
フロントスクワットの効果的なやり方!重量設定やバックスクワットとの違いを解説
身体の前側でバーベルを担ぐ「フロントスクワット」。
バックスクワットと比べて大腿四頭筋(太ももの前)への負荷が大きくなるだけでなく、膝への負担が少なく体幹部の高負荷トレーニングにもなる優れたスクワット種目です。
この記事では、
- フロントスクワットで鍛えられる筋肉
- フロントスクワットの正しいやり方
- フロントスクワットとバックスクワットの違い
- 下半身と体幹部を効率的に鍛えるためのポイント
などを解説していきます。
強い足腰を作って、身体のパフォーマンスを上げていきましょう!
*すぐにフロントスクワットのやり方を見たい方は「フロントスクワットの正しいやり方」をご覧ください。
フロントスクワットで鍛えられる4つの筋肉
フロントスクワットの具体的なやり方を見ていく前に、まずは鍛えられる筋肉について解説します。
効果的に効かせるためにも、鍛える筋肉について知っておきましょう。
1.大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
大腿四頭筋(ももの前側にある4つの筋肉の総称)は、フロントスクワットでメインに鍛える筋肉です。
バックスクワットと異なり、バーベルを前で担ぐことで重心が前側になるので、大腿四頭筋にかかる負荷が高まります。
また、大腿四頭筋は主に走る動作で使われる筋肉。
大腿四頭筋を大きくしていけば、脚力の向上になり足を速くすることができますよ。
大腿四頭筋を集中的に鍛えたい方は「大腿四頭筋を鍛えるトレーニングメニュー8選」をご覧ください。
2.大臀筋(だいでんきん)
大臀筋(お尻の筋肉)は、フロントスクワットに限らずスクワット種目で必ず鍛えられる筋肉です。
大臀筋は股関節の伸展・外旋する動きで使われ、スポーツなどの強い負荷が加わる時によく使われます。
特に、跳躍系の動作では必要不可欠の筋肉なので、しっかりと鍛えましょう。
大臀筋を集中的に鍛えたい方は「大臀筋を鍛える最強の筋トレ22選」をご覧ください。
3.ハムストリング
ハムストリング(ももの裏側にある筋肉)は、フロントスクワットのメインターゲットではありませんが付随して鍛えられる筋肉です。
一般的に「ハム」と呼ばれることが多く、ダッシュやジャンプの動作で頻繁に使われます。
疲れが溜まりやすい筋肉なので、トレーニングが終わった後はしっかりとストレッチをしましょう。ストレッチ方法については「ハムストリングを柔らかくするストレッチ8選」をご覧ください。
4.体幹部の筋肉
「スクワット=下半身の筋トレ」と思われがちですが、実は体幹部の筋肉も効率よく鍛えることができます。
フロントスクワットでは上半身を真っ直ぐ保つために体幹に負荷がかかります。
プランクなどに代表される体幹トレーニングよりも負荷が強いので、高負荷で体幹を鍛えたいという方にもおすすめですよ。
フロントスクワットの正しいやり方
ここからはフロントスクワットの基本的なやり方について動画付きで紹介します。
正しいフォームを身に付けて、効率的に筋肉を鍛えましょう。
以下の動画と箇条書きでフォームを確かめてください。
フロントスクワットの正しいフォーム
- 鎖骨と肩の間にバーベルを乗せ、足を肩幅に開いて構える
- 上半身が前に倒れないように体幹部に力を入れて膝が前に出ないように曲げていく
- お尻の筋肉を使ってゆっくりと上がる
- 8〜10回1セットとして、3セット行う
フロントスクワットの注意点
- フルスクワットが難しい場合は、曲げるのは膝が90度程度までにする
- バーベルが不安定になりやすいので、しっかりとバランスを取る
- 膝とつま先の方向を揃える。特に膝が内側に入らないように気をつける
- 膝がつま先よりも前に出ないようにする
- 上半身は丸まらずに体幹に力を入れながら行う
フロントスクワットの適切な重量設定は?
フロントスクワットではバックスクワットの70%程度の重量で行うのがおすすめです。
というのも、背中側の筋肉の方が筋肉量が多く、通常のバックスクワットの方が挙げられる重量が高いのが当たり前だからです。
フロントスクワットは、身体の前側にバーベルを担ぐので通常のバックスクワットよりも重量を下げて行いましょう。
また、筋肥大を狙うのであれば1セット8回程度でギリギリできる重量に設定するのがおすすめです。
高負荷トレーニングで追い込むのが筋肉を大きくする近道ですよ。
フロントスクワットの効果を高める4つのコツ
フロントスクワットを正しく行うためには、重要なポイントが4つあります。
まずは以下で紹介するポイントを軽い重量で確かめながら行いましょう。
コツを掴んだ後に、高負荷なトレーニングに移るのがベストです。
1.バーベルの握り方を工夫する
バーベルの握り方には
- 手首を返した通常の握り方
- 身体の前で両腕をクロスする方法
それぞれの特徴を紹介するので、ご自身に適したやり方を見つけてください。
1.1.通常の握り方(手首を返す)
通常のグリップの握り方は、肩の少し外側でバーベルを握り、肘を上に上げてバーベルを持つ方法です。
この握り方が1番安定している持ち方。パワークリーンのキャッチの動作にも繋げることができるのでおすすめです。
ただし、この持ち方だと手首が返るので、手首や肩の関節が硬い人は窮屈に感じてフロントスクワットがやりにくくなってしまうデメリットがあります。
1.2.カリフォルニアフロントスクワット(両腕をクロスする)
両腕をクロスする持ち方は、鎖骨と肩の上にバーベルを乗せて、バーベルの上で腕をクロスする持ち方です。
この持ち方であれば、手首や肩の柔軟性が低い人でもやりやすいのがメリットです。
ただし、カリフォルニアフロントスクワットの時は、通常の持ち方よりもしっかりと体幹部に力を入れて行いましょう。
通常の持ち方は肘が高くなり上半身が起こしやすい状態になっていますが、カリフォルニアフロントスクワットだと猫背になりやすく、しっかり体幹部に力を入れていないとバーベルの重さに耐えきれなくなってしまいます。
逆に考えると、体幹部の高負荷トレーニングにもなるということ。体幹部を鍛える高負荷トレーニングがやりたい方は、両腕をクロスさせたカリフォルニアフロントスクワットがおすすめです。
2.顎上げない
フロントスクワットの注意点として特に注意してほしいのが「顎を上げない」ことです。
顎を上げてしまうと腰が反ってしまい、負荷が腰に集中するので危険です。
胴体の部分は真っ直ぐに保てるように、しっかりと顎を引きましょう。身体を真っ直ぐに保つことを意識するとうまく動作ができます。
3.重心は常に足の真ん中に置く
これは通常のバックスクワットでも同じことですが、常に足の真ん中に重心がくるように動作を行いましょう。
- かかとに重心が乗りすぎてしまう人
- つま先に重心が乗りすぎてしまう人
- 母指球を意識しすぎて内側に重心が乗りすぎてしまう人
身体の重心を足の真ん中にするためには、お尻を後ろに突き出すイメージで股関節を曲げましょう。
バーベルが地面に対して垂直に動いているかをチェックしてみてください。
4.呼吸を止めずに体幹部に力を入れて動作を行う(腹圧を意識!)
