

足りなかった「ケア」

ケアの観点でお話しすると、私にとってはやっぱり「足りなかったもの」だと強く感じます。競技人生の中で欠けていた部分で、その後悔はいまだに大きいですね。
現役の頃は、ケア用の道具も少なく、環境も今ほど整っていなかったので、夜まで練習があると「ケアを取るか睡眠を取るか」を迫られることもありました。全員が十分なケアを受けられるような環境ではありませんでした。

私は脊柱管狭窄症の手術もしていますが、今でも足のしびれや痛みが残っています。学生時代は「睡眠をとっていれば大丈夫」くらいに思っていて、ケアへの意識も低かったので、自分が怪我をして初めて意識が変わった、というのが正直なところです。
小学生の頃からのオーバーユースが原因で二十歳前後で発症したので、本来なら高齢の方がなる病気なのに…と思うと、やっぱり体を犠牲にしすぎてしまったな、という想いがあります。
今では、選手として長く活躍することが、本当に幸せな競技人生なんじゃないかと強く思います。大人の役割

選手自身は、どうしてもケアや休息そっちのけで目標に向かって突き進んでしまうものなので、だからこそ「周りの大人がケアを促すこと」がすごく大事だと思っています。
でも、「休むと戻すのに三日かかる」など、休むことが悪いことのように扱われてきた文化があって、その価値観がまだ残っていたりして…。
例えば、バレーボールばかりで睡眠が取れず、成長の妨げになってしまうと、体にも脳にも心にも良くない。だからこそ、休息は健康な体と心を育てるために“絶対に必要”なんだと伝わってほしいです。

私自身、子どもの頃は父がマッサージをしてくれていました。当時は当たり前のようにお願いしていましたが、自分が親になって、あれだけ忙しい中で時間を割いてくれていたんだと思うと、涙が出るほど感謝しています。
こうしたケアは本当に一生を左右します。目先の勝ち負けではなく、長い人生を健やかに生きられるかどうかに関わるものだと強く感じています。
選手にとって「休息」とは

休息とは…私にとっては「足りなかったもの」です。もっと優先順位を上げて、練習と同じくらい大事にするべきものだったなと、本当に思います。
休息やケアは「次のパフォーマンスを引き出すための準備時間」。むしろ、飢えている状態の方が選手は伸びるんですよね。「もっとやりたい」と思える余白が大事で、練習でお腹いっぱいにしちゃうと伸びないんです。
そして何より、勝利よりも大事なのは「心と体の健康」。
これを伝えるために、私は今活動しています。
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