そもそも広背筋とはどんな筋肉?
広背筋ストレッチを紹介する前に、広背筋の特徴について解説します。
広背筋は以下の図の筋肉で、背中の両サイドに広がり大きいのが特徴です。
広背筋は
- 伸ばした腕を体の方に引っ張るとき
- 体の姿勢を維持するとき
に働く筋肉です。
日常生活でほとんど運動しない人でも、座っているだけでも姿勢維持のために使われています。
広背筋ストレッチをしないと、知らないうちにガチガチに凝り固まり、体に悪い影響を与えてしまいます。
- 肩こりの原因になる
- 猫背の原因になる
- 巻き肩の原因になる
- 腕を上に高くあげられなくなる
- 疲れやすくなる
- 基礎代謝が落ちる
また、広背筋は背中だけでなく、隣接する肩や腕、首とも密接に関係しています。広背筋のコリを解消して、不調に悩まないカラダを作りましょう!
広背筋ストレッチの効果
広背筋ストレッチをすることで次の4つの効果が期待できます。
1.姿勢の改善
広背筋ストレッチで猫背・巻き肩の姿勢を改善することが期待できます。
広背筋は背中の下の方に位置している筋肉ですが、実はわきの下あたりまでつながっています。
広背筋が硬くなると、図のように肩を内側に引き込んでしまい、巻き肩の原因になります。
また、巻き肩の姿勢は猫背の原因にも。肩の位置が前傾することで背中が丸まってしまいます。
姿勢悪化の原因となっている広背筋のこわばりを解消すれば、自然と姿勢が改善されていきますよ。
広背筋ストレッチでしなやかな筋肉を保って、良い姿勢にリセットしてあげましょう!
また、姿勢改善には筋トレもおすすめですよ。
【参考】姿勢を良くする筋トレメニュー
2.肩こり改善
広背筋ストレッチで姿勢が改善すれば、今まで悩んでいた肩こりからも解放されます。
一般的に肩こりは、首周りの筋肉のコリを言いますが、実は広背筋も関係しているんです。
広背筋の緊張が増すと姿勢が悪くなります。そして、姿勢が悪くなり顎が前に出ると、首の筋肉を引っ張り辛い痛みを引き起こします。
肩こりを感じたときは肩周りを動かすと同時に、広背筋ストレッチで背中を伸ばしてあげましょう!
3.疲労回復
広背筋ストレッチには疲労回復効果も期待できます。
広背筋は重力に逆らうためにも働いているため、常に負荷がかかっている筋肉です。
意識しなくても疲れやすく、放っておくと張りやコリにつながります。
広背筋ストレッチで、溜まった疲れをリフレッシュしましょう。
4.基礎代謝がアップ
広背筋ストレッチを習慣にすると、ごくわずかではありますが基礎代謝がアップすることも期待できます。
広背筋は背中の中でも大きな筋肉。柔軟にして筋肉が使われやすい状態にしておけば、基礎代謝アップにつながります。
また、背中には褐色脂肪細胞という脂肪燃焼を促進する細胞が多く集まっている部位です。
広背筋ストレッチで背中を刺激して、太りにくい体をめざしましょう!
広背筋を伸ばすストレッチ8種目
ここでは自宅や仕事の合間にできる、広背筋を伸ばすストレッチを8種目紹介します。
広背筋を伸ばすことで、
- 肩こり・腰痛の予防・解消
- 姿勢改善
- 疲労回復
- 代謝アップ
などの効果が期待できます。
筋肉はいろいろな方向から刺激すると効果的なので、何種目か組み合わせるのがおすすめです!
1.立ったまま行う広背筋ストレッチ
広背筋を伸ばすストレッチ、1つ目は「立ったまま行う広背筋ストレッチ」です。
広背筋の下部と脇腹の筋肉(腹斜筋)を伸ばすことができます。
デスクワークが続いて広背筋の下部が硬くなると、いつの間にか腕が上がりにくくなっているということも。
広背筋と一緒に脇腹も伸ばしてリフレッシュしましょう!
立ったまま行う広背筋ストレッチのやり方
①両腕を伸ばして、頭の上で手の平が上になるように手を組む。②カラダを真横に倒して脇腹を伸ばす。呼吸をしながら20~30秒間キープ。
③反対側も同様に行う。
立ったまま行う広背筋ストレッチのコツ
- 腕が耳よりも後頭部側にくるようにして、胸を張るようにする
- きつい場合は、手の平が下に向くようにして組んでもOK
- 痛みがあるときは無理のない範囲で行う
2.壁を使った広背筋ストレッチ
広背筋を伸ばすストレッチ、2つ目は「壁を使った広背筋ストレッチ」です。
広背筋の下部をはじめ、腰や太ももの裏(ハムストリング)、ふくらはぎを伸ばすことができます。
背中から下を気持ちよく伸ばすことができるストレッチで、心もカラダもスッキリしますよ。
壁を使った広背筋ストレッチのやり方
①壁の前に立ち、両手を伸ばして壁につける。脚は肩幅くらい。②胸を床に近づけるようなイメージで背中と太ももの裏の伸びを意識して伸ばす。
③呼吸をしながら20~30秒間キープ。
壁を使った広背筋ストレッチのコツ
- 壁につく手の位置を変えることで負荷を調整する
- 痛みがあるときは無理のない範囲で行う
3.床に座って行う広背筋ストレッチ
広背筋を伸ばすストレッチ、3つ目は「床に座って行う広背筋ストレッチ」です。
広背筋の上部と、肩から背中についている筋肉(僧帽筋中部・下部)を伸ばすことができます。
広背筋は大きな筋肉なので、ここまで紹介した腕を上げて行うストレッチだけでは十分にほぐれません。
背中を丸めるポーズも加えて、広背筋全体を伸ばすようにしましょう!
