腹筋を鍛えるうえで勘違いしやすいポイント
腹筋を割るには、とにかく腹筋を鍛えれば良いというのは間違い。
腹筋を鍛えることは重要ですが、いくら鍛えてもその上に分厚い皮下脂肪が乗っていたら、腹筋は割れて見えません。
腹筋を割るには「腹筋を鍛える+体脂肪を落とす」の2つが必要であると覚えておきましょう。
腹筋が割れて見える体脂肪率の目安は以下の通り。
- 男性の体脂肪率:15%
- 女性の体脂肪率:18%
腹筋を割るには腹筋を鍛えるよりも、体脂肪を落として今ある腹筋を見えるようにするくらいのイメージで取り組みましょう。
また、体脂肪を落とすには食事コントロールも必要になってきます。
お腹周りの脂肪を落とす方法については「お腹周りの皮下脂肪を落とす筋トレ&食法」で解説しているので参考にしてください。
男性向けの記事となっていますが、女性でも効果的ですよ!
間違った腹筋の鍛え方・NG例2つ
腹筋の鍛え方は広く知られていますが、間違ったやり方をしている方が多数。。。
正しいフォームでないと筋トレの効果が落ちるばかりか、腰を痛めることにもつながります。よくある腹筋の間違ったやり方を見ていきましょう。
1.完全に起き上がるまで必ずやる
腹筋の鍛え方で最も多いNG例は、完全に起き上がって膝にタッチするフォーム。
この腹筋の間違ったやり方は、腰への負担が極めて大きく、慢性的な腰痛を引き起こす危険があります。
正しい腹筋の鍛え方では、完全に起き上がる必要はありません。
むしろ、肩甲骨が床から離れる程度で十分な効果が得られますよ。
過度に起き上がると、腹筋への負荷が減少し、鍛える効果が激減...。
自宅で腹筋を鍛える際も、正しいフォームを意識することが重要です。
腹筋運動の効果を最大化し、怪我のリスクを最小化するために、適切な腹筋の鍛え方とフォームをマスターしましょう。
2.反動を使って起き上がる
腹筋の鍛え方で避けるべきもう一つのNG例は、反動を使って起き上がるフォームです。
反動を使う間違った腹筋の鍛え方は、効果が低いだけでなく、怪我のリスクも高まります。
腰への過度な負担をかけ、ぎっくり腰や慢性的な腰痛を引き起こす可能性も...。
特に30代男性の方は、体の柔軟性が低下し始める年齢のため、より注意が必要です。
正しい腹筋のフォームでは、反動を使わずにゆっくりと腹筋に意識を向けた動きが重要。
自宅で腹筋を鍛える際も、反動を使わず、ゆっくりとした動作で正しいフォームを維持することが、効果的な腹筋の鍛え方につながりますよ。
正しい腹筋の鍛え方|クランチの正しいフォームを解説
それでは腹筋トレーニング「クランチ」の正しいフォームについて解説していきます。
ポイントを抑えればそこまで難しくはないので、順を追って見ていきましょう!
膝と股関節を90°に曲げる
膝が90度になり、ちょうど三角形を描くように脚を立てます。
手を頭の後ろで組む
辛い場合は胸の前でもOKです。
初心者の方や女性は手で膝をタッチするように行うと効果的です。
息を吐きながら上半身をゆっくりと起こす
この時、数秒間キープすること・おへそを覗き込むように体を丸めることがポイント。
息を吸いながらゆっくり戻す
下ろすときも力を抜かず、ゆっくり下ろしていきます。
このとき力を抜いてしまうと負荷が逃げるため、力を抜かずに下ろしましょう。
自宅でできる正しい腹筋の鍛え方|トレーニングメニュー10選
それでは自宅でできる腹筋トレーニングのメニューを紹介します!
腹筋は腹直筋・腹斜筋・腹横筋など細かな筋肉が複雑に重なり合っているので、多方面からバランス良く鍛えることが重要。
これから紹介するメニューを組み合わせて、スキのない腹筋を作っていきましょう!
1.ドローイン
ドローインは、当たり前のようにしている「呼吸」を使って腹横筋を鍛えるトレーニングです。
腹腔内圧を高めて腹横筋を収縮させるのに最もわかりやすいトレーニングで、まずはドローインのコツを掴んで腹横筋を鍛えるイメージを持ちましょう!
