【対談企画⑵】リオオリンピック銀メダリスト!太田忍選手にとってライバルとは?

【対談企画⑵】リオオリンピック銀メダリスト!太田忍選手にとってライバルとは?

2022/06/29

太田忍選手はレスリング選手として、リオオリンピックでは59kg級銀メダルを獲得。その俊敏な身のこなしから海外では「忍者レスラー」と呼ばれています。

現在ではMMAデビューを経て、総合格闘家として活躍しています。

前回は『太田忍選手がレスリングを始めたきっかけ』というテーマで幼少期のお話やレスリングを始めたきっかけについて伺ってきました。【前回の記事を見る:太田忍選手がレスリングを始めたきっかけ】

今回は「太田忍選手にとってライバルとは?」というテーマで、これまでの競技人生や強さの秘訣を、uFit代表である林ケイスケがインタビュー形式で深掘りしていきます。

他メディアでは決して話さない、太田忍選手の意外なエピソードも盛りだくさんでお届けします!

▼動画で見たい方はこちらから!

お話しをしてくれる人

太田忍選手

総合格闘家

青森県出身。1993年12月28日生まれ28歳。パラエストラ柏所属。リオオリンピックではレスリング59キロ級銀メダリスト。総合格闘家としてRIZIN出場。

インタビュアー

林ケイスケ

uFit代表トレーナー

Youtubeチャンネル登録22万越え。自重トレーニングのメニューをはじめ、筋トレやダイエットの知識について執筆。フィットネスを通じて健康に目を向けてもらえるようトレーニング動画や記事を発信しています。

太田忍のライバルとは?

林:レスリング時代にライバルだと思っていた方はいらっしゃいましたか?

太田:ライバルは常にいましたね。小学校の時も、中学校の時も、高校の時もいたし、大学、社会人になってからもいて、その人がずっと一緒というわけではなく各世代にそれぞれいました。ライバルの存在っていうのは自分の成長を早めるというか、成長する上で本当に絶対に大事なものだと思っていて、一人でやるよりも「こいつに勝ちたい!」っていうのがすごく大事で、そういう面でもライバルって絶対いましたね。

林:ちなみに小中学生の頃って年上の人と同年代、どちらをライバル視していたんですか?

太田レスリングは分かりやすく階級があるので、その階級の自分より強い選手とか、自分が試合で勝ってても、この選手には絶対負けたくないっていう選手。分かりやすいですよレスリングは。何年生の何キロ級っていうカテゴリがあるので。

東京五輪時のライバルは?

林:なるほど。それでは東京オリンピックを目指す上でのライバルのエピソードを伺えればと思います。

太田リオオリンピックが8月にあって12月の大会で負けたんですよね、そのライバルに。元々ライバルというかリオオリンピックに僕が練習相手として連れて行った選手だったんですよ。

その選手にその年の12月に負けて、そこからライバル関係が始まったんですけど、常に「こいつだけには負けたくない!」という気持ちをずっと持っていました。同じ環境で練習してたんですけど、練習ひとつをとっても、朝練のダッシュであっても、一本一本こいつに負けたくないって、わざとお互い意識して同じ組に入るんですよ。

練習行く時間でもこいつよりも早く行って早く準備して、良いパフォーマンスで練習できるように。終わった後もこいつより良いケアをして次の日の練習に繋げられるように。本当にひとつずつ、ひとつずつ。

ライバルは同じ階級だったので、一緒に遠征に行く機会もあって、ランキング大会とかオープン大会とか同じ階級に出場するんですけど、減量で落とす幅もそいつより100gでも軽く次の日を迎えたいって気持ちがあって、65kgで練習が終わったとしても「今日落ちなかった65.8kgくらいだったわ」って嘘をついて、そのライバルは後輩なんですけど正直なので、「僕はちょっと先輩より多く落ちました」とか言ってるけど、僕は心の中で「いや俺の方が多いけど」って思ってるような、そういうちっちゃいとこも常に競い合ってて。

