女子総合格闘家として17歳でデビューし、「RIZIN」で優勝するなど常に第一線で活躍してきた浅倉カンナ選手!
前回の『浅倉カンナ選手の痛いしくじり』では浅倉選手の競技人生での後悔について伺うことができました。
【前回の記事を見る:浅倉カンナの痛いしくじりとは?】
今回は「女性アスリートだからこその悩み」というテーマで、女子格闘技選手特有の悩みや恋愛事情についてインタビュー形式で深掘りしていきます。
他メディアでは決して話さない、悩みや恋愛トークなどをお届けします!
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浅倉カンナ
女子総合格闘家
千葉県出身。1997年10月12日生まれ24歳。パラエストラ松戸所属。RIZIN 2017 女子スーパーアトム級トーナメント優勝。 アメリカ老舗MMAサイト・SHERDOGの女子世界アトム級ランキングで4位にランキングされている。人気YouTuberとしても活躍中。
女性アスリートにありがちな悩みとは?
林:女性アスリート特有の悩みとはなんですか?
浅倉:自分は人よりは肩幅とかあるし、腕周りとかごついんで、まず服を選ぶときにやっぱり結構気にしますね。体型がちょっと隠れるような服装を着たり。でもそれって自分はあるときから気にしなくなりました。中学生や高校生のときなんかは半袖を着ていると人よりゴリっとするし、レディースの服とか着るとラッシュガードみたいにパツパツになっちゃうんですよ。あ、これだめだみたいなのあるんですけど、でもそれってやっぱり(女性アスリートは)みんな同じ感覚だと思いますね。自分はどうでもいいと思うようになっちゃんたんですけど、悩んでる人は本当に多いと思いますね。
林:「どうでもいい」とは思えるきっかけはありましたか?
浅倉:きっかけはあんまりないです。でも、逆にそれだけをやってるってことじゃないですか。普通の人よりゴツいってことは普通の人より何かを頑張ってるっていうことだと思うんで、結構ポジティブなんでそこは切り替えられたんですけど、今でもぴちっとした服は着ないですね。これはずっと気にしちゃってるんだと思います。
林:浅倉選手の場合はポジティブな思考で乗り越えたということですね?
浅倉選手:あるあるな悩みではあると思うんですけど、気にしてるとしんどくなっちゃうかもしれないです。格闘技やってますって自分は出てるんで、体型のことを言われても別に気にしないし、体重聞かれても何キロですって言えるぐらいなので。格闘家は体重が何キロ級って出るので、だから気にしてないのかもしれないですね。
男子選手との練習について
林:女子格闘選手の練習を見ていると男性と一緒に練習しているところをよく見るのですが、そこで悩みとかはありますか?
浅倉:やっぱりプロになってくるとジムに女子がほとんどいないので、そういう部分で今までずっと男子選手と練習してきましたね。
林:ちなみに男女比でいうとどれくらいなんですか?
浅倉:今のジムでは、格闘技を初めて入ってきて二人になった時もあるし三人のときもあるけど、辞めちゃう人もいて。だから一人の時も全然あります。練習に行って「あ、今日女子いないな…」みたいなのは全然あります。
林:男子選手との練習ではどういった場面で困りますか?
浅倉:自分の試合前はいつも軽量級の男子と練習するんですけど、相手が試合前の子だとちょっと「相手にならないだろうな」みたいな気を使っちゃったりとか、あと組みに行きづらい時とか結構ありますね。あとは男子選手が力を抜いてくれるんで、競った練習があまりできないんですよ。綺麗には戦えるけどガムシャラな感じは出ないんで、そういう部分では女子選手の練習の方が楽しさもあるし、やっぱり実戦的な感覚は全然ちょっとまた違うのかなと。でも自分はその中で覚えたこともたくさんありますね。だから男子選手との練習が悪いって訳ではないと思います。でもそこの悩みは多いですね。
林:なるほど。ちなみにジムでは女性用の更衣室とかシャワーってきちんと分かれてるものなんですか?
浅倉:更衣室は分かれてます。でもジムには男子選手がいっぱいいるじゃないですか。みんな普通に脱いだりするので、全く気にしなくなっちゃいました。男子選手たちもみんなたぶん女としてではなく後輩として思ってるんで、別に気にしてないと思うんですけど、そういうのはありますね。むしろ試合感覚に近くなるように上半身裸で練習してる人もいます。全然そういうのを気にしてないなって感じです。
格闘家ならではの恋愛の障害とは?
林:女性アスリートの恋愛事情について何かお話があればお願いします。
浅倉:まあ恋愛ってほんと人それぞれだと思うんですけど、難しいと思いますね。理解がないと。特に格闘技は殴り合うのを見れる相手じゃないとまず駄目だし、やっぱ格闘技を一番に考えちゃうので、例えば誰かと付き合いましたってなっても、練習が入ったらそっちを優先しちゃったりとか。そういうのを理解出来る人じゃないと上手くいかないのかなっていうのは思いますね。あとは格闘技だと減量もあるじゃないですか。だから減量入っちゃうと食べれないことも多いし。そういう部分で普通の女性とはまたちょっと違うのかなっていうのは思います。そういう理解があるのとないのと全然違うかなっていうのは思いますね。難しいですよね。
林:例えば減量中に隣でたくさん食べられたら嫌とかあるんですか?
浅倉:自分はそういうの全然なくて、むしろ食べるなら美味しそうに食べてっていうタイプです。でも結構減量してるとピリピリしてくるんで、ほんと些細なことでも怒ったりする人もいるんで、人それぞれだとは思うんですけど、においとかも敏感になるし、ピリピリしちゃう人もやっぱ多いんで、大会近づくと、気持ちもやっぱスイッチ入るし、自分は結構このまんまなんですけど。
「女子」総合格闘技の見どころとは?
林:女子格闘技で男子と違う「見どころ」を教えてください。
浅倉:女子ファイターは身体が結構柔らかいので、男子選手と比べて技が決まらなかったりとか、練習やっててすごい思います。やっぱり体の使い方が全然違くて、特に寝技とかになると女性の方が技が決まりづらかったり、キープしづらかったりとかそういうのはありますね。あと自分は結構下の階級なので、やっぱKOが少ないっていうのも特徴なのかなって思います。まあ倒れることやクラっとなることもあるんですけど、記憶がボンって吹き飛ぶくらいのKOもまあ難しいですよね。そこはあった方が女子の格闘技も盛り上がるだろうなとは思うんですけど、そこはやっぱ男子と違うところかなと思いますね。
まとめ
今回は浅倉カンナ選手に「女性アスリートならではの悩みとは?」というテーマでお話を聞いてきました。
女子ならではの葛藤や恋愛観は、今後の女子総合格闘技を見る上で応援したくなる一つのポイントです!
次回の対談では「浅倉カンナのオフの過ごし方」というテーマでお話を聞いていきます。
【第2回】「浅倉カンナにとってライバルは?」
【第3回】「浅倉カンナ選手の痛いしくじりとは?」
【第5回】「浅倉カンナのオフの過ごし方」