「背筋を鍛える自重筋トレメニューを増やしたい…」
「器具なしで効率よく広背筋を鍛えたい…」
ダンベルやマシンを使わない自重筋トレでも、背筋や広背筋を鍛えて大きくすることは可能です!
とはいえ、自重筋トレは負荷が低いので効率よく背筋を鍛えにくいのも事実。そこでこの記事では、
- 背筋自重筋トレの効果をあげるポイント
- おすすめの背筋自重筋トレ10選
- 背筋をほぐすためのストレッチ3選
- 背筋の自重筋トレの効果を高める筋トレグッズ
などを紹介。
背筋を鍛えて、逆三角形の背中を作りましょう!
この記事を書いた人
林慧亮
uFit代表
Youtubeチャンネル「林慧亮」は登録30万越え。自重トレーニングのメニューをはじめ、筋トレやダイエットの知識について執筆。著書に学研から出版した「30日で体を変える 超効率的自重ワークアウトプログラム」がある。
背筋の基礎知識。3つの大きな筋肉について
具体的な自重筋トレのやり方を見て行く前に、まずは背筋の筋肉について理解しておきましょう。筋肉の構造を理解することで、より効率よく鍛えることができますよ。
背筋は3つの大きな筋肉によって構成されているので、それぞれの筋肉の役割や構造を理解しておきましょう。
1.僧帽筋
僧帽筋は上部・中部・下部の3段階に分かれていて、肩の上だけでなく背中側まで広がっている筋肉です。
肩の上げ下げや腕を身体に引き寄せる動作で良く使われます。そして、僧帽筋は三角筋の働きを助け肩甲骨を安定させる役割があります。
ちなみに、僧帽筋は肩こりの原因となる筋肉。肩こりになりがちな方はストレッチでしっかりとほぐしましょう。
【参考】僧帽筋の筋トレメニュー10戦
【参考】肩こりを解消する筋トレ&ストレッチのやり方
2.広背筋
広背筋は脇の後ろから背中側まで広がっている筋肉です。
懸垂や綱のぼりなどの腕を伸ばした状態から身体に引き付ける動作の時によく使われ、身体に引き寄せる動作はすべて広背筋が関わっています。
また、本来は体幹部の筋肉に属しますが、肩を動かす動作の中で重要な役割を担っています。
さらに、ボディラインで逆三角形を形作るのが広背筋です。逆三角形の背中を作り上げたい方は、器具なし・ありを問わず広背筋を鍛えましょう。
【参考】広背筋の筋トレメニュー20選
【参考】広背筋を鍛えるチューブトレーニング
3.脊柱起立筋
脊柱起立筋は背中にある筋肉の中で最も長く大きな筋肉です。
脊柱起立筋は体幹部を横や後ろに曲げる時に使われる筋肉で、姿勢を安定させたり、かがんだ状態から上体を起こしたりする時によく使われます。
スポーツでは上半身を安定させる働きをしてくれるので、コンタクトの多いスポーツでは鍛えて損のない筋肉ですよ。
背筋の自重筋トレで効果を高める3つのポイント
背筋の自重トレーニングは負荷が低いので、効果を上げるポイントを抑えてトレーニングすることが大切です。
具体的な自重トレーニングのやり方を見ていく前に、効果を高める3つのポイントについて知っておきましょう!
