インナーマッスルで身体の軸を作り上げる|部位・鍛えるメリットを紹介!

インナーマッスルで身体の軸を作り上げる|部位・鍛えるメリットを紹介!

2023/05/29

「インナーマッスルって何?」
「インナーマッスルを鍛える必要はある?」

スポーツや筋トレをする上で、なくてはならない存在の「インナーマッスル」

インナーマッスルを鍛えると、身体の軸が安定して姿勢の改善や動きがスムーズになりますよ!

今回は、そんな動ける身体を作り上げるインナーマッスルについて解説します。

この記事でわかること!

  • インナーマッスルとは?
  • インナーマッスルがあるメリット・効果
  • インナーマッスルの鍛え方
  • インナーマッスルを強化する「ピラティス」とは?

インナーマッスルについて理解して、理想の身体を作り上げましょう!

そもそもインナーマッスルとは?

インナーマッスルとは、直接触れることができないほど身体の深層部に位置する筋肉。

関節や内臓を安定させ、アウターマッスルとともに働いて動作の補助や姿勢をキープさせるために働いています。

「体幹=インナーマッスル」と捉えられることが多いですが、実は違います!

インナーマッスルは、身体の深層部に位置する筋肉の総称であるのに対し、「体幹筋」は、主に腹部周辺の筋肉を指しているのです。

「インナーマッスル」と一言で言っても、身体の部位によって分かれているので、主要なインナーマッスルについて解説していきます。

肩関節のインナーマッスル

 ローテーターカフ

肩関節のインナーマッスルは

  • 腕を横に持ち上げる動作に関わる「棘上筋(きょくじょうきん)」
  • 肩後方の安定性に重要な「棘下筋(きょくかきん)」
  • ボールを投げる時に重要な「肩甲下筋(けんこうかきん)」
  • 唯一、肩甲骨前面に接している「小円筋」

の4つがあり、総称してローテーターカフと呼ばれています。

ローテーターカフを鍛えると、肩関節に関わるパフォーマンスを安定させて、怪我のリスクを軽減させることができますよ

【参考】肩のインナーマッスルはなぜ重要?

胸部のインナーマッスル

前鋸筋と小胸筋の画像

胸部のインナーマッスルは

  • 大胸筋に覆われている「小胸筋」
  • ギザギザしている「前鋸筋(ぜんきょきん)」

の2つがあります。

小胸筋は大胸筋の裏側に位置する筋肉。小胸筋を鍛えることで、大胸筋の見栄えをよくしたり、女性のバストアップに効果的ですよ

デスクワークなどで肩を丸めた姿勢で長時間過ごしている方は、小胸筋が凝り固まってしまうことが多いので、小胸筋をストレッチさせて胸まわりの血行を良くしましょう。

前鋸筋は胸郭の外側に位置する筋肉。前鋸筋を鍛えると、「腕を前に押し出す」動作が安定して強くなります

ボクシングなどの格闘技のパフォーマンス向上やベンチプレスなどのプレス系種目の安定感向上に効果的です。

体幹部のインナーマッスル

体幹部のインナーマッスル

体幹部のインナーマッスルは

  • コルセットのような役割を果たす「腹横筋(ふくおうきん)」
  • 長い筋肉が細かい束になっている「多裂筋」
  • 呼吸するたびに動作する「横隔膜」
  • ハンモックのように広がる「骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)」

の4つがあり、総称してコアマッスルと呼ばれます。

コアマッスルを鍛えることで、身体の芯を整えて姿勢を改善し、身体の軸を安定させることができますよ!

姿勢の悪さから生じていた腰痛を改善し、疲れにくい身体を作り上げることもできます。

股関節のインナーマッスル

腸腰筋の画像

股関節のインナーマッスルは

  • 腸腰筋で最も深層部にある「腸骨筋」
  • 動作を行う上で主に働く「大腰筋」
  • 大腰筋の補助的な働きをする「小腰筋」

の3つがあり、腸腰筋(腸腰筋群)(ちょうようきん)と呼ばれています。

腸腰筋は股関節を曲げる動作をする歩行や走る動作で働くインナーマッスルです。

腸腰筋を鍛えることで、姿勢の改善につながり体幹を安定させることができますよ!

上半身と下半身を繋いでいる筋肉でもあるので、スポーツではかなり重要な役割を担っているインナーマッスルです。

林ケイスケ

インナーマッスルとは反対に「アウターマッスル」という筋肉があります。

筋トレによって大きくさせたり、引き締まっているように見せる表面上の筋肉がアウターマッスルです。

身体の部位 インナーマッスル アウターマッスル
ローテーターカフ 三角筋
小胸筋 大胸筋
 腹直筋 腹横筋
インナーマッスルは関節や動いたときの安定性を補助し、アウターマッスルで力強く動かす大きな役割を果たしています。

インナーマッスルを鍛えるメリット2選

姿勢の改善につながり、疲れにくい体を作る

インナーマッスルを鍛えると姿勢の改善につながり、スタイルが良くなります。

特に体幹部のコアマッスル(腹横筋・多裂筋・横隔膜・骨盤底筋)を鍛えると、身体の軸が安定して正しい姿勢を維持できるようになりますよ!

