腕立て伏せで効果的に鍛えられる筋肉
腕立て伏せの正しいやり方や種類を見ていく前に、まずは鍛えられる筋肉から紹介します。
筋トレは鍛える筋肉を意識することで効果が高まることが分かっています。腕立て伏せを行う際は、以下で紹介する筋肉を意識しながら行うようにしましょう!
1.大胸筋
大胸筋は腕立て伏せで鍛えるメインの筋肉。
大胸筋は上半身の中では大きな筋肉になるので、鍛えることで分厚く男らしい胸板を手に入れることが可能です。また、女性であればバストアップの効果もありますよ!
大胸筋の鍛え方については、「大胸筋を鍛える筋トレメニュー」の記事で紹介しているので、腕立て伏せと合わせて行ってみてください。
2.上腕三頭筋
上腕三頭筋は二の腕あたりに位置する筋肉。
主に肘関節や肩関節を動かす役割があります。腕の筋肉の中では大きな部位になるので、腕を太くしたい方は重点的に鍛えるべき筋肉です。
また、女性であれば二の腕を引き締める効果を期待できますよ。
上腕三頭筋を鍛えるトレーニングは「上腕三頭筋の筋トレメニュー」の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
3.三角筋
三角筋は肩にある大きな筋肉。
主に肩を前後に動かす動作で使われます。三角筋も大きな筋肉になるので、鍛えることで男らしくガッシリした腕を手に入れることができますよ。
三角筋を重点的に鍛える方法は「三角筋を大きくする筋トレメニュー」で紹介しているので参考にしてください。
4.体幹
体幹は股関節から上の胴体全体の筋肉。
腹筋・胸筋・背筋の筋肉を含めた体の幹となる筋肉を指し、体のバランスを取るために重要な筋肉になります。
腕立て伏せは体幹に関係ないと思われがちですが、きちんとしたフォームで腕立て伏せをするためには体幹部を固定する必要があるので、体幹も鍛えられます。
体幹を鍛えるトレーニングは「インナーマッスルを鍛える体幹トレーニング!」の記事で紹介しているので参考にしてください。
腕立て伏せの正しいやり方
様々な種類を紹介する前に、まずは基本的な腕立て伏せの正しいやり方を解説します。
広く知られた種目ですが、意外と正しいやり方でできている人は少ないです。
基本的なことをおさらいしながら、正しいフォームで行えるようになりましょう。
腕立て伏せの正しいやり方
- 肩が45度くらになるように両手をつく
- 足は肩幅より少し狭いくらいで構える
- 頭からかかとまで真っ直ぐの状態を維持し、視線は床の斜め前を見る
- 脇が開かないように注意して、胸を地面から「拳1つ分」の所まで下げる
- 下まで下がったら、一気に元の状態に戻る
- 15回を1セットとして、3セット行う
腕立て伏せのコツ
- 肩の真横につくのではなく、脇が約45度になるようにする
- 呼吸を止めないようにする
- 反動をつけない
- 下ろす時はゆっくり、上げる時は一気に動作を行う
腕立て伏せの回数・セット数
「腕立て伏せを1日に何回やると良い」といった基準はありません。
個々人によって筋肉量が違うので、個人のレベルに合わせて回数を行う必要があります。回数で決めるよりも、「筋肉をどれだけ追い込めたのか」に着目すると良いでしょう。
自分の限界を知るためのテストとしては、15回1セットを休憩30秒の間隔でどこまでできるか試してみてください。腕立て伏せができなくなったら、その時点でトレーニングは終了です。そして、次回以降の腕立て伏せでは、その回数を超えることを目標にしましょう。
【参考】腕立て伏せができない方におすすめのステップアップトレーニング
腕立て伏せのトレーニング10種類
ここからは、普通の腕立て伏せ以外の10種類の腕立て伏せのやり方を紹介します。
様々な種類の腕立て伏せを組み合わせることで、効果的に筋肥大しましょう!
