筋トレ中に必要なタンパク質の量は何グラム?管理栄養士がタンパク質の多い食べ物や効果的な摂取方法を紹介

筋トレ中に必要なタンパク質の量は?タンパク質の摂取におすすめの食事を管理栄養士が紹介

筋トレではよくタンパク質が大事だと言いますが、その理由をご存知ですか?

また、筋トレにタンパク質が大切なことは知っていても、1日にどれくらいの量を摂取すればいいのか分からない方は多いのではないでしょう。

そこで今回は、管理栄養士が

  • 筋トレ中に必要なタンパク質の量
  • タンパク質を効率的に摂取する方法
  • タンパク質の摂取におすすめの食事

について紹介していきます。

筋トレの効果を最大限にするためにも、ぜひ参考にしてくださいね!

この記事を書いた人

磯村望

管理栄養士

高度急性期病院で管理栄養士としてレジデントプログラム終了後、京都大学大学院にて代謝・栄養学について研究中。研究の傍、糖尿病クリニックで栄養指導を行いつつWEBライターとして活動。uFitでは食事/栄養に関する記事を執筆しています。

筋トレ中はなぜ、タンパク質が必要?

筋トレ中はなぜ、タンパク質が必要? そもそもなぜ、筋トレ中はタンパク質が必要なのでしょうか?

最初に結論をいうと、タンパク質が傷ついた筋肉を修復して強くするための材料として使われるから。

食べ物から摂取したタンパク質は、胃や膵臓などの消化酵素によりアミノ酸やペプチド(アミノ酸が複数繋がった形)に分解され、小腸で吸収された後、血管を巡って様々な臓器の構成要素となります。

筋肉もその臓器の一つであり、アミノ酸により構成されています

しかし、筋肉は筋トレなどのトレーニングによって負荷がかかることで傷つき、壊れます。

そして、激しい運動に耐えられるように、自力で回復し、以前よりも強い筋肉となるのです。

これが「超回復」という現象

超回復

引用:DADA

この超回復の時に、アミノ酸を取り込むことで筋肉が修復・増強されます。

そのため、筋トレで筋肉をつけるためには、超回復に必要なアミノ酸を充足させ、効率良く筋肉の修復が行われるよう、しっかりとタンパク質を摂取する必要があるのです。(参考:筋トレは毎日行って良いの?トレーナーが解説

Q:タンパク質が不足するとどうなるの?

タンパク質が不足すると、

・筋力低下

タンパク質が不足すると、筋肉量の維持が難しくなるため、筋力の低下が起こります。

・貧血

タンパク質は血液を作る素でもあります。そのため、タンパク質不足は貧血の原因にもなります。

・免疫力低下

外からの侵入物と闘う抗体など、免疫に関する様々なものもタンパク質から構成されています。そのため、免疫力の低下も引き起こすなど、不調の原因となります。

タンパク質が不足しやすい筋トレ中は、特に意識してタンパク質を摂取するように心がけましょう

筋トレ中に必要なタンパク質の量はどれくらい?

筋トレ中はなぜ、タンパク質が必要?

ここでは、筋トレ中に必要なタンパク質の量について解説します。

1日のタンパク質目標摂取量は以下の通り。

筋トレを行っている人のタンパク質の目標量は、下記の表で身体活動レベルⅢを参考にするか、アメリカスポーツ医学会(ACSM)が推奨している体重1kg当たり1.2~1.7kgで計算することもできます。

ご自分の体重が標準体重(身長m × 身長m × 22)よりも大きく離れている場合は、ACSMの推奨量を参考にした方が良いでしょう。

筋トレ中に必要なタンパク質の量はどれくらい? 参考:日本人の食事摂取基準2020

また、「平成29年度の国民健康栄養調査」によると、日本人のタンパク質摂取量は男性で70g以上、女性で60g以上摂取しており、必要量は満たしていますが、目標量にはやや足りていないという印象でした。

特に筋トレをしている場合は必要量が増大していますので、意識してタンパク質の摂取量を増やす必要があります

計算が好きな人は、ご自分の必要量と普段食べている食事のタンパク質量を算出してみるのも良いでしょう。

また、そこまでするのは面倒、ストレスに感じるという人は、今から紹介するタンパク質の多い食品を選ぶことで、普段より多くのタンパク質を摂取することができます

筋トレでタンパク質の摂取におすすめの食事6選

スーパーやコンビニで手に入るもので、タンパク質が豊富な食べ物を紹介します。

なお、タンパク質は摂りすぎても、筋肉合成に使われず脂肪として蓄積されてしまいます

1食あたり30g以下を目安に摂取するといいでしょう

タンパク質の多い食べ物6選
  1. 鶏胸肉
  2. 白身魚
  3. 納豆
  4. ヨーグルト
  5. プロテインバー

1.鶏胸肉

鶏胸肉

鶏胸肉は、低価格で高タンパク質というコストパフォーマンスの高い食品です。

脂質の含有量が少ないので低カロリーであることも魅力的です。

普段の料理に鳥もも肉や豚バラなど使っていたところを、鶏胸肉に置き換えるだけで簡単にタンパク質の摂取量を増やすことができます。

(100g当たり)

