます。
特にダンベルデッドリフトでは、腰に負担がかかるのでぎっくり腰になる可能性も。
トレーニングを長く続けて筋肉を大きくするためにも、最初に無理をしない程度の負荷にしておきましょう。
・高負荷トレーニングの場合は8回
筋トレに慣れてきたら、徐々に重量を上げていきましょう。
8回で限界が来るくらいの重量設定にすると効率的に筋肥大に効果的です。
低負荷なトレーニングを繰り返しているだけでは、筋肉は大きくなりません。
ダンベルデッドリフトであれば、ダンベルなどの重りを足して、徐々に負荷を加えていきましょう。
ダンベルデッドリフトの注意点
ダンベルデッドリフトは腰に大きな負荷がかかるトレーニング。
やり方や重量設定を間違えると腰を痛める可能性があります。
ダンベルデッドリフトでケガをしないために、ダンベルデッドリフトで注意すべき2つの点について紹介します。
1.上半身をまっすぐキープする
トレーニングの説明のところでも繰り返し説明しましたが、背中を丸めるのはデッドリフトにおいて一番やってはいけないことです。
かといって、背中ををそり過ぎるのも良くありません。
上半身はまっすぐキープして、上下左右にブレないように気をつけましょう。
2.ダンベルを身体から遠ざけない
ダンベルデッドリフトを行う時は、ダンベルが身体スレスレを通るようにしてください。
これは上半身をまっすぐキープすることにも繋がってきますが、ダンベルを身体の遠くにしてしまうと、腰に大きな負担がかかります。
お尻を引くようにして、股関節を曲げるのがポイントです。膝がつま先よりも前に出ないことを1つの基準にしてください。
どうしても膝が前に出てしまったり、重心が身体の後ろになってしまったりする人は、もっと股関節を曲げてお尻を引きましょう。
お尻を引いて、股関節を曲げることを「ヒップヒンジ」と言います。
これはスクワットなどのトレーニングだけでなく、アスリートのパフォーマンス発揮にも関係しています。
ヒップヒンジが苦手な人は、下の動画を参考にしてみてください。
ダンベルデッドリフトの種類
ここでは、ダンベルデッドリフトのバリエーションを紹介します。
筋肉は色々な動作を行うと効率的に鍛えられるので、下の2つのダンベルデッドリフトのメニューをぜひ試してみてください。
1.ルーマニアンダンベルデッドリフト
ルーマニアンダンベルデッドリフトは、普通のダンベルデッドリフトと比べて膝をあまり曲げすに膝の3~6cm下あたりまでにダンベルを下ろして行います。
背筋・脊柱起立筋・大臀筋を集中的に鍛えることができるメニューです。
ルーマニアンダンベルデッドリフトの名前の由来は、ルーマニア国籍の重量上げの選手が自分の腰のリハビリトレーニングとして行ったことから名づけられたと言われています。
ルーマニアンダンベルデッドリフトのやり方
- ダンベルを両手に持ち、足を肩幅より狭いくらいに広げる
- 前屈をするようにして、身体を前に倒す
- 膝は少し曲げる程度にし、ダンベルが膝よりも下くらいまで倒す
- 身体の後ろ側の筋肉を意識しながら、ゆっくりと元に戻す
- 15回を1セットとして、3セット行う
ルーマニアンダンベルデッドリフトのコツ
- 上体はまっすぐに保ち、股関節から曲げる
- ダンベルは身体から遠ざけない
2.スモウダンベルデッドリフト
スモウダンベルデッドリフトは、別名ワイドスタンスダンベルデッドリフトと呼ばれています。
普段のデッドリフトよりも足幅を広くして行うトレーニングで、大腿四頭筋や太もも内側の筋肉も同時に鍛えらえるトレーニングです。
スモウダンベルデッドリフトのやり方
- 足を肩幅の1.5倍程度に開き、両手にダンベルを持って構える
- ダンベルは足の内側になるように構え、上体を前に倒していく
- グラグラしないようにバランスを取りながら、背中側の筋肉を意識して上体を起こす
- 15回を1セットとして、3セット行う
スモウダンベルデッドリフトのコツ
- 膝が内側に入らないようにする
- 背中が丸くならないようにする
3.ケトルベルを使ったデッドリフト
ケトルベルとは、重りに取っ手がついたダンベルのことです。
ケトルベルを使えば、デッドリフトがやりやすいのでぜひ参考にしてみてください。
ケトルベルを使ったデッドリフトの正しいやり方
- 足を肩幅に開き、胸を張る
- 腰を落として、ケトルベルを両腕で握る
- 背中側の筋肉を収縮させて、ケトルベルを持ち上げる
- 上半身をまっすぐに保ちながら、ゆっくりと元の状態に戻る
- 10回を1セットとして、3セット行う
ケトルベルを使ったデッドリフトのコツ
- 胸を張ったまま行う
- ケトルベルを自分の重心の下に置く
まとめ
ダンベルデッドリフトの基本的なやり方や注意点を紹介しました。
さらに鍛えていきたいという人は、3つの応用種目にチャレンジしてみてください。
初心者の方はダンベルデッドリフトで腰を痛めてしまうことが多いので、正しいフォームで行い、適切な重量でトレーニングをしましょう。
自分の理想のスタイルに近づけるように頑張ってください!