カッコいい上半身を作るのに不可欠な「胸筋上部の鍛え方」について解説します。
大胸筋は上部・中部・下部の3つのブロックに分かれており、ある程度発達してきたらそれぞれの部位を狙ったトレーニングをした方が効率よく筋肉をつけることができます。
そこでこの記事では、
- 大胸筋の構造
- 大胸筋の上部を集中して鍛えるメリット
- 自重のみで大胸筋上部を鍛える筋トレメニュー
- ジムで大胸筋上部を鍛える筋トレメニュー
この記事を書いた人
林ケイスケ
uFit代表トレーナー
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大胸筋の構造|胸筋上部とは?
そもそも大胸筋とは鎖骨から胸骨にかけての広がりをスタートとし、上腕骨の一点にまとまって扇状の形をしている筋肉です。
大胸筋は上部・中部・下部の3つのブロックに分かれていて、それぞれが独立して発達しています。なかでも上部は鎖骨の下あたりに位置しています。
大胸筋を鍛える際にはそれぞれの筋繊維の方向を意識する必要があり、特に大胸筋上部を鍛えたい場合には腕を斜め上に持ち上げる方向のトレーニングを集中しておこないましょう。
胸筋上部を集中的に鍛えるメリット
胸筋の上部に集中的に負荷がかかる筋トレに取り組むと、明らかに鎖骨の下から膨らんでるかっこいい胸筋を作ることができます。この筋肉の形は上部を集中的に鍛えないと作れないんです。
例えば胸筋全体に効くベンチプレスや、胸筋の下部が鍛えられる種目でも上部にも効くには効くのですが、しっかり発達はしません。
大胸筋上部を集中して鍛えることで、スーツを着たときにワイシャツが見える範囲である「Vゾーン」がしっかり盛り上がっていたり、Tシャツ1枚をかっこよく着こなせたり、男の色気を演出できますよね。
かっこいい胸板を作るには胸筋全体を鍛えつつ、上部を集中して鍛えられるメニューも追加で取り組んでいきましょう。
自宅で胸筋上部を鍛える筋トレ3選
それでは自宅でできる胸筋上部の自重トレーニングを紹介します。
まずは自宅でしっかり筋トレ習慣をつけて、ジムにレベルアップするための基礎を作りましょう。
以下の3種目をやり込めば、自宅トレーニングだけでも胸筋上部は鍛えられますよ。
1.デクラインプッシュアップ
デクラインプッシュアップは椅子や台などを使い、脚を高くして行うプッシュアップです。
腕を使って床を押す動作が、自然と斜め上に向かって押す動作になるため大胸筋上部を使いやすくなります。
特別な道具は何もいらず、自重のみで大胸筋上部を鍛えられるため初心者の方にもおすすめのトレーニングです。
デクラインプッシュアップの正しいやり方
- 椅子の上に脚をのせ両手を床につく
- 身体を一直線に保ちながら顎が床につくまで下ろす
- 肘を伸ばして床を押すように持ち上げる
デクラインプッシュアップを効かせるコツ
- 脇を開きすぎず肩がすくまないように
- 身体を一直線に保ち顎を床につける
2.リバースグリップ・プッシュアップ
リバースグリッププッシュアップは、プッシュアップバーを逆手で握って行うプッシュアップです。
バーなしでもできないことは無いですが、逆手で手首が返ってしまいやりづらいので、プッシュアップバーがあった方が良いでしょう。
手を逆手にすることでプッシュアップで持ち上げる際に肩関節の屈曲が大きくなり、大胸筋上部に効きやすくなります。
プッシュアップバーをお持ちの方にはぜひおすすめのトレーニングです。
リバースグリップ・プッシュアップの正しいやり方
- プッシュアップバーを逆手で握りみぞおちの横に構える
- 肩関節を屈曲させる要領で身体を持ち上げる
- トップポジションで肘を内側に絞る
リバースグリップ・プッシュアップを効かせるコツ
- バーの位置は肩の横ではなくみぞおちの横
