筋肉量とは?定義や数字の出し方も紹介
筋肉量とは、カラダの脂肪・骨・水分を取り除いた純粋な筋肉の重さを表す数値。
人間のカラダは「筋肉・脂肪・骨・水分」から構成されており、筋肉量の多さが筋力の高さ、代謝の高さを意味します。
まずはご自身のカラダの筋肉量を把握するための計算式をご紹介します。
◆筋肉量の計算法
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体脂肪量を計算する
体重(㎏)× 体脂肪率(%)= 体脂肪量(㎏) -
除脂肪量を計算する
体重(kg)- 体脂肪量(kg)= 除脂肪体重(kg) -
筋肉量を計算する
除脂肪体重(㎏)÷ 2 = 筋肉量(kg)
上記の計算方法を使えば、おおよその筋肉量を知ることができますが、より正確な数値を知りたい場合は、専門機器を使用した測定をおすすめです。
男性・女性別の筋肉量の平均値は?
筋肉量の平均値は男女で大きく異なります。
自分の性別における筋肉量の平均値を知ることで、自身の筋肉量が平均より多いのか、少ないのかを正確に把握できますよ。
筋肉量の平均値を理解するにはBMIについてまず知る必要があるので、最初にBMIについて解説します。
BMIとは
BMIとはBody Mass Indexの略で、身長に対して体重が多いのか、少ないのかを判断する数値です。
BMIの数値が高いほど過体重と判断されますが、体脂肪率が高い場合と筋肉量が多い場合の両方に当てはまります。
筋肉量が多くてBMIが25以上の場合は、必ずしも肥満という評価が正しいわけではありません。
一方、体脂肪率が高くBMIが25以上の場合は、下記の肥満度を確認する必要があります。
BMIは以下の式で計算できます。
体重 (kg) ÷ (身長(m) × 身長(m)) = BMI
こちらの「BMIと適正体重」のサイトでもBMIを算出できますよ。
【BMIの判定基準】
- 18.4以下:低体重(やせ型)
- 18.5〜24.9:普通体重
- 25〜29.9:肥満(1度)
- 30〜34.9:肥満(2度)
- 35~39.9:肥満(3度)
- 40以上:肥満(4度)
- 60 ÷(1.6 × 1.6 = 2.56 ) = BMI 23.4(普通体重)
- 160cmの適正体重 =(1.6 × 1.6 = 2.56 )× 22 = 56.3kg
男性・女性別 筋肉量の平均値
BMIの値に応じた筋肉量の平均値を、全身・腕・脚に分けて紹介します。自身の筋肉量が平均以上か、平均並みか、平均以下かを確認しましょう。
全身筋肉量
【BMI24.9以下】男性22.0kg / 女性14.0kg
【BMI25.0以上】男性24.0kg / 女性17.0kg
腕筋肉量
【BMI24.9以下】男性1.5kg / 女性0.9kg
【BMI25.0以上】男性1.6kg / 女性1.1kg
脚筋肉量
【BMI24.9以下】男性5.5kg / 女性3.5kg
【BMI25.0以上】男性5.8kg / 女性4.0kg
筋肉量が分かったら筋肉率も調べよう
筋肉率とは、体重に対するカラダの筋肉量の割合を表した数値。
人間のカラダは筋肉・骨・水分・脂肪から構成されており、筋肉率が高いほど体脂肪率が低く引き締まったカラダと言えます。
一般的に、男性の方が女性よりも筋肉率の平均値が高くなりますよ。
筋肉率の計算方法と男性・女性別 平均
筋肉率の計算式は男性も女性も同じです。これから紹介する計算方法をもとに平均値を確認しましょう。
筋肉量(kg) ÷ 体重(kg)× 100 = 筋肉率(%)
【例:実際に体重65キロ、筋肉量20kgの方の場合】
20 ÷ 65 × 100 = 30.7(%)
筋肉率の平均値は男性と女性で異なります。以下の指標を参考に、ご自身の筋肉率がどのグループに該当するか確認しましょう。
- 30.9%以下:低い
- 31.0%〜34.9%:標準(平均的)
- 35.9%〜38.9%:やや高い
- 39.0%以上:高い
- 25.9%以下:低い
- 31.0%〜34.9%:標準(平均的)
- 35.9%〜38.9%:やや高い
- 39.0%以上:高い
筋肉率が平均値より高い方は、平均値より低い方に比べて代謝量も多くなります。これは男性でも女性でも同様。
筋肉率が高い人は、同じ運動量でもより多くのカロリーを消費できるため、痩せやすく太りにくい体質と言えます。
ボディメイク・ダイエットに励む方は体脂肪を減らしつつ、筋肉量を向上させて筋肉率の高いカラダ作りを目指しましょう。
