腹横筋はお腹の最深部にある筋肉で、お腹を引き締める上で不可欠な筋肉。
内臓の位置を安定させたり腸の動きをサポートしたりと非常に重要な役割を持っています。
この記事では
- 腹横筋の役割
- 腹横筋を鍛えるメリット
- 自宅でできる腹横筋のトレーニングメニュー
を解説します。
スッキリとした綺麗な腹筋を作るためにも、腹横筋トレーニングを実践しましょう。
この記事を書いた人
林ケイスケ
uFit代表トレーナー
Youtubeチャンネル登録24万越え。自重トレーニングのメニューをはじめ、筋トレやダイエットの知識について執筆。フィットネスを通じて健康に目を向けてもらえるようトレーニング動画や記事を発信しています。
そもそも腹横筋とは
腹横筋とは、数ある腹筋群の中でも最も深層に位置するインナーマッスルです。
腹筋群を構成する外側の筋肉は、いわゆるシックスパックとなる「腹直筋」、脇腹を外側から支える「外腹斜筋」の2つで、これらは身体の外側から見えるアウターマッスル。
アウターマッスルの内側にあるインナーマッスルとして「内腹斜筋」があり、さらに内側にあるのが「腹横筋」です。
腹横筋は、上は肋骨から下は骨盤まで広い範囲にあり、内臓を支えるコルセットのように腹部を覆っている筋肉なんですよ!
腹横筋を鍛える3つのメリット
腹横筋を鍛えるメリットは主に3つあります。
メリットを理解してトレーニングのモチベーションを高めましょう。
腹圧が高まる!腹圧は全てのトレーニングの基本
腹横筋は腹筋群の最深部で内蔵を覆っている筋肉であり、腹腔内圧(腹圧)を高める際に大きく関与します。
プランクなど体幹に強い負荷をかけるトレーニングや、スクワットなど様々な種目で非常に重要になります。
しっかり腹圧をかけられるようになれば、トレーニングの強度が上がりますし、怪我の予防としても有効です。
お腹まわりの脂肪が減る
腹横筋は「内臓を支える」という、非常に重要な役割も持っています。
腹横筋をしっかり鍛えることで内蔵が正しい位置に安定し、美容面でも健康面でも大きなメリットがあります。
二足歩行をする人間は、腹横筋を鍛えて内蔵を支えないと重力で下に落ちてしまい、下腹部がぽっこり膨らんだり、胃腸に負荷がかかって消化不良になるなど不具合が多くなります。
腰の負担の軽減や排便の補助など日常生活が楽になる
腹横筋は、腹腔内圧によって背骨を支え、腰痛を予防する働きもあります。
腹横筋が弱いと背骨も不安定になってくるため、これが腰痛の原因となっているんです。
他にも腹横筋は腸を覆っている筋肉であり、腸のぜん動運動にも関わっています。
特に女性では腹横筋の衰えによって便秘になるケースも多く、腹横筋を鍛えたらお通じがスムーズになった例も多数報告されています。(参考:慢性便秘症に対する食事療法,運動療法,理学療法 第72巻10号0621頁)
腹横筋を鍛えるトレーニングメニュー10選
自宅でできる腹横筋を鍛えるトレーニングメニューを紹介します。
腹横筋は腹部のインナーマッスルであり他の多くの筋肉と協働します。
なので腹横筋だけを鍛えるトレーニングメニューはほとんどありませんが、腹筋を鍛えるメニューをやれば自然と一緒に鍛えられるんです。
1.ドローイン
ドローインは、当たり前のようにしている「呼吸」を使って腹横筋を鍛えるトレーニングです。
腹腔内圧を高めて腹横筋を収縮させるのに最もわかりやすいトレーニングで、まずはドローインのコツを掴んで腹横筋を鍛えるイメージを持ちましょう!
ドローインのやり方
- 直立して鼻で大きく息を吸う
- 口から細く長く息を吐き続け、腰を丸めて腹筋に力を入れる
- 腹筋でお腹の中の空気を絞り出すイメージで息を吐ききる
ドローインのコツ
- お腹を凹ませながら力を入れる
- 細く長く息を吐ききる
2.プランク
プランクは、お腹周りの細かい筋肉を全てまとめて鍛えられるトレーニングです。
腹筋トレーニングで一番にやるべきメニューで、女性でもまずは30秒を目標にすれば難易度は高くありません!
プランクのやり方
- 肘とつま先で身体を支えて一直線になる
- お尻が浮いたり沈んだりしないように耐える
- 初心者は30秒、慣れてきたら1分を目標にする
プランクのコツ
- 視線はおへそに向ける
- 腰を反らさずまっすぐに保つ
3.リバースプランク
リバースプランクは、その名の通り裏返って行うプランクです。
通常のプランクは腹筋を「伸展」させる負荷に耐えるトレーニングですが、リバースプランクでは腹筋を「屈曲」させる負荷に耐えることで腹筋群をまとめて鍛えます。
身体の前面と背面をバランス良く鍛えられるため、セットで行うと良いでしょう。
リバースプランクのやり方
- 仰向けの姿勢になる
- 肘をついて、上体をもちあげる
- 足を伸ばし、かかとを立てて、下半身を持ち上げる
- 足から頭までを一直線にして耐える
リバースプランクのコツ
- 視線はおへそに向ける
- 腰を反らさずまっすぐに保つ
4.スパイダープランク
スパイダープランクは、プランクの姿勢から片足を引き寄せてくるトレーニングです。
蜘蛛が這うように脚を動かすことが名前の由来で、特に脇腹の部分によく効くため、くびれを作るのに有効です!
