ヒップスラストで鍛えられる筋肉
ヒップスラストで鍛えられるのは、大臀筋(だいでんきん)と呼ばれるお尻の筋肉。
大臀筋はハムストリング(太ももの後ろの筋肉)と連動して動き、歩く・走るといった動作に貢献しています。そのため、日常生活を行うために必要不可欠な筋肉です。
また、大臀筋は姿勢を維持するためにも重要な役割を果たしており、衰えると腰の痛みやお尻の垂みなどの原因となってしまいます。
ヒップスラストで大臀筋を鍛え、いつまでも健康で美しい体型を維持しましょう!
ヒップスラストを行うメリット
ヒップスラストの正しいやり方を見ていく前に、ここではヒップスラストの効果やメリットについて解説します。
1.大臀筋を集中的に鍛えられる
ヒップスラストでは、バーベルなどの重りを活用してお尻の筋肉である「大臀筋」を集中的にトレーニングすることができます。
大臀筋を鍛える有名なトレーニングとしては「スクワット」やデッドリフト」がありますが、これらのトレーニングでは大腿四頭筋やハムストリングスなどの他の筋肉にも負荷がかかります。
一方で、ヒップスラストであれば他の筋肉に負荷をかけることなく、大殿筋に集中して負荷をかけられるのが大きなメリットです。
2.ヒップアップ、美尻効果
ヒップスラストを行うと、欧米人に特徴的な背中から急に立ち上がったような丸みのある締まったお尻を作れます。
また、お尻に筋肉がついて持ち上がると、足も長く見えるので下半身強化のついでに長い足も手に入りますよ。
また、ヒップアップというと女性向けの種目と思われがちですが、お尻の筋肉を鍛えるのは男性にとってもたくましい下半身を作り上げるためにも必要不可欠なトレーニングです。
目が行きがちな上半身だけでなく、全身しっかり鍛えてバランスの良い体型を手に入れましょう!
3.ダイエット効果
ヒップスラストで鍛えられる大臀筋は、全身の中で最も大きな筋肉。鍛えると代謝が上がりやすくなり、痩せやすい体質になります。
人の体は全身でバランスをとるようにできています。下半身を鍛えると、より効率よく上半身を鍛えられますよ。
ヒップスラストのやり方
ヒップスラストは重い重量で行うよりも正しいフォームで行うことが大切なので、まずは基本のフォームを身につけましょう。
スミスマシンを使ったヒップスラストについて紹介します。
スミスマシンヒップスラストのやり方
ベンチより高い位置にバーをセットする
バーを太ももの付け根辺りに乗せて下ろす
- 足幅は肩幅程度にする
- 足の位置は腰を上げたときに膝が地面と90度になる位置にする
- つま先と膝が外を向くようにする
息を吐きながら、お尻を最大限まで上げていく
あごを引いた状態で行う。
息を吸いながら、ゆっくり深く下ろす
あごを引いた状態で行う。
同じ動作を繰り返す
10回を1セットとして、3セット行う。
スミスマシンヒップスラストの注意点
- かかとは上げずにしっかり床を踏んでおく
- 上げきった所で1~2秒止める
【参考】スミスマシンの正しい使い方とは?
ヒップスラストの重量設定
ヒップスラストでは、ただ重い重量を上げれば良いというわけではありません。
10回を1セットとして、3セット行える重量がベストです。
重すぎる重量にしてしまうと、
- 可動域が狭まる
- 大殿筋以外の筋肉に力が入ってしまう
- 反動をつけてトレーニングを行ってしまう
ヒップスラストの効果を高める3つのポイント
動作のイメージがついたところで、ヒップスラストの効果を高める3つのポイントを紹介します。
一つ一つのポイントをおさえて、トレーニングの質を上げていきましょう!
1.足の力でなくお尻の力で持ち上げる
ヒップスラストの動きは日常生活ではほとんど使わない動きなので、お尻以外の筋肉にも力が入ってしまいがちです。
バーベルを持ち上げるときはお尻をギュッとしめて、お尻の力だけで持ち上げるイメージで行いましょう。
「お尻以外に負荷がいっているな…」と感じる場合は、重量を下げてヒップスラストを行います。
繰り返しになりますが、10回を1セットとして、3セット行える重量がベストです。
2.膝・足幅を開きすぎない
バーベルを持ち上げるときに膝が開いてしまうことがありますが、膝が開くと大臀筋に力がかからず脚の筋肉(大腿四頭筋やハムストリングス)をメインで使ってしまいます。
大臀筋に集中して負荷をかけるために、ヒップスラストを行うときは「脚は肩幅に、膝は90度に」曲げることを意識しましょう。
3.腰を反らない
腹筋に力を入れて体幹を固めることは重要。
しかし、腰を反らしてしまうと背中にある脊柱起立筋への関与が強くなってしまい、大臀筋への効き目が下がってしまいます。
また、腰痛の原因にもなるので気を付けましょう。腰を反らないためには、あごを引くのがポイントですよ。
自宅でできるヒップスラストのやり方
大臀筋を鍛えて引き締まったお尻を手に入れるヒップスラストですが、
- ジムが混んでいてスケジュール通りにできない
- いきなり高負荷のバーベルではじめるのはむずかしい
こんな風に思っている人はいませんか?
そう思っている方のために、ここからは自宅でできるヒップスラストのやり方を紹介します。
自重ヒップスラスト
初心者でも気軽にできる自重ヒップスラスト。
胸の前で腕をクロスさせると、さらに効果アップしますよ。
負荷が低いので回数を多め(1セット20回程度)に行いましょう。
自重ヒップスラストのやり方
- バーベルを使うときと同じ姿勢で、両肩をベンチや椅子にのせる
- 足は腰幅に広げて、膝は90度に曲げる
- 腰に両手をあてて、ゆっくり腰を上げ下げする
・動作中は太ももではなく、お尻に意識を集中する - 同じ動作を繰り返す
バランスボールを使ったヒップスラスト
ベンチの代わりに上半身をバランスボールに乗せて行う「バランスボールヒップスラスト」。
バランスボールを使ったヒップスラストのポイントは、体勢を安定させること。
バランスが取りにくくなる分、体感への刺激が強くなります。大臀筋をメインに、全身のトレーニングをしたい人におすすめのトレーニングですよ。
バランスボールヒップスラストのやり方
- バランスボールの上に、背中の上半分を乗せて仰向けになる
- 膝が90度になり、膝から肩までが真っ直ぐになるように姿勢を取る
- お尻に力を入れて1~2秒静止したら、腰を下ろす
- 10回を1セットとして、3セット行う
バランスボールをお持ちでない方は「バランスボールのおすすめランキング」で選び方やおすすめの商品を紹介しているので参考にしてください。
【参考】自重で大臀筋を強化したいならジャンピングスクワットもおすすめ!
ダンベルヒップスラスト
ダンベルヒップスラストのやり方
- トレーニングベンチに背中をつける
- ダンベルを足の付け根から股関節辺りにのせて、足幅は腰幅と同じにする
- お尻を締めてダンベルを持ち上げる
- 胴体が床と水平になるまで持ち上げる
- ゆっくりと腰を落としていく
- 10回を1セットとして、3セット行う
ダンベルヒップスラストの注意点
- 腰が地面と平行になるまで持ち上げ、腰が反らないようにