
現役トレーナーがスクワットの正しいやり方を動画つきで解説!全10種類であなたにあったメニューが見つかる
スクワットは下半身を鍛えるだけでなく、全身を鍛えられ、様々な効果のある運動メニューです。
「スクワット」と一口に言っても様々なバリエーションがあり、その選択を間違えれば無駄に汗をかくだけで終わってしまいます。
この記事では
- スクワットで得られる効果
- 目的別のスクワットのバリエーション
- 各スクワットのやり方と効果
を解説し、ダイエットでも運動不足解消でもアスリートでも、それぞれの目的に合ったスクワットのメニューを紹介します!
この記事を書いた人
スクワットで得られる効果とは?
スクワットは「キング・オブ・エクササイズ」と呼ばれるほど、様々な効果を持った素晴らしいトレーニングです。
スクワットで得られる効果は、ざっとまとめるだけでもこれだけあります。
- 下半身の筋力強化
- 体幹の筋力強化
- 基礎代謝のアップ
- 体脂肪の燃焼
- 全身の血行改善
- 冷え性の予防
- 成長ホルモンの分泌アップ
スクワットは、筋力を強化するだけでなく、基礎代謝アップ・血行改善・冷え性予防など、普段の体調が改善される効果もあります。
また、成長ホルモンの分泌が多くなると、臓器や筋肉の発達・髪や肌のターンオーバーを促すため、若返りや病気の予防など様々な効果があります。
スクワットは、基本のトレーニングにも関わらず、一石何鳥にもなるトレーニングなんです。
運動不足を解消したい初心者におすすめのスクワットメニュー
運動不足を自宅で解消したい方に最適なスクワットのメニューを紹介します。
数ある筋トレの中でも特に使う筋肉が多いスクワットは、運動不足解消にはもってこいの筋トレなのです!
ノーマルスクワット
ノーマルスクワットは、最も基本的なスクワット。
自宅でも職場の休憩中でもいつでもできるため、最優先で覚えたいトレーニングの一つです。
ノーマルスクワットはスクワットの最も基本的な形のため、どんな人にもおすすめできます。
ここから本気で鍛えていきたい方でも、まずはノーマルスクワットをマスターしてから応用していきましょう。
ノーマルスクワットのやり方
- 足を肩幅くらいに広げて立ち、背中を曲げずに膝を曲げてお尻を下げる
- 太ももが床と平行くらいになったら立ち上がる
- 膝が完全に伸びきる一歩手前で再度しゃがむ
おすすめ重量・セット数・期間
- 回数:20回~30回
- セット数:3セット
- 期間:3ヶ月
- 筋トレをはじめた初心者
- 足腰を鍛えたい中高年
- ダイエットしたい人
- 基礎体力を付けたい人
ノーマルスクワットに慣れたらフルスクワットにも挑戦してみましょう!負荷が高くなるので効果的に下半身を鍛えることができますよ。
痩せたい・下半身を引き締めたい人におすすめのスクワットメニュー5種類
下半身を効率的に引き締めるには、複数のスクワットを行って、筋肉をマンネリさせずに刺激を与える必要があります。
自宅でもできるスクワットのバリエーションで、下半身の筋肉をバランス良く鍛えるメニューを紹介します。
ワイドスタンススクワット
ワイドスタンススクワットは、脚を大きく開いて行うスクワットです。
脚を開いてスクワットをすることで、太ももの内側の筋肉である「内転筋」の関与が増えるため、内ももの引き締めなどに効果があります。
太ももの内側の筋肉である「内転筋」を鍛えられるので、内もものたるみが気になる方やO脚やX脚を改善したい方におすすめです。
また、しゃがむ際に股関節が大きくストレッチされるため、股関節の柔軟性アップも兼ねた一石二鳥のトレーニングです。
スタンススクワットのやり方
- 脚を肩幅より広く開いて立つ
- 股関節をストレッチするようにお尻を落としてしゃがむ
- 内ももの筋肉を意識しながらゆっくり立ち上がる
おすすめ重量・セット数・期間