カロリー 229kcal
タンパク質 25g
糖質 0g
脂質 1.1g

2.卵

卵

卵は、タンパク質以外にもビタミンなど様々な栄養価の高い食品です。

茹で卵にしておけば、いつでも気軽に摂取することができます。

どんな食材とも相性の良い食品ですので、使いやすさ抜群です。

特に、タンパク質が不足しがちな朝食にプラスするのも良いでしょう

(1個当たり)

カロリー 76kcal
タンパク質 6.2g
糖質 0.2g
脂質 5.2g

3.白身魚

白身魚

白身魚も高タンパク質かつ低脂質な食品です。

食べ方は、生でも加熱してもどちらでも構いません。

魚の場合、質の良い油が含まれているので、白身魚にこだわらなくても大丈夫です。

肉類だけでなく、魚も摂取しましょう。

(100g当たり)

カロリー 172kcal
タンパク質 24g
糖質 0g
脂質 8g

4.納豆

納豆

納豆は、高タンパク質でありながら、食物繊維も摂取できるかつ発酵食品ですので、腸内環境の改善も行えます

イソフラボンなど女性に嬉しい成分もあるので、筋トレ中の女性には特におすすめです。

(1パック当たり)

カロリー 100kcal
タンパク質 8.3g
糖質 6g
脂質 5g

5.ヨーグルト

ヨーグルト

乳製品にもタンパク質は多く含まれています。

ヨーグルトには整腸効果もあり、高タンパク質食で荒れがちな腸内環境を整えてくれます

ただし、脂質と糖質が多くなっているので注意が必要です。

低脂肪のものや、無糖のものを選び、朝食や間食に取り入れてみてください。

(100g当たり)

カロリー 62kcal
タンパク質 3.6g
糖質 4.9g
脂質 3g

6.ブロッコリー

ブロッコリー

ブロッコリーは植物性タンパク質が豊富!

筋トレ中に不足しがちなビタミンやミネラルも含まれているので、実は筋トレ中にもってこいの食材なんです。

筋肉の合成に必要なビタミンB群もしっかり摂取することができますよ!

(100g当たり)

カロリー 33cal
タンパク質 4.3g
糖質 0.36g
脂質 0.5g
【参考】ブロッコリーの栄養素や筋肉に効果的な食べ方を紹介

7.プロテインバー

プロテインバー

おやつとしてタンパク質を摂取できる優れものです。

味の種類も豊富で美味しい上に、タンパク質を10〜15gも摂ることができます

ビタミン類など、タンパク質の代謝に必要な成分も多く含まれており、まさに筋トレのためのおやつと言えるでしょう。

(1本当たり)

カロリー 183cal
タンパク質 15g
糖質 12.1g
脂質 8.5g

【参考】筋トレの効果を高める食事法「ミールプレップ」のやり方を紹介!

筋トレ中はプロテインも積極的に使おう!

プロテインシェイカーを効果的に使うための6つのポイント ドリンクタイプのプロテインは吸収効率がよいので、筋トレ後に摂取することで速やかに超回復のお手伝いをしてくれます

諸説ありますが、ベストなタイミングは「運動後30分以内」。もちろんそれ以降に飲んでも効果がなくなるわけではありません。

また、タンパク質が不足しがちな朝食に取り入れることもおすすめです。

簡単に摂取できるので、忙しい朝でもタンパク質をしっかり摂取することができますよ。

筋トレとタンパク質に関するQ&A

筋トレとタンパク質に関するQ&A

筋トレとタンパク質について、よくある質問にお答えします。この他の質問については、コメント欄にお寄せいただければ返答します。

Q1:タンパク質を摂りすぎるとどうなる?

A.過剰にタンパク質を摂取すると、利用されなかったものは脂肪として体に蓄積されます。

また、タンパク質の摂取後も、糖質の半分くらいの割合でインスリンは分泌されるので、過剰摂取により糖尿病の発症リスクが上がる可能性もあります。

その他、腎機能への影響も懸念されます。

どれだけ高い負荷の筋トレを行っていても、2g/体重kg/日は超えない方が良いでしょう

【参考】タンパク質の過剰摂取がもたらす影響とは!?

Q2:タンパク質を摂取するタイミングは?

A.基本的には1日3食+筋トレ後に摂取するのが良いでしょう。

中高年以上の方の1食あたりのタンパク質推奨量は30gと報告している研究があります。

1食当たりのタンパク質量が過剰であっても、筋肉合成に使われず脂肪となるものが出てくるからです。

これを参考に1食30g以下とし、足りなければ間食として補う方が良いでしょう

食事の回数を分けて空腹時間を短くすることで、筋肉の分解を防ぐこともできます。

ただし、あくまでもカロリーオーバーにならないように気をつけながら間食を取り入れてください。

【参考】筋トレ中の間食にナッツがおすすめの理由とは?

まとめ

筋トレ中のタンパク質について紹介しました。

筋肉量を維持・増量させるためには、タンパク質を意識して摂取する必要があります

今回紹介した食べ物や方法を取り入れて、理想の身体を手に入れましょう。