フロントスクワットの効果を最大限に引き出すためには、体幹部に力を入れて行うことが大切です。
また、呼吸を止めてしまう方もいますが、呼吸は「下ろすときに吸って、上げるときに吐く」のがおすすめです。
フロントスクワットとバックスクワットの違い
ここまではフロントスクワットを様々な角度から解説してきましたが、ここからはバックスクワットとの違いについて解説していきます。
両者の違いを知って、どちらのトレーニングも取り入れながら下半身を鍛えていきましょう。
メインで鍛える筋肉が違う
バーベルを担ぐ位置が変わることで、負荷のかかる位置が変わります。
それぞれの筋トレで鍛えるメインの筋肉は、
- フロントスクワット:大腿四頭筋
- バックスクワット:ハムストリング、大臀筋
フロントスクワットは体の前側を、バックスクワットは体の後ろ側をメインに鍛えるトレーニングだと覚えておきましょう。
扱える重量が違う
基本的にバックスクワットの方が高重量を扱えます。一方のフロントスクワットはバックスクワットの70%前後になることが多いです。
バックスクワットの方が総重量が重くなるので、下半身により負荷をかけることができます。
腰背部への負荷が違う
フロントスクワットはバックスクワットよりも上半身を起こして動作を行います。
上半身が前傾しにくいので、自然と腰背部への負荷がかかりにくくなるのです。
特に、腰部の怪我からの回復過程では、フロントスクワットの方が優れていると言えます。
バーベル以外を使ったフロントスクワットのやり方
最後に、ケトルベルとスミスマシンを使ったフロントスクワットを詳しく解説していきます。
バーベルが空いていないときの代替筋トレメニューとして活用してください。
ケトルベルを使ったフロントスクワット
重りに取っ手がついたダンベルのケトルベルを使って行うフロントスクワット。
以下の動画とやり方を元に、ケトルベルを使ったフロントスクワットのフォームを確かめてください。
ちなみに、全身を動かすパワークリーンやスナッチ系の全身運動のトレーニングに向いています。
ケトルベルを使ったフロントスクワットの正しいやり方
- 両手でケトルベルを持ち、顎の前で持つ
- しっかりと上半身を起こし、真っ直ぐな状態を作る
- ケトルベルが地面に対して、垂直に動作するように股関節を曲げる
- 下まで腰を落としたら、元の状態に戻る
- 10回を1セットとして、3セット行う
ケトルベルを使ったフロントスクワットの注意点
- ケトルベルを身体から離さないようにする
- 腰を反らないようにする
- 負荷が足りなかったら、回数を増やす
スミスマシンを使ったフロントスクワット
バーベルの両側がレールに沿って軌道が固定されたスミスマシンを使うフロントスクワット。
バーベルの軌道が固定されているので、初心者の方でも安全に筋トレを行うことができます。
また、フォームが崩れてしまいがちな最後の追い込みでも、フォームを崩さずに筋肉に効かせることができるのがスミスマシンのメリットですよ。
スミスマシンを使ったフロントスクワットの正しいやり方
- スミスマシンにプレートをつけて重量を調整する
- 足を肩幅に開き、バーベルの真下に足が来るようにする
- 鎖骨と肩の上でバーベルを固定し、股関節を曲げて、腰を落とす
- お尻の力を使って、真上に上げる
- 10回を1セットとし、3セット行う
スミスマシンを使ったフロントスクワットの注意点
- 重心の真ん中にバーベルが通るようにする
- 体幹部にしっかりと力を入れて行う
まとめ:フロントスクワットで、下半身と体幹部を強化しよう!
フロントスクワットの正しいやり方をはじめ、鍛えられる筋肉や他の2つのフロントスクワットのやり方を紹介しました。
通常のフロントスクワットが難しい方は、スミスマシンを使って行うとコツを掴みやすいです。
フロントスクワットではしっかりと体幹部に力を入れて、上半身を起こして行いましょう。
正しいフォームを身に付けて、効率的に下半身と体幹部を強化しましょう!
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