

選手と向き合う中で見えてくること

実際に選手たちと関わる中で感じるのは、知識だけではなかなか伝わらないということです。どれだけ正しい情報や研究データがあっても、選手からすると「本当にそれが自分に合っているのか」というところが重要になります。
なので、自分はできるだけ現場に入りながら、選手と同じ目線で関わることを意識しています。一緒にトレーニングをしたり、日常の中でコミュニケーションを取ったりしながら、まずは信頼関係を築くことを大切にしています。

また、栄養やリカバリーに関しても、ただ理論を伝えるのではなく、実際に試してもらうことを重視しています。例えばリカバリードリンクも、まずは選手に使ってもらって、その中で「良さそう」という感覚を得てもらうところから始めています。
その上で、今後は血糖値などの生理学的なデータを使いながら、より客観的に評価していきたいと考えています。主観とデータ、その両方を掛け合わせていくことで、より精度の高いサポートができると思っています。
選手一人ひとりで体格も違えば、感じ方も違うので、本来はすべてをパーソナライズしていく必要があります。その中で、自分は研究と現場の間に立って、その橋渡しができる存在でありたいと考えています。
研究者としての思考と日常の整え方

自分の中で「完全なオフ」というものは、正直あまりありません。研究が仕事なのか、生活なのか、その境界が曖昧で、ワークもライフの一部という感覚に近いです。何かをしているときでも、自然と考えが巡ってしまうことが多くて、例えば釣りをしているときでも、この魚の脂肪酸が体の中でどう働くのかとか、体の大きい選手に既定量のサプリで足りるのか、といったことを考えてしまいます。
2メートルを超えるような選手もいる中で、一般的な基準のままで本当にいいのか、そういう選手だけを集めた実験はできないのか、といったことも常に頭のどこかで考えています。多分、こういうふうに気になったことをそのままにせず考え続けてしまうのは、研究者としての気質なんだと思います。
ただ、その中でも自分なりの整え方はしっかり持っています。休息の取り方は人それぞれで、完全に切り替えられる人もいれば、ずっと考え続けてしまう人もいる。だからこそ、自分に合った方法でコンディションを整えることが重要だと感じています。

自分の場合は、お風呂上がりにストレッチポールやマッサージガンを使う時間を必ず取っています。寝る前にその時間を設けることで、自律神経を整えて、副交感神経を優位にするイメージです。寝る直前に興奮状態になってしまうと眠れなくなってしまうので、呼吸がゆっくりになるような時間を意識的に作ることを大事にしています。
テレビを見て笑ったりすると、意外と心拍数が上がってしまうこともあるので、そういう刺激ではなく、シンプルにストレッチポールで体をゆるめたり、何も考えずにマッサージガンを当てたりする方が自分には合っています。普段から筋トレをかなりしているので、どうしても体が固まりやすい部分がでてきてしまいます。その固まった部分をしっかりほぐしてから寝る、というのが日々のルーティンになっています。
こういった習慣も、自分の中ではただのルーティンではなく、科学的な理由づけを持たせてやっています。意味を持たせるのは自分次第だと思っているので、自分なりに納得した形で続けているという感覚です。
安田講師にとって休息とは

休息とは、何もしないことというよりも、心と体が自然に整っていく時間のことだと思っています。
心理的な意味では、釣りをして海をぼーっと眺めている時間はすごく休息に近いですし、身体的な意味では、ゆっくり歩くような軽い有酸素運動、いわゆるアクティブレストが一番しっくりきます。寝ることも大切ですが、自分の場合は動いている方がすっきりする感覚があります。
実際、ジムに行って帰ってきたときに「行かなきゃよかった」と思ったことは一度もなくて、どれだけ疲れていても「行ってよかった」と思える。その感覚が、自分にとっての回復につながっています。
また、日々のルーティンとして、お風呂上がりにストレッチポールやマッサージガンを使うことも欠かせません。寝る前に呼吸がゆっくりになるような時間を作り、自律神経を整えてから眠る。この積み重ねが、自分のコンディションを支えていると感じています。
自分に合った形で整えていくこと。その時間があるからこそ、次のパフォーマンスにつながっていると考えています。
体験アイテム

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撮影の合間の一コマ

自分はもともと結構ハマりやすいタイプだと思っています。興味を持ったものに対しては、気づいたらかなり深くまで入り込んでいることが多いです。
学生時代も、サッカーをやりながら卓球にもハマって、気づけばクラブチームにも練習に行くようになっていました。最初は趣味の延長だったはずが、どんどんのめり込んでいって、最終的には県大会レベルまでいけたので、自分でも驚いています。
多分、研究も同じで、一つ気になったことがあると、そのままにできなくて、どんどん深掘りしてしまう。この性格が今の仕事にもつながっているんだと思いますし、良くも悪くも、自分のベースになっている部分だと感じています。
