アルコールが筋トレに与える影響って?管理栄養士が筋トレ中の上手なお酒との付き合い方を解説

お酒は筋トレに悪影響?アルコールによる筋肉への影響や上手な付き合い方を解説!

筋トレ後や、仕事帰りにたまらなくビールが飲みたくなりますよね。

しかし、お酒を飲みすぎると、筋トレの効果に悪影響が出てしまうことをご存知ですか?

今回は、現役トレーナーである林ケイスケが「お酒と筋トレの関係」について解説していきます!

◆この記事でわかること!

  • お酒を飲むと筋肉が落ちる?
  • アルコールによる筋トレへの影響3選
  • ビールやウイスキーなどのお酒  カロリー&糖質の比較
  • 筋トレ継続中の上手なお酒との付き合い方
  • 悪影響を与えないお酒の量とは

お酒をやめるのは厳しいといった方も、この記事を読んで改めてお酒との付き合い方を考え直してみましょう。

この記事を書いた人

林ケイスケ

uFit代表トレーナー

Youtubeチャンネル「林ケイスケ」は登録25万越え。自重トレーニングのメニューをはじめ、筋トレやダイエットの知識について執筆。著書に学研から出版した「30日で体を変える 超効率的自重ワークアウトプログラム」がある。

お酒を飲むと筋肉が落ちる?

結論から言うとお酒を飲むことによって筋肉は落ちてしまう可能性があります。

なぜなら、飲酒によって筋肉の成長に関わる「テストステロン」が減少し、ストレスホルモンとも呼ばれる「コルチゾール」が分泌されて筋肉が分解してしまうから。
【参考】Pathophysiology of the Effects of Alcohol Abuse on the Endocrine System

筋肉が分解されると、筋肉量は減ってしまうので、筋トレの効果も薄れてしまう恐れがあります

ただし、この影響は過剰に飲みすぎたとき慢性的なアルコールの摂取で起こるので、たまに飲む人は安心してください。

また、適量のお酒であれば「ストレス解消」や「疲労回復」などの効果を期待できるので、アルコールの悪影響を理解した上で、嗜む程度に飲むことがおすすめですよ!

アルコールによる筋トレへの影響3選

昔から「お酒は百薬の長」ともいわれ、適度な飲酒は健康によい効果があるといわれています。

しかし、せっかくジムや自宅で頑張って筋トレをしても、度を越えてお酒を飲むことは筋肉に悪影響を与えてしまうので、効率がよくありません。

ここからは、アルコールが筋トレに与えるデメリットを3つお伝えします。

1.カロリー摂取量が増える

カロリー摂取量が増える カロリー早見表

アルコールのカロリーは1gで約7kcal。

アルコール度数が高いものほど、同じ量に対してのカロリーが高くなります。

しかし、ビールや発泡酒などは他のお酒に比べてアルコール度数が低く飲みやすいのですが、結果的に「飲む量」が増えてしまい、たくさんのカロリーに加えて、糖質を取ってしまいがちなので注意しましょう。

ウイスキーや日本酒はカロリーこそ高いですが、単体でごくごく飲めるものではないので、嗜む程度で飲めばビールほどカロリーを摂らずに済みますよ。

また、水や炭酸で割ることで満腹感も得られることや、糖質が少ないので、ウイスキーのハイボールや水割りを飲めば量を抑えて満足感を得られやすくなります。

◆【種類別】お酒100ml分のカロリー

  • ビール 4〜5%→約40kcal
  • 日本酒 15〜16%→約103kcal
  • ワイン 12~13%→約73kcal
  • 焼酎 25%→約141kcal
  • ウィスキー 40%→約237kcal

また、アルコールは肝臓で中性脂肪に合成されやすいため、飲みすぎると肥満の原因にもなりかねません。

筋トレで効率良く理想のカラダを手に入れるためにも、飲みすぎに気をつけましょうね!

2.睡眠の質が下がる

過度なアルコール摂取は睡眠の質に影響を与え、成長ホルモンの分泌量を減少させてしまいます。

成長ホルモンは、「タンパク質の合成を促す」「体脂肪の蓄積を抑える」など筋肉をつけるために重要なホルモン。

成長ホルモンの分泌量が減ると、筋トレの成果に影響が出てしまいます
【参考】Sleep, Sleepiness, and Alcohol Use

3.筋肥大の働きが弱まる

アルコールは筋合成をする「mTOR」(エムトア)という酵素の働きを弱めてしまいます。

mTORとは細胞が成長するためのキーファクターで、カラダを成長させるために重要なたんぱく質の一種

このmTORは、筋トレやトレーニングによって筋肉に負荷を与えるとリン酸化され、タンパク質の量を増やす働きがあり、筋肥大に効果的と言われています
【参考】レジスタンス運動によるmTOR活性化を介した筋タンパク質合成促進メカニズム

mTORと筋肉の関係については、まだ研究段階ではありますが、筋トレ中のアルコールの飲み方には気を付けたいものですね。

筋トレ継続中の上手なお酒との付き合い方

「でも、お酒はどうしてもやめられない...」という方も多いのではないでしょうか?

