【特別対談企画⑸】日本卓球界の至宝!水谷隼さんの継続の秘訣とは?

【特別対談企画⑷】日本卓球界の至宝!水谷隼さんの継続の秘訣とは?

水谷隼選手はこれまでプロ卓球選手として数々の功績を残し、日本の卓球界をけん引してきたレジェンド。

メディアや卓球界では「日本の至宝」と称され、天性の柔らかいボールタッチと高い予測能力で世界のトップ選手と渡り合ってきました。

2021年の東京五輪では混合ダブルスで伊藤美誠選手と組んで金メダルを獲得し、五輪卓球史上初の3種目でのトリプルメダリストととなりました。

今回は水谷選手に「水谷隼さんの継続の秘訣とは?」というテーマで、物事を継続するためのコツや水谷さんの人生の軸について、uFit代表である林ケイスケがインタビュー形式で深掘りしていきます。

他メディアでは決して話さない、水谷選手の意外なエピソードも盛りだくさんでお届けします!

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お話しをしてくれる人

水谷隼選手

元プロ卓球選手

静岡県出身。1989年6月9日生まれ33歳。木下グループ所属。元日本代表。2021年には東京五輪混合ダブルスで金メダルを獲得。

インタビュアー

林ケイスケ

uFit代表トレーナー

Youtubeチャンネル登録22万越え。自重トレーニングのメニューをはじめ、筋トレやダイエットの知識について執筆。フィットネスを通じて健康に目を向けてもらえるようトレーニング動画や記事を発信しています。

水谷隼を27年間支えたものとは?

林:水谷さんにとって継続することで得られたものはどんなものでしょうか?

水谷僕は現役時代卓球選手として27年間卓球をやり続けてきたんですけど、勝つために継続って絶対必要なことなんですよね。周りの選手を見てると、中高時代は継続して一生懸命で来たけど大学からちょっとずつ練習量が落ちていく選手がすごく多いです。

逆にそういう選手とかを見て「自分は絶対こうはならないぞ」「自分はずっと頑張って一生懸命継続して、オリンピックで優勝するんだ」っていう気持ちを心に秘めて継続して頑張ってきました。

林:中高時代から頑張れなくなってしまう方と、水谷さんでは何が一番大きく違ったと思いますか?

水谷自分がなぜここまで頑張れたかっていうと、高校二年生の時に日本一になって、やっぱりそこで日本で一番高い景色っていうのを見れたからですね。その景色ってすごく素晴らしかったけど、他の選手ってその場所を知らないんですよね。

でも僕は一番高いところを見てその素晴らしい景色を知っていて、僕はずっとそこにいたいなと思ったので一生懸命頑張ることができました。

林:そこからさらに日本の一番上から世界の一番上にも立ちたいなみたいな。

水谷そうですね。日本一になってその景色を見たいがためにずっと頑張ってきて、リオ五輪でメダルを取って、さらにまた一つこう、自分が知らない景色を見ることができて、そしたらそこから東京五輪までの四年間で結構モチベーションが落ちてきちゃったんですよ。一生懸命頑張るんですけど結果がなかなか出せなくて、ちょっとしたスランプだったんです。

でもやっぱり東京オリンピックで頑張れたのって、あのリオの時の景色を知ってたからだと思うんですよね。リオで勝ってたくさんの方からおめでとうと声をかけて頂いて、やっぱりもう一度自分が輝いてる姿を見たいなと思いました。

水谷隼のモチベーションを保つコツとは?

林:今の話にちょっと重なるところもあるんですけど、一つのことを長く続けるコツって何かありますか?

水谷好きでいることは一番ですね。長く続けることはやっぱり好きじゃなきゃ絶対続かないと思います。仕事であり、好きであって、あとはいろんな人に支えられて、家族もサポートしてくれて、自分自身がそれをやるべきなんだなっていう自覚を持ってたからだと思いますね。

自分はもちろん卓球をやりたいんですけど、自分が活躍して日本代表として日の丸背負うと人から必要とされるんですよね。やっぱり人から必要とされると、一生懸命頑張んなきゃなって気持ちになるんで、それもすごくプラスに働いたのかなと思います。

林:なるほど。ありがとうございます。結構なんかうちの会社で言ってるのが「Will・Can・Must」で「やれること・やりたいこと・やらなきゃいけないこと」が一致するとものすごく頑張れるって言ってて、まさにその状態だったのかと。自分自身が卓球をものすごくやりたいし、周りからも求められているところだったのかなと思います。

そしたらちょっとその継続というところで、継続だけしてても仕方がない面もあると思うんですけど、水谷さん自身が継続を結果につなげた秘訣みたいなのがあればお伺いしたいです。

水谷僕が練習している中で常に野心が強かったんですよね。あと貪欲さがすごくあった。あと勝利への執念。やっぱりそういうところが人より長けていたと思いますね。やっぱ人と同じレベルにいたくなかったんですよね。

人より上に居たいっていう野心はずっと持っていたし、勝つためだったらどんなことでもするよ、どれだけでも練習するよっていう執念を強く持っていました。

水谷隼の人生のコンティニューとは?

林:水谷さんの人生を通してのコンティニューって何なのかなっていうので、今卓球選手からタレント業の方に移っていかれていると思いますけど、その軸ってどんな形なんでしょう?