スパイダープランクのやり方
- 両手とつま先で身体を支えて一直線になる
- 片足を曲げて膝を肘の方に引き寄せる
- 脚を戻して反対側も同様に行う
スパイダープランクのコツ
- 視線はおへそに向ける
- 腰を反らさずまっすぐに保つ
5.ヒップリフト
ヒップリフトは、仰向けの状態で膝を立て、お尻を持ち上げるトレーニングです。
本来は大殿筋のトレーニングですが、お尻を持ち上げて身体を一直線にする際に腹横筋にも負荷が入ります。
大殿筋が発達するとウェストとの段差が際立つため、よりメリハリのあるボディとなりますよ。
ヒップリフトのやり方
- 膝を立てて仰向けに寝る
- お尻を浮かせて、肩から膝までが一直線になるようにする
ヒップリフトのコツ
- お尻の筋肉を使っていることを意識する
- 反動をつけず、ゆっくりと動かす
- お尻を上げ切ったとき1~2秒キープする
6.片足ヒップリフト
片足ヒップリフトは、その名の通り片足で行うヒップリフトです。
脚を上げる動作が加わった分、通常のヒップレイズよりも大臀筋に高い負荷をかけることができます。
片足ヒップリフトのやり方
- 膝を立てて仰向けに寝る
- お尻を浮かせると同時に片足の膝を伸ばし、肩からかかとまでが一直線になるようにする。
- 脚をついたら、反対側も同様に行う
片足ヒップリフトのコツ
- お尻の筋肉を使っていることを意識する
- 反動をつけず、ゆっくりと動かす
- お尻を上げ切ったとき1~2秒キープする
7.マウンテンクライマー
マウンテンクライマーは、山道を駆け上がるように脚を交互に振り上げるトレーニングです。
上半身と下半身を繋ぐ腸腰筋が鍛えられ、体幹の安定を保つために腹横筋にも強い負荷がかかります。
下腹部の引き締めには、持って来いの筋トレですよ!
マウンテンクライマーのやり方
- 両手とつま先をついて身体を支える
- 腰を大きく上に突き出し、膝を交互に胸の方に引き寄せる
マウンテンクライマーのコツ
- 走るようにテンポよく行う
- 膝をなるべく胸に近づける
8.レッグレイズ
レッグレイズは、仰向けの状態で両足を持ち上げるトレーニングです。
上半身と下半身を繋ぐ腸腰筋が鍛えられ、下腹部のポッコリに悩む方にもおすすめです!
レッグレイズのやり方
- 仰向けで寝る
- 上半身を少しだけ起こした状態で、足をゆっくり持ち上げる
- 床に足がつくギリギリのところまで下げる(足は床につけない)
レッグレイズのコツ
- 反動をつけない
- 下ろすときに腰を反らさない
9.ニートゥチェスト
ニートゥチェストは、仰向けになって膝と胸を近づけるトレーニングです。
普通の腹筋よりも腹直筋の収縮が強く感じられ、特に下腹部に効きやすいトレーニングです!
ニートゥチェストのやり方
- 仰向けに上半身を持ち上げ膝を立てる
- カカトを浮かせて膝を胸の方に引き寄せる
- カカトを床につけないように足を伸ばす
ニートゥチェストのコツ
- 一回ごとに腹筋の収縮を意識する
- 膝を引き寄せたときに息を吐ききる
10.ハンドニー
ハンドニーは、四つん這いになって手と逆の脚を伸ばすトレーニングです。
体幹の安定を保つために腹横筋はもちろん、背筋も一緒に鍛えられるため、腰痛の予防などにも有効なトレーニングです。
ハンドニーのやり方
- ハンドニーのやり方
- 片手を伸ばすと同時に逆の脚も一直線に伸ばす
- 反対側も同様に繰り返す
ハンドニーのコツ
- 手の先からつま先までが一直線になるよう意識する
- 顔は前を向けたままにする
腹横筋のトレーニングメニューや回数をレベル別に紹介
上で紹介した腹横筋トレーニングの中から、レベルに合わせたメニュー例を紹介します。
これを参考に、腹横筋の筋トレに取り組んでみて下さい!
初級:トレーニング初心者の人
初心者の方は、いきなり高強度のトレーニングをするのではなく、まずは生活に取り込める筋トレで身体を慣らします。
以下のメニューを参考に、まずは3ヶ月取り組んでみて身体の変化を感じましょう。
中級:腹横筋を鍛えてお腹をへこませたい人
初級メニューに慣れたら、中級者メニューにレベルアップしていきます。
少しメニュー数を多くして、より負荷が増える狙いで作成しました。
ドローインは、筋トレの時間ではなく空き時間で行い、1日の中で多くのセット数をこなしましょう!
こちらも3ヶ月を目安に継続して取り組んでいきます。
上級:腹圧を高めて他のトレーニングも頑張りたい人
中級者メニューに慣れたら、上級メニューにレベルアップしましょう!
この段階では腹横筋を鍛えるだけでなく、腹部の筋肉を全体的に鍛える意識が重要になります!
こちらのメニューを6ヶ月ほど続けられると、かなり変化を感じれるはずです。
まとめ
腹横筋の役割とトレーニングメニューについて紹介しました。
腹横筋は腹部の肋骨のない部分をコルセットのように覆っており、お腹を凹ませて引き締めるには最も重要な筋肉です。
腹横筋の役割をしっかり理解し、効果的に鍛えてメリハリボディを作りましょう!