そんな方でも実践できる、筋トレ継続中の上手なお酒との付き合い方を解説します。

1.蒸留酒を飲むようにする

アルコールを飲むなら、糖質の少ない蒸留酒を選びましょう。

◉飲むなら「蒸留酒」

  • ウィスキー
  • 焼酎
  • ウォッカ
  • ジンなど

◉避けるべき「醸造酒」

  • ビール
  • ワイン
  • 日本酒

ウィスキーや焼酎は糖質0gなのに対してビールは350ml缶1本飲むと10g、2本飲むとなんと20gの糖質を摂ることに!

おすすめはウィスキーを炭酸水と割ってハイボールにして飲むことです。

焼酎なら水割りなどにして、薄めて飲むとよいでしょう。ビールがどうしても飲みたい方は、糖質オフ・ゼロのものにすると効果的ですよ。

以上のことを踏まえて、筋トレ継続中は上手にお酒を選びましょう。

林ケイスケ

お酒を飲む量の目安とは

ある研究では、体重1kgあたり0.5gのアルコール摂取は運動後の筋肉回復に影響を与えないことを示しています。

つまり、体重60kgの人は30gのアルコール(350mlのビール約2本)を摂取しても深刻な悪影響を与えないということです。

ただし、ある1つの研究結果で示されたことなので、あくまでも目安としてできる限りアルコールを避けるのがベストですよ。
【参考】e-ヘルスネット 飲酒量の単位
【引用】Alcohol Ingestion Impairs Maximal Post-Exercise Rates of Myofibrillar Protein Synthesis following a Single Bout of Concurrent Training<

2.お酒と一緒に食べる料理に気をつかう

糖質や脂質の少ない料理を選ぶ アルコールと一緒に食べる料理にも気をつけましょう。

糖質や脂質の多い食べ物とアルコールを一緒に食べると、体脂肪や内臓脂肪を増やす原因となってしまいます

また、アルコールと相性の良い揚げ物や炒め物に含まれる油は、脳の摂食中枢を刺激するので、なかなか満腹感が得られず、食べすぎてしまうことに。

アルコールを飲むときは、脂っこい食事を避け、糖質や脂質の少ない料理を選ぶようにしましょう。

以下で、居酒屋やコンビニでおすすめのヘルシーメニューを紹介しているので参考にしてくださいね。

また、ゆっくりとよく噛んで食べると満腹中枢が働き、食べる量を抑えることができますよ!

◆居酒屋・コンビニで選ぶヘルシーメニュー

◎良質のたんぱく質を含み、筋肉の材料になるメニュー

  • 刺身盛り合わせ
  • 焼き鳥
  • 冷ややっこ


◎脂質が少なく筋肉に良い栄養素が豊富

  • 魚の塩焼き(鮭・さんま・いわし・あじなど)


◎ビタミン豊富で疲労回復!食物繊維豊富で食欲を抑える

  • 枝豆の塩ゆで
  • ほうれん草のお浸し
  • 野菜サラダ
【参考】コンビニで買える最強のダイエット食品と献立を現役トレーナーが紹介!
【参考】低脂質&高たんぱくのコンビニ食品15選!

3.筋トレ後はアルコールを飲まない

筋トレ直後にお酒を飲むと、筋肉の回復に必要な栄養を十分に摂取できないので、筋肉を減らす原因になってしまいます。

筋トレ後には以下のような食品を摂るように心がけ、お酒を飲む日は筋トレを控えるようにしましょう。

◆筋トレ後に摂った方が良い食品

  • 鶏肉や魚肉ソーセージのようなたんぱく質
  • 緑黄色野菜(色の濃い野菜)
  • 果物(オレンジジュースでもOK)

【参考】 プロテインバーもおすすめ!

まとめ

筋トレ継続中にアルコールを摂取することのデメリットについて解説しました。

筋トレ継続中のアルコールのデメリットをしっかり理解して、アルコールを飲むタイミングや量、一緒に食べる食事のメニューなどに気をつけることが重要です。

筋トレ前後にはなるべくお酒を飲むことは控えて、上手なお酒の飲み方を心がけましょう!