斜め懸垂を行う3つのメリット
斜め懸垂とは、床に足を付けたまま体を斜めにして上体を引き上げる筋トレのこと。
- 懸垂が1回もできない
- 中高生で負荷の高い筋トレは避けたい
という方は、斜め懸垂から取り組みましょう。
・斜め懸垂の3つのメリット
1.筋トレ初心者でも無理なく取り組める
斜め懸垂は負荷が低いので、筋肉があまりついていない筋トレ初心者でも取り組むことができます。
また、負荷が低く怪我の心配が少ないというのも大きなメリットです。
なお、懸垂がまだできないという方は「懸垂ができない初心者向けに正しいやり方を解説」で懸垂ができるようになる方法を解説しているので参考にしてください。
2.ジム以外でもできる場所がたくさんある
斜め懸垂はジム以外でも以外と簡単に行えるのがメリットです。
例えば、
- 公園の鉄棒
- 手すり
- タイヤ遊具
などを活用すれば斜め懸垂ができます。
また、自宅では机を使って斜め懸垂を行うこともできます。
3.背中の大きな筋肉を鍛えることで代謝もアップ
斜め懸垂は背中の大きな筋肉の「広背筋と僧帽筋」を鍛えられるので、基礎代謝をあげる効果もあります。
基礎代謝が上がれば、痩せやすく・太りにくい理想の体になれますよ。
斜め懸垂で鍛えられる筋肉
具体的なやり方を見て行く前に、斜め懸垂で鍛えられる筋肉について解説します。
鍛えられる筋肉を意識することで、筋トレの効率をあげることができますよ。
広背筋
広背筋は、背中の下部から脇の下まで広がっている筋肉で、体の中でもかない大きな筋肉です。
斜め懸垂を行なって広背筋を鍛えることで、背中が分厚くなり一気に迫力が増します。逆三角形のかっこいい上半身を目指したいという方は、広背筋を鍛えることが必須ですよ。
また、非常に大きな筋肉なので、鍛えることで基礎代謝を高める効果もあります。広背筋を鍛えることで痩せやすい体になるので、ダイエットにも効果的です。
僧帽筋
僧帽筋は、首から背中の上部までを覆っている筋肉で、背中の動きから腕の動きまで幅広い動作に関与しています。
斜め懸垂を行うときの手の幅を調整することで、効率よく僧帽筋を鍛えることができます。
また、僧帽筋を鍛えることで、背中に厚みを出すことができるのはもちろんのこと、40肩や50肩というような肩周りの不調を改善する効果があります。
上腕二頭筋
上腕二頭筋は、肩関節から肘関節にかけて上腕部分を覆っている筋肉で、主に肘を曲げる運動にかかわっています。
斜め懸垂で鍛えるメインの筋肉ではありませんが、体を引き寄せる動作のときに上腕二頭筋も鍛えられます。
上腕二頭筋を鍛えることで、男らしい体の象徴ともいえる大きな力こぶを付けることができますよ。
【参考】上腕二頭筋を鍛える筋トレメニュー
【参考】腕を太くする筋トレメニュー
斜め懸垂の正しいやり方とコツ
ここからは斜め懸垂の正しいやり方を紹介します。
正しいフォームや注意点を抑えて効率よくトレーニングを行いましょう。
まずは以下の動画をご覧ください。
斜め懸垂の正しいフォーム
- バーの前に立つ
- 腕は肩幅より少し広めに開き、肘を少し曲げてバーを掴む
- 脚を前にずらしていき、腕を伸ばして体を落とし、顔は上を向く
- 体をまっすぐに保ち、床からの角度は20~45度とする
- つま先を上げて、かかとは床につく
- 広背筋を意識して体をバーに引き寄せる
- 腕を伸ばして体を降ろす
- 10回を1セットして、3セット行う
斜め懸垂のコツ
- 床から体の角度は45度以下
- 広背筋を意識してトレーニングを行う
斜め懸垂の効果を高める3つのコツ
正しいフォームを理解したところで、ここからはさらに効果を高めるコツを3つ紹介します。
・斜め懸垂の効果を高める3つのコツ
①体をまっすぐに保つ
お尻が下がると、肩甲骨への負荷が減ってしまい斜め懸垂の効果が下がります。
また、膝を曲げて行うと、足の力を使ってしまい斜め懸垂の効果が下がります。
体を真っすぐにして斜め懸垂を行い、肩甲骨への負荷を高めましょう。
②肩をすくめない
斜め懸垂に取り組む際には、「肩を落とし、肩甲骨を引下げて」トレーニングを行いましょう。
