

全身のバランスを意識したセルフケアとけが予防

スピードスケートはお尻から太ももにかけての筋肉を最も使いますが、だからといってその部分だけをケアすれば良いわけではありません。身体全体のバランスが何より重要です。そのためケアをするときは、常に全体のバランスを見ながら調整していました。
トレーナーさんと話し合いながら、「今日はこのお尻のパーツが硬いから、この動きに支障が出ているんだな」と自分の体と細かく向き合っていました。けがをしてしまうとそのシーズンすべてが終わってしまうという恐怖感があったので、とにかくけがだけはしないようにと意識して取り組んでいました。

遠征時や移動中のセルフケアとして愛用していたのが、小さめのゴムボールです。表面だけでなく筋肉と筋肉の隙間の奥深くをほぐすことができ、筋肉の出力を落とさずにリカバリーできるこの方法が、私の体に最もフィットしていました。移動中の機内でも太ももの下に敷いてコリをほぐすなど、日常の隙間時間を活用していました。
海外遠征を支えた食生活と、パシュートで培った最高のチーム力

遠征中の拠点はホテルが中心となりますが、常に最高のパフォーマンスを発揮するため、栄養バランスを意識した食事を心がけていました。ジュニア時代に「お米がなくても大丈夫」と思って遠征へ行き、全く力が出なくなってしまった苦い経験があります。その経験を経て、エネルギー源としてのお米の大切さを痛感しました。それ以来、お米は必需品となり、海外遠征でも炊飯器やトラベルクッカーを持参していました。日本から持ち込んだパウチ食品に現地で調達した栄養豊富な食材を添え、自炊しながらコンディションを整えていました。

スピードスケートは基本的に個人種目ですが、パシュートは唯一の団体競技です。個人種目は全責任が自分にある一方、団体戦では「自分のミスがチーム全体のミスに繋がる」という特有の責任感と大きなプレッシャーがありました。しかし、そのプレッシャーを「自分の力をいかに他の2人に繋げられるか」という前向きなモチベーションに変えて臨んでいました。結果が出た時は、自分一人だけでなくメンバー全員の喜びを一緒に噛み締められるので、本当に楽しかったです。過酷なトレーニングを日常から共にすることで自然と本音で意見を言い合える環境が生まれ、そのチーム力はどの国にも負けていなかったと誇りに思っています。
佐藤さんにとって、休息とは

私にとって休息とは、「パフォーマンスを向上させるための、一つのトレーニング」です。
単にだらけるのではなく、スケートから一度離れてマインドを切り替え、自分の体や心と向き合う時間だと捉えています。休息がなければパフォーマンスは落ちてしまいますし、競技人生を長く続けることもできません。
オフの日でも体を動かしたりリカバリーを行ったりしながら、明日また最高のパフォーマンスを発揮するために整えていく。休むこともパフォーマンス向上に欠かせない、大切なトレーニングの一環です。
選手愛用アイテム

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撮影の合間の一コマ

私、本当にコーヒーが大好きなんです!現役時代からカフェイン摂取目的だけじゃなく、単純に味が好きで自宅にマシンを買っちゃったくらいなんです(笑)。スケーターって実はコーヒー好きがすごく多くて、選手同士で「あそこのラテが美味しいよ」とか情報交換したり、海外遠征のときも現地の選手におすすめのカフェを教えてもらって飲みに行ったりしていました。