水谷アスリートがすごく苦労するのって現役引退してからだと思うんですよね。現役の時は食えても終わったらどうしようみたいな。路頭に迷う選手がすごく多くて、卓球界って本当に日の目を見ることがなかったんですよね長い間。

やっぱり自分は自分のやりたいことで生きていきたいというのがすごく強くて、僕はやっぱり一生懸命卓球のステータスを上げていきたいと思っていたので、今こうやって現役終わって、卓球界のステータスを上げていきたいなとずっと思ってます。

林:なるほど。そしたら水谷さんにとっての人生の軸と言いますか、続けていきたいこととしては卓球界のステータスを上げる、そのためにテレビとかも色々と出て卓球のことを伝えたりされていくって感じですかね。

水谷やはりステータスを上げるため、メジャーにするためにはメディアの力って必要不可欠なので、お互いがwin-winな関係になれるように一生懸命やっていますね。

今までは卓球で人の前でプレーする、これからは人の前でお話をしたりとか、もちろん卓球もしたりとか、見るというより見られる側なので見られるときの自分の能力を高めていきたいと思ってます。

林:ありがとうございます。卓球に打ち込まれた熱量をタレント業に打ち込まれたらごぼう抜きしていくんじゃないかなと勝手に思っております。

水谷でも熱量はすごいですね。テレビとかに出ても空回りしてるとかそういう感じはないんですけど、他の人よりは熱量は高いなと思いますね。

林:トップの方が思う普通がやっぱ普通じゃないのかなと思いますね。

水谷確かにそういうのはテレビとか出てても感じることは結構ありますね。やっぱり僕は仕事に対して真摯に向き合うタイプなんですよね。やっぱり給料もらって、しかもタレントって他の人よりも凄い大きなお金を一日でもらったりするので、それに対して仕事をしないといけない。全力を尽くすってのは自分のポリシーなんですけど。

林:そしたら今タレント業を本格的にやられていると思うんですけど、タレント業の先とか何か見据えてることはありますか?

水谷マルチタレントとしていろんなジャンルに挑戦していきたいですね。卓球の解説とかニュースのコメンテーターとかもっともっと一つひとつの質を上げていって、元アスリートとしてこれから先もみんなに忘れられないような存在になりたいです。

水谷隼が思う継続する上で大切なことは?

林:継続が苦手な方も多いと思うので、そういった方に向けて何かアドバイスを頂ければと思います。

水谷最初はきついと思ってたことでも、継続していくと慣れてくるんですよね。そこまで行くのが大変だと思うんですよ。そこまで我慢して、そうすると身体ってすごく賢いので、慣れてくるのでそこまでやれたら何とかなると思います。

林::その最初のヤマを乗り越えるまで。

水谷そう、そこでだいたいたぶん8割は挫折します。やっぱり個人差はあるので、慣れるまでに時間はすごくかかったりするんですけど、でも必ず人間の身体っていうのは順応するんで、そこまで頑張ってほしいですね。

林:アドバイスありがとうございます。継続っていう意味で言うと、やらされる環境ってあるじゃないですか。日本の中学高校の部活だとすごく多いと思うんですけど。

やらされている環境と自らやりたくてやるみたいな環境の違いだったり、そのやらされている環境下にいる子供たちに何か伝えたいことがあればお伺いしたいです。

水谷中高時代とかの練習ってめちゃくちゃ厳しくって、それこそ本当にやらされているような環境だったんですよね。今振り返るとその中で一生懸命やらされている人、やりたくないけど一生懸命やってた人って高校卒業したときにみんな弱くなるんですよね。みんな解放されて、自分の好きなように楽して駄目になっていくんで。

強くなる人ってそのやらされているような環境の中でも探すんですよね。自分はこういうことをやろうみたいな。決してすべての指示に従わないというか。自分の中でこれは駄目だと思ったらやらないでうまーく目をごまかしながら自分が必要なこと、やりたいことをやっていく。そういう選手が将来的には強くなっていったと思います。

林:なるほど。やっぱりその周りと同じことだけやっててもダメということですかね。

水谷やらされている環境って必ず限界がきますね。結局それは監督とかコーチが見てるからしょうがなくやってるだけで、やらされてる期間が長ければ長いほどサボる期間も長くなって、やらされてた期間の10倍くらいはサボるんですよね。

なので中高で一生懸命やっていても大学とか入って自由が増えるとまぁサボり始めて、そのサボってることに今度慣れちゃうんですよね。最初はサボっててちょっと罪悪感あるかもしれないけど、だんだん慣れてきて何も感じなくなってだんだん普通の人になっちゃうっていう。

水谷隼が絶対に外したくない軸とは?

林:水谷さんにとって人生でで一番外したくない軸になる部分とはなんですか?

水谷やっぱり「初心を忘れない」ですね。人生ってひとりでは生きていけないですし、必ず周りの人がサポートしてくれてやっていくので。例えばタレントで売れたとしても、やっぱり周りに感謝して常に初心を忘れずに新入社員のつもりでずっと頑張りたいと思ってます。

まとめ

今回は水谷隼選手に「水谷隼さんの継続の秘訣とは?」というテーマで物事を継続するためのコツや水谷さんの人生の軸についてお話を聞いてきました。

「身体が慣れるまで続ける」という継続のコツは色々なことに応用できそうですね。

次回の対談では「水谷隼さんの書籍「打ち返す力」はこうやって出版された」というテーマでお話を聞いていきます。