下半身の筋肉を効果的に鍛えることができる自重筋トレの1つ「ランジ」
ランジは片足ずつ交互に鍛えることにより左右の筋肉をバランス良く鍛えることができますが、意外と正しいフォームで筋トレをできていない種目です。
そこでこの記事では、
- ランジの正しいやり方
- バックランジなどのバリエーション種目
- ランジとスクワットの違い
- ランジのメリット
などを紹介。
ランジはバランスを取りながら動作するため、下半身以外にも体幹を強化する効果もあるので、この記事を参考にしてぜひトレーニングに取り組んでみてください。
この記事を書いた人
林ケイスケ
uFit代表トレーナー
Youtubeチャンネル登録25万越え。自重トレーニングのメニューをはじめ、筋トレやダイエットの知識について執筆。フィットネスを通じて健康に目を向けてもらえるようトレーニング動画や記事を発信しています。
ランジとは?スクワットとの違い
ランジとスクワットでは、両足を同時に鍛えるか、片足ずつ鍛えるかの違いがあります。
スクワットは両足同時に鍛えることができ、重量を扱える種目。女性でもバーベルを担いで動作することができます。
そのため、高負荷で筋力を効率的に鍛えるメリットがあります。
しかし、両足で動作するスクワットでは、人によって筋力の左右差が生まれてしまうデメリットも。
左右差が生まれてしまうと、身体のバランスが崩れて腰や膝を怪我してしまう可能性が高くなります。
一方で、ランジは足を前後に開いて動作し、前方に出した足を集中的に鍛えることができるので、左右差が生まれにくい特徴があります。
スクワットを行っているだけでは左右差を無くすことは難しいので、下半身を鍛えたい方はランジもトレーニングに組み込んでみましょう。
◆スクワットとランジの効果の違い
スクワット- 両足ずつ鍛える
- 重りを使った高負荷なトレーニングが可能
- 片足ずつバランス良く鍛えられる
- 高負荷なトレーニングができない
ランジを行う4つのメリット
ランジを行うメリットは以下の4つ。
1.基礎代謝が上がり痩せやすい体質になる
ランジを行うと下半身の大きな筋肉を鍛えることができるので、基礎代謝が上がり、痩せやすい体質を手に入れられます。
そもそも、痩せやすい体質になるには基礎代謝を高めることが大切。
基礎代謝が上がれば、1日に消費されるカロリーが増え、同じように生活しているだけでも痩せやすくなります。
この基礎代謝を高めるには筋肉量を増やすことが最も重要です。
また、鍛える筋肉は大きいほど基礎代謝を効率的に高めることができます。
ランジでは、「大腿四頭筋」や「大臀筋」など、下半身の大きな筋肉を鍛えることができるので、効率良く基礎代謝を上げて痩せやすい体質を手に入れることができますよ!
2.姿勢改善効果
ランジには、姿勢を改善する効果も!
姿勢を改善するには身体の左右差を正し、体幹を鍛えることが大切。
ランジの動作中は姿勢が崩れないようにバランスをとる必要があるので、自然と姿勢が正されます。
また、姿勢をキープするために腹筋や背筋など体幹の筋肉も刺激されます。
ランジを行えば、姿勢を正しながら体幹部を鍛えることができるので、姿勢の改善も期待できますよ!
3.下半身のラインが美しくなる
下半身の筋肉をバランスよく鍛えることができるランジは、下半身のラインが美しくなる効果もあります。
下半身のトレーニングは、足が太くなるのが嫌で行っていない女性の方は多いでしょう。
しかし、実際は下半身の筋肉を鍛えることで足にメリハリを作ることができます。
キュッと引き締まったメリハリがある流線的なラインを作りたい方は、ランジを行って下半身を鍛えるのがおすすめですよ!
【参考】有酸素運動効果もある脚やせスクワットを動画付きで紹介!
