下半身の強化に効果絶大な「バーベルスクワット」
太ももやお尻などの引き締め効果も期待できるので、下半身痩せしたい人にもおすすめの最強筋トレ種目です。
しかし、間違ったやり方で重量や回数だけを増やしても、効率の悪いトレーニングになってしまいます。
そこで今回は現役トレーナーの松浦雄輝が「本当に正しいバーベルスクワットのやり方と効果」について徹底的に解説していきます。
◆この記事でわかること!
- バーベルスクワットの効果とは?
- バーベルスクワットで鍛えられる筋肉
- バーベルスクワットの正しいやり方
- バーベルスクワットの間違ったやり方
効果的に下半身を鍛え上げましょう!
この記事を監修した人
松浦雄輝
パーソナルトレーナー
現役パーソナルトレーナー。ボディビルの大会にも出場経験あり。トレーナーとしてトップアスリートの指導にも携わっている。トレーナー育成にも従事しており、月間最高25名を輩出。
バーベルスクワットで得られる効果とは?
バーベルスクワットで得られる3つの大きな効果を紹介します。
◆バーベルスクワットで得られる効果
1.細身のパンツが似合うようになる
下半身を効率良く痩せたいという方に、バーベルスクワットはおすすめの種目です。
バーベルスクワットは、下半身を引き締める効果や、お尻周りを狙って鍛えることができるのでヒップアップに非常に効果的なトレーニングです。
下半身が引き締まり、お尻の位置が上がることでスタイルが良くなり細身のジーンズやスーツが似合うようになります。
2.効率よく脂肪燃焼できる体になれる
バーベルスクワットで鍛えられる筋肉は、全身の筋肉の中で必ず使われる筋肉であり、日常生活の立ったり歩いたりする動作で最も使われる頻度が高いです。
日常生活でよく使われる筋肉のパワーを向上させることで基礎代謝が上がり、結果的に脂肪燃焼効果を高めることができます!
直接的な脂肪燃焼効果はありませんがバーベルスクワットに取り組むことで、痩せる効果が大きくなるのでダイエットにもおすすめです。
3.スポーツのパフォーマンスが上がる
バーベルスクワットの効果はあらゆる種目のスポーツで活かすことができます。
特に「瞬発力」や「ダッシュ」などの動作はバーベルスクワットをすることで能力をかなり向上させることができます。
また、下半身をしっかりと鍛えておくことでスポーツで起こる怪我を未然に防ぐことができ、常に安定したパフォーマンスを発揮することができるようになりますよ!
バーベルスクワットで鍛えられる筋肉
バーベルスクワットで、どの部位を鍛えているのか把握していますか?
まずはバーベルスクワットで鍛えられている筋肉の部位を確認しておきましょう!
1.大臀筋(だいでんきん)
「大臀筋」は、お尻にある大きな筋肉で普段の生活で姿勢によっては、使用頻度が少ない筋肉です。
人体の筋肉の中でも非常に強度の高い筋肉で、ダッシュやジャンプなどの動作を行うと強い負荷が大臀筋にかかります。
バーベルスクワットで大臀筋を鍛えれば、スポーツのパフォーマンス向上だけでなく、ヒップアップなどボディメイクにも効果的です。
【参考】「大臀筋」を鍛える最強の筋トレ!
2.ハムストリング
「ハムストリング」は、もも裏にある筋肉です。
「ハム」と呼ばれることも多く、大臀筋のすぐ下にあります。
役割は大臀筋と連動して、ダッシュやジャンプ系の動きで頻繁に使われます。
歩行時など特にエキセントリック(筋の尺が変わらない等尺性)な動きに関与します。
骨盤の位置や傾きにも関係し、肉離れなどを起こしやすい繊細な筋肉なのでパフォーマンス向上の為にも日頃からストレッチなどでしっかりケアしておきましょう。
ハムストリングのストレッチ方法については「ハムストリングを柔らかくするストレッチ!」の記事で紹介しているので、トレーニングの前後には必ず行うようにしてください。
3.大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
「大腿四頭筋」は、前ももにある4つの筋肉の総称。
大腿四頭筋は非常に出力の高い(パワーを発揮)できる筋肉で、立ったり歩いたりなど、日常の基本的な動作にも使われる筋肉です。
鍛えることで運動能力(瞬発力)が向上するのはもちろん、基礎代謝も上がるので脂肪燃焼を高める効果を期待することができますよ!
また、スクワットなどの種目では重心をどこに置くかで、鍛えられる筋肉を分けることができるので意識して取り組んでいきましょう。
大腿四頭筋にフォーカスしたトレーニングは「大腿四頭筋を鍛える自重トレーニング!」の記事で紹介しているので参考にしてください。
バーベルスクワットの正しいやり方
松浦雄輝
バーベルスクワットに取り組む前に...
初心者の方はバーをいきなり背負わずに「自重」でのスクワットで10回3セットを行いましょう。
まずは、軽度の負荷で正しいフォームを身に付けることを優先してください。
◆重量や回数の設定方法
姿勢が正しく意識できたところで重りをつけて持ち、8回3セットに切り替えて負荷を上げていきます。
重量は、ギリギリ8回行えるくらいに設定しましょう。
バーベルスクワットの正しいやり方
- 肩幅よりも広いくらいの手幅でバーベルを持ち、バーベルを肩に乗せる
- 足を肩幅に開き、バーベルの真下に足の土踏まずがくるようにセットする
- 骨盤を前傾位にさせる
- しっかりと胸を張り、つま先と同じ方に膝を曲げる。首(頚椎)を動かさずに目線は固定。
- 太ももが地面と平行になるくらいまで、腰を落とす
- お尻の筋肉を使って、元の状態に戻る
- 10回を1セットとして、3セット行う
バーベルスクワットの注意点
- 膝が身体の内側に入らないようにする
- 背中が丸まらないようにする
- つま先重心にならないように意識する
- 立ち上がる時、骨盤が後傾しないようにする
- 必ず準備運動を行う
◆怪我の予防におすすめにアイテムを紹介!