1.回数を増やして追い込む
器具なしの自重トレーニングはマシントレーニングと違って負荷が低いので、回数を増やして徹底的に追い込むことが大切です。
ただし、筋トレ初心者がいきなりトレーニングをやりすぎてしまうとケガの原因になるので、下記の回数を目安にしましょう。
- 筋トレ初心者の人→10〜15回×2〜3セット
- 筋トレ経験者の人→20回×3〜4セット
2.インターバルを短くする&複数種目同時にやる
背筋を鍛える自重トレーニングのインターバル目安は30秒〜1分前後。
セットごとのインターバルは筋トレの効果に直結するので、タイマーを活用してインターバルを管理しましょう。
また、インターバル時間をさらに短くして、複数種目を同時に行うのもおすすめです。
・インターバルの取り方の例
4種目の筋トレメニューを休憩なしで20秒〜30秒ずつ行う
インターバル30秒〜1分
別の4種目の筋トレメニューを休憩なしで20秒〜30秒ずつ行う
インターバル30秒〜1分
上記を3セット行う
3.正しいフォームでゆっくりと行う
背筋の自重トレーニングで何よりも大切にすべきなのは正しいフォームで行うことです。
正しいフォームで行えば筋肉を効率よく鍛えられるだけでなく、怪我の予防にもなります。
また、筋トレをする時は「どの筋肉を鍛えているのか」を意識することで、トレーニング効果がアップしますよ。
背筋を鍛える自重筋トレ10種目
ここからは、器具なしで背筋・広背筋を鍛える自重トレーニングを8つ紹介していきます。①手足逆アップ
右手と左足、左手と右足を交互に上げる「手足逆アップ」。
シンプルな背筋の自重トレーニングですが、1回ごとの動きを丁寧にやりましょう。
できるだけ大きく上げ下げするように意識すると、効果的に背筋を鍛えることができますよ。
手足逆アップの正しいやり方
- うつ伏せになって両手を伸ばす
- 右手と左足を同時にあげる
- もとの体勢にもどる
- 左手と右足を同時にあげる
- 元の体勢に戻る
- 左右交互に繰り返す
手足逆アップのコツ
- できるだけ大きく動作する
- あげない手や足が浮かないようにする
手足逆アップで鍛えられる筋肉
- 脊柱起立筋
- 腹筋
②スーパーマン
両手と両足を同時に上げる動作で広背筋を鍛える「スーパーマン」。
背中の大部分をしめる広背筋に効果的に負荷をかけることができます。
また、足を上げる動作でお尻や太ももを引き締める効果もありますよ。
スーパーマンの正しいやり方
- うつ伏せになって両手を伸ばす
- 両手・両足を背中を寄せながら上げる
- 上げた足と腕は、ゆっくりと下ろす
スーパーマンのコツ
- 上げた時に、お尻の筋肉をキュッとしめる
- そり過ぎない
- ゆっくり下ろす
スーパーマンで鍛えられる筋肉
- 脊柱起立筋
- 大臀筋(お尻の筋肉)
③両足アップ
背筋を鍛えつつ、太ももの引き締めやヒップアップに効果的な「両足アップ」。
「鍛えている!」と感じにくい自重トレーニングですが、足の付け根から動かすことでしっかりと鍛えることができますよ。
両足アップの正しいやり方
- うつ伏せになる
- 肩幅程度に足を開いた状態で足をあげる
- ゆっくりとおろす
両足アップのコツ
- 足の付け根から動かす意識を持つ
- おろすときはゆっくりおろす
両足アップで鍛えられる筋肉
- 大臀筋(お尻の筋肉)
- 大腿四頭筋(太ももの筋肉)
④Tレイズ
胸を大きく開いた状態で背中の大きな筋肉を刺激する「Tレイズ」。
肩甲骨を寄せて背中の筋肉が収縮しているのを感じながら動作しましょう。
目線は前方のやや斜め上を見ると自然に胸を張った姿勢になります。
Tレイズの正しいやり方
- うつ伏せになる。手は横に大きく開いておく。
- できるだけ大きく上体をそらせていく
- 上げきったらゆっくりとおろしていく
- この動作を繰り返す