姿勢が改善されると、血行を促進させる効果があるので身体のむくみやだるさ、凝りも改善します

けが予防とパフォーマンス向上につながる

インナーマッスルが硬くなって、関節がスムーズに動かなくなることで起こる怪我のリスクを予防できます。

インナーマッスルは体幹のバランスや関節を安定させる役割を持っているため、ほぼすべてのスポーツにおいて、パフォーマンス向上に影響するわけです。

ある研究で「100m走タイムとインナーマッスルの関係」を調べたところ、体幹部のインナーマッスルである腹横筋と多裂筋が大きいと、100m走のタイムが速いことが明らかになりました。

インナーマッスルを鍛えると、関節が安定し身体の動きがスムーズになり、重いものを持ち上げたり、速く走ったりできるようになります!

【参考】A 100-m Sprint Time Is Associated With Deep Trunk Muscle Thickness in Collegiate Male Sprinters

林ケイスケ

「インナーマッスルを鍛えて脂肪を落とす!」と書いている記事があります。

しかし、ダイエット目的で脂肪を落としたいのであれば、アウターマッスルを鍛えるほうが効果的

アウターマッスルは大きな筋肉ですが、インナーマッスルは関節周辺に存在する小さな筋肉です。

筋肉量が多いほど基礎代謝の代謝量が高くなります。つまり、代謝量が多いと食べたものの栄養素が利用されて消費される量の増加に伴い、脂肪もエネルギーとして消費されます。

したがって、大きい筋肉であるアウターマッスルを鍛えることが、ダイエット効果があります!

各部位にあるインナーマッスルの鍛え方

それぞれのインナーマッスルを鍛える方法について、回数やセット方法も紹介しているので参考にしてくださいね。

肩関節のインナーマッスルを鍛える

Intローテーション

Intローテーションでは、棘下筋・小円筋・肩甲下筋を主に鍛えることができます。

今回はケーブルで行う方法を紹介しますが、チューブでも可能です。

Intローテーションのやり方

  1. 肘の高さにケーブルマシンを設置する
  2. ケーブルマシンに対して横向きに立つ
    ・親指を立てた状態で握れるグリップを取り付けて持つ。
    ・もう一方の手で肘を引き寄せて開かないようにする。
  3. 肘から下だけを使ってケーブルを身体の内に引き寄せる
    ・身体につくギリギリまで引く。
  4. 元の位置に戻す
  5. 同じ動作をもう一方の手でも繰り返す
    ・左右20回できる重さで1~2セット行う。

Extローテーション

Extローテーションは、Intローテーションと同様に棘下筋・小円筋・肩甲下筋を主に鍛えることができます。

Intローテーションは、「身体の内に向かって引く動作」だと説明しましたが、Extローテーションは、「身体の外に向かって引く」という違いがあります。

Extローテーションのやり方

  1. 肘の高さにケーブルマシンを設置する
  2. ケーブルマシンに対して横向きに立つ
    ・親指を立てた状態で握れるグリップを取り付けて持つ。
    ・もう一方の手で肘を引き寄せて開かないようにする。
  3. 肘から下だけを使ってケーブルを身体の外側に向かって引く
    ・外側には、150度程度開くように引く。
  4. 元の位置に戻す
  5. 同じ動作をもう一方の手でも繰り返す
    ・左右20回できる重さで1~2セット行う。

胸部のインナーマッスルを鍛える

ダンベルプルオーバー

小胸筋は、ベンチプレスやダンベルフライなどの胸のトレーニングで使われにくいため、効率よく鍛えることができません

しかし、バンザイする姿勢でストレッチと収縮を行えるダンベルプルオーバーは、小胸筋に効かせることができますよ!

アウターマッスルとインナーマッスルを鍛えられる一石二鳥の種目です。

ダンベルプルオーバーのやり方

  1. クロスベンチの状態を作る
    ・肩甲骨部分をベンチに乗せて仰向けになる。
  2. ダンベルを両手に持つ
    ・肘を開き気味にしてやや曲げる。
    ・下ろすときも上げる時も肘は曲げた状態で行う。
  3. ダンベルを下ろす
    ・息を吐きながらダンベルと同時にお尻も下ろしていく。
  4. ダンベルを上げる
    ・息を吸いながらダンベルと同時にお尻も上げていく。
    ・ダンベルを肩の真上よりもやや手前まで持ち上げる。
  5. 同じ動作を繰り返す
    ・10回できる重さで1~2セット行う。

【参考】詳しいダンベルプルオーバーのやり方はこちら!