床に座って行う広背筋ストレッチのやり方
①床にあぐらをかいて座り、両腕を胸の前で組む。②息を吐きながら背中を丸めて左右の肩甲骨を離すようにして背中を伸ばす。
③呼吸をしながら20~30秒間キープ。
床に座って行う広背筋ストレッチのコツ
- 両腕で大きなボールを抱えるようなイメージで、目線はおへそに向ける
- 両腕は床と平行になるようにする
- あぐらをかくのがつらい人は、椅子に座って行う
- 痛みがあるときは無理のない範囲で行う
4.猫ねじりのポーズ
広背筋を伸ばすストレッチ、4つ目は「猫ねじりのポーズ」です。
背中全面の筋肉を伸ばすことができ、肩こり・背中のこり・腰痛対策にとてもおすすめのポーズです。
カラダをねじるポーズは背骨周りを刺激し、自律神経をリセットする効果も期待できます。
ストレスを感じたときに行うと、心身ともにリフレッシュできますよ!
猫ねじりのポーズのやり方
①よつんばいになる。②左腕を、右手と右脚の間にくぐらせる。
③くぐらせた左手を床にすべらせながら、左こめかみを床につける。左肩を床にしっかりとつけて、カラダをツイストする。右手を耳の真上に乗せて遠くに伸ばす。
⑤呼吸をしながら20~30秒間キープ。反対側も同様に行う。
猫ねじりのポーズのコツ
- よりストレッチ効果をアップしたい場合は、右手を真上に上げるようにする
- 痛みがあるときは無理のない範囲で行う
5.タオルを使って行う広背筋ストレッチ
広背筋を伸ばすストレッチ、5つ目は「タオルを使って行う広背筋ストレッチ」です。
広背筋の下部と脇腹の筋肉(腹斜筋)を伸ばすことができます。
寝る前のリラックスタイムにとくにおすすめ!タオルを使ったストレッチで、一日の疲れをとってリラックスしましょう。
タオルを使って行う広背筋ストレッチのやり方
①正座で座る。②タオルの端を両手で持ち、両腕を上にあげる。
③右手が上になるようにして、左手でタオルを下に引っ張る。右の背中の下部と脇腹の伸びを意識し、呼吸をしながら20~30秒間キープ。
④反対側も同様に行う。
タオルを使って行う広背筋ストレッチのコツ
- タオルを引っ張ってたるまないようにする
- タオルは肩幅よりも広く持つようにする
- 痛みがあるときは無理のない範囲で行う
6.椅子を使って行う広背筋ストレッチ
広背筋を伸ばすストレッチ、6つ目は「椅子を使って行う広背筋ストレッチ」です。
広背筋の上部とわきの下周辺を伸ばすことができます。
昔より肩が上がりにくくなったという方は、広背筋のこわばりが原因の可能性もありえます。広背筋ストレッチで腕の可動域を元に戻しましょう。
椅子を使って行う広背筋ストレッチのやり方
①両手を椅子の背におき、上体を前に傾ける。②両肘を伸ばして、腰から上半身を左にツイストする。右肩を床に向けるようにする。呼吸をしながら20~30秒間キープ。
③反対側も同様に行う。
椅子を使って行う広背筋ストレッチのコツ
- 椅子以外に、ストレッチポールを縦に置いて使うのもおすすめ
- 痛みがあるときは無理のない範囲で行う
7.腕の引き下げエクササイズ
広背筋を伸ばすストレッチ、7つ目は「腕の引き下げエクササイズ」です。肩甲骨周りの筋肉を動かすことができます。
とくに肩こりを解消するのにピッタリ。
また、背中を動かすことで血行が促進され、代謝がアップすることが期待できます。猫背の姿勢を改善することもできますよ。
腕の引き下げエクササイズのやり方
①両手を高く上げる。②息を吐きながら肩甲骨を寄せるようにして両腕を引き下げる。
③息を止めないようにして、10回ほど繰り返す。
腕の引き下げエクササイズのやり方
- 肩甲骨を寄せることを意識する
- 痛みがあるときは無理のない範囲で行う
8.サイドベンドウィズスクワット
広背筋を伸ばすストレッチ、8つ目は「サイドベンドウィズスクワット」です。
反動を利用してリズミカルに行う動的ストレッチ。筋肉を温めて関節の動きをよくしてくれるため、ウォーミングアップに最適です。
広背筋の下部と脇腹(腹斜筋)を伸ばすことができます。
運動不足を感じている方は、ぜひこのストレッチでカラダを動かしてみましょう!
サイドベンドウィズスクワットのやり方
①両脚を肩幅より広く開いてまっすぐ立つ。つま先は外に向くようにする。両手を頭の後ろに添え、肘を後ろに引くようにして胸を開く。②両膝を曲げてお尻を真下に落とす。
③左膝に左肘をつけるようにして、上半身を真横に倒す。
④上半身を正面に戻したら、反対側も同じように行う。呼吸を止めないようにする。
⑤右⇔左で1セット、10回ぐらい行う。
サイドベンドウィズスクワットのコツ
- スクワットの姿勢が難しい人は椅子に座って行ってもOK
- 上半身が前に倒れないようにする
- 肘が膝につかない方は無理をしない範囲で行う
まとめ
自宅や仕事の合間にできる、広背筋を伸ばすストレッチを8種目紹介しました。
背中はカラダを支える要の筋肉で疲れが溜まりやすいです。
姿勢の悪さや肩こりに悩んでいる人は広背筋ストレッチを習慣にしましょう。