オリンピックを目指した体操少年からクライマーへ

──クライミングを始めたきっかけはなんですか?
楢﨑 元々スポーツ全般大好きだったんですけど、5歳からずっと器械体操をやっていました。
9歳か10歳くらいの頃に器械体操を辞めて、その中で何かやりたいなと思った時に、兄が新聞のチラシで見つけたクライミングスクールについて行ったのがきっかけです。
──体操が怖くなりクライミングに転向したというのは本当ですか?
楢﨑 本当です。
元々は器械体操も本気でやっていてオリンピックを目標にしていました。
しかし、途中で輪っかが怖くなってしまい、トラウマから抜けられなくて辞めてしまったっていう感じです。
人生の岐路は思いがけない場所に現れるものです。
楢﨑選手にとって器械体操のトラウマが、世界一のクライマーへの第一歩となりました。
「ワクワク感」が原動力──世界が認めた独創的なスタイル

──クライミングにはどのような種目があるのですか?
楢﨑 3つあります。
1番分かりやすいのが、スピード種目です。高さ15mの壁を何秒で登れるかを競います。瞬発力が必要で、陸上競技で言う100m走のような競技ですね。
2番目が、ボルダリング種目です。用意された課題(※1)を制限時間以内に何本登り切ることができるかで順位を競います。独創性や、多様な動きに対応できるかという部分が大事になってきます。
最後はリード種目です。スタートからゴールまで高さ15mの壁を、制限時間内にどこまで登り切ることができるか最終到達高度を競います。陸上競技で言うと、マラソンのような感じで持久力が必要な競技です。
(※1)課題/登るコースのこと──クライミングの魅力はどんなところですか?
楢﨑 魅力は何と言っても自由なところですね。
元々体操やっていたというところもあるんですけど、ほとんどの競技は練習したものを、大会でいかに失敗せずにやるかというところにあると思います。
クライミングは、大会当日にどんな課題が出るかわからないです。
その中で、自由な発想力や、壁の中でどれだけ自由に動き回れるかというところが要求されるので、そこがすごく面白いです。
──「Tomoa Style」と呼ばれるほどの独創的な動きをされていますが、どのように閃きが起こるのでしょうか?
楢﨑 楽しさや遊びの要素が強いです。ここからここに行けたらワクワクするな、面白いなみたいなところから、飛んだりする動きが好きになっていきました。
練習を続けていくうちに、徐々にそういった動きが世界で一番うまくなったっていう感じですね。
多くのスポーツ選手が厳格なトレーニングに向き合う一方で、楢﨑選手は「ワクワク感」を大切にしています。
この姿勢が、世界で唯一無二の「Tomoa Style」を生み出す源となっているようです。
世界一のパフォーマンスを支える──指先から全身までのケア術

──クライミングで特に疲労を感じる部分はどこですか?
楢﨑 背中と脇から下の部分がすごく疲れます。また、指先は特に消耗が激しいですね。
──ケアを意識し始めたのはいつ頃ですか?
楢﨑 ケアを意識し始めたのは、18~19歳ぐらいです。
それまでは本当にただ登って、疲れたら休んでっていうのを繰り返していました。ですが、だんだんと肩や肘が痛い時が出てきてしまったので、先輩に聞いたりトレーナーの先生を紹介してもらったりしてました。

──普段どのようなケアをされていますか?
楢﨑 指先のストレッチや関節の動きを揺らして良くするようなことをしています。
クライミングは、指の感覚が大事になってくるので、指へのケアは欠かせないです。皮も消耗するスポーツなので、保湿もしています。
──他にどんなケアをされていますか?
楢﨑 鍼の治療もやってもらっています。指に付いてる腱もすごく疲労が溜まり、パンパンになっていきます。そこを緩めるために、鍼を打ってもらったりとかもしてます。あとは、uFit RELEASERでセルフで緩めたりもしてます。
全身を支える小さな指の筋肉や腱。その微細な箇所のコンディショニングこそが、世界レベルのパフォーマンスを支える土台となっているようです。

──uFit RELEASER以外にお気に入りのケア用品はありますか?
楢﨑 お気に入りはuFit Vibrating Rollerです。
クライミングは背中や脇から下の部分がすごく疲れます。uFit RELEASERだけだとなかなか広背筋とかはケアしづらいんです。uFit Vibrating Rollerだと寝っ転がりながら圧力をかけてコロコロできるので、すごく気に入って使ってます。
uFit RELEASERでピンポイント、uFit Vibrating Rollerで広背筋を効率的にケアと、用途を使い分けた丁寧なケア習慣が伺えます。
選手としての強みと弱点──次なる挑戦への道

──得意な種目と苦手な種目はなんですか?
楢﨑 1番得意なのはボルダリングです。
ボルダリングは僕も世界チャンピオンにもなってますし、かなり自信がある競技です。
1番苦手というか、1番歴が浅いのがスピードクライミングです。東京オリンピックのために初めてやったので、専門のスピード競技の人と比べるとやっぱりまだまだですね。
──得意な動き、苦手な動きはありますか?
楢﨑 技術的な長所は、瞬発的な動きやバネを使うような動きです。
「ランジ」というホールド(※2) からホールドに飛ぶ動きや、「コーディネーション」という一瞬で幾つもの動きをミックスさせてやるような動きがすごく得意です。
短所は、スタティックな静的に動くような動きが苦手です。ダイナミックな動きが得意な分、体を固める動きはまだまだ甘いかなと思ってます。
(※2)ホールド/登る壁に取り付けられた、突起した手掛かり、足掛かりとなるものダイミナックで独創的な動きを表現できるボルダリングが得意だと言います。
苦手であるスピード種目や静的な動きを日々練習しているようです。
次なる目標とファンの方への思い

──直近の目標を教えてください。
楢﨑 直近で言うと、今年一番の目標は世界選手権で優勝することです。
──ファンの皆さんへメッセージをお願いします。
楢﨑 クライミングは、すごく難しいと思われてることが多いんですけど、みんなが思ってる以上に運動神経や身体能力はそこまで必要ではないです。
日本代表クラスでも、他の運動は全くできないけど、クライミングだけめちゃくちゃうまい人もたくさんいます。
気になった方は、全国どこにでもジムはあるので、気軽にぜひ行ってみてください。
まとめ
楢﨑選手のインタビューからは、クライミングという競技の奥深さと魅力が伝わってきました。
「ワクワク感」を大切にし独自のスタイルを支えるのは、ケアへの意識の高さです。
指先の細かな関節から体の隅々まで気を配る姿勢が、高いパフォーマンスの維持を可能にしています。
クライミングの魅力を広め、さらなる高みを目指す楢﨑選手の挑戦は、これからも続きます。
アスリートの挑戦を支えるケアブランド uFit
今回のインタビューで楢崎選手が語ってくださったように、日々のトレーニングや大会でのパフォーマンスを最大限に引き出すためには、質の高いケアが不可欠。
uFitは、楢崎選手のようなトップアスリートをはじめ、さまざまな競技の選手たちの挑戦を、最先端の技術とノウハウでサポートしています。

ケアブランドuFitは、単なる疲労回復だけでなく、パフォーマンス向上、怪我の予防、そして競技への集中力維持まで、アスリートのあらゆる側面をサポート。
楢崎選手が愛用する「uFit RELEASER」「uFit Vibrating Roller」をはじめ、uFitが提供する製品は、アスリートの最高のパフォーマンスを支えるためのツールとして、多くの現場で活用されています。



