
デッドリフトの正しいやり方。効果を高めるポイントや怪我をしない注意点も解説
筋トレBIG3の一角であるデッドリフトの正しいやり方や注意点について解説します。
デッドリフトは全身の筋肉を一度に鍛えることのできる、非常に効率的かつ実用的な筋力トレーニングです。
この記事では、
- デッドリフトをやるメリット
- デッドリフトで鍛えられる筋肉
- デッドリフトの正しいやり方と注意点
- デッドリフトのバリエーション
デッドリフトで得られる5つの効果・メリット
デッドリフトは非常にキツい分、効果の高い筋トレです。
メリットを挙げればキリがありませんが、ここでは次の5つに分けてデッドリフトのメリットを紹介します!
1.4つの筋肉を一度に鍛えられる
デッドリフトはほとんど全身の筋肉をすべて使う筋トレといっても過言ではありませんが、中でも4つの大きな筋肉を一度に鍛えられます。
- 背中全体の脊柱起立筋
- お尻の大殿筋
- 太もも裏側のハムストリングス
- バーベルを支える腕の筋肉
特に腕以外の筋肉は姿勢を保持する抗重力筋であり、正しい姿勢を保って身体をコントロールする力が身につきます。
デッドリフトで筋肉量を増やせば代謝もアップし、そもそも大きな筋肉を複数使うデッドリフト自体が消費カロリーの多い運動なので、ダイエットにも有効な筋トレです。
2.スポーツ時のパフォーマンスが上がる
デッドリフトで鍛えられる身体の裏側の筋肉は、「アクセル筋」とも呼ばれ、ジャンプ力やダッシュの加速力などに重要な筋肉です。
短距離走の選手は目に見えて大殿筋とハムストリングスが発達しており、基礎的なトレーニングとしてデッドリフトは欠かさずやっています。
さらに脊柱起立筋をはじめとした体幹の筋肉は、身体の軸を安定させるために重要であり、ラグビーやサッカーなどのコンタクトスポーツで活きてきます。
3.バランス良くかっこいい体型になる
デッドリフトは背中の広背筋とお尻の筋肉である大殿筋が同時に鍛えられるので、全身がバランスよくかっこいい体型になります。
背中は大きく広がり逆三角形の形になり、お尻はピンと上を向いた美しい形になります。
背筋が伸びて姿勢も良くなり、お尻が上がって全体的にスタイルがよくなっていくので男女共におすすめです。
4.美容・健康効果が高い
デッドリフトは全身の大きな筋肉を一気に使うため、ホルモンの分泌量も多いのが特徴です。
特に重要なのが成長ホルモンで、デッドリフトでは大量の成長ホルモンが分泌され、肌の若返りや老化防止にも効果があります。
またデッドリフトではアドレナリンも分泌され、精神を高ぶらせてマイナス思考を打ち消す作用があります。
実際にうつ病の治療にデッドリフトを取り入れている医院もあり、精神的な成長も期待できるのがデッドリフトです!(参照:心と筋肉をつなげるメンター 稲垣琢己)
5.他の筋トレメニューもレベルアップする
デッドリフトは全身の筋肉を一気に鍛えられるため、他の筋トレの補強トレーニングとしても有効です。
バーベルを保持して立ち上がるだけでも、全身のあらゆる筋肉がバランス保持のために動員されます。
手っ取り早く筋肉量を増やすのであれば、スクワットと並んで最も有効なトレーニングです。
体幹を安定させる小さな筋肉が鍛えられると、ベンチプレスやショルダープレスなどの種目も重量がアップするため、デッドリフトは全ての筋トレの基本ともいえる種目です。
デッドリフトで鍛えられる筋肉
デッドリフトで鍛えられる主な筋肉について、主要な筋肉の働きを解説します。
デッドリフトの主働筋のうち、特に重要なのは次の4つです。
1.背筋全体
背中は多くの筋肉が複雑に重なり合っていますが、特に大きいのは以下の3つの筋肉です。
