

「表」を支える「裏」の時間

年齢は上がり、能力は反比例して下がっていく。その現実を受け入れた上で、どうやって自分をアップデートしていくかが大事だと思っています。トレーニングだけでは支えきれなくなる分、食事や栄養のとり方、睡眠、そして休息の質に時間をかけ、全体のクオリティを上げることを意識しています。むやみに練習量を増やすのではなく、「どう抜くか」「どう整えるか」を考えるようになりました。
リズムトレーニングで教わった「表と裏」という考え方も、まさに今の自分に重なります。表の時間(本番)で結果を出し続けるために、裏の時間でどれだけ脱力して、リラックスして、エネルギーを蓄えられるか。どんなに忙しくても、少しでも休む・趣味の時間を作るようにしてから、体と心に余裕ができました。オンとオフのリズムが整うと、自然とパフォーマンスの波も安定していく感覚があります。

そして、どんなに年齢を重ねても大切にしているのが「基礎」です。基礎は「一日でなくなる」と思っています。実際に無くなるわけではなく。日々積み重なっていくもの。ただ、あえて「無くなっている」と感じることで、毎朝あらためて基礎を固める意識を持ち続けています。
基礎をすっ飛ばして違うことをやり始めたりすると、ケガにもつながります。作業になった瞬間に崩れるので、「これがあって自分がある」と思いながら毎回同じ気持ちでやっています。
心身を整える

選手としての活動に加えて、指導者としての役割もあるので、日々マルチタスクの中で動いています。なかなか休息の時間をまとめて取るのは難しいんですが、身体のケアは絶対に怠りません。それこそマッサージガン(uFit RELEASER)も日常的に使っています。運動前のウォーミングアップや、練習後のリカバリー、寝る前のリラックスタイムなど、目的に合わせて使い分けています。自分のコンディションを整える上では欠かせないツールですね。

また、コーヒーを入れるのにハマっていて、豆から挽いてドリップするのが日課になっています。どんなに忙しくても、起きる予定が7時なら30分前倒しで起きて、コーヒー時間をつくるのが自分の中のルール。ほっと一息つける時間を意識的に作っています。どうせ安いものを買うぐらいなら、一番いいやつをと思って「コマンダンテ」を使っています。均一に挽けた粉を眺めながら、香りや質感を楽しむ時間は、まさに自分にとっての癒しです。
それから、サウナにもよく行きます。心の休養として本格的に取り入れ、科学的・医学的に裏づけのある入り方を自分で試し始めてから、もう4年ほどになります。サウナ→水風呂→外気浴のサイクルを大切にしていて、師匠はサウナ学会を立ち上げた第一人者。最初はそのメソッドを素直に実践し、そこから自分なりの最適な入り方を見つけていきました。サウナの中ではデバイスをすべてシャットアウトして、熱さ・冷たさ・自分の身体だけに集中する。そんな時間を、忙しい時こそ意識的に取るようにしています。
右代選手にとって「休息」とは

休息は、単に「体を休めること」ではなく、「今の自分に足りないものを満たすこと」だと思っています。年齢を重ねるにつれて、トレーニングだけでは補えない部分が増えてきます。だからこそ、体のケアや食事、睡眠、そして心のリズムを整えることに、しっかり時間を使うようになりました。
人は年齢とともに変化していくもの。過去の自分に固執せず、今の自分を素直に受け入れてアップデートしていくことが大切だと思います。
表(パフォーマンス)を出すためには、裏(休息・脱力・リラックス)をどれだけ豊かにできるかが鍵。探求を止めず、自分を磨き続けていく、その積み重ねが、次の挑戦へとつながっていくと感じています。
選手愛用アイテム

撮影の合間の一コマ