どうしても肩に力が入ってしまうという方は、グリップの幅を普段より広めにとると、背中に負荷がかかりやすくなりますよ。
③肩甲骨を意識する
肩甲骨を意識して斜め懸垂に取り組むのが重要なポイントです。
腕を伸ばした状態では、肩甲骨が開くのを意識しましょう。
引き上げたときには、肩甲骨が閉じるのを意識しましょう。
斜め懸垂の8つのバリエーション
斜め懸垂の様々なバリエーションを紹介します。
同じトレーニングを繰り返すよりも、様々なトレーニングに取り組む方が筋トレの効率が高いですよ。
1.机を利用した斜め懸垂
自宅で斜め懸垂をしたい方におすすめなのが机を利用したやり方です。
以下の動画のように、机を利用して斜め懸垂をしましょう。
やり方
- 机の下に潜り、仰向けになる
- 背筋を伸ばし体は一直線に、机のふちをつかむ
- 踵をつけたまま、肘を曲げて体を引き上げる
- 腕を伸ばして元の位置に戻る
- 6~12回を1セットとして、3セット行う
コツ
- 体を引き上げるときは、膝を折らず、背筋を真っすぐにする
- 腕の力に頼らず、広背筋を意識して寄せるようにして引き上げる
- 上げ切った時に1秒静止、降ろす時も、ドスンと降ろさず2~3秒かけてゆっくりと降ろすと効率よく鍛えることができる
2.タオルを利用した斜め懸垂
ドアにタオルやシーツなどを挟んで行う方法です。
角度の調節を付けやすいので女性や筋トレ初心者におすすめです。
やり方
- ドアにタオルを挟んで閉じる
- ドアが不用意に開かないように踵をドアに付け、体をまっすぐにしてタオルをつかむ
- からだを引き寄せられる角度になるようタオルをつかむ位置を調整する
- 肘を曲げて体をひきよせる
- 肘を伸ばしながらゆっくり元の位置に戻る
- 動作を繰り返し行う
コツ
- 体を真っすぐにしてトレーニングを行う
- 引き寄せるときに広背筋を意識する
3.スミスマシンを使った斜め懸垂
ジムで斜め懸垂を行う場合は、スミスマシンを使用しましょう。
通常の懸垂を行った後に、広背筋を追い込むための種目としてもおすすめですよ。
やり方
- 体を倒したときの床からの角度が20~45度になるようにバーをセット
- 両腕は肩幅より広めに開き、バーを握る
- 上体を真っすぐにして踵をつきバーにぶら下がる
- 肘を曲げて、胸をバーに近づけ引き寄せる
- 元の位置に戻る
- 10~12回を1セットとして、3セット行う
4.チンニングスタンドを使った斜め懸垂
スミスマシンを使った斜め懸垂とほとんど同じですが、懸垂用のチンニングスタンドを使っても斜め懸垂を行うことができます。
基本的なやり方はスミスマシンのところで説明したものと同様です。
5.脚上げ斜め懸垂
今までに紹介した斜め懸垂を30回連続して行えるようになったら、負荷を高めた斜め懸垂に取り組みましょう。
台などを利用して体を床に水平にした状態から斜め懸垂を行います。可動域が広がる分、負荷が高まります。
6.パラレル斜め懸垂
両手が向かいあった状態で行う斜め懸垂です。
首から背中に向かって広がる「僧帽筋」がより鍛えられるトレーニングです。
7.逆手斜め懸垂
順手で行う斜め懸垂よりも、上腕二頭筋への負荷が高まります。
背中を引き締めるだけでなく、力こぶを大きくする効果もあります。
8.片手斜め懸垂
両手で行う斜め懸垂に比べ、片手に負荷が2倍以上かかるので、効果は絶大ですが怪我のリスクが増えるトレーニングです。
両手で30回以上の斜め懸垂ができるようになったら、まずは両手で引き上げ、片手で降ろすという練習をしましょう。
これができるようになったら片手の斜め懸垂を試してみましょう。
十分な反復練習と握力の筋トレも合わせて行うことをおすすめします。(参考:握力を鍛えるトレーニング方法)
斜め懸垂が十分な回数できるようになったら、懸垂にチャレンジしましょう。以下で懸垂のための補助アイテムをまとめているので参考にしてください。
まとめ
筋トレ初心者でも手軽に始められる斜め懸垂のやり方をはじめ、負荷を増やした斜め懸垂の色々なバリエーションを紹介しました。
ジムや自宅などで気軽に行える斜め懸垂を活用して、背中や腕の筋肉をしっかり鍛えてくださいね。
斜め懸垂で男らしくて逞しい背中を手に入れましょう!