筋肉量と筋肉率から見たトレーニング&食事法
筋肉率が高くても体重によって筋肉量は異なります。
全4タイプの体質グループに合わせたトレーニングと食事法をご紹介しますので、ご自身の体質の特徴を理解して適切な方法でカラダ作りに励みましょう。
筋肉量:少ない × 筋肉率:低い人
筋肉量が少なく筋肉率が低い人は、一般的に体脂肪率が多い人です。
筋肉量が少なく筋肉率が低いの特徴としては以下の通り。
- カロリーの過剰摂取
- 運動不足による消費カロリー量の低下
- 代謝が低い
- 太りやすい体質
4タイプの中で最も太りやすく、最も代謝が低いため体質を変えるには運動と食事改善が必要です。
全身の筋肉量を増やすためにBIG3を中心とした筋トレと、鶏むね肉やイカ・タコなど脂質が少ない食材を積極的に食べることを意識した食習慣の改善から初めてみましょう。
寝る3〜4時間前までに夕食を済ませることや、間食の摂りすぎを気をつけるとより効果的です。
筋肉量:多い × 筋肉率:低い人
筋肉量が多く筋肉率が低い方は、ガッチリした体型の人に多いです。
筋肉量が多く筋肉率が低い人の特徴としては以下の通り。
- 筋肉がついているが、体脂肪率も高い
- ラグビー、相撲、アメフト、レスリングなどの競技経験者に多い傾向
- 代謝は比較的高いが、摂取カロリーが過剰
このタイプの人は主に食事改善が課題です。
一日の食事量を8割に減らし低脂質な食事を心がけることが大事。また、早食い気味の方が多いので1口30回以上噛んで食べてください。
料理は低脂質で高タンパクな刺し身定食やマグロの海鮮丼がおすすめです。おかわりはせず、ご飯1杯で済ませるようにしましょう。
また、週2〜3回の筋トレで全身を追い込んで筋肉量を維持しましょう。
筋肉量:少ない × 筋肉率:高い人
筋肉量が少なく筋肉率が高い方は、マラソンランナーのような細身体型の人を指します。
他の特徴としては以下の通り。
- 体重も体脂肪率も低い
- 一定の食事量を維持していれば体重増加は少ない
- 代謝は必ずしも高くない
- 暴飲暴食が続くと急激に太りやすい傾向がある
このタイプの人は主にスタイルを維持しつつ、健康的に筋肉量を増やすことが課題です。
筋肉量が減らないように筋トレやランニングなどの運動を継続して、食事量は一定に保つようにしましょう。
体脂肪率を増やさず筋肉量を増やしたい方は、BIG3を中心とした全身トレーニングを週2〜3回行ない、食事はタンパク質のボリュームを1〜2割ほど増やして筋肉量の増強を図りましょう。
サバの刺し身定食やチキンソテー、焼き鮭定食など適度に脂質が取れてタンパク質と一緒にカロリーも摂取できるのでおすすめ。
【参考】低脂質で高タンパク質なコンビニ食品を管理栄養士が厳選!
筋肉量:多い × 筋肉率:高い人
筋肉量も多く筋肉率も高い方は体脂肪率が低くいわゆるマッチョ体型。
特徴としては以下の通り。
- 体脂肪率が低い
- 代謝が非常に高い
- 4つのグループの中で最も太りにくい体質
- 筋肉質で引き締まって見える
しかし、運動を止めて筋肉量が低下したときに同じ量の食事をしていると、カロリーの過剰摂取により体脂肪率が増加してしまいます。
筋肉量を維持したい方は、運動と平行して高タンパク且つ糖質も脂質もバランス良く食べることが重要です。
筋肉の分解を抑制するため、プロテインドリンクやプロテインバーを活用するとタンパク質も補給できて筋肉量の維持・増加を図ることができます。
日頃から食事量が多い方は、筋トレ部位も小分けにして週4〜5回筋トレを行うことで体脂肪率の増加を予防するよう心がけましょう。
筋肉量が減る原因とは
筋肉量が減ると、代謝の低下・消費カロリー量の低下につながります。
筋肉量が減る原因を理解することでダイエットやボディメイクの失敗を予防することができます。特に「なかなか結果が出ない」「過去にダイエットで失敗している」という方には必見ですよ。
1.運動不足
運動不足は、筋肉量減少の最も一般的な原因の1つです。
筋肉は使われなければ萎縮し衰えていきます。長年放置していると、日に日に細くなり次第に生活に支障をきたしかねません。
筋肉への刺激が与えられなければ栄養も行き届きにくく、カロリー消化する働きも衰えていきます。
コペンハーゲン大学の研究:2週間で筋肉に与える驚くべき影響
2016年に発表されたコペンハーゲン大学の研究では、2週間寝たきりで運動をしないだけで筋力と筋肉量が大幅に減るという報告がされています。
