腹筋の高負荷トレーニングを行うべき理由
筋トレを行う時には、ある一定以上の負荷でトレーニングを行わないと効果が現れない「過負荷の原則」があります。
人間は適応能力に優れているので、トレーニングを行なっているうちに身体が負荷に慣れてしまうのです。
なので、いつも同じトレーニングで同じような負荷を加えていても筋肉は発達せず、思うようなトレーニング効果を得ることはできません。
腹筋を効率よく鍛えるためには、強い負荷を加える「高負荷トレーニング」を定期的に行いましょう!
また、「高負荷」のレベルは人によって異なります。一人一人にあったレベルの高負荷トレーニングをしましょう。
【自宅】自重で行う高負荷の腹筋トレーニング8選
器具を使わずに自宅でできる高負荷の腹筋トレーニングを8つ紹介します。
一緒に腹筋を行えるように、3分間でできる以下の動画をご覧ください。
動画内の腹筋メニューのやり方やコツを1つずつ解説していきます。読み飛ばしたい方は次の「ジムで行う腹筋の高負荷メニュー7選」をご覧ください。
やり方を間違えていると効果が減ってしまうので、正しいやり方とコツを理解しましょう。
1.レッグレイズ
腹筋の下部に強い負荷をかけることができる「レッグレイズ」
引き締まった腹筋が手に入るだけでなく、姿勢の矯正にも効果的です。
やり方を間違えると腰痛の原因になるので、正しいやり方を意識しましょう。
レッグレイズのやり方
- 仰向けで寝る
- 上半身を少しだけ起こした状態で、足をゆっくり持ち上げる
- 90度まであげる
- 床に足がつくギリギリのところまで下げる(足は床につけない)
- 3・4の動作を繰り返す
レッグレイズのコツ
- おへそを見ながら行う
- 上半身がぶれないよう体幹に力を入れる
- 足を降ろす時はゆっくりとおろしていく
2.V字クランチ
腹直筋全体を効果的に鍛えることができる「V字クランチ」。
負荷は大きいですが、腹筋全体を鍛えられるトレーニングとして人気です。
腹筋だけでなく、股関節周りの筋肉や太ももの筋肉も鍛えることができますよ。
V字クランチのやり方
- 仰向けでバンザイをしながら寝る
- 上半身と足を少しだけ浮かせる
- 上半身と下半身を同時に持ち上げる(その際、腕を足の方に振る)
- ゆっくりと元に戻す
- 3・4の動作を繰り返す
V字クランチのコツ
- おへそを見る
- 重心を腰部分に置き、体がぶれないようにする
- 戻したときに足を地面につけない
3.レッグスプレッダー
下っ腹と下半身の筋肉に強い負荷がかかる「レッグスプレッダー」。
見た目以上にきついトレーニングですが、短時間なので頑張って取り組みましょう。
足を高く上げ過ぎないのがポイントです。
レッグスプレッダーのやり方
- 仰向けで寝る
- 軽く足を開いた状態で両足を浮かせる
- 足を少し浮かせたまま開いたり閉じたりを繰り返す
レッグスプレッダーのコツ
- 視線はおへそをみる
- 足をあまり高く上げ過ぎない
- 余裕がある方は足をクロスさせる
4.シザースキック
バタ足のような動作で腹直筋と腸腰筋を鍛える「シザースキック」。
4種目目で腹筋がキツくなっていると思いますが、正しいフォームを意識して20秒間やりきりましょう。
腹筋の強化だけでなく脚痩せ効果も期待できますよ。
シザースキックのやり方
- 仰向けで寝る
- 両足を浮かせる
- バタ足のように足を交互に上下させる
- この動作を続ける
シザースキックのコツ
- 上げた足が地面に垂直になる前に止める
- 下したときに足を地面につけない
5.バイシクルクランチ
腹筋の横側についてる腹斜筋をしっかり鍛えることができる「バイシクルクランチ」。
腹斜筋を鍛えるとくびれがキレイにでて腹筋の見栄えが良くなります。(参考:くびれを作る自重筋トレはこちら)
通常のクランチよりもカロリー消費量が多いので、ダイエットにも効果的ですよ。
バイシクルクランチのやり方
- 仰向けで寝る
- 両手は頭の後ろで組む
- 片方の膝を逆の肘にくっつけるように引きつける
- 上半身を引きつけた足側にひねりつつ、肘と膝をくっつける
- 元の位置に戻す
- 反対側も同様に、左右交互に行う
バイシクルクランチのコツ
- 膝をひきつけつつ、上半身をしっかりひねる
- 視線はおへそ
- 途中で足を地面につけない
6.マウンテンクライム
腹筋を中心に全身の筋肉に刺激を加えることができる「マウンテンクライム」
高負荷の腹筋トレが続いてキツくなってくる終盤ですが、全力で取り組みましょう。
また、有酸素運動としても効果が高いので、今話題のHIITトレーニングのようなダイエット効果も見込めます。脂肪を減らして腹筋をきれいに見せましょう。
HIITトレーニングのやり方は「HIITトレーニングの効果とやり方」をご覧ください。
マウンテンクライムのやり方
- 両手を肩幅より拳2個分広く開く
- 片方の足を胸に近づけるようにして引きつける
- 足を戻すのと同時に、反対側の足を引きつける
- 素早くリズミカルに左右を繰り返す
マウンテンクライムのコツ
- 足を引く付けるときにお尻が上下しないようにする
- 大きく動作を行う
- リズミカルに全力で行う
7.スパイダープランク
脇腹の引き締めに効果的な「スパイダープランク」。
しっかり足を引きつけることで、腹斜筋を効果的に刺激することができます。
お腹周りをスッキリさせるには最適な種目ですよ。(参考:脇腹を鍛える自重筋トレはこちら)
スパイダープランクのやり方
- 肩幅程度に手をつき、頭から足までが一直線になるようにする
- 膝を肘にくっつけるように足を引きつける
- 元の位置に戻す
- 反対も同様に行う
- 左右交互にこの動作を繰り返す
スパイダープランクのコツ
- 頭から足までが一直線になっている姿勢を常に保つ
- 足を少し外に開くようにして引きつける
8.ニートゥエルボープランク(ニーインプランク)
スパイダープランクに"ひねる"動きを加えた「ニートゥエルボープランク」。
腹筋全体に強く負荷をかけることができます。
高負荷腹筋トレーニングの最後の種目なので、しっかり腹筋を追い込んでいきましょう。
ニートゥエルボープランクのやり方
- 肩幅程度に手をつき、頭から足までが一直線になるようにする
- 膝を逆側の肘にくっつけるように片方の足を引きつける
- 元の位置に戻す
- 反対も同様に行う
- 左右交互にこの動作を繰り返す
ニートゥエルボープランクのコツ
- 足を引きつけた時にお尻が浮かないように気を付ける
- 足を惹きつけた時に腹筋が収縮しているのを感じる
また、3分の腹筋メニューでは物足りないという方は、Youtubeで動画を見ながら一緒に高負荷の腹筋トレーニングができる「腹筋崩壊!シックスパックを作る本気の腹筋ワークアウト【15分】」「シックスパックを作る10分間腹筋トレーニング!」を実践してみてください。
【ジム】高負荷の腹筋トレーニング7選
次に、ジムにあるマシンや器具を使ってできる負荷の高い腹筋トレーニングについて紹介します。
腹筋に強い負荷を加えることで、筋肉を大きくしていきましょう。
・腹筋メニュー一覧
1.腹筋ローラー
高負荷腹筋トレーニングの代表格ともいえる「腹筋ローラー」。
足をついて行うのか膝をついて行うのか(膝コロ)で負荷を調整できるので、自分にあった負荷でトレーニングをしましょう。
また、道具が必要ですが1,000円程度で購入できる上に、スペースも取らないので自宅で行うこともできますよ。
腹筋ローラーのやり方(膝コロ編)
- 床に膝をついて、腹筋ローラーを体の前に置く
- お腹を意識してひっこめる(ドローイング)
- 上半身はまっすぐではなく、"少しだけ"猫背の姿勢をとる
- 目線はおへその付近を見て、背中を丸めながら、ローラーを前方へ転がす
- 伸びきったら(引き戻せる可能な範囲でOK)、お腹を見ながら、お腹をギュッと締めて戻る
- 10回×3セット行う
腹筋ローラーのコツ
- 少しだけ猫背になる
- へそを見ながら行う
- 腰が落ちないようにする(腰を痛める原因になります)
2.ケーブルクランチ
ケーブルマシンを使って腹直筋を鍛える「ケーブルクランチ」。
ケーブルクランチの注意点は腕や肩に力を入れないこと。腹筋を鍛えるメニューなので、腹筋でケーブルを引っ張る意識で行いましょう。
また、ケーブルの重量を調整することで負荷を変えることができます。体調や追い込みたい度合いに応じて重量を調整しましょう。
ケーブルクランチのやり方
- 膝たちでケーブルの前に座る
- ケーブルを頭の後ろ側でホールドする
- そのままの状態をキープして、体を前かがみに屈曲させる
- おへそに鼻をくっつけるイメージで曲げる