4.スポーツパフォーマンスの向上
ランジは、スポーツパフォーマンスの向上に高い効果を発揮します。
ほとんどのスポーツでスクワットのように動作するシーンは少ないです。
一方、ランジのように片足づつ鍛えるトレーニングは走る動作にも似ており、よりスポーツに近い動きになります。
また、バランス感覚が必要になるので、体幹も効果的に鍛えることができます。
ランジでは、スポーツに必要となる筋肉を鍛えることができるので、パフォーマンスの向上にも繋がりますよ!
ランジで鍛えられる筋肉
ランジで鍛えることができる筋肉は、大きく分けて以下の4つ。
ランジを行う際は、鍛える筋肉を意識して動作を行うことで効率的に鍛えることができますよ!
1.大臀筋
大臀筋は、お尻を覆っている大きな筋肉。
足を後方に蹴り上げる動作や、階段を上る際に使われています。
スクワットよりも深く身体を下げることができるので、ランジは大臀筋を鍛える効果が高いです。
特に、ヒップアップを行いたい女性はランジを行って大臀筋を鍛えることがおすすめですよ!
大臀筋を鍛えるトレーニングについては、「大臀筋を鍛える最強の筋トレ」で紹介しているので参考にしてください。
2.ハムストリングス
ハムストリングスは、太ももの裏側を構成している筋肉です。
膝を伸ばした状態から、膝を曲げる際に使われます。
日常の動作ではあまり使われにくく、スポーツを行っていない方は衰えやすい筋肉です。
ランジはでは、スクワットよりも深く身体を下げることができるので、ハムストリングスに効かせやすい特徴があります。
ハムストリングスの強化方法については、「ハムストリングの筋トレメニュー」で紹介しているので参考にしてください。
3.大腿四頭筋
大腿四頭筋は、太ももの前側を構成している大きな筋肉。
大腿直筋・内側広筋・外側広筋・中間広筋の4つの筋肉で構成されています。
主な役割としては、膝を曲げた状態から伸ばす際に使われる筋肉です。
非常に大きく力の強い筋肉なので、鍛えることで走力がアップするなど、スポーツパフォーマンスを大きく向上させることができます。
大腿四頭筋を効果的に鍛える方法については、「大腿四頭筋を集中的に鍛えるトレーニングメニュー」で紹介しているので参考にしてください。
4.腸腰筋
腸腰筋は、股関節の内部にあるインナーマッスルです。
デスクワークの多い現代人は腸腰筋が衰えている人が多く、腰痛や身体の歪みの原因になっています。
腸腰筋を鍛えるには、股関節を大きく動かすランジが効果的です。
腸腰筋を鍛えることで、姿勢の改善やぽっこりお腹の解消にも繋がりますよ。
ランジの正しいやり方
それでは、ランジの正しいやり方を解説します。
片足づつ鍛えるランジは、鍛える側の筋肉に集中することができますが、正しいやり方で鍛えないと効果はありません。
怪我のリスクもあるので、以下の動画を参考に行ってみてください。
ランジの正しいやり方
- 足を前後に開く
- 軽く前傾して背筋を伸ばす
- 前に出した足の膝が90度になるまで身体を下げる
- 大臀筋にストレッチを感じたら、前に出した足のかかとで蹴って身体を上げる
- 片足10〜15回を左右行って1セットとして、3セット行う
ランジの注意点
- しっかりと身体を深く下げられているか
- 前に出した足の膝の角度は90度か
- 前に出した足の重心が爪先になっていないか
- 後ろの足に力が入りすぎていないか
ランジの回数や頻度
頻度は週に2〜3回行います。下半身の大きな筋肉は回復に時間がかかるので、毎日行うことはせずに、しっかりと休養を挟んで回復してから行うようにしましょう。
ほとんどの方は1日3セットから始めるようにして、動作に慣れてきたら少しづつ増やすようにしましょう。
1セットの回数は10〜15回を丁寧に繰り返すのがベストです。
負荷を高めたい方におすすめのランジ4種目!