(参考:https://www.ncbi.nlm.nih.gov)
平均年齢23歳の若者と、平均年齢68歳の高齢者の合わせて32人を、2週間ギブスで足を固定して筋力と筋肉量がどれだけ減るかを実験しました。結果は若者の筋力が28%、高齢者の筋力は23%低下し、筋肉量は若者が485g、高齢者が250gの減少が見られました。
日常生活を過ごす場合は上記ほど減少はしなくても塵も積もれば大幅な筋力と筋肉量の低下につながります。
日頃から運動する習慣が非常に重要です。
2.栄養不足
適切な栄養摂取は、筋肉量の維持と増加に不可欠。
どんなにカロリーを摂取しても、筋肉の材料となるタンパク質が不足すると筋肉の分解が促進され次第に筋肉量は低下してしまいます。
糖質や脂質はカラダを動かすエネルギーやホルモンの材料にはなりますが、筋肉の材料にはなりえません。
また、5大栄養素のビタミンとミネラルが不足することでカラダが酸性に傾き疲れやすくなるだけでなく、コルチゾールの分泌が促進され筋肉の分解を促進します。
ビタミンCと亜鉛は、コルチゾールの働きを抑制してくれるので積極的に摂取しましょう。
3.エネルギー不足状態での有酸素運動のやりすぎ
有酸素運動は健康維持に重要ですが、適切なタイミングと方法で行わないと、逆効果になる可能性も…。
人のカラダを動かす際のエネルギー源は糖質・脂質・タンパク質の3つですが、エネルギー不足になっているときは糖分が枯渇している状態です。
糖分が枯渇すると、糖分の代わりに筋肉を分解してエネルギーを作り出してしまいます。
また、長時間の空腹は脳が飢餓状態だと判断し、体脂肪の合成も促進させます。
有酸素運動をするときは1〜2時間前に食事を済ませるようにして、1時間以上もの有酸素運動を行うときは合間に補給できるエナジージェルやドリンクからエネルギー補給するようにしましょう。
【参考】空腹時に筋トレをするのはNG!食事のタイミングを解説
筋肉量を測定できるおすすめ体組成計
ダイエットやボディメイクにおいて重要なことは、体重の増減よりも筋肉量を維持、向上させて体脂肪率を減らすこと。
ここからは体重だけでなく、体脂肪率と筋肉量も計測できるおすすめの体組成計をご紹介します。
オムロン体重体組成計
オムロンから発売されている体組成計はたった4秒で測定が可能。
朝はバタバタしており時間の余裕がない方にも最適です。
画面とボタンが大きいので、目が悪い方にも操作がしやすいデザインになっています。
価格 | 9,800円(税抜)〜 |
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サイズ | 縦28.0cm×横28.5cm×高さ2.8cm×重さ1.6kg |
カラー | ホワイト・ブラック |
測定できる項目 | 体重・体脂肪率・内臓脂肪レベル・BMI・筋肉率・基礎代謝・体内年齢 |
データ登録人数 | 4人 |
スマホ連携 | 有り(OMRON connectというアプリにて測定記録の管理が可能) |
タニタ体組成計
タニタの体組成計は壁に立て掛けて収納もできるくらいコンパクトで、軽いデザインになっています。
測定は8秒で完了し、8つの項目の計測をすることが可能です。
推定骨量はタニタのみ測定できる項目なので、骨密度が気になる方はぜひチェックしましょう。
測定者の登録は最大5名まで可能なので、ご家族みんなの健康管理したい方にも最適です。
価格 | 9,980円(税抜)〜 |
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サイズ | 縦27.0cm×横31.6cm×高さ2.7cm×重さ1.5kg |
カラー | パールホワイト・メタリックブラック |
測定できる項目 | 体重・体脂肪率・内臓脂肪レベル・BMI・筋肉量・基礎代謝・体内年齢・推定骨量 |
スマホ連携 | 有り(Health Planetというアプリにて測定記録の管理が可能) |
まとめ
ダイエットやカラダ作りに励んでもなかなか結果が出ないという方は、ご自身の筋肉量と筋肉率に合っていない方法を実践している場合が多々あります。
「あの人はあの方法で痩せたから、自分も同じく痩せることができる」ということはなく、一人ひとりで体質も異なるため適切な方法も異なります。
カラダ作りに1番の近道はご自身の体質を理解すること。適切な運動量と食事を実践して理想のカラダを手に入れましょう。