- 息を吐きながら肘を内側に絞るように持ち上げる
3.パイクプレス
パイクプレスはプッシュアップの体勢からお尻を大きく上に突き出し、上半身に角度を付けたプッシュアップです。
デクラインプッシュアップを自力で行うのに近く、肩の筋肉である三角筋も一緒に鍛えられます。
大胸筋上部と三角筋は協働して動くため、一緒に鍛えることで上半身のトレーニング効果が高まりますよ。
【参考】三角筋を大きくしてメロン肩を作る筋トレメニュー10選
パイクプレスの正しいやり方
- プッシュアップの体勢から腰を大きく上に突き出す
- 上半身の角度を保ったまま顎を床につける
- 肘を内側に絞りながら持ち上げる
パイクプレスを効かせるコツ
- プッシュアップバーを使うとさらに効かせやすい
- 脚を椅子に乗せて角度を増しても良い
ジムで胸筋上部を鍛える筋トレ7選
ジムにあるマシンやフリーウェイトを使って、大胸筋上部を鍛えるメニューを紹介します。
以下の7種目のうち、2~3種目を胸のトレーニングの日に行うのが効果的です!
1.インクラインベンチプレス
インクラインベンチプレスは大胸筋上部のトレーニングの代表的な種目です。
ジムにインクラインベンチとパワーラックがあれば必ずやりたい種目で、どのレベルの方にもおすすめ。
通常のベンチプレスは肩を痛めないために肩甲骨を下制することが重要ですが、インクラインの場合は重力によって自然と肩が下制されるため、怪我のリスクも少ない筋トレです。
インクラインベンチプレスの正しいやり方
- インクラインベンチを30度にセットする
- 顎の真上にバーが通る位置に座り、手幅は肩幅より広めに持つ
- バーをラックアップし、鎖骨の上に下ろす
- 大胸筋上部を収縮させる意識でバーベルを持ち上げる
インクラインベンチプレスを効かせるコツ
- ベンチの角度を高くしすぎると三角筋に効いてしまうので注意
- 肘を開きすぎず持ち上げながら内側に絞る
2.リバースグリップ・インクラインベンチプレス
この種目は、インクラインベンチプレスを逆手で行います。
リバースグリッププッシュアップと同じで、逆手にすることで肩関節の屈曲が大きくなり、大胸筋上部を狙いやすくなります。
重量を上げすぎると危険なため、慣れないうちはスミスマシンを使うのがおすすめです。
リバースグリップインクラインベンチプレスの正しいやり方
- インクラインベンチを30度にセットする
- 鎖骨の上にバーが来る位置に座り、逆手で手幅広めにバーを持つ
- バーをみぞおちの上に下ろし、肘を絞りながら持ち上げる
リバースグリップインクラインベンチプレスを効かせるコツ
- 重量は上げすぎず15レップほどで行う
- 肘を内側に絞って大胸筋上部を意識する
3.インクラインダンベルプレス
インクラインダンベルプレスは、ダンベルでできるインクラインプレスです。
ダンベルならセーフティバーが必要ないため、スミスマシンやパワーラックが無くてもベンチだけでできるのがメリット。
さらに両手の自由度が高いため、自分が大胸筋上部に効かせやすい角度を探しやすいので、大胸筋上部トレーニングの習得のために最初に行うのがおすすめです。
インクラインダンベルプレスの正しいやり方
- インクラインベンチを30度にセット
- 両手にダンベルを持ち鎖骨の横に下ろす
- 両手を内側に絞りながら垂直に持ち上げる
インクラインダンベルプレスを効かせるコツ
- ダンベルは水平ではなく「ハ」の字に開く
- 脇を開きすぎず肩を下制する
4.インクラインダンベルフライ
インクラインダンベルフライは大胸筋上部の内側を狙いやすいトレーニングです。
ダンベルプレスとの違いは肘関節を使わないことで、上腕三頭筋が力尽きた後の最後の追い込みに適しています。
プレス系とは別の動作で大胸筋上部を刺激できるため、立体的な大胸筋を作る上では不可欠な筋トレです!