通常のランジだけでは余裕があり、負荷を高めたい方向けに、おすすめのランジ4種目を紹介していきます。
どの種目も特別な器具を必要としないので、ランジを行うスペースさえあれば行うことができます。
ぜひ参考動画を見ながら挑戦してみましょう。
1.フォワードランジ(前方ランジ)
フォワードランジは、片足づつ交互に前方に踏み出して動作を行います。
その場で上下するランジと比べて体重移動が大きいので、より強い負荷を与えることができます。
前に出した足で体重移動を抑えることで、大腿四頭筋が鍛えられ、強く蹴って元の体勢に戻る際には大臀筋やハムストリングスが鍛えられます。
フォワードランジの正しいやり方
- 直立した姿勢から、片方の足を大きく前に出す
- バランスを取りながら、身体を深く下げる
- 大臀筋にストレッチを感じたら、前に出した足裏全体で蹴って身体を戻す
- 反対の足も交互に繰り返す
- 左右行って1回として、10〜15回で1セット、合計で3セット行う
フォワードランジの注意点
- しっかりと身体を深く下げられているか
- バランスを崩さずに動作できているか
- 勢いよく蹴って、身体を戻すことはできるか
2.サイドランジ
サイドランジは、横方向に足を開いてランジを行う種目です。
横に足を開くことで、大腿四頭筋の内側広筋や内転筋など内ももを鍛えることができます。
その場で左右交互に行う方法もありますが、この動画のように片足づつフォワードランジのように踏み込んで行うやり方がおすすめです。
このやり方で行うと、より負荷を高めることができます。
サイドランジの正しいやり方
- 直立姿勢から片足づつ、真横に足を広げる
- 広げた足の踵に重心をおく
- 内転筋にストレッチを感じたら、床を蹴って元の体勢に戻る
- 片足10〜15回を左右行って1セットとして、3セット行う
サイドランジの注意点
- しっかりと身体を深く下げられているか
- 横に出した足の膝の角度は90度か
- 真横に踏み出せているか
- 身体を振って姿勢を戻していないか
3.バックランジ(後方ランジ)
バックランジは、フォワードランジとは反対に足を後ろに引いてランジを行う種目です。
鍛える方の足を床から離さずに動作することができるので、簡単に行うことができます。
動作は簡単ですが大臀筋に非常に効かせやすく、身体を下げた状態から戻す際に強く蹴る必要があります。
通常のランジよりも負荷を高めて大臀筋を刺激することができるので、お尻を鍛えたい方におすすめです。
バックランジの正しいやり方
- 直立した姿勢から、片方の足を後ろに引いて身体を下げる
- バランスを取りながら、前の足の重心は踵におく
- 大臀筋にストレッチを感じたら、前側の踵で蹴って身体を戻す
- 反対の足も交互に繰り返す
- 左右行って1回として、10〜15回で1セット、合計で3セット行う
バックランジの注意点
- しっかりと身体を深く下げられているか
- バランスを崩さずに動作できているか
- 勢いよく蹴って、身体を戻すことはできるか
4.ジャンプランジ
ジャンプランジは、今回紹介する5種目で最も負荷が高いやり方です。
足を交互に入れ替えながらランジを行うので、強く床を蹴る必要があります。
基本的なランジやフォワードランジをバランスを崩さずに動作できている方は挑戦してみましょう。
基本の動きがまだ身についていない方は、正しい動きを行えない可能性があるので、筋力を高めてから行ってください。
ジャンプランジの正しいやり方
- 通常のランジの姿勢を取る
- 勢いよく床を蹴ってジャンプする足
- 空中で足を前後入れ替える
- しっかりと着地の衝撃を吸収して、身体を深く下げる
- 左右行って1回として、10〜15回で1セット、合計で3セット行う
ジャンプランジの注意点
- しっかりと身体を深く下げられているか
- バランスを崩さずに動作できているか
- 勢いよく蹴って、スムーズに足を入れ替えられるか
まとめ
今回はランジで鍛えられる筋肉や、正しい動作方法を解説しました。ランジを正しい方法で行えば、左右の足の筋力差を解消させることができ、スポーツパフォーマンスの向上も期待できます。
通常のランジで余裕がある方は、負荷を高めたランジにも挑戦してみてください!