ドローインの正しいやり方
- 鼻で大きく息を吸う
- 口から細く長く息を吐き続け、腰を丸めて腹筋に力を入れる
- 腹筋でお腹の中の空気を絞り出すイメージで息を吐ききる
ドローインを効かせるコツ
- お腹を凹ませながら力を入れる
- お腹を丸め込んで腹斜筋を収縮させる
- 細く長く息を吐ききる
2.バイシクルクランチ
バイシクルクランチは、自転車を漕ぐように左右交互に脚を曲げ伸ばしするトレーニング。
体幹部の「回旋」、「側屈」、「屈曲」を合わせたトレーニングとなり、外腹斜筋と腹直筋を強く鍛えられますよ。
体幹の回旋動作を使うため、様々なスポーツに再現性が高く、野球、サッカー、テニス、ゴルフなど体幹の回旋が重要なスポーツ選手に特におすすめです。
バイシクルクランチの正しいやり方
- 仰向けに寝て両手を頭の後ろで組む
- 上半身を起こすと同時に片膝を曲げる
- 右肘と左膝をタッチし、上半身を倒しす
- 反対側も交互に繰り返す
バイシクルクランチを効かせるコツ
- 反動を使わず正確に行う
- 目線は常におへそを見る
3.サイドクランチ
サイドクランチは、一般的な腹筋運動を外腹斜筋に効かせるトレーニング。
体幹部の「側屈」動作を使った筋トレで、外腹斜筋をダイレクトに刺激できます。
一般的な腹筋運動では、お腹の中央に位置する腹直筋だけが鍛えられるので外腹斜筋とのバランスが悪くなりがち。
サイドクランチも加えて外腹斜筋も鍛えると、腹筋全体のバランスが良くなりますので、中級者以上の方におすすめです。
サイドクランチの正しいやり方
- 仰向けに寝て右膝を左足の外側に倒す
- 右手は頭の後ろ、左手は右脚を抑える
- 脇腹の力を使って上半身を持ち上げる
- 反対側も同様に行う
サイドクランチを効かせるコツ
- 身体をしっかり横向きに倒す
- 目線は常におへそを見る
- 反動を使わずゆっくり行う
4.プランク
プランクは、お腹周りの細かい筋肉を全てまとめて鍛えられるトレーニングです。
肘立ちになってひたすら耐えるだけの地味な運動ですが、体幹部の細かいインナーマッスルまですべて鍛える非常に効率的なトレーニング。
体幹トレーニングとしては一番にやるべきメニューで、女性でもまずは30秒を目標にすれば難易度は高くありません!
プランクの正しいやり方
- 肘とつま先で身体を支えて一直線になる
- お尻が浮いたり沈んだりしないように耐える
- 初心者は30秒、慣れてきたら1分を目標にする
プランクを効かせるコツ
- 視線はおへそに向ける
- 腰を反らさずまっすぐに保つ
5.リバースプランク
リバースプランクは、リバースとは反対に裏返ってプランクを行う種目です。
腹筋を「屈曲」させる負荷に耐えることで腹筋群をまとめて鍛えます。
身体の前面と背面をバランス良く鍛えられるため、プランクとセットで行うと良いでしょう。
身体の前面と背面をバランス良く鍛えられるため、セットで行うと良いでしょう。
リバースプランクの正しいやり方
- 仰向けの姿勢になる
- 肘をついて、上体をもちあげる
- 足を伸ばし、かかとを立てて、下半身を持ち上げる
- 足から頭までを一直線にして耐える
リバースプランクを効かせるコツ
- 視線はおへそに向ける
- 腰を反らさずまっすぐに保つ
6.サイドプランク
サイドプランクは、体幹トレーニングとして有名なプランクを、横向きにしたトレーニングです。
体幹部の「側屈」方向の負荷に耐えて、身体をまっすぐに保つことで外腹斜筋が強く鍛えられます。
もちろん外腹斜筋以外にも、内腹斜筋、腹直筋、中殿筋などが強く働くため、非常に鍛えられる筋肉が多いトレーニングでもあります。
やや強度の高い筋トレであるため、他のメニューで外腹斜筋をしっかり鍛えた上で挑戦しましょう。
標準体重から、さらに絞り込みたい方におすすめです。
サイドプランクの正しいやり方
- 横向きに寝て肘を立てる
- お尻を持ち上げて身体を一直線に伸ばす
- お尻が浮いたり下がったりしないよう30秒耐える
- 逆側も同様に行う
サイドプランクを効かせるコツ
- 肘は肩の真下につく
- 頭も一直線に固定する
- 腰を若干だけ丸めて腹筋に力を入れる
7.スパイダープランク
スパイダープランクは、ハイプランクの姿勢で片方ずつ膝を曲げて肘に近付けるトレーニングです。
通常のプランクに加えて腹斜筋にも負荷を与えることが出来ます。
女性の場合はくびれを作る種目にもなるので、プランクの負荷に慣れてきたら取り組んでみてください!