- 回数:20回~30回
- セット数:3セット
- 期間:3ヶ月
- 内もものたるみが気になる人
- 股関節を柔らかくしたい人
- ダイエットしたい人
ヒンズースクワット
ヒンズースクワットは、腕のフリを利用してテンポよく行うスクワットです。
日本ではプロレスラーの基礎トレーニングとして知られており、プロレス道場に入門したての新人は、毎日何千回とヒンズースクワットをするそうです。
筋トレと有酸素運動を兼ねたトレーニングであるため、アスリートやダイエットにも向いています。
逆に膝への負担が大きいため、高齢者には全く向きませんので注意して下さい。
ヒンズースクワットのやり方
- 脚を肩幅程度に開いて直立する
- 両腕を前後に振りながら、テンポよくしゃがんで立つ
- しゃがむ際はカカトを持ち上げて深くしゃがむ
おすすめ重量・セット数・期間
- 回数:50回~100回
- セット数:1セット(燃え尽きるまでやるのがポイント)
- 期間:3ヶ月
- 持久力を高めたい人
- 脂肪燃焼してダイエットしたい人
- 足腰を丈夫にしたい人
ブルガリアンスクワット
ブルガリアンスクワットは、ブルガリアの重量挙げチームが取り組んでいたことから名付けられたトレーニングです。
脚を前後に開いて後ろ足を台の上に乗せ、前に残した脚だけでスクワットを行います。
実質的に片足スクワットになるため、かなり負荷は高いですが、その分筋トレ効果は抜群です!
片足になることでお尻を深く下ろしてしゃがめるので、大殿筋のトレーニングとしてもおすすめ。
筋トレ初心者からレベルアップして、より強く足腰を鍛えたい方に適しています。
ブルガリアンスクワットのやり方
- 足腰を前後に開き、後ろ足を膝の高さの台に乗せる
- 前に残した脚に体重を乗せ、片足でしゃがんで立つ
- 前後左右にブレないように体幹の安定を保つ
おすすめ重量・セット数・期間
- 回数:10回~20回
- セット数:3セット
- 期間:3ヶ月
- 足腰を強く鍛えたいアスリート
- ノーマルスクワットで物足りなくなった人
ジャンピングスクワット
ジャンピングスクワットは、スクワットで立ち上がる際に勢いを付けてジャンプするトレーニングです。
ジャンプするための瞬発力はもちろんですが、実は着地した際に体重を受け止めるときにも筋肉は強く働きます。
筋トレと心肺機能向上を組み合わせたハイブリッドな運動で、脂肪燃焼効果も抜群です。
バスケやバレーなどジャンプ力を高めたいアスリートに適しているほど運動強度が高いため、しっかりとウォームアップをしてから行うようにして下さい。
ジャンピングスクワットのやり方
- 脚を肩幅程度に開きお尻を後ろに突き出してしゃがむ
- 立ち上がる際の勢いで身体を伸ばしてジャンプ
- 着地と同時にお尻を深く落としてしゃがむ
おすすめ重量・セット数・期間
- 回数:15回~30回
- セット数:2セット
- 期間:3ヶ月
- ジャンプ力を高めたい人
- 心肺機能を高めたい人
- 全身を引き締めたい人
スプリットスクワット
スプリットスクワットは、脚を前後に開いて行うスクワットです。
脚を前後に開き、横方向に不安定な体勢で動作を行うため、体幹や股関節周りのインナーマッスルが鍛えられ、全身の引き締めに有効です。
ブルガリアンスクワットとの違いは、後ろの脚を台に乗せない点。
後ろの脚も使えるのでブルガリアンスクワットより強度は低くなりますが、よりスポーツなど実践的な場面に近い形で筋肉を鍛えるため、「使える筋肉」が手に入るトレーニングと言えます。
スポーツ全般で役立つ筋肉が鍛えられ、ノーマルスクワットで物足りなくなった人のレベルアップにも有効です。
スプリットスクワットのやり方
- 脚を前後に開いて立つ
- 膝の角度が90度になるようにしゃがんで立つ
- 腰が丸まらないよう上半身を真っ直ぐ保つ
おすすめの重量・セット数・期間
