

ダイレクターとしての新たな日常

4月から家族全員で前橋に引っ越してきました。ザスパの選手としてプレーしていた頃も家族と一緒に3年間住んでいましたし、三女は前橋生まれ。中学三年生の長女は前橋の幼稚園に通っていたので、ここでの生活イメージは既に持っていました。引っ越しの話をしたら娘3人ともすぐに「行く!」と乗り気に。特に長女には「自分の場所に戻る」という感覚もあるようです。風は強い街ですが(笑)生活しやすく、家族も楽しく過ごせています。

今回の移住はアカデミーダイレクターという大役を担ってのものです。選手時代は、午前中に練習して昼には一度帰宅し、子どもの送り迎えや昼寝の合間に自分のケアをする…という「家にいる時間がある生活」でした。しかし今は、午後2時にクラブハウスへ入り、ミーティングや指導案作成などをして、夜にはユースの監督として選手と一緒に汗を流す。ユース以外にも全カテゴリーを把握する必要があるので、練習を見終わるのが21時頃。その後スタッフと「アカデミーをどうしたいか」を議論していると、帰宅が深夜12時を回ることも珍しくありません。それ以外にも解説の仕事の為に分析をしているので、選手時代とは比較にならないほど頭も時間もフル回転。それでも、かつて戦ったこの地で、今度は「育てる側」として新しい文化を築いていくことに、かつてない高揚感を感じています。
自分を律する「客観視」のフィルター

指導の現場では、常に「アウトプットの仕方」を模索しています。自分たちが育った「昭和」のやり方をそのまま今の子どもたちにぶつけても、彼らは受け入れてくれません。常に情報をインプットし、分析し、自分の中で一度消化して、彼らに届くような言葉を選び抜くことがダイレクターとしての学びだと思っています。

常に大切にしているのが、自分を常に第三者の目で見つめる「客観視」です。僕は昔から、自分自身で評価を下すことを避けてきました。なぜならサッカーでは評価をするのは常に他者であり、自分が「頑張っている」と思っていても、監督や周囲を納得させられなければ意味がないからです。自分の中に一人の「厳しい監督」を置き、感情に流されず、「今の自分に何が足りないのか」を冷静にジャッジする。このメンタリティこそが、長い現役生活を支え、今の指導現場で子供たちに伝えていきたい核となる部分です。
永井さんにとって休息とは

自分にとっての休息は、「翌日の活動に100%で向き合える、ニュートラルな状態を作ること」です。僕は昔から、決まったルーティンを作りたくありませんでした。ルーティンが増えすぎると、それをこなすこと自体が目的となり、自分を苦しめてしまうからです。大切なのは、その時の自分の状態を正しく把握すること。90分試合に出たのか、ベンチだったのかによって、翌日に必要なのは「完全な休養」なのか、あるいは「あえて追い込んで気持ちを切り替えること」なのかは全く異なります。
また、食事も締め付けるばかりではなく、大好きなラーメンを食べてリフレッシュするなど、適度な「抜きどころ」を作るようにしています。体だけではなく、心も「自然体」のバランスに戻してあげる。自分自身の「型」にスッとはまり、明日への意欲が自然と湧いてくる状態に整えるプロセスすべてが、僕にとっての休息です。
体験アイテム

体験アイテム

体験アイテム

撮影の合間の一コマ

最近はザスパ群馬のアンバサダーとしての活動も本格的に始まりました。昨日は「ザスパファーム」という畑で、サポーターの皆さんと一緒にジャガイモを植えてきたんです。泥にまみれながらコミュニケーションをとっていると、皆さんが「おかえり!」と温かく迎えてくださって。改めて、この地域との繋がりを感じる幸せな時間でした。
ただ、前橋の強風だけは相変わらずで、ジャガイモを植えながら「そういえば前橋ってこうだったな」と、懐かしい洗礼を受けた気分になりました(笑)。