1.膝つきプッシュアップ
1種類目は、膝をついてプッシュアップを行う膝つきプッシュアップ。
膝をつくと負荷が下がるので、ノーマルプッシュアップができないという人は、まず膝つきプッシュアップから始めましょう。
膝つきプッシュアップの正しいやり方
- 四つん這いになり、肩幅よりも少し広い位置に両手をつく
- 頭から膝までを真っ直ぐにして、視線は床の斜め前を見る
- 脇が開かないように注意して、胸を地面から「拳1つ分」の所まで下げる
- 素早く上半身を上げる
- 10回を1セットとして、2〜3セット行う
膝つきプッシュアップのコツ
- 頭から膝までをまっすぐの状態を保つ
- 肘が開かないように注意する
2.スロープッシュアップ
2種類目は、ゆっくり腕立て伏せを行うスロープッシュアップ。
ゆっくり動作を行うことによって、大胸筋に強い負荷がかかり、効率的に筋肉を大きくさせることができます。
スロープッシュアップの正しいやり方
- うつ伏せの状態から、両手を肩からまっすぐ下ろし、足は肩幅より少し狭いくらいで構える
- 頭からかかとまで真っ直ぐの状態を維持し、視線は床の斜め前を見る
- 脇が開かないように注意して、5秒かけて胸を地面に近づける
- 「拳1つ分」まで胸が下がったら、そこから一気に出力して、元の状態に戻る
- 15回を1セットとして、3セット行う
スロープッシュアップのコツ
- 呼吸を止めないようにする
- 左右の動きを対称にして、バランスよく動作を行う
3.ワイドプッシュアップ
3種類目は、手幅を広げてプッシュアップを行うワイドプッシュアップ。
手幅を広げることによって大胸筋の外側が鍛えられ、胸板のサイズを大きくすることができます。
ワイドプッシュアップの正しいやり方
- うつ伏せの状態から、両手を肩幅の1.5倍の広さでつき、足は肩幅より少し狭いくらいで構える
- 頭からかかとまで真っ直ぐの状態を維持し、視線は床の斜め前を見る
- 脇が開かないように注意して、胸を地面から「拳1つ分」の所まで下げる
- 下まで下がったら、そこから一気に出力して、元の状態に戻る
- 15回を1セットとして、3セット行う
ワイドプッシュアップのコツ
- 肩に力が入らないようにする
- 大胸筋を大きく動かすことを意識する
4.ナロープッシュアップ
4種類目は、手幅を狭めて行うナロープッシュアップ。
手幅を狭めることによって、大胸筋内側と上腕三頭筋を集中的に鍛えることができます。
上腕三頭筋を鍛えると、太く逞しい腕にすることができます。
ナロープッシュアップの正しいやり方
- うつ伏せの状態から、手幅を「手のひら一枚分」の間隔で近づけ、足は肩幅より少し狭いくらいで構える
- 頭からかかとまで一直線にキープし、視線を斜め前に固定する
- 脇が開かないようにして、胸を地面から「拳1つ分」の所まで下げる
- 下まで下がったら、そこから一気に出力して、上腕三頭筋を使って元の状態に戻る
- 15回を1セットとして、3セット行う
ナロープッシュアップのコツ
- 肘を近づけるイメージで、絞り出すように動作を行う
- 身体のラインを一直線に保つ
5.インクラインプッシュアップ
5種類目は、ベンチ台に手を置いて身体の傾斜をつけて行うインクラインプッシュアップ。
傾斜をつけると、身体に対して斜め下側に出力することになるので、大胸筋下部を効果的に鍛えることができます。
インクラインプッシュアップの正しいやり方
- ベンチ台などの地面より高い場所に両手を置き、肩幅に両手を広げる
- かかとから頭まで、まっすぐの状態をキープする
- 大胸筋上部が使われていることを意識しながら、ベンチ台に胸を近づける
- 元の状態に戻る
- 15回を1セットとして、3セット行う
インクラインプッシュアップのコツ
- 大胸筋下部を意識して動作を行う
- 身体に対して、斜め上側に出力する状態をつくる
6.デクラインプッシュアップ
6種類目は、足を高い所に乗せ身体の角度をつけて行うデクラインプッシュアップ。
傾斜をつけることで重心が上半身側にずれ、大胸筋上部を効果的に鍛えることができます
大胸筋の上部が鍛えられると厚みのある胸板になり、Tシャツ一枚でもかっこよく着こなせるボディになれますよ。
デクラインプッシュアップの正しいやり方
- 足を地面よりも高い場所に乗せ、両手を肩幅に広げて地面につく
- 身体をまっすぐの状態に保ち、肘を曲げて、身体を地面に近づける
- 地面ギリギリまで下げたら、元の状態まで戻る
- 15回を1セットとして、3セット行う
デクラインプッシュアップのコツ
- 僧帽筋を意識して行う
- 大胸筋上部を意識して行う
7.リバースプッシュアップ
7種類目は、地面から高さのある場所に手を置き、身体を上下させて上腕三頭筋を鍛えるリバースプッシュアップ。
腕立て伏せとは反対の筋肉を鍛えるメニューになります。身体の前側の筋肉だけでなく、後ろ側の筋肉を同時に鍛えていくと、効率的に筋肉を大きくすることができます。
リバースプッシュアップの正しいやり方
- 身体の後ろ側にベンチ台をセットし、足を伸ばしてベンチ台に手を置く
- 肘を曲げて、お尻を下ろす
- 肘を伸ばして、上腕三頭筋が伸びきるまで上げる
- 15回を1セットとして、3セット行う
リバースプッシュアップのコツ
- 足の力は使わない
- 肩に力が入らないようにする
- 上腕三頭筋を伸ばしきる
【参考】リバースプッシュアップの効果を高めるコツとは!?
【参考】上腕三頭筋を徹底的に鍛える20のトレーニング方法
8.クラッピングプッシュアップ
8種類目は、手を叩きながら腕立て伏せを行うクラッピングプッシュアップ。
床に両手をついた状態から、手を使ってジャンプした瞬間に手を叩きます。高負荷なトレーニングですが、通常の腕立て伏せに慣れてきたらチャレンジしてみましょう!