- 回数:10回~20回
- セット数:3セット
- 期間:3ヶ月
- ノーマルスクワットで物足りなくなった人
- あらゆる競技のアスリート
- 下半身を引き締めたい人
下半身を強化したい!ジムに通える人におすすめのスクワットメニュー4種類
ジムに通って本格的に下半身を鍛えたいなら、スクワットにも様々なバリエーションがあります。
ジムにある器具を使って、効率的に下半身を強化するメニューを紹介します。
ダンベルスクワット
ダンベルスクワットは、ダンベルを両手に持って負荷とするスクワットです。
バーベルと違ってラックで順番待ちをする必要がなく、ジムに行ったらすぐできるのが魅力。
がっつりバーベルを担いでスクワットする前に、まずはダンベルスクワットで基礎を作るがおすすめです。
ダンベルスクワットは上級者にもメリットがあり、ダンベルの重量が重くなってくると、それを支える両腕にもかなりの負荷がかかり握力を鍛える効果も高くなってきます。
さらに両腕を支える背中にも負荷が強くなり、デッドリフトのように背中の引き締めにも有効なのです。
ダンベルスクワットのやり方
- 脚を肩幅程度に開いて両手にダンベルを持つ
- 上半身を真っ直ぐ保ちながらお尻を突き出してしゃがむ
- 脚の側面をダンベルがなぞるように立つ
おすすめ重量・セット数・期間
- 重量:1セット10回できる重さ
- セット数:3セット
- 期間:3ヶ月を目安に継続して取り組みましょう。
- ジム初心者の人
- バーベルスクワットの前のウォームアップ
- 背中も引き締めたい人
- 握力を鍛えたい人
バーベルスクワット
バーベルスクワットは、下半身から体幹にかけて筋肉量を増やすには最も効果的なトレーニングです。
背中にバーベルを担いでスクワットをすることで、非常に強い負荷を全身にかけることができます。
スクワットは下半身の筋トレと思われがちですが、バーベルを担いだまま腰が丸まらないように耐えることで体幹も強く鍛えられる非常に有効なトレーニング。
普段は自宅で筋トレしていても、バーベルスクワットのためだけにジムに通う人もいるほどです。
あらゆるスポーツに使われる基礎的な筋力を高めるのには非常に有効で、どんなスポーツの選手にもおすすめできます。
もちろんアスリートだけでなく、本格的に身体を鍛えたい人、周りから一目置かれるボディを目指したい人はバーベルスクワットは必ず取り組むべき種目です。
バーベルスクワットのやり方
- 脚を肩幅程度に開きバーベルを背中に担ぐ
- バーベルをラックオフしてお尻を後ろに突き出すようにしゃがむ
- 腰が丸まらないようにゆっくり立ち上がる
おすすめ重量・セット数・期間
- 重量:1セット10回できる重さ
- セット数:3セット
- 期間:3ヶ月を目安に継続して取り組みましょう。
- あらゆるスポーツのアスリート
- 本格的に身体を鍛えたい人
フロントスクワット
フロントスクワットは、背中ではなく身体の前にバーベルを担いで行うスクワット。
背中に背負うバーベルスクワットに比べると、体幹への負荷が非常に強くなるのが特徴です。
上半身を前傾させると重さを支えられないため、上半身をまっすぐに保って膝のみを屈曲させるので大腿四頭筋も強く鍛えられます。
両腕を前に出したときにできる、三角筋の盛り上がりにバーベルを乗せるため、三角筋がある程度肥大していないと痛くてできません。
すでにある程度筋肉量がある方の、レベルアップトレーニングの一つと言えます。
フロントスクワットのやり方
- バーベルラックを肩の高さとし、両腕をバーベルの下に伸ばす
- 三角筋の盛り上がりにバーベルを乗せ、腕を交差させて保持する
- 腰が丸まらないようにしゃがんでゆっくり立ち上がる
おすすめ重量・セット数・期間
- 重量:1セット10回できる重さ
- セット数:3セット
