そもそも腹斜筋とは
腹斜筋は以下の図の赤い部分。お腹の横側にあり、腹筋全体を包むように支えています。
腹斜筋は体幹の中で「側近筋」と呼ばれる筋肉であり、腹筋全体を支えるベルトのような働きをします。
また、腹斜筋は「内腹斜筋」と「外腹斜筋」にわけられますが、筋トレをする上で2つの違いを意識するのは難しいので、2つまとめて腹斜筋と認識しておくのがおすすめです。
筋トレをするときは鍛える筋肉を意識しよう!
筋トレをするときは「どの筋肉を鍛えているか」を意識することでトレーニング効果が飛躍的にアップします。特に、腹斜筋は目に見えて成長する筋肉ではないので、きちんと筋肉の構造を理解しておくこと大切です。
【参考】腹筋の部位別に鍛えるトレーニングを紹介!腹斜筋を鍛える3つのメリット
腹斜筋を鍛える具体的な筋トレメニューを見て行く前に、まずは腹斜筋を鍛えることで得られるメリットを解説します。
メリットを理解して、筋トレに対するモチベーションを上げましょう!
1.体幹全体の安定性がアップする
腹斜筋は体幹を支える「ベルト代わり」になる筋肉です。
体幹を鍛えるメリットは挙げきれないほどありますが、腹斜筋を鍛えることで体幹の力を最大限引き出すことが可能になります。
また、腹圧が大きくかかるスクワットやデッドリフトにおいては、腹斜筋を鍛えることで圧が逃げるのを防いでフォームを安定させる効果もあります。
2.横の動きがスムーズになる
腹斜筋を鍛える2つ目のメリットは、スポーツにおける横の動きがスムーズになることです。
体幹が安定するので、動きのブレをなくす(少なくする)効果があります。特に、
- バスケットボール
- サッカー
- テニス
3.綺麗なくびれを作れる
腹斜筋の筋肉の位置からもわかる通り、腹斜筋は綺麗なくびれを作るために欠かせない筋肉です。
横っ腹は脂肪がつきやすく落ちにくい部位ですが、腹斜筋を鍛えることでくびれを作ることが可能ですよ。
腹斜筋を鍛えるジム筋トレメニュー6選
ジムで行う高負荷の腹斜筋を鍛える筋トレメニューを紹介します。
高負荷になる分ケガのリスクも高くなるので、常に正しいフォームで行うようにしてください。
1.ウッドチョッパー
ケーブルマシンを使った腹斜筋のトレーニング「ウッドチョッパー」。
体をねじるようにケーブルを引っ張ることで、効果的に腹斜筋を鍛えることができます。
また、ケーブルの重量を調整すれば負荷を簡単に変えられるのもウッドチョッパーの大きなメリットです。
ウッドチョッパーのやり方
- 重量を設定し、ケーブルが腰の高さになるようにする
- 両手でケーブルを持ち、ケーブルマシンと平行になるように構える
- 腕を伸ばしたまま上体を回転させる
- ゆっくりと元の状態まで戻す
- 10回3セット行う
ウッドチョッパーのコツ
- 軽く膝を曲げて行う
- 常に横腹の筋肉にテンションがかかっている状態にする
2.サイドベント
片腕にダンベルを持って脇腹を屈曲させる「ダンベルサイドベント」。
ダンベルが重すぎると腹筋や背筋の力を使って持ち上げてしまうので、ピンポイントで腹斜筋へ効かせるために重量を調整しましょう。
サイドベントのやり方
- 右腕にダンベルを持ち、肩幅よりも少し広いくらいで立つ
- ダンベルを持っていない方の手は、頭の後ろに持ってくる
- 胸を張った状態をキープして、ダンベルを持っている方に身体を倒す
- 身体を目一杯倒したら、脇腹の筋肉を使って上体を起こす
- 20回×3セット行う
サイドベントのコツ
- 上半身を上げたとき、直立した状態よりも曲げる
- ウエストの可動域を広く使って、動作を行う
3.プレートツイストクランチ
プレートかダンベルを持ってメイソンツイストを行う「プレートツイストクランチ」。
メイソンツイストの強度を上げた筋トレメニューです。
プレートツイストクランチのやり方
- 膝を曲げて座り、両手でダンベルorプレートを持つ
- ダンベルを持った腕を伸ばして、左右に身体を捻る
- 左右の往復を1回として、20回行う
- 20回×3セット行う
プレートツイストクランチのコツ
- 顔は常に正面を向き、身体の軸がブレないようにする
- 難易度を上げたい人は脚を浮かせる
4.ロータリートルソーマシンツイスト
筋トレ初心者やフリーウエイトに慣れていない方でも簡単に腹斜筋を鍛えられる「ロータリートルソーマシン」。
