

ケアは「整える」より「崩さない」ために

オリンピック前は、ほぼ毎日のようにサポートを受けていて、練習が終わったらそのまま身体を整える、という生活でした。現在は週1〜2回ペースにはなりましたが、常にコンディションへの意識は持ち続けています。人の体は消耗品だからこそ、自分の状態と向き合い続けることを大切にしています。
競技をしていた頃は、ほんの少しの微調整がパフォーマンスに直結する感覚がありました。背骨のわずかな歪みやズレも回旋の動きに影響するため、常に整えてもらっていました。そうした環境が当たり前ではないと分かっているからこそ、身体を整えることの重要性は、今も強く感じています。

私の場合は、「終わってから」よりも「練習前」を重視していました。悪い状態で練習に入ると怪我につながるため、毎日ポールやマッサージガンなどを使い、その日の硬さやバランスを確認しながら整え、その日なりの良い状態に持っていく。
「ほぐしすぎると反応が落ちる」と言われることもありますが、私は柔らかい部分と硬い部分の差が大きいため、まずバランスを合わせることを意識していました。緩めたあとは、寝た状態で呼吸を入れ、体幹を締め、 座り → 片膝 → 膝立ち → 立位と段階を踏んでから練習に入ります。練習前には1時間〜1時間半ほどかけていました。怪我は長引くからこそ、予防を何より大切にしていました。
「形」は、見て学び、解釈して深めていくもの

形を最初に見たとき、純粋に「かっこいい」と思って、そこからずっとのめり込みました。武道ではあるのですが、見る側からすると“魅せる”要素もあって、迫力があって、引き込まれていく。ダンスとは違うけれど、披露するものとしての魅力があって、武道の中でもそこがすごく魅力的だなと思っていました。
空手って、形を創作できないじゃないですか。元々全部が決まっていて、一つ一つの技にも意味がある。だから、形が生み出された背景とか時代とか、先生たちが何を考えて作ったのか、そういうところに思いを馳せることも大事だと思っています。
それに、空手は特に口伝だったりして、書籍がないところも多い。戦争で焼けて残ってないものもあって。だから「見て学べ」になっていくし、感覚っていうより「解釈」なんですよね。言語化しづらいところを、自分の中でどう受け取って、どう身体に落としていくか。

もし将来、誰かを指導する立場になったとしても、「教える」っていうより、その人と一緒に切磋琢磨して成長していく感覚だと思います。先生方が積み上げてきた歴史や技術は守りながら、でも時代や考え方に合わせて、より良くするにはどうしたらいいかを考えていく。その人に合った指導、その人に必要なものを考えながら、歴史や背景もちゃんと伝えられる指導者になりたい。だからこそ自分自身の稽古も続けるし、学び続けていきたいと思っています。
現役の頃より練習量は減っているけど、少なくても毎日、触れるだけでもやる。それが自分の武道としての向き合い方だと思ってます。
清水希容さんにとって「休息」とは

休息って、私、下手だとは言っているんですが(笑)、絶対に必要だと思っています。人だけでなくて機械もそうですが、休息しないと壊れる。心も体もそうで、心が「リラックスできる」って思えるものが、一番大事な休息部分なんじゃないかなって。体が緩むことで気持ちがリラックスできるのもそうだし、香りとか視覚とか、いろんな要素があると思うんですが、心につながる休息が大事だと思います。
人って最悪、頑張ったら体は動くけど、心がなくなった瞬間に何も動かない。だから心が壊れる前に、休息ができないぐらいになる前に、ちゃんと休むのが一番大事。アスリートだけじゃなくて、みんなが必要だと思います。特に日本人は働きすぎって言われるくらいなので、気持ち的にも安らげる、リラックスできるツールみたいなものが増えていくのがいいんだろうなって思いますね。
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撮影の合間の一コマ