- 脊柱起立筋
- 広背筋
- 僧帽筋
これらの筋肉は背骨を支えて姿勢を安定させる働きをしており、デッドリフトでは背中が丸まらないように総動員されます。
体幹の安定、正しい姿勢を保つためには欠かせない筋肉ですね。
【参考】脊柱起立筋を鍛える筋トレまとめ
【参考】広背筋を鍛える筋トレまとめ
【参考】僧帽筋を鍛える筋トレまとめ
2.ハムストリングス
太もも裏側の筋肉は総称して「ハムストリングス」と呼ばれており、以下の3つの筋肉で構成されています。
- 大腿二頭筋
- 半腱様筋
- 半膜様筋
主に膝関節の屈曲と股関節の伸展をするときに働きます。
デッドリフトでは股関節を伸ばしてバーベルを持ち上げる際の主動筋となり、最も強烈に鍛えられる部位です。
地面を蹴り上げて駆け出す際の主働筋となるため、アスリートには不可欠な筋肉ですね。
3.お尻の筋肉
お尻の筋肉は人体で最も大きい筋肉であり、最も大きな力を出せる筋肉です。
そんなお尻の筋肉は以下の2つの筋肉で構成されています。
- 大殿筋
- 中殿筋
デッドリフトでは股関節を伸展する際の主動筋となるのが大臀筋で、立ち上がるまでのバランス保持にも中殿筋が働きます。
ここを鍛えることで、
- 筋肉量を増やして基礎代謝のアップ
- ヒップアップで見た目を美しくなる
- ジャンプ力アップや脚の速さの向上
などのメリットがあり、様々な人にとって鍛えるべき筋肉です。
【参考】大臀筋を鍛える筋トレまとめ
4.腕の筋肉
デッドリフトで使われる腕の筋肉は、
- 前腕筋
- 上腕二頭筋
- 指屈筋
などで、主に肘関節の屈曲や握力に関わる筋肉を使っています。
デッドリフトでは腕は常に伸ばしたままなので、肘関節が外れないよう上腕二頭筋が緊張して支えています。
さらに高重量のバーベルを保持するため、握力にも非常に大きな負荷がかかっています。
これらの負荷に耐えることで、迫力ある太い前腕が作られるのです。
負荷が大きくて握力が続かなくなる人は、リストラップを使いましょう。
【参考】トレーニング効率を高めるリストラップおすすめ10選!
デッドリフトの正しいやり方
デッドリフトの正しいやり方、フォームについて解説します。
デッドリフトは特にフォームが難しい筋トレと言われていますが、軽い重量で練習すれば安全に正しいフォームが習得できます。
動画を参考に、デッドリフトの正しいやり方を確認しましょう!
1.デッドリフトの正しいやり方
- バーベルの下に足を置いて立つ
- 肩がバーベルの真上に来るようにしゃがむ
- 両腕でしっかりバーベルをもち、足で地面を押し込むように持ち上げる
- 膝まで持ち上がったら股関節を伸展させて立ち上がる
2.重量・セット数・休憩時間の目安
デッドリフトの重量・セットの組み方を目的別に解説します。以下で出てくるRMとはその回数が限界の重量です。
「10RM」なら10回できるのがギリギリの重量に設定するという意味で使っています。
- 重量:15RM
- セット数:3セット
- 休憩時間:2分
- 重量:10RM
- セット数:5セット
- 休憩時間:1分
- 重量:5RM
- セット数:5セット
- 休憩時間:3分
3.効果を高めるポイント
- 背中に重量を乗せるイメージを持つ
- 立ち上がる際にお尻を前に突き出す
- 頻度は週に1~2回で十分
デッドリフトの注意点
デッドリフトは特に腰を痛めやすい筋トレなので、安全にデッドリフトを行うために以下の4つの注意点は必ず守って下さい。
1.背中は絶対に丸めない
デッドリフトではお尻が力点、腰が支点、腕が作用点となり、てこの原理でバーベルを持ち上げます。
この時背中の力が抜けて丸まってしまうと、そこに力が集中して怪我の原因となります。