安全性が高く負荷も簡単に調整できるので、ジムにマシンが置いてある場合はおすすめの筋トレメニューです。
個人的おすすめの最強の腹斜筋メニューと言っても過言ではありません。
ロータリートルソーマシンツイストのやり方
- マシンのスタートポジションを調整し、重量を設定する
- バーを身体に密着させたら、逆の方向に180度回転させる
- 戻るときは、ゆっくりと行う
- 10回3セット行う
ロータリートルソーマシンツイストのコツ
- 上体をしっかりひねる
- 慣れてきたら徐々に重量を上げていく
5.ぶら下がり&ツイスト
腹斜筋を鍛え上げる仕上げのメニュー「ぶら下がり&ツイスト」。
そもそも行うことができない方が多いと思いますが、腹斜筋や腹直筋を徹底的に鍛えることができる最強の筋トレメニューです。
上体は固めて足だけ左右に振ることを意識して行いましょう。
ぶら下がり&ツイストのやり方
- 懸垂バーにぶら下がる
- 足は伸ばしたまま、体を90度に折曲げる
- 足を車のワイパーのように左右に振る
- 左右に5往復を1セットとして、3セット行う
ぶら下がり&ツイストのコツ
- 足はできるだけ伸ばしておく。少し膝が曲がってもOK
- 上半身がブレないように体幹に力を入れる
腹斜筋を鍛える自重筋トレメニュー8選
次に、器具を使わずに行う腹斜筋の自重筋トレを紹介していきます。
ジムに行かずに自宅で行えるメニューなので、場所を選ばずに行えますよ。
腹斜筋を効果的に鍛えるためには、正しいフォームで筋トレを行うことが大切です。
以下で1つ1つ解説していくので、やり方が曖昧な種目の正しいフォームとコツを確認してください。
1.サイドヒップリフト(右)
腹斜筋を鍛える1つ目の自重筋トレは、サイドプランク(サイドブリッジ)の姿勢から腰を上下動させる「サイドヒップリフト」。
サイドプランクだけでも十分に腹斜筋を鍛えることができますが、動きを加えることでより強い負荷が腹斜筋にかかります。
手を横っ腹に置いて、腹斜筋の収縮を感じながら行うのもおすすめです。
サイドヒップリフトのやり方
- 足を伸ばして横向きに寝る
- 肩の真下に肘をつく
- 肘と床側の足で体を支え、頭から足までが一直線になるようにする
- 床にぎりぎりつかない高さまで腰を少しずつおろす
- 身体が一直線になるように腰をもとの位置まであげる
- 4と5を繰り返す
サイドヒップリフトのコツ
- 常に腹斜筋を意識する
- 動作はゆっくり行う
2.サイドヒップリフト(左)
右と同じです。3.メイソンツイスト(ロシアンツイスト)
腹斜筋を鍛える3つ目の自重筋トレは、上体をひねることで腹斜筋を鍛える「メイソンツイスト」。
お腹周りの脂肪を落とすのに効果的な腹筋メニューです。
負荷が物足りない方は、2Lのペットボトルやダンベルを持って行うのがおすすめですよ。
メイソンツイストのやり方
- 床に座る
- 少し上体を後ろに倒しながら、両足を少し浮かせる
- 足を浮かせた状態をキープしながら体を左右に交互にひねる
- この動作を繰り返す
メイソンツイストのコツ
- おへそを見ながら行う
- 動作中に足を地面につかない
- 足は少しだけ浮かせる
- できるだけ大きく上体をひねる
4.プランクローテーション
腹斜筋を鍛える4つ目の自重筋トレは、体を回転させることで腹斜筋を鍛える「プランクローテーション」。
通常のハイプランクにひねる動きを加えることで、効率よく腹斜筋を鍛えることができます。
常に横っ腹から脇腹にかけて力を入れて、体を一直線に保ちながら行いましょう。
プランクローテーションのやり方
- 両手を肩の真下について体を一直線にする
- 体を回転させながら右手を真上に持ち上げる
- 元の姿勢に戻る
- 交互に繰り返す
プランクローテーションのコツ
- 体を一直線に保つ。特に腰が引けてしまう方が多いので注意
- 呼吸を止めずに行う
- 手のひらではなく肘をついて行うのもOK
5.アンクルタップ
腹斜筋を鍛える5つ目の自重筋トレは、腹斜筋と腹直筋を一緒に鍛えることができる「アンクルタップ」。
頭と肩を浮かせて、おへそを見ながら行うことで効果的に腹斜筋と腹直筋に刺激を加えることができます。
また、腹直筋を集中的に鍛える筋トレは「腹直筋を鍛える最強の筋トレ」で紹介しているので参考にしてください。
アンクルタップのやり方
- 仰向けになる