Tレイズのコツ
- 下したときに胸を完全に地面につけない
- 上体をあげつつ肩甲骨を寄せて広背筋の収縮を感じる
Tレイズで鍛えられる筋肉
- 広背筋
- 脊柱起立筋
⑤リバース・プランク
プランクトレーニングの1種で、背中側の筋肉を全体的に鍛えることができる「リバース・プランク」。
姿勢の矯正や腰痛の予防にも効果的な自重トレーニングです。腰が落ちないように常に体幹に力をいれるようにしましょう。
リバース・プランクの正しいやり方
- 仰向けになる
- 手のひらをついて上体をもちあげる
- 足を伸ばして下半身を持ち上げる
- 足から頭までを一直線にする
- この体勢をキープする
リバース・プランクのコツ
- 腰が下がらないように体幹に力を入れ続ける
- 視線は天井を見る
リバース・プランクで鍛えられる筋肉
- 広背筋
- 脊柱起立筋
- 大殿筋
⑥バードドッグ
お尻を中心に背中側の引き締めに効果的な「バードドッグ」。
お尻や背中の無駄な肉をそぎ落としてスッキリとした後姿になりますよ。体幹に力をいれて体がぶれないようにしましょう。
バードドッグのやり方
- 手をついて四つん這いになる
- 右手と左足を体と一直線になるようにあげる
- 元の体勢に戻る
- 左手と右足を体と一直線になるようにあげる
- 元の体勢にもどる
- この動作を繰り返す
バードドッグのコツ
- お尻が上がり過ぎないように注意する
- 呼吸を止めずにリラックスして行う
バードドッグで鍛えられる筋肉
- 大殿筋
- 脊柱起立筋
⑦ドンキーキック(右)
シンプルな動作でヒップアップに効果的な「ドンキーキック」。
背筋とともにお尻や太ももを鍛えることができる自重トレーニングです。下半身の大きな筋肉を鍛えることができるので、基礎代謝を高め、太りづらい体になる効果もあります。
ドンキーキックの正しいやり方
- 膝を90度に曲げ四つん這いの姿勢をとる
- 膝は90度に曲げたまま、片方の足を膝が腰の高さにくるまであげる
- ゆっくりと元に戻す
- 逆も同様に行う
- この動作を繰り返す
ドンキーキックのコツ
- 膝は90度に曲げた状態を保つ
- 足を下したときに膝が地面につかないようにする
ドンキーキックで鍛えられる筋肉
- 脊柱起立筋
- 大殿筋
- 大腿四頭筋
8.懸垂
器具なしでできる最強の背筋トレーニング「懸垂(チンニング)」。
自重でありながら高負荷のトレーニングが可能で、広背筋をメインに僧帽筋や脊柱起立筋を鍛えることができます。
1回も懸垂ができない方は難易度の低い「斜め懸垂」から取り組んでみてください。
懸垂の正しいやり方
- 肩幅よりも「拳1つ」広くバーベルを握る
- 胸を張りながら、背中の広背筋を収縮させて、身体を持ち上げる
- ゆっくりと下ろし、元の状態に戻る
- 10回を1セットとして、3セット行う
懸垂のコツ
- 小指側を強く握り、肩関節を外旋させる
- 肩に力が入らないように、肩甲骨を下げる
- 肘を腰にぶつけるようなイメージで行う
懸垂で鍛えられる筋肉
- 広背筋
- 僧帽筋
- 脊柱起立筋
9.デクラインプッシュアップ
足を高い所に乗せ、身体の角度をつけて腕立て伏せを行う「デクラインプッシュアップ」。
傾斜をつけることで重心が上側にズレるので、僧帽筋や広背筋を効果的に鍛えることができます。
また、大胸筋の上部が鍛えられて厚みのある胸板を作ることができますよ。
デクラインプッシュアップの正しいやり方
- 足を地面よりも高い場所に乗せ、両手を肩幅に広げて地面につく
- 身体をまっすぐの状態に保ち、肘を曲げて、身体を地面に近づける
- 地面ギリギリまで下げたら、元の状態まで戻る
- 15回を1セットとして、3セット行う
デクラインプッシュアップのコツ
- 僧帽筋を意識して行う
- 大胸筋上部を意識して行う
で鍛えられる筋肉
- 僧帽筋
- 広背筋
