ヒップヒンジとは
ヒップヒンジとは体を支える柱である脊柱を真っすぐに保持した状態で、股関節を蝶番のように動かす運動。
股関節を主体として身体を曲げていく動作ができないと、お尻の大臀筋やモモ裏であるハムストリングスを上手く使えません!
ヒップヒンジは下半身のトレーニングや前傾した姿勢を取るトレーニングにとって、必要不可欠な動作です。
ヒップヒンジの動作を理解し、デッドリフトやスクワットなどのトレーニングで意識して行ってみましょう。
ヒップヒンジのメリット3選
ヒップヒンジを取得すると、日常生活やトレーニングにおいてのメリットがあります。
この機会にヒップヒンジをマスターして効率よくトレーニングに励みましょう!腰痛の予防・改善につながる
ヒップヒンジを取得すると、自然と腰が丸まらずに腰痛予防・改善に効果があります。
ヒップヒンジができていないと、しゃがんでいく時に腰が丸まって腰あたりの「脊柱起立筋」やその奥にある「多裂筋」に負荷がかかり、腰痛を引き起こす原因に。。
股関節の動きが滑らかになると、日常生活やデスクワークによる腰への負担を軽減できますよ!
トレーニングの質が向上する
ヒップヒンジで股関節まわりの動きが良くなり、お尻の大殿筋やモモ裏のハムストリングスを上手く使えます。
大殿筋やハムストリングスをうまく使えるようになると、下半身の強化や姿勢を安定させる力が身につき、パフォーマンス向上の効果が期待できますよ!
下半身が引き締まる
ヒップヒンジはスクワットやデッドリフトなどをサポートする動作です。しかし、お尻やモモ裏のハムストリングスを引き締める効果もあります。
お尻やモモ裏のハムストリングスを引き締めると、丸みのある綺麗なシルエットの下半身を作れますよ!
自重だけでは鍛えきれないので、慣れてきたら強度の強いチューブで行ってみましょう。
チューブの強さを変えてヒップヒンジでお尻とハムストリングスを強化しよう!
ヒップヒンジでお尻やハムストリングスを鍛えるためには、自重のみだとかなり難しいです。
そんな時は、チューブを使ってヒップヒンジを行うと効果的ですよ!
チューブにも黄色、赤、青など色で強度を分けている商品が多くあります。弱いものからはじめ、徐々に強度を上げていきましょう。
【参考】トレーニングチューブを持っていない方にオススメなチューブ10選!ヒップヒンジの練習方法
ヒップヒンジの3つの練習方法を解説します。
まずは自重の練習方法を試してみて、それでも上手くできないときは壁やチューブを使ってヒップヒンジを習得していきましょう!自重でのヒップヒンジ
自分の体重のみで行うと、道具を使わなくて済むので気軽にヒップヒンジができます。
自重ヒップヒンジの正しいやり方
- 肩幅程度に開いて立つ
- 膝を軽く曲げてお尻を後ろに落としていく
- 身体を前傾させて、お尻を落としていくときは脛を固定させる
- お尻とハムストリングスにストレッチを感じたらゆっくり戻る
- 同じ動作を10回3セット行いましょう
壁を使ったヒップヒンジ
壁を使うと、後ろにお尻を落としていく意識を持って行えます。
壁ヒップヒンジの正しいやり方
- 壁から半歩~1歩前に肩幅程度開いて立つ
- 軽めのプレートか、ボールを持つ
- 腕を前に伸ばしながら、お尻を後ろに落として壁に当てる
- お尻とハムストリングスにストレッチを感じたらゆっくり戻る
- 同じ動作を10回3セット行いましょう
チューブを使ったヒップヒンジ
チューブを使うと抵抗を受けながら、お尻を後ろに引く感覚をつかめます。
チューブヒップヒンジの正しいやり方
- 柱など動かないものにチューブを骨盤の高さで固定する
- チューブの輪の中に入り、骨盤のでっぱり部分にチューブを引っかける
- 前に進み、肩幅程度に開いて立つ
- 身体を前傾させて膝を軽く曲げ、お尻を落としていく
- お尻とハムストリングスにストレッチを感じたらゆっくり戻る
(引いたお尻を前に突き出すようなイメージで戻る。) - 同じ動作を10回3セット行いましょう
ヒップヒンジを習得する3つのコツ
コツを必ず意識して早いうちにヒップヒンジを習得しましょう!股関節を支点とした動作を心がける
ヒップヒンジの重要な点は、股関節を支点として身体を曲げること。
誤って腰から曲げてしまうと腰痛のリスクが高まってしまいます。
動作中は腰を支点として身体を曲げないように注意して行いましょう。
脛(すね)を固定させてお尻を落とす
脛を固定するには重心が重要になってきます。
お尻を落としていっても、重心は土踏まずのややカカト寄りにあるように意識しましょう。
上手くできていると、脛が床と垂直のまま固定されている状態を作れますよ。
後頭部からお尻までが一直線になるようにする
身体を反らしすぎたり、腰を丸めこんでしまうとヒップヒンジの利点がなくなってしまいます。
はじめは鏡で見ながら上体を一直線にする意識でヒップヒンジを行ってみましょう。
ヒップヒンジを活かした筋トレ種目4選
これから紹介する種目はどれもヒップヒンジをフル活用している種目なので、ヒップヒンジを習得したら試してみるといいですよ!デッドリフト
デッドリフトはヒップヒンジを活かした代表的なトレーニング。
デッドリフトの正しいやり方
- バーベルの下に立つ
- 肩幅よりやや広めでバーベルを握る
- バーベルを持ち、しゃがんでスタート姿勢を取る
- 体が真っ直ぐになるまでバーベルを持ち上げる
(ヒップヒンジを使う。) - バーベルを下ろす
- 同じ動作を10回繰り返す
ルーマニアンデッドリフト
ルーマニアンデッドリフトはデッドリフトの応用種目で、ヒップヒンジをさらに強化させるトレーニング。
ルーマニアンデッドリフトの正しいやり方
- バーベルを順手で持つ
- 肩幅よりも少し狭いくらいに足を開いて立つ
- 胸を張り、身体に沿うようにして、バーベルを身体に引きつける
- 上半身を真っ直ぐに保ちながら、身体を前傾させる
(バーを下ろし始めたら脛を垂直に保つ。) - 息を吐きながら、上半身を持ち上げる
- 同じ動作を10回繰り返す
バーベルスクワット
バーベルスクワットは脚を鍛える代表的なトレーニング。
ヒップヒンジを利用して腰が反らないように注意しましょう!
バーべルスクワットの正しいやり方
- 脚を肩幅程度に開きバーベルを背中に担ぐ
- バーベルをおろしてお尻を後ろに突き出すようにしゃがむ
(ヒップヒンジを使う。) - 腰が丸まらないようにゆっくり立ち上がる
- 同じ動作を10回繰り返す
ベントオーバーロウ
ベントオーバーロウはヒップヒンジをしている姿勢からバーバルを身体に引き寄せて背中を鍛えるトレーニング。
ヒップヒンジを使わずに前傾の角度が浅いと、背中ではなく僧帽筋に効いてしまいます。
ヒップヒンジを利用して前傾の角度が深い状態で行いましょう。
ベントオーバーロウの正しいやり方
- 肩幅でバーベルを握る
- バーベルを床から持ち上げ、立ち上がる
- 膝を軽く曲げて、背筋を伸ばしたまま上半身をお辞儀するように倒す
(ヒップヒンジを使う。) - バーを膝のお皿の下にセットする
- みぞおちとおヘソの間に向けてバーを引く
- ゆっくりバーを降ろして、3の位置に戻す
- 同じ動作を10回繰り返す
まとめ
「ヒップヒンジとは」から「ヒップヒンジを活かした筋トレ種目」について紹介してきました。
ヒップヒンジはトレーニングのみならず日常生活での腰痛予防など、活躍する場面が多い動作です。
常に意識することを忘れず、ヒップヒンジを習得しましょう!