- 膝を60度程度に曲げた状態で膝を立てる
- 上体を少し浮かせる
- 上体を左に屈曲させて、左手で左の足首をさわる
- 元の体勢にもどる
- 上体を右に屈曲させて、右手で右の足首をさわる
- 左右交互に繰り返す
アンクルタップのコツ
- 上体は常に少し浮かせた状態をキープする
- 膝を深く曲げて、無理なく足首に手が届く位置に足をつく
- 足首をタッチできない方は、可能な範囲で手を伸ばす
6.ライイングウィンドミル
腹斜筋を鍛える6つ目の自重筋トレは、足を前後に振ることで腹斜筋へ刺激を加える「ライイングウィンドミル」。
腹筋に力を入れながら行うことで、腹斜筋だけでなく腹直筋や腹横筋も同時に鍛えることができる優れた自重トレです。
ライイングウィンドミルのやり方
- 仰向けに寝て、両手を広げて上体を少し起こす
- 足を真上に持ってくる(腰が90度になるように)
- 足を右側へ倒していき、地面ギリギリで止める
- 元の姿勢に戻る
- 左側も同様に行う
ライイングウィンドミルのコツ
- 上体を少し起こして、おへそを見ながら行う
- 地面に着くギリギリまで足を下げる
7.バイシクルクランチ
腹斜筋を鍛える7つ目の自重筋トレは、脂肪燃焼効果の高い「バイシクルクランチ」。
脇腹から横っ腹にかけて負荷を加えることができるので、贅肉を落としつつ腹斜筋を鍛えることができます。
また、腹筋を割ってシックスパックを手に入れるための必須種目。短期間で腹筋を鍛える高い効果がありますよ。(参考:トレーナーが教えるシックスパックの作り方)
バイシクルクランチのやり方
- 足を立てた状態で仰向けに寝転がる
- 膝を曲げたまま、太ももが床と90度になるところまで上げる
- 両足は自転車のペダルを漕ぐイメージで動かす
- 両手をあたまの後ろに回し、おへそを見るようにして頭を上げる
- 左肘と右膝をくっつけるように、上半身を捻る
- 逆側も同様に行う
バイシクルクランチのコツ
- 呼吸を止めない
- 毎回大きく腹筋を動かす
8.ニーインプランク
腹斜筋を鍛える8つ目の自重筋トレは、足を胸に引きつけながら上体をひねることで腹斜筋に強い負荷をかける「ニーインプランク」。
難易度の高い自重筋トレですが、その分負荷も高いので効果的に腹斜筋へ刺激を加えることができます。
ニーインプランクのやり方
- 両手を肩の真下について体を一直線にする
- 右膝を左肘にくっつけるように引きつける
- 足をもとの位置に戻す
- 左も同様に行う
- 左右交互に繰り返す
ニーインプランクのコツ
- 足を引きつけるときにお尻が上がらないように注意する
- 足を引きつける動作をゆっくりと大きく行う
腹斜筋を鍛える自重筋トレの最適な回数とは
器具を使わない自重トレーニングでは高負荷にしにくいので、回数を増やして総負荷量を高めることが大切です。
また、高負荷のマシン筋トレと組み合わせて行うのもおすすめ。高負荷トレーニングで負荷を加えてから自重トレーニングで追い込みましょう。
目的によって最適な回数は異なりますが、目安として、
- 自重トレーニングだけの日:2〜3セット行う
- マシン筋トレと組み合わせる日:マシン筋トレ後に1セット行う
を行いましょう。
腹斜筋のストレッチメニュー2選
様々な腹斜筋の筋トレメニューを紹介してきましたが、鍛えっぱなしは良くありません。
ここからは腹斜筋を伸ばすストレッチメニューを紹介していくので、参考にしてください。
1.ツイストストレッチ
腹斜筋をしっかりと伸ばすことができる「ツイストストレッチ」。
手軽にできるストレッチですが、「目線を可能な限り後方に持っていく」ことを意識すると腹斜筋を効果的に伸ばすことができますよ。
2.風車
立ちながら腹斜筋を伸ばすことができる「風車」。
ゆっくりと大きく体をひねって、腹斜筋が伸びるのを感じながら行いましょう。
3.ストレッチポールでコロコロ
筋肉痛の軽減が証明されている「ストレッチポール」。
体を横向きにして、ストレッチポールの上でコロコロと寝転がりましょう。
まとめ
横っ腹にある腹斜筋を鍛えるための筋トレメニューをはじめ、負荷を高めるコツやストレッチメニューを紹介しました。
腹斜筋を鍛えれば、スポーツのパフォーマンス向上だけでなく、ボディスタイルが良くなるメリットもあります。
自宅でもジムでもコツコツと腹斜筋を答えて、理想のボディを目材ましょう!