

頭を使う競技だからこそ、積み重ねがものを言う

フェンシングは、競技としては、瞬発的なスポーツと思われがちなんですけど、それだけじゃなくてかなり頭を使う競技なんですよね。ただ反応するというより、自分から仕掛けて「こう来させて、それに対応する」という流れで試合を組み立てています。イメージとしてはチェスに近いです。
試合は1点ごとに止まって、その短いインターバルの中で次の戦術を考えないといけない。疲れていても頭を回し続ける必要があるので、フィジカルだけじゃなくて判断力もすごく重要になります。だからこそ、普段の練習でも何も考えずに繰り返すのではなく、ちゃんと考えながら積み重ねていくことが大事だと思っています。

最初は全然強くなくて、4〜5年くらいはほとんど1回戦負けでした。でも、だからこそ1回勝てた時はすごく嬉しくて。勝てないのが当たり前だった分、負けてもそこまで落ち込むことはなくて、少しずつ勝てるようになっていきました。同世代で早くから結果を出している選手もいましたけど、今思えばそういう選手はごく一部だったなと思います。
試合の緊張感も、最初はガチガチでしたけど、経験を積む中で自然とコントロールできるようになりました。今はどの大会も基本的には同じで、試合が始まればいつも通りのことをやるだけです。練習の積み重ねで、体が勝手に動く感覚に近いですね。
自分なりに整える

普段は、家にいるときは本当にダラダラしています(笑)ただ、完全に何もしないわけではなくて、ストレッチをしたり、ストレッチポールの上で横になったりして、体は常に少し動かしています。じっとしていると体が固まるというより、なんとなくソワソワしてしまうんですよね。
なので、YouTubeやNetflixを見ながらストレッチすることも多いです。そういうふうに、できるだけ頭を使わずに過ごしながら、体はほぐしている感じですね。競技ではかなり頭を使うので、オフではできるだけ頭を使わないようにすることも、自分の中では大事にしています。

ケアは基本的に自分でやるタイプで、ストレッチも毎日同じメニューを続けています。器具もストレッチポールが中心で、遠征の時はフォームローラーを持っていくくらいです。最近はマッサージガンも使う選手が多くて、フェンシングでも多くの選手が使っている印象です。僕自身も、実際に使ってみて「これはすぐほぐれそうだな」と感じましたし、セルフケアとして取り入れやすいと思いました!
加納選手にとって休息とは

僕にとって休息は、練習と同じくらい大事なものです。
学生の頃は、とにかくやればやるだけ強くなると思っていて、週7でトレーニングしていました。でも今振り返ると、それはむしろ逆効果だったなと思っています。ある時、時間が限られていたことで頻度を減らして強度を上げたら、その方がパフォーマンスが良くなったんです。そこから「やったら次の日は休む」という考え方に変わりました。
しっかり休んだ次の日の方が、練習の質も上がりますし、結果的に効率もいい。だからこそ、休息は単なるオフではなくて、パフォーマンスを上げるための重要な要素だと思っています。
フェンシングは、試合の中でずっと頭を使い続ける競技です。だからこそ、オフでは頭を使いすぎないこと、切り替えができることもすごく大事です。体を休めることだけじゃなくて、頭を切り替えることも含めて、僕にとっての休息なんだと思います。
体験アイテム

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撮影の合間の一コマ

フェンシングって競技としてのメリットも多いと思っていて、頭を使うことはもちろんですし、礼儀の部分も自然と身につきます。勝ったあとも相手をリスペクトする文化がありますし、日本の武道に近い部分もありながら、それをヨーロッパでやっているような独特の競技だなと思います。
これから部活からクラブへの流れも進んでいく中で、フェンシングはむしろ伸びていく可能性がある競技だと思っていますし、自分自身も環境づくりに関わりながら、次の世代につながる形を作っていけたらいいなと思っています!