初心者が間違えてしまう3つのポイント
松浦雄輝
ここからはバーベルスクワットで、初心者の方が間違えてしまいがちなポイントを解説していきます。
正しい姿勢を意識することで、効果が格段に上がるので必ず確認しておきましょう!
また、バーベルスクワットは体への負荷も大きく、ケガの注意が必要な種目なので意識して取り組んでいきましょう。
初心者が間違えてしまう3つのポイント
1.バーベルを乗せる位置
バーベルは首の根元に置き、体の重心の近くで持つようにしましょう。
身体の重心から遠い場所で持ってしまうと、バランスを取るのが難しくなります。
首と肩の間にある僧帽筋の上にバーベルを乗せる意識が重要です。
どうしても肩が痛いという人は、タオルやグリップをバーベルに巻きつけると痛みを軽減させることができます。
2.グリップの握る幅
グリップを握る位置の目安は、バーベルを持った時に肘の角度が45〜90度の間になる場所です。
しっかり胸郭を立たせられる(胸を張れる)ポジションで握るようにしましょう。
手幅を狭くすると人によっては肩関節が内旋位(内巻き)になり首周りや肩周りに力が入ってしまいます。
肩に力が入ると背中が丸くなり、腰に強い負荷がかかってしまい腰を痛める原因になるので気をつけましょう。
3.股関節を曲げていない
バーベルスクワットでは、絶対に股関節を曲げることを意識しましょう。
初心者にありがちなエラー(間違った動作)としては、「膝がつま先から5cm以上前に出て、股関節が曲がっていない」状態でスクワットの動作を行うことです。
膝がつま先より5cm以上前に出ていると何十キロもの重さが膝に掛かり、大臀筋とハムストリングスを効果的に鍛えることができず、怪我の原因にもなってしまいます。
バーベルスクワットでは少しお尻を突き出すようにして「綺麗な姿勢のゴリラ」をイメージして腰を落としいくと、しっかり股関節から曲げて動作を行うことができます。
バーベルスクワットの効果を高めるコツ
松浦雄輝
ここからはバーベルスクワットの効果を上げるためのコツを3つ紹介します。
コツを掴んでさらに効率の良いトレーニングを行いましょう。
バーベルスクワットの3つのコツ
1.上半身を真っ直ぐキープする
バーベルスクワットでは背中が丸くならないように胸を張り、上半身を真っ直ぐキープしましょう。
背中が丸くなると腰に負担がかかってしまい、正しいフォームを保つことができません。
お腹を張り出すように腹圧を入れ、怪我を予防し効果的に鍛えられるように、胸椎を立て(胸を張り)上半身を真っ直ぐ保つことが重要です。
2.上半身を少し前傾させる
上半身を少し前傾させないと、「膝が前に出ている」間違ったフォームになってしまいます。
重りに負けないように、体幹部に力を入れるのが重要なポイント。
上半身を前傾させて、お尻を突き出して腰を落としていきましょう。
3.上げる時は早く、下ろす時はゆっくり動作を行う
上げる動作は、一気に持ち上げることを意識するようにしましょう。
一瞬で強い力が出せるようになると、持ち上げられる重量のMAX値が上がります。
実際にスピードが出ていなくても、一回一回のテンポを崩さない事を意識することで姿勢を崩さずに動作がしやすくなります。
バー担いだ状態でゆっくり行ってしまうと、初心者の方は腰にかなりの負担がかかるので慣れてきたら徐々にスピードを上げていくようにしましょう!
バーベルスクワットの種類
最後に、バーベルスクワットのバリエーションを紹介します。
複数のトレーニングを行うと違う刺激を与えられるので、筋肥大を効率的に行えるだけでなく、停滞期を抜け出すキッカケにもなりますよ。
バーベルスクワットの種類
1.ハーフバーベルスクワット
停滞期に入っているという方には高負荷トレーニングがおすすめ。
バーベルの重量を増やして、普段の120%くらいの重量で行いましょう。
重量が重くなっている分、膝を曲げる角度は浅くなっても構いません。
ハーフバーベルスクワットの場合は膝が90度曲がったあたりで止めます。
常に大臀筋とハムストリングにテンションがかかるように動作を行いましょう。
2.フロントバーベルスクワット
バーベルを身体の後ろ側ではなく、身体の前側で持つのがフロントスクワット。
通常のバーベルスクワットよりも前側に重心がズレるので、それを支えるための体幹部も鍛えることができます。
フロントスクワットは、通常のバーベルスクワットよりも重量を落として行いましょう。
そのかわり、できるだけ腰を落とし、下半身の筋肉を大きく動かすことが重要です。
フロントバーベルスクワットで鍛えられる筋肉や正しいやり方について「フロントスクワットの効果的なやり方!」の記事で解説しているので参考にしてください。
まとめ
今回はバーベルスクワットの正しいやり方や重量、セット数などを詳しく解説してきました。
バーベルスクワットは常に正しい姿勢で行うことが大切なポイントです。
始めは「きつい」と感じてしまうと思いますが、下半身痩せや筋肥大など自分の目標を達成するために頑張っていきましょう!