- 大胸筋
- 三角筋
10.グッドモーニング
お辞儀をするように前かがみになっていくことで脊柱起立筋を鍛える「グッドモーニング」。
器具なしでできる筋トレメニューですが、簡単に見えて意外と正しいフォームでできない方が多いので注意してください。
最初は器具なしでも十分に効果があるので、器具を使わずに行いましょう。
グッドモーニングの正しいやり方
- 背筋を伸ばして体幹に力を入れた状態を作る
- 姿勢を崩さないように、身体を前傾させていく
- 上半身が床と平行になったら元に戻す
- 10〜15回を1セットとして、3セット行う
グッドモーニングの注意点
- 背中が丸まっていないか
- 体幹から力が抜けていないか
- 動作範囲が狭くないか
で鍛えられる筋肉
- 脊柱起立筋
筋トレにおいては、体のバランスを取るために「対」となる筋肉を鍛えることが大切です。背筋を鍛えたら、対となる腹筋も鍛えましょう。
【参考】腹筋の下腹部を鍛える最強トレーニング10選
【参考】トレーナーが最速で腹筋を割るシックスパックの作り方を解説
背筋の自重筋トレの効果をあげる筋トレグッズ
背筋の自重筋トレの効果をあげるために、ここからはおすすめの筋トレグッズを3つ紹介します。
器具なしの筋トレではなくなりますが、自宅で自重トレーニングをしていてもっと負荷を上げたい方は参考にしてください。
1.チンニングスタンド
自宅でも懸垂ができる「チンニングスタンド」。
背筋を鍛えるためにはチンニング(懸垂)が一番効果的なトレーニングなので、自宅でも懸垂ができるチンニングスタンドを試してください。
ただし、かなり大きいので自宅に置く場合は場所を確認してから購入しましょう。
2.ゴムチューブ(トレーニングチューブ)
ダンベルと同じように負荷を上げられる「ゴムチューブ」。
ゴムチューブは手軽に購入できる上に、ゴムチューブさえあればトレーニングの幅が広がるのでおすすめです。
値段も3,000円前後で購入できるので、1つ持っておくといいですよ。
3.ダンベル
自重トレーニングだけでは負荷が足りないという方におすすめなのが「ダンベル」。
この記事で紹介した自重トレーニングでも、ダンベルを持って行えばかなり高負荷なトレーニングになりますよ。
それほど重いダンベルでなくてもいいので、負荷を上げるために1つ持っておくのがおすすめです。
【参考】おすすめのダンベルを徹底比較!
背筋のストレッチ方法
背筋の自重トレーニングをやりっぱなしで、身体のケアをしていないと効率的に筋肉を鍛えることができません。
次のトレーニングで100%の力が出せるように、背筋の自重トレーニングが終わった後にはストレッチでケアをしましょう。
僧帽筋のストレッチ
僧帽筋のストレッチのやり方
- 両手を後ろに回して、片方の手で逆の手を引っ張る
- 引っ張った状態をキープしながら、首をぐるっと回す
- 僧帽筋を意識しながら、首を傾けてじっくり伸ばす
広背筋のストレッチ
広背筋のストレッチのやり方
- 四つん這いになる
- 肩甲骨を寄せて背中を反らせる
- お腹を丸めて背中を伸ばす
脊柱起立筋のストレッチ
脊柱起立筋のストレッチのやり方
- 仰向けになって、バンザイをする
- 指先とつま先の両方が外側に引っ張られるように、15秒間伸ばしていく
- 次は、つま先とかかとの両方が外側に引っ張られるように、15秒間伸ばしていく
まとめ:自重で背筋を鍛えてかっこいい背中を作ろう!
器具なしでできる背筋の自重筋トレを10個紹介してきました。
背筋はゆっくりとした動作で鍛えるのが効果的なので、筋肉を意識しながら呼吸を止めずにトレーニングを行ってください。
美しい背中を手に入れるために、日々コツコツと頑張りましょう!
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