最終的に僕のライバルが日本で僕に勝って世界選手権の代表、僕はその1階級上の代表で出てどっちも金メダル取って、後輩が東京オリンピック出ることになったんです。リオオリンピックが終わって4年間かな、気持ちが切れそうになる時ってすごくあったんですけど、常に練習の間もそうだし、それ以外の時間でも少しでもライバルよりも良い状態でいてやろう!という気持ちが4年間ずっと続いていて、ライバルだけど、後輩だけど、良い関係でいられたかなと。最終的には東京オリンピックには彼が出て銀メダルだったんですけどね。俺が出てたら金メダル取れてたと思うけど(笑)

林:めちゃくちゃ良い関係ですね。

太田:格闘技のライバルって結構対立したり正反対になったり、敵対することが多いんですけど、僕は逆に常に高め合える関係だったのかなって思いますね。

林:めちゃくちゃ良い話を聞けました。

太田:良い話ですよね。良い話にしましたちょっと。でも本当にそんな感じだったんですけどね。

太田忍が世界チャンピオンになれた理由とは?

林:オリンピックとオリンピックの間って4年間あるじゃないですか?モチベーションを維持できた一つの大きな要因はなんですか?

太田まあそうですよね。それが一番大きかったですね。リオオリンピックが決まってから世界で一番、金メダルを取るための準備はしたつもりだったんですよ。練習も誰よりもやったし環境も整えたし、絶対的な自信を持って臨んだオリンピックだったんですけど、それで銀メダルしか取れなくて、こんだけやっても、半年くらい本当毎日練習のために全部を全振りしてて、その中で銀しか取れなかったというはこんだけやっても銀だったのかと思って。本当にこれ以上何を頑張れば分からないっていう状況だったんです。

その後は全然モチベーション上がらなくて、全く練習せずに臨んだ試合でパートナーくらいのレベルだった後輩に逆転されて、「うわ、やんなきゃ!」ってスイッチが入ったっていうか、本当に2019年の世界チャンピオンっていうのはそのライバルの存在があったから成しえたことなんじゃないかなとは思います。

太田忍にとって現在のライバルは?

林:ここまでレスリング時代のお話を伺ってたんですけど、今現在のライバルのお話も少しお伺いできればと。

太田今現在のライバルですか?いないんですよね。

林:いないんですか?

太田今現在のライバル……MMAの場合始めたばっかりなので、別に格好つけるとかじゃなくて、自分自身が今のライバルだと思っています。毎日練習行きたくないとか、体がしんどいという気持ちの中で毎日戦ってるっていうか、練習いかないと強くなれないし、体が痛くてもトレーニングしなきゃいけないし、美味しいもの食べたいけどコンディション維持するために好きなものばっか食べてちゃだめだし、という葛藤が毎日あるので。今現在、自分自身かなって。自分の実力がまだ足りていたくてMMA自体も経験が少ないので、自分以外の選手をライバルに挙げるのはちょっと難しいかなと思います。

太田忍の憧れるアスリートは?

林:超えたい人とか憧れのアスリートは?

太田超えたい人はちょっと良くわかんないけど、憧れのアスリートは室伏広治さんですね。今はスポーツ庁長官になってこの前お仕事でお会いする機会があったんですが、まず本当に身体的にすごいし、考え方も日本のアスリートの価値を上げようだとか立場だとかカテゴリー的にも低い世代から高いところまで全てアスリートについて考えている。人間性もそうだし、スポーツの実績もそうだし、すべてに対して僕は室伏さんにリスペクトがあります。

林:最後に太田選手にとってライバルとは?

太田ライバルとは……なんだろうな。自分を常に意識する存在だと思うし、自分を高めてくれる存在だと思うし、って感じですかね。

まとめ

今回は太田忍選手に「太田忍選手にとってライバルとは?」というテーマでライバルの存在や、その関係性についてお話を聞いてきました。

ライバルとの競争がモチベーションの維持や向上心にとても大きな影響をもたらしていたようですね。

次回の対談では「太田忍選手の挫折から立ち直れた理由」というテーマでお話を聞いていきます。

リオオリンピック銀メダリスト!太田忍選手と対談!

【第1回】「太田忍選手がレスリングを始めたきっかけ」

【第3回】「太田忍選手の挫折から立ち直れた理由」(Youtubeリンク)

【第4回】「太田忍選手のオリンピックでの賞金は!?」(Youtubeリンク)

【第5回】「太田忍選手の今後の展望とは?」(Youtubeリンク)

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