インクラインダンベルフライの正しいやり方
- インクラインベンチを30度にセット
- 両手にダンベルを持ち手を広げてみぞおちの横に下ろす
- 両手を顔の上で閉じるように持ち上げる
インクラインダンベルフライを効かせるコツ
- 脇を開くと大胸筋中部に効いてしまうので閉じ気味にする
- 肘は伸ばすのではなくやや曲げる
5.ナローインクラインプレス
ナローインクラインプレスは大胸筋上部の内側と上腕三頭筋を狙うトレーニングです。
インクラインプレスの手幅を狭くすることで、大胸筋を絞りやすくなり内側の谷間を作るのに適しています。
また自然と肘関節の屈曲が大きくなるので、上腕三頭筋を鍛えて腕を太くしたい方にもおすすめです。
ナローインクラインプレスの正しいやり方
- インクラインベンチを30度にセットする
- 両手が増えるくらいの手幅でバーの中心を持つ
- 肘を大きく曲げてバーを下ろし内側に絞るように持ち上げる
ナローインクラインプレスを効かせるコツ
- 重量は上げすぎず15レップほどで行う
- 慣れるまではスミスマシンの方が効かせやすい
6.ダンベルプルオーバー
ダンベルプルオーバーは、ダンベルを上から振り下ろして持ち上げるトレーニングです。
腕を振り下ろす剣道・テニス・野球などに必須のトレーニングで、意識の仕方によって様々な部位に効かせられる筋トレでもあります。
特に大胸筋上部に強いストレッチを掛けられる筋トレで、プレス系ばかりやっていた方には新鮮な刺激となるはずですよ。
ダンベルプルオーバーの正しいやり方
- フラットベンチに仰向けになり一つのダンベルを両手で持つ
- ダンベルを頭の先に下ろし胸にストレッチをかける
- 両手を振り下ろすイメージで胸の前に持ち上げる
ダンベルプルオーバーを効かせるコツ
- 肘を前に向けて大胸筋を絞る
- ダンベルが落下すると危険なので重量は無理をしない
7.ロープーリーケーブルクロスオーバー
ロープーリーケーブルクロスオーバーはケーブルマシンを使った大胸筋上部と内側のトレーニングです。
ケーブルマシンがあるジムは多くありませんが、見た目のインパクトもあって大人気の筋トレ。
インクラインダンベルフライを立位で行うような動作となり、大胸筋上部と内側を肥大させて谷間を作るのに適しています。
ロープーリーケーブルクロスオーバーの正しいやり方
- ケーブルマシンをローにセットし両手で持つ
- 両手を広げて肩関節がやや伸展する位置に立つ
- 目線は斜め上を向いて目線の先で両手を合わせる
ロープーリーケーブルクロスオーバーを効かせるコツ
- 目線は斜め上を向いて胸を張る
- マシンから前に出すぎると肩に効くので注意
- 肩を下制して大胸筋上部を意識する
大胸筋を下部や内側を鍛える筋トレも知りたい方は、以下の記事で解説しているので参考にしてください。
【参考】大胸筋下部を鍛える筋トレ
【参考】大胸筋の内側を鍛える筋トレ
まとめ
胸筋上部の筋肉の仕組みと、鍛える方法について紹介してきました。
「分厚い胸板」は割れた腹筋と同じくらい男子にとって憧れの筋肉であり、女性が大好きな筋肉でもあります。
胸筋上部をしっかり鍛えることで胸板の厚さを際立たせ、迫力ある上半身を手に入れましょう!
【参考】胸筋を鍛える筋トレ種目の決定版!
【参考】筋トレの後はプロテインを飲もう!