- ゆっくり戻す
- 10回×3セット行う
ケーブルクランチのコツ
- 脇を閉めて肘を下げる
- 背筋はまっすぐ伸ばす
- 腹筋以外の筋肉を使わないように意識する
3.ウッドチョッパー
ケーブルマシンを使った腹斜筋(横っ腹の筋肉)のトレーニングとしておすすめの「ウッドチョッパー」。
「腹筋=正面の筋肉」ばかりになりがちですが、綺麗な腹筋を作るためには横っ腹の筋トレも必須です。
ウッドチョッパーは俗に言う「エロ筋」を鍛えられるので、美しいシックスパックを作りたい方はこのメニューで腹斜筋をガンガン鍛えましょう。
また、体幹に力を入れて体がよじれないようにキープしてくださいね。
ウッドチョッパーのやり方
- 腰と同じ高さか少し上にケーブルを設置する
- ケーブルマシンに対して、横向きに立つ
- 斜め下に切り裂くイメージで、肩から腰にかけて対角線に引く
- ゆっくり戻す
- 10回×3セット行う
ウッドチョッパーのコツ
- 常に腹斜筋を意識する
- ひねる時は早く、戻す時はゆっくり行う
4.プレートを持って腹筋
プレートを使って負荷を高める「プレートをもって腹筋」。
最初は軽いプレートから始めて、正しいフォームで行いましょう。
ポイントは動作するときにプレートの穴を覗き続けること。そうすることで上体をまっすぐに保ちトレーニングの効果をさらに高めることができます。
プレートを持って腹筋のやり方
- プレートを顔の真上で持ち、伸ばした状態で仰向けになる
- 腕を伸ばした状態をキープしながら、プレートを真上に持ち上げるような形で、上体を起き上がらせる
- 上体が起きたら、ゆっくり3秒間かけて下ろす
- 10回×3セット行う
プレートを持って腹筋のコツ
- 視線は常にプレートの穴を見続ける
- 身体を起こすときに反動を使わない
5.プレートツイスト(プレートを持ったメイソンツイスト)
プレートを使った腹筋トレーニングとしてもう一つ紹介したいのが「プレートツイスト」。
腹直筋と腹斜筋の両方に強い負荷をかけることができます。
持つ重量によって負荷を調整できるので、徐々に重りを重くしていきましょう。
(動画は12:11~13:05)
プレートツイストのやり方
- プレートを両手で持って、体育すわりをする
- 足を地面から5cmほど上げた状態をキープする
- 足が左右に振れることがないように下体を固定し、プレートが地面に着くまで上体をひねる
- 左右10往復を1セットとして、3セット行う
プレートツイストのコツ
- 重りは体の近くを移動させ、素早く体を左右にひねる
- 足はそろえる
6.バランスボールを使った足上げ腹筋
腹筋下部を徹底的に追い込みたい方におすすめなのが「バランスボールを使った足上げ腹筋」。
キレイなシックスパックを作るには腹直筋下部をしっかり鍛えることが重要です。
腹直筋が大きく動いていることを意識してトレーニングしましょう。
ボールを使った足上げ腹筋のやり方
- バランスボールやメディシンボールを股で挟む(ボールなしでもOK)
- 懸垂バーにぶら下がる
- 上半身を固めて、足と地面が平行になるまで足を上げる
- 10回×3セット行う
ボールを使った足上げ腹筋のコツ
- 反動をつかわない
- 足を腰より高く上げ腹直筋の収縮を感じる
- 負荷をあげたい方はメディシンボールを使う
7.ぶら下がり&ツイスト
腹斜筋を鍛え上げる仕上げの種目としておすすめな「ぶら下がり&ツイスト」。
エロ筋を際立たせるには最適な腹筋トレーニングです。
上体は固めて、足だけ左右に振ることを意識してください。また、呼吸は止めずに行いましょう。
ぶら下がり&ツイストのやり方
- 懸垂バーにぶら下がる
- 足は伸ばしたまま、体を90度に折曲げる
- 足を車のワイパーのように左右に振る
- 左右に5往復を1セットとして、3セット行う
ぶら下がり&ツイストのコツ
- 足はできるだけ伸ばしておく
- 上半身がブレないように体幹に力を入れ続ける
腹筋トレーニングの効果を高める4つのコツ
腹筋トレーニングであまり効果を感じられない方は、下の4つのポイントを意識して行いましょう。
効率よく成果に繋がるための注意点について紹介していきます。
・腹筋トレーニングの効果を高めるコツ
①息を止めない
腹筋に力を入れる瞬間、呼吸が止まっていませんか?