クラッピングプッシュアップの正しいやり方
- 両手を肩幅に開き、頭からかかとまでが一直線になるように構える
- 少し腕を曲げた状態から、一気に出力して、両手を浮かせる
- 両手が浮いている一瞬の間に手を叩き、両手で着地する
- 8回を1セットとして、3セット行う
クラッピングプッシュアップのコツ
- 思いっきり両手で地面を押す
- 手を叩くのが難しかったら、両手でジャンプをする動作を繰り返し行う
9.プッシュアップバーを使った腕立て伏せ
9種類目は、負荷を高めるプッシュアップバーを使った腕立て伏せ。
プッシュアップバーを使うと、通常の腕立て伏せに比べて可動域が広くなるので、大胸筋に強い負荷を加えることができます。
プッシュアップバーを使った腕立て伏せの正しいやり方
- プッシュアップバーを握り、やや「ハの字」になるように構える
- 身体をまっすぐにキープしながら、肘を曲げ、胸を地面に近づける
- 地面のギリギリまで胸を下げたら、腕を伸ばして、元の状態に戻る
- 15回を1セットとして、3セット行う
プッシュアップバーを使った腕立て伏せのコツ
- 肘が開かないようにする
- 肩に力が入らないように気をつける
また、プッシュアップバーは安いものであれば、1000円程で手に入るのでぜひ購入してみてください。
10.ダイヤモンドプッシュアップ
10種類目は、両手でダイヤモンドの四角形を作って行うダイヤモンドプッシュアップ。
手幅を狭くして行うので、上腕三頭筋を集中的に鍛えることができます。
動画ではプッシュアップバーを使用していますが、床に手をついて行っても大丈夫です。
ダイヤモンドプッシュアップのやり方
- 両手の人差し指と親指をつけるように構える
- 床に両手をつき、一直線の状態をキープする
- 胸を下ろし、元の状態に戻る
- 3の動作を繰り返し行う
ダイヤモンドプッシュアップの注意点
- お腹にも力を入れる
- 体のラインをキープする
腕立て伏せの効果を高める4つのポイント
最後に、腕立て伏せの効果を高めるポイントを確認しましょう。
以下で紹介する4つのポイントを意識すれば、様々な種類の腕立て伏せの質を上げることができますよ。
1.正しいフォームで鍛えたい筋肉を意識する
セット回数をむやみに増やしても、筋肉に効果的な負荷が加わるわけではありません。
まずは、腕立て伏せを正しいフォームでできているかチェックしましょう。
また、筋肉に効果的な刺激を与えるためには、鍛えたい筋肉を意識することが大切です。
腕立て伏せで鍛えられる大胸筋や上腕三頭筋などに意識を向けることで、筋肉の可動域を意識して限界まで追い込むことができますよ。
2.呼吸を止めない
腕立て伏せの呼吸は、「身体を下げる時に息を吸い、上げる時に息を吐く」が基本です。
呼吸が止まってしまうと、本来の力を発揮できません。筋トレ初心者の方は呼吸が乱れがちなので気をつけてくださいね。
また、同じ呼吸を繰り返すことで腕立て伏せをリズミカルに行えるので、回数を多くできるというメリットもありますよ。
3.休憩は短く、インターバルを管理してトレーニングを行う
腕立て伏せは自重トレーニングなので、ベンチプレスなどと比べると負荷が小さいです。
腕立て伏せの負荷を上げて最強のトレーニングにするためには、できるだけ休憩の時間を短くしましょう。
1回のセットが終わったら「60秒以内」に次のセットを開始するのがおすすめです!
腕立て伏せの種類を増やすのが◎
普通の腕立て伏せだけでは、同じ筋肉にしか負荷を与えることができないので、種類を増やして様々な筋肉を様々な角度から刺激するのが筋肥大の近道です。また、種類を増やすことで回数を重ねやすいというメリットもありますよ。4.大胸筋の超回復に合わせてトレーニングをする
筋肉は、トレーニングによる損傷と回復を繰り返して大きくなっていきます。
そして、筋肉が回復しきる前に再びトレーニングを行ってしまうと、効率的に筋肉を大きくすることができません。
個人差はありますが、大胸筋は約48時間で超回復が完了すると言われているので、大胸筋を追い込む場合は中2日あけて筋トレをするのがおすすめです。
ただし、限界まで追い込まない場合は、毎日や2日に1度行っても問題ありません。
【参考】筋トレは毎日やっていいの?レベル別に最適な回数を紹介
まとめ
基本的な腕立て伏せのやり方から、腕立て伏せの様々な種類を紹介しました。
腕立て伏せは最強のトレーニングと言われるほど重要な筋トレメニューです。
自宅で手軽に行える上に、様々なやり方で効果的に筋肥大することができますよ。