壁を使って前鋸筋を鍛える方法

前鋸筋も普段のトレーニングでは、なかなか鍛えづらい筋肉です。

たまには、使っていない筋肉にも刺激を入れて鍛えていきましょう!

ダンベルプルオーバーのやり方

  1. 壁に肘をつける
    ・肘の角度は垂直か、逆ㇵの字になるようにする。
  2. 骨盤を後傾する
  3. 背中を丸めて息を吐く
  4. 少ししゃがむ
    ・膝を前に出すようにしゃがむ。
  5. 元に戻る
  6. 同じ動作を繰り返す
    ・10回 × 1~2セット行う。

体幹部のインナーマッスルを鍛える

プランク

プランクでは、おなかの真ん中にある腹直筋などのアウターマッスルだけでなく、体幹部のインナーマッスルも同時に鍛えられます。

インナーマッスルのみを鍛える種目ではないので注意してください。

プランクのやり方

  1. うつ伏せになる
  2. 床に手から肘までをつけたまま、上体を起こす
  3. 体幹に力を入れて膝と腰を床から浮かせる
  4. 頭とカカトまでが一直線になった状態を保持する
    ・お尻が上がらないようにする。
  5. 30秒 × 1~2セット行う
【参考】プランクの全32種類のやり方を紹介!

ドローイン

ドローインは、呼吸でインナーマッスルを鍛える種目。

綺麗なシックスパックをドローインでは、作れないので注意が必要です!

ドローインのやり方

  1. 仰向けに寝転がり、膝を立てる
    ・両手はお腹に当てておく。
  2. 腰を床に押し付ける
    ・背中が床にべったりついている状態にする。
  3. ゆっくり息を吐きながらお腹を凹ませる
  4. これ以上お腹が凹まないというところまで息を吐ききる
    ・吐ききった状態をキープして浅い呼吸を繰り返す。
  5. お腹を凹ませて10~30秒キープしたらもとに戻す
    ・3セット行う
【参考】ドローインの正しいやり方・番外編も紹介!

股関節のインナーマッスルを鍛える

レッグレイズ

レッグレイズは、足の自重に耐えながら腸腰筋を鍛えられます。

腸腰筋を鍛えるだけでなく、下腹部のアウターマッスルも鍛えることができますよ!

レッグレイズのやり方

  1. 仰向けに寝転がり、脚を上げる
    ・両手を床につけてバランスを取る。
  2. 骨盤を丸めて、腹筋全体に力を入れる
  3. 足を床すれすれの位置まで3秒かけてゆっくり下ろす
    ・足は地面につけない。
    ・お腹の下あたりに力が入っている意識を持つ
  4. これ以上お腹が凹まないというところまで息を吐ききる
    ・吐ききった状態をキープして浅い呼吸を繰り返す。
  5. 足を上げる
  6. 同じ動作を10回3セット行う

フランケンシュタイン・ウォーク

フランケンシュタイン・ウォークは、名前のとおりにフランケンシュタインのように歩きながら行います。

腸腰筋の他に、モモ裏のハムストリングもストレッチさせながら鍛えることができますよ!

フランケンシュタイン・ウォークのやり方

  1. 手足を大きく前に上げて歩く
    ・前に出した足のつま先が、反対の手につくように上げる。
    ・膝が曲がらないように注意する。
  2. 常に背筋は真っすぐな状態をキープする
  3. 同じ動作を30歩程度繰り返す

ピラティスでインナーマッスルを強化する!

これまで、インナーマッスルを鍛える種目を紹介してきました。

種目以外に「ピラティス」というエクササイズもインナーマッスルを鍛えるのに効果的です。

ピラティスは交感神経を活性化させる胸式呼吸を基本としてマシンやマットの上で行うエクササイズで、深層部のインナーマッスルを強化して身体を健康的に鍛えることが目的です。

 ピラティスをしている女性

ピラティスの基本ポーズとして「ニュートラルポジション」というのがあり、骨盤を安定させる正しいポジションを作ります。

実際にポーズをとってみると、基本ポーズと言えど姿勢を維持するのが難しいかもしれません。

しかし、姿勢の維持こそがインナーマッスルの強化につながるのです。

ヨガと似ていますが、インナーマッスル強化や目的・効果が異なる点からヨガと区別されています。

  • インナーマッスルを強化して姿勢改善をしたい方はピラティス
  • 呼吸や瞑想からマインドをリセットしたい方はヨガ

というように目的から選んでみてはいかがでしょうか。

【参考】近くのヨガ・ピラティススタジオを見つける!

まとめ

インナーマッスルの部位やインナーマッスルを強化させるピラティスについて紹介してきました。

インナーマッスルは、アウターマッスルを補助するためにあるので、インナーマッスルを鍛えて身体が大きくなるということはありません。

しかし、アウターマッスルを大きくするためには、必要な役割を担っているのでインナーマッスルを痛めることは無いようにしましょう!

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