スパイダープランクの正しいやり方
- 両腕とつま先で身体を支えて一直線になる
- 右膝を曲げて右肘の方に近づけていく
- 左右交互に繰り返す
スパイダープランクを効かせるコツ
- 反動をつけずにゆっくり行う
- 脇腹が収縮するように膝を持ち上げる
8.レッグレイズ
レッグレイズは、仰向けの状態で両足を持ち上げるトレーニングです。
上半身と下半身を繋ぐ腸腰筋が鍛えられ、下腹部のポッコリに悩む方におすすめです!
レッグレイズのやり方
- 仰向けで寝る
- 上半身を少しだけ起こした状態で、足をゆっくり持ち上げる
- 床に足がつくギリギリのところまで下げる(足は床につけない)
レッグレイズのコツ
- 反動をつけない
- 下ろす時に腰を反らさない
9.メイソンツイスト
メイソンツイストは、クランチの体勢から体幹を左右にひねるトレーニングです。
別名「ロシアンツイスト」とも呼ばれる体幹の「回旋」動作を使ったトレーニングで、外腹斜筋を引き締めウェストを絞るのに特に効果があります。
ダンベルの重さを調整すれば強度もそこまで高くないので、女性にもおすすめ。
上級者は高重量で負荷を高められ、幅広いレベルに対応したトレーニングです。
メイソンツイストの正しいやり方
- 仰向けに寝て膝を立て上半身を起こす
- 両腕でダンベルを持って前に伸ばし、足を浮かせる
- 足を浮かせたまま、上半身を左右にひねる
メイソンツイストを効かせるコツ
- 反動を使わずゆっくり行う
- 上半身が起きすぎないようにする
- 負荷が足りない場合はダンベルを増やす
10.腹筋ローラー
腹筋ローラーは、自宅で腹筋を鍛える筋トレアイテムとしてはトップクラスの有用性を持っています。
初心者には膝をついて行う「膝コロ」から、上級者になれば立って行う「立ちコロ」まで、体幹の「伸展」負荷に対するトレーニングとしては最強レベルの筋トレもできます。
単に腹直筋のトレーニングではなく、体重全体を支えるために体幹の筋力が総動員されるため、体幹を強く鍛えたい方にはぜひおすすめです。
腹筋ローラーの正しいやり方
- 膝をついてローラーを両手で持つ
- ゆっくりと身体を伸ばしてローラーを転がす
- 腹筋を丸め込むようにローラーを引き戻す
腹筋ローラーを効かせるコツ
- 目線は常におへそを見る
- 腰が反るまでは伸ばしきらない
- レベルに応じてやり方を変える(動画参照)
腹筋を割るために体脂肪率を落とす3つの方法
冒頭でも紹介したとおり、腹筋を割るには筋トレと共に体脂肪率を落とすことが重要です。 ここからは、体脂肪率を落とすために必要な3つのポイントについて分かりやすく解説していきます!体脂肪率を落とすために必要な3つのポイント
1.代謝を上げて1日の消費カロリーを増やす
体脂肪率を落とすには、まず自分の身体の代謝を上げることが大切。
代謝とは、簡単に言えば「カロリーを消費する量」のことで、筋肉量が多い身体は消費カロリーが多く痩せやすい体質となります。
筋肉を増やして代謝を上げるには、腹筋だけでなく筋肉量の多い下半身を鍛えることが大切。
スクワットなど、下半身の筋トレも欠かさずに行っていきましょう。
【参考】1日3分で脂肪がみるみる落ちるスクワットダイエット!
2.腹筋トレーニング+有酸素運動を行う
筋肉を増やすための筋トレと、脂肪を燃焼するための有酸素運動は並行して行うと効果が高くなります。
最速で腹筋を割るには、筋トレも有酸素運動もどちらも必要ですが、1日のうちで運動ができる時間は限られていますよね。
その場合は、筋トレと有酸素運動を組み合わせた「HIIT」と呼ばれるトレーニング方法が有効になります。
【参考】HIITトレーニングの効果とやり方。たった4分で脂肪が燃える筋トレメニューを紹介
3.食事を見直して摂取カロリーを減らす
体脂肪率を落とす有効な方法はカロリー管理。
現状の食生活を振り返って、明らかに食べ過ぎであるのなら改めるべきです。
ただし食べなさ過ぎも問題ですので、自分の体型の変化を細かく見ながら、最適な食事量を調整していきましょう。
【参考】筋トレでダイエットを成功させる食事方法!健康的に痩せる食事メニューを徹底解説
まとめ:正しい腹筋の鍛え方を知って最短で腹筋を割ろう!
正しい腹筋の鍛え方と、腹筋を割る方法についてまとめてきました。
引き締まった腹筋は、一朝一夕では手に入りません。
簡単ではないからこそ、割れた腹筋はその人のストイックさや知性を表し、男女ともに羨望の的になるのですね。
正しく効率的な腹筋トレーニングで、憧れのシックスパックを手に入れましょう!