五十嵐圭選手はこれまでプロバスケットボール選手として日本のバスケットボール界を引っ張ってきたレジェンド。
メディアやファンの間では「バスケの貴公子」の愛称で親しまれ、端正な容姿とスピード力を活かした華のあるプレーでたくさんの人々を魅了してきました。
そんな五十嵐選手は42歳となる現在も、いまだにプロバスケットボールの第一線で活躍されています。
今回は「五十嵐圭選手の挫折の乗り越え方とは!?」というテーマで、五十嵐選手の学生時代に経験した挫折や気持ちの切り替え方について、uFit代表である林ケイスケがインタビュー形式で深掘りしていきます。
他メディアでは決して話さない、五十嵐圭選手の意外なエピソードも盛りだくさんでお届けします!
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お話しをしてくれる人
五十嵐圭選手
バスケットボール選手
新潟県出身。1980年5月7日生まれ42歳。群馬クレインサンダーズ所属。元日本代表。2006年にはバスケットボール世界選手権に出場。ポジションはポイントガード。
インタビュアー
林ケイスケ
uFit代表トレーナー
Youtubeチャンネル登録22万越え。自重トレーニングのメニューをはじめ、筋トレやダイエットの知識について執筆。フィットネスを通じて健康に目を向けてもらえるようトレーニング動画や記事を発信しています。
五十嵐圭の人生最大の挫折とは?
林:早速ですが、五十嵐選手が味わった競技人生における挫折のエピソードをお話頂きたいです。
五十嵐:いっぱい挫折はしていますけど、その中でも今までの中で一番の挫折というのは、高校二年生のインターハイです。自分自身もスタメンでチームの中心選手として試合に出ていた時に少し天狗になっていた部分があって、試合にもやはり勝てず、結果も出せず、という風になってしまって。
その試合で監督に再三注意をされていた中でも自分が原因を改善できなくて、大会が終わって戻ってから監督に呼び出されて「お前使わないから、もう家に帰って良いよ」みたいなことを言われました。
それから当時のアシスタントコーチにも相談しながら、とにかく練習に参加させてもらえるように自分で考えて、毎朝朝練が始まる前に体育教官室に行って全て掃除をして監督が来るまで待って、監督が来たら「監督すみませんでした、練習させてください」って言って。それでも見向きもされずに「もういらない、帰っていいよ」って言われて。
練習にももちろん参加できなかったので、その時は体力を落とさないように体育館の外周を走ってっていうのを一カ月くらいですかね、反省も含めて坊主にしてとかやっていた中で、やっと監督から「コーチに聞け」みたいなことを言われて。コーチと話をして、「お前もう死ぬ気で頑張れ」ってなったときから練習に復帰することが出来たんですけど。
五十嵐圭が挫折を経験しても諦めなかった理由とは?
林:正直、辞めたいとは思いませんでしたか?
五十嵐:その中で本当にもうきついなとか確かに思ってはいたんですけど、ただ辞めたいなとは思わなかったんですよ。それが今でもそうなんですけど、バスケットボールを辞めたいって思ったことって一度もなくて、「今日の練習嫌だな、試合嫌だな」とかっていうのは今まで何十回何百回とありますけど、やっぱりそれって自分自身が好きで始めたことだとその時も思ってましたし、親元を離れて自分を送り出してくれた両親に対してもやっぱりここで帰る訳にはいかないと思って、そういう部分では自分の気持ちもありましたけど、やっぱり応援して支えてくれている人たちのことも考えた中で、今をとにかく踏ん張って、ここを乗り越えてやっていこうっていう気持ちになれました。
それが今までのキャリアの中では一番大きい挫折です。それ以外にもいろいろ小さな挫折はもちろんありますけど、ただ自分だけではなくて、とにかく周りで支えてくれている方たち、今で言えばファンの方やブースターの方がたくさんいるので、そういった方たちのためにも、自分が良いパフォーマンス、良いプレーを見せることがやはり恩返しになるのではないかなと思っています。
五十嵐圭が辛いと思う瞬間は?
林:いまの辞めたいと思ったことはないと仰られましたが、どんなときにつらいなって思いますか?
五十嵐:毎日思います。今日の練習つらいなとか。勝った時って言うのはそういったつらさとか感じなかったりしますけど、負けた時はそういったことも感じますし。でもそれって勝ったときや上手くいったときには逆に吹き飛んでしまうぐらいの物でもあるので。
自分の中で挫折をあまり大きく捉えていなくて、気持ちの切り替えというのをすごく大切にしているので、今日が終わればまた明日と一日一日気持ちを切り替えています。自分たちのリーグは土日が連戦だったりとか、週に3回試合があるので、失敗を引きずってしまわないようにしています。
これはバスケットボールに限らず意識をしていて、ダメでも自分自身を信じて、今まで練習でやってきたことっていうのを信じてやれば必ず結果はついてくると思ってやっています。
五十嵐圭の気持ちを切り替えるコツとは?
林:なるほど。翌日に引きずらないという点で具体的にはどのようなことをしていますか?
五十嵐:今日試合が終わったら何食べに行こうかなとか、体育館から出たらもうバスケのことは忘れるようにしています。これも昔からなんですけど、自宅にバスケットボールに関わるものをあまり置かないようにしています。ユニフォームを飾ったりとかしていないですし、コートから出たらもう完全に気持ちを切り替えてリフレッシュさせるって感じなので。
もちろんシーズン中は試合だったり対戦相手のビデオを観たりもしますけど、特別よく観る訳でもなくて。あまり考え過ぎずに自分のやってきたことを出す、その中でチームの中で役割を果たしていくって言うのを考えるようにはしてますね。とにかくリフレッシュする。その切り替えというのは僕自身すごく意識はしていますね。
林:ストイックになり過ぎないのが逆に良い感じですかね。
五十嵐:僕自身は全くストイックじゃないと思うので。その性格があると思います。性格にあっていれば良いのかなと思いますね。
五十嵐圭から挫折をしている方に向けてアドバイス
林:最後に今現在挫折に直面していたり、つらい思いをしている方に向けて五十嵐選手なりのアドバイスとかを少し頂ければなと思います。
五十嵐:競技を続けていくうえで、挫折だったり辛いこと嫌だなってことってたくさんあると思いますが、さっきから言ってきたように僕は手の届くような夢だったり目標という者を掲げてやってきています。
なぜその競技を元々始めたのか、やっぱり好きだから楽しいからってことをもう一回思い返して欲しいのと、そこから目標や夢を掲げて、それをどんどんクリアして行くことでより楽しくなっていくと思います。
楽しむことって言葉にするとすごく簡単ではあるんですけど、実は一番難しいことです。ただ楽しむためにそういった夢や目標を掲げることもそうですし、最初にやり始めたきっかけを思い出すことも大切だと思います。つらいこと嫌なことの方が多いと思うんですけど、ただそれを乗り越えて試合に勝った時や活躍した時はそれ以上に嬉しいし、それ以上に周りの方も喜んでくれると思います。
ひとりだけではなくて周りの人たちと喜びを分かち合うことも大切ですし、そういった人たちと一緒にやって作り上げていく。その中で自分自身がこの競技が本当に好きだという想いを持ってやっていってもらいたいなと思います。
まとめ
今回は五十嵐選手に「五十嵐圭選手の挫折の乗り越え方とは!?」というテーマで、五十嵐選手の学生時代に経験した挫折や気持ちの切り替え方についてお話を聞いてきました。
つらい時こそ初心を思い返して気持ちを切り替えるのが大切なんですね。
五十嵐圭選手との全4回にわたる対談は今回で終わりですが、今後もufitでは五十嵐選手を応援していきます。