息を止めてしまっている場合は、トレーニングをする姿勢が悪かったり余計な力が入ってる証拠です。呼吸を止めていると腹圧が高まり腹筋を効率的に鍛えることができません。
自然体の呼吸でトレーニングを行うのを意識しましょう。もちろん、高負荷の腹筋トレーニングをしていると息が乱れてきますが、決して息を止めないようにしましょう。
②可動域を限界まで使う
筋肉を効率よく鍛えるために大切なのは、筋肉の収縮する幅を意識することです。
いくら回数をこなしても、筋肉の伸び縮みの幅が短ければ、期待している効果は得られません。
可動域内で筋肉を大きく動かすことを意識しましょう。
③鍛えている部位を明確にして、意識する
鍛えている筋肉を見ながらトレーニングをしたほうが、効果が高いと聞いたことはありませんか?
これは脳の神経細胞と筋肉が密接に関係しているからです。鍛えている筋肉を意識することで、神経は太くなり、さらにトレーニングの効果が高まります。
鍛える部位の筋肉を知るために、「腹筋の構造を理解して、トレーニング効果アップ!」をご覧ください。
④重いものを速く動かす
見た目だけでなくパフォーマンスを向上させたい方は、「重いものを早く」上げることを意識すると効果的です。
日本人とアメリカ人を比較すると、筋肉量はさほど変わりないのにアメリカ人の方が重い重量を上げていることがあります。その違いは、力を生み出す早さです。
早く上げることを意識するだけで、脳が筋肉を動かす神経が太くなっていき、早く筋肥大を行うことができますよ。筋トレの結果がなかなか出ない人は、ぜひ試してみてください!
腹筋は毎日鍛えてもOK!
腹筋は負荷が加わりにくく、回復も早いので毎日鍛えても問題ありません。腹筋の構造を理解して、腹筋トレーニングの効果アップ!
がむしゃらに腹筋をすることも大切ですが、鍛えている場所を細かく意識することが大切です。
腹筋は主に以下の4つの部位で構成されています。腹筋周りの筋肉の構造を理解して、トレーニングの効果を最大限引き出しましょう!
1.腹直筋
腹直筋は、お腹のど真ん中にある平たく長い筋肉。
みなさんがいわゆる腹筋としてイメージしているのがこの腹直筋で、シックスパックとも呼ばれ、大胸筋の下から股下まで繋がっている大きな筋肉です。
主に、体を前に曲げる動作で使われます。
【参考】腹直筋を徹底的に鍛える高負荷トレーニングならドラゴンフラッグがおすすめ
2.外腹斜筋
外腹斜筋はお腹の外側についている筋肉で、体幹を動かすだけでなく、腹圧を高めたり、内臓の意図を安定させたり、排便を助けたりしています。
腰のくびれを作る筋肉でもあり、お腹をスマートに見せたい人は、この筋肉を鍛えましょう。
【参考】腹斜筋の筋トレメニュー
3.腹横筋
腹横筋は腹筋の奥側にある筋肉で、腹圧を高めて腰椎の安定性を保っています。スポーツや咳をするときなどの激しい呼吸の時にも大切な役割を果たしています。
また、腹横筋をしっかり鍛えることで、腹筋トレーニングを行う際のフォームの安定にもつながりますよ。
4.内腹斜筋
内腹斜筋も腹筋の奥にある筋肉で、体を回したり、横に曲げたりするときに使う筋肉です。ねじる動作が加わるトレーニングでは、この筋肉が鍛えられています。
また、くびれを形成する筋肉でもあるので、内腹斜筋を鍛えることできれいなシックスパックに近づく効果もあります。
アウターマッスルとインナーマッスル
腹筋の4つの筋肉を理解できたところで、さらに「アウターマッスル」と「インナーマッスル」に分かれていることも理解しておきましょう。
アウターマッスルは「表層筋」のこと。目でしっかりと確認することができる筋肉です。腹筋の中では「1.腹直筋」と「2.外腹斜筋」がアウターマッスルにあたります。高負荷の腹筋トレーニングは、このアウターマッスルを中心に鍛えるということを覚えておきましょう。
一方で、インナーマッスルは「深層筋」のこと。体の奥側にある筋肉です。腹筋の中では「3.腹横筋」と「4.内腹斜筋」がインナーマッスルにあたります。負荷の高いトレーニングをやっても効果が表れにくいため、継続して行うことを怠ってしまいがちですが、鍛えるメリットは大きいので継続的にトレーニングを行いましょう。
まとめ
高負荷の腹筋トレーニグをはじめ、腹筋トレーニングの効果を高めるコツや鍛えるべき筋肉の部位について解説してきました。
自宅でコツコツ鍛え、ジムに行った時にはマシンを使ったメニューで腹筋を徹底的に追い込むのが効果的です。
バキバキな綺麗なシックスパックを目指して頑張ってくださいね。