

試合前の準備と練習の工夫

僕は試合前、全体練習の前に必ず自分の体に必要な準備をしています。体幹や腹筋系のコアトレーニング、それにストレッチは欠かせません。全体で最低限のストレッチはありますが、自分に足りない部分を補うのは個人の工夫次第です。およそ1時間弱、自分で体を動かす時間を確保しています。

高校時代は全く違っていました。アップももちろんしますが、ある程度終えたら、すぐにバットを振り始めるような流れでした。隣にレンコン畑があり、照明を使える時間も限られていたので、暗くなる前に練習を終わらせなければならなかったんです。キャプテンを務めていた僕は、アップを効率化し、短縮してでもメイン練習に時間を割けるよう工夫していました。高校時代はとにかく量をこなすしかなかった。でもプロに入ってからは基礎体力がすでに備わっているので、今は技術的な部分や実戦感覚を磨くことを重視しています。
また僕は「朝は一番早く来て、夜は一番最後に帰る」というポリシーを3年間貫いてきました。1年生のときから3年生の最後まで続けたことで、自分の芯が形づくられたと思っています。
身体のケア

身体のケアで特に気をつけているのは腰と背中です。野球は下半身と上半身の捻転で力を生み出すスポーツなので、その中間にある腰や背中に一番負担がかかります。だからこそ、ストレッチやリリーサーなどのマッサージ器、ポールでしっかりほぐして、疲れで背中が丸まらないように意識しています。

それから睡眠も大事にしています。高校時代は練習を優先してほとんど寝られなかったのですが、今は7〜8時間しっかり寝るようにしています。普段の身体のケアや十分な睡眠時間の確保によって、コンディションの違いは本当に大きいと実感しています。
遠征に必ず持っていくのはスキンケアグッズです。肌が弱く、ホテルの備え付けのものだとすぐ荒れてしまうんです。肌荒れやむくみは集中力にも影響するから、僕にとっては欠かせない大事なケアの一つです。
山瀬選手にとって休息とは

監督から「オフの日はどこかに出かけなさい。休むのも練習だ」とよく言われています。家でダラダラしていると野球のことばかり考えてしまうので、散歩に出たり、新しいご飯屋さんに行ったりして、意識的に違う景色を見るようにしています。
僕にとって休息とは、「野球のことを考えていない時間」です。試合が終わって車で帰るとき、あえて音楽を聴いて野球を忘れる。それも休息だと思っています。人によって休息の形は違うと思いますが、僕にとっては野球を考えていない時間が休息です。
野球に全力で向き合う時間と同じくらい、自分の人生を楽しむ時間も大切にしていきたいです。
撮影の合間の一コマ