- 期間:3ヶ月を目安に継続して取り組みましょう。
- 大腿四頭筋を鍛えたい人
- 体幹を強く鍛えたい人
- 彼女をお姫様抱っこしたい人
ハックスクワット
ハックスクワットは、スクワットの動作を再現したトレーニングマシンです。
通常のスクワットとの大きな違いは、ハックスクワットは背中を完全にマシンに預けているため、体幹への負荷が軽いこと。
膝関節の負荷は大きいものの、ノーマルスクワットに比べると怪我のリスクは少ないです。
また足をつく位置がお尻と離れるために股関節を屈曲させずらく、膝関節の動きに集中しやすい点があります。
負荷を自重より軽くする事も可能で、太ももを鍛えて膝痛を予防したい中高年に向いている種目でもあります。
ハックスクワットのやり方
- マシンに背中を預けて肩パッドの位置を固定
- 両脚を身体の前につき、ロックを解除してしゃがむ
- 膝関節の力で身体を持ち上げる
おすすめ重量・セット数・期間
- 重量:1セット10~15回できる重さ
- セット数:3セット
- 期間:3ヶ月を目安に継続して取り組みましょう。
- 体幹への負荷を軽くしてスクワットをやりたい人
- 大腿四頭筋を強く鍛えたい人
- 膝を強くしたい中高年
間違ったスクワットのフォーム
スクワットのフォームで、よくある間違いについて解説します。
間違ったフォームのスクワットを続けていると、膝や腰の怪我につながり運動ができなくなってしまう本末転倒に。
スクワットをするときは、常にフォームに気をつけながら行うようにしましょう!
つま先より膝が前にでてしまう
スクワットで非常に多い間違いが、つま先より膝が前に出てしまうこと。
このフォームが意味することは、膝関節の屈曲が非常に大きく、股関節の屈曲が少ないためです。
すると膝関節の負荷が大きくなってしまい、膝痛につながります。
お尻を後ろに突き出すようにしゃがむことを意識し、膝が前に出ないように心がけましょう。
ただしヒンズースクワットの場合は、膝が前に出るのが正しいフォームになります。
つま先が上がってしまう
お尻を後ろに突き出してしゃがむと、今度はしゃがんだときにつま先が浮いてしまう場合があります。
これは重心が後ろに寄りすぎているためで、転倒の危険があります。
スクワットでは足の裏全体に均等に重心を置くのが正しく、つま先やカカトが浮かないようにしましょう。
かかとが浮いてしまう
しゃがんだときにカカトが浮いてしまうのもよくある間違いで、これも膝がつま先より前に出るのと同じ現象です。
カカトとつま先をべったり地面に付けたまましゃがむことで、下半身の筋肉をバランス良く使えるようになります。
ただしヒンズースクワットの場合は、カカトを浮かせるのが正しいフォームになります。
腰が丸まって猫背になってしまう
スクワットでしゃがむ際に、腰が丸まってしまうのもよくある間違いです。
丸まった箇所に上半身の重さが集中するため、腰痛になりやすくヘルニアなど怪我の危険もあります。
腹筋に力を入れて背筋をまっすぐ保つことで、脊柱全体に負荷を分散し体幹トレーニングとしての効果も高くなるのです。
呼吸を止めて行う
特に中高年の場合、呼吸を止めたスクワットは高血圧の原因となります。
血管に対して必要以上の負荷がかかるため、息を吸いながらしゃがみ、吐きながら立ち上がることを意識しましょう。
ただし高重量のバーベルスクワットの場合は、思い切り息を吸い込んで息を止めることで、腹圧を高めて腹筋を支える「バルサルバ法」というテクニックもあります。
【参考】スミスマシンを使った高強度のスクワットを紹介!
まとめ:スクワットで効率よく全身を鍛えよう!
スクワットの効果とバリエーションについて、まとめて紹介してきました。
キング・オブ・エクササイズと呼ばれるスクワットも、目的に応じてやり方が様々。
下半身だけでなく体幹まで鍛えられるスクワットで、理想のボディを作っていきましょう!