背中の筋肉を総動員して引き締め、絶対に丸まらないようにしましょう。
2.重量は無理をして上げない
デッドリフトでは正しいフォームの習得が何より大事なので、初心者のうちはごく軽い重量で練習をしましょう。
その後は重量を上げていきますが、ここでも無理はしないこと。
重すぎてフォームが崩れるようなら重量を下げたほうがよく、腰痛にならないように注意しましょう。
3.バーはすねに沿って動かす
デッドリフトではすねから身体のラインに沿わせるようにバーベルを持ち上げていきましょう。
バーベルを動かす距離は最小限にした方が身体への負担は小さくなるためです。
バーがすねから前方に大きくでると腰に負担がかかるため怪我の原因となります。
また、このときすねを擦りむきやすいので、長ズボンやタイツを履くのがおすすめです。
4.体幹に力を入れて腹圧を高める
デッドリフトで背中を丸めないためには、背中の筋肉だけでなく腹圧も利用します。
挙上する直前に思い切り息を吸い込み、お腹にためた空気の圧力を筋肉の補助として使いましょう。
さらに高重量に挑戦する場合は、パワーベルトでお腹を締めあげて腹圧を高めることもできます。
ただし血圧が上がるため、血管に不安のある方は絶対に使わないで下さい。
【参考】トレーニングベルトのおすすめ10選!失敗しない選び方や効果も解説
デッドリフトのバリエーション
筋トレの王道種目であるデッドリフトには、様々なバリエーションがあります。
以下では、デッドリフトの主要なバリエーション4種目を紹介しますので、関連記事と合わせてご覧ください。
1.ハーフデッドリフト
ハーフデッドリフトはバーベルを床から引くのではなく、膝の高さから引くデッドリフトです。
可動域が狭くなる分重量を上げやすく、背中を強く鍛えるには効果的な種目です。
バーベルを置く台を利用したり、パワーラックのセーフティーバーを膝の高さに設定するのが定番のやり方です。
【参考】ハーフデッドリフトがおすすめな4つの理由。正しいやり方や鍛えられる部位・重量設定のコツも紹介2.スミスマシンデッドリフト
スミスマシンデッドリフトは、その名の通りスミスマシンを利用するデッドリフトです。
バーベルの軌道が安定するため体幹への負荷が小さくなり、大殿筋やハムストリングスに集中できるトレーニングです。
全身の筋肉量を増やす目的ではなく、狙った部位を集中して鍛えるのに適した上級者向けのデッドリフトですね。
【参考】スミスマシンデッドリフトの正しいやり方!広背筋に効かせる4つのポイント3.ルーマニアンデッドリフト
ルーマニアンデッドリフトは、膝を曲げずに行うハーフデッドリフトです。
膝をやや曲げた状態で固定し、ハムストリングスと大殿筋の力だけでバーベルを挙上するのが特徴。
重量は下がりますが、ハムストリングスを集中的に鍛えたい際には適した種目です。
【参考】ルーマニアンデッドリフトの正しいやり方!重量や回数設定の方法や鍛えられる部位を紹介4.ダンベルデッドリフト
ダンベルデッドリフトは、文字通りダンベルで行うデッドリフトです。
ダンベルはバーベルよりも不安定なため、背中や腕に対する負荷が大きくなるのが特徴。
さらにバーベルと違ってトップポジションで背中を引き寄せやすいので、広背筋や僧帽筋を強く鍛えたい場合には適した種目です。
【参考】ダンベルデッドリフトの正しいやり方。鍛えられる部位や回数・重量の設定方法も紹介まとめ
デッドリフトのやり方やバリエーションについて、まとめて紹介してきました。
デッドリフトはBIG3の一つに数えられ、初心者が筋肉量を増やすにはもってこいのトレーニングです。
まずはデッドリフトをやり込んで、美しい立ち姿と確かな筋力を手に入れましょう!