太田忍選手はレスリング選手として、リオオリンピックでは59kg級銀メダルを獲得。その俊敏な身のこなしから海外では「忍者レスラー」と呼ばれています。
現在ではMMAデビューを経て、総合格闘家として活躍しています。
前回は『太田忍選手にとってライバルとは?』というテーマでライバルの存在や、その関係性について伺ってきました。【前回の記事を見る:太田忍選手にとってライバルとは?】
今回は「太田忍選手の挫折から立ち直れた理由」というテーマで、太田選手のしくじりや失敗からの立ち直り方を、uFit代表である林ケイスケがインタビュー形式で深掘りしていきます。
他メディアでは決して話さない、太田忍選手の意外なエピソードも盛りだくさんでお届けします!
▼動画で見たい方はこちらから!
お話しをしてくれる人
太田忍選手
総合格闘家
青森県出身。1993年12月28日生まれ28歳。パラエストラ柏所属。リオオリンピックではレスリング59キロ級銀メダリスト。総合格闘家としてRIZIN出場。
インタビュアー
林ケイスケ
uFit代表トレーナー
Youtubeチャンネル登録22万越え。自重トレーニングのメニューをはじめ、筋トレやダイエットの知識について執筆。フィットネスを通じて健康に目を向けてもらえるようトレーニング動画や記事を発信しています。
太田選手の人生で1番のしくじりとは?
林:ここからはしくじりのお話を伺っていきたいと思います。
太田:2019年に(63kg級で)世界チャンピオンになりました。その世界選手権でずっとライバルだった選手が60kg級で優勝したことによって、僕は60kg級での東京オリンピック出場がなくなったので、そこから67kg級にシフトチェンジしなくちゃいけなかったんですけど、ずっと60kg級とか63kg級でやっていたので肉体改造が必要だったんですよ。
まだ除脂肪体重が63kgくらいしかなくて、最低67kgまで体重を持って行かなきゃいけない中で、世界選手権が終わってから12月の試合までの3ヶ月間の中でレスリングの練習を60%くらいに減らしたんですよね。そのうちの30%くらいをウェイトトレーニングにして、12月の一回戦負けした試合だけを考えるのであればそのままの身体でレスリングだけに全振りしてっていう考えだったんですけど、一年後の東京オリンピックに出場して金メダルを取るってことを考えた時に、身体をまず作らないと勝負にならないと思ったのでそういう選択をしました。
普通にやれば67kg級では日本チャンピオンくらいにはなれるっていう甘い考えのもと、まあ実際それくらいの実力があって、練習だと絶対負けないくらいの実力はあって、その中で3ヶ月間レスリングの練習を減らしてウェイトトレーニングを増やしたんですけど、身体自体はそれで3ヶ月間で筋量が4kgくらい増えたんですね。体重も74kgくらいまで増えて7kg減量して全日本選手権に臨んだんですけど、付いた筋肉って機能的に動かすにはまた時間がかかるわけなんですよね。
太田:見た目上筋肉がついてるみたいな感じになってしまって、動き自体が付いて来ないっていうのを2週間くらい前に感じたのかな。ちょっとウェイトトレーニングはもうこれで一回終了して、じゃあ大会に向けて調整していこうって中で、「あれおかしいな、全然身体ついてこないじゃん」っていう状況になって。不安を感じた中で2週間自分の中でベストを尽くせるように努力したんですけど、全部調整が終わって前日かな、不安で一睡もできなかったんですよ。
初めてです。20年間レスリングやっててそんなことなかったんですけど、一睡も出来ないってことがあって、7kg落として当日計量だったんですけど、フラフラだし、睡眠取ってないし、計量終わって2時間だけ寝たんですよ。2時間だけ寝てすごいふわふわした状態で試合望んだら、練習で一回も一点も取られたことないし、危ない状況にすらなったことない選手に二回ぶん投げられて終わりですよね。
何をやってきたんだろうっていう。その3ヶ月間、作り上げてきた4年間。その中で何やってきたんだろうっていう。一回戦負けですからね。まあ2位までいけたら可能性があったんですけど、一回戦負けって可能性本当に0%なんですよ。
林:敗者復活戦みたいなシステムが存在せず。
太田:しないので、何を、なんていうんだろう。本当に何やってきたんだろうっていう。
太田選手がMMAに転身デビューした理由とは?
林:MMAへの転身を決めたきっかけを教えてください。
太田:東京オリンピックは実際には2021年に開催されましたけど、2020年に開催される予定だったじゃないですか。2020年の夏に金メダルを取って一番高いところに立ってすごい輝く予定だったんですけど、それが叶わなくなって、その時にRIZINの社長榊原さんからMMAやんないかって話になって。レスリングだけをやってパリオリンピックを目指すっていう手もあったんですけど、でも僕は最終目標に2020年の東京オリンピックって決めてたので、2020年の最後の最後大晦日にRIZIN出て、爆発させたら勝なんじゃねって思ったんですよね。そこでMMAデビューだったらやっても良いんじゃないかなっていう風に思ったのがきっかけですね。
太田忍の負けた後の立ち直り方とは?
林:太田忍選手が負けた後にどう立ち直ってるか教えてください。
太田:人それぞれな考え方だと思うんですけど、負けたとしても99敗してても最後の一回100戦目に一回勝てば勝ちだと思ってるんですよね。何回負けても最後に勝てば勝ちだと思うので。負けて終わるか自分が勝つまで終わらないか。負けて終わったらそれは負けですよ。だから僕は負けて終わりにしないから立ち直れるっていうか、負けたままにしたらそれってたぶん一生後悔するし引きずっちゃうと思うんですよ。だから僕は勝つまで辞めない。それが勝つ秘訣です。
林:良いですね。
太田:何が言いたいかっていうとね、負け続けても、失敗し続けても、最後に成功するために続けることによってそれ以上のものって手に入れられるっていうか。まあだから、僕は続けることが大事なのかなとは思います。
まとめ
今回は太田忍選手に「太田忍選手の挫折から立ち直れた理由」というテーマで太田選手のしくじりや失敗からの立ち直り方についてお話を聞いてきました。
「負けても挑戦し続けていれば最後には勝てる」という強い気持ちが失敗を克服するために大事なようです。
次回の対談では「太田忍選手のオリンピックでの賞金は!?」というテーマでお話を聞いていきます。
◆リオオリンピック銀メダリスト!太田忍選手と対談!
【第2回】「太田忍選手にとってライバルとは?」
【第4回】「太田忍選手のオリンピックでの賞金は!?」(Youtubeリンク)
【第5回】「太田忍選手の今後の展望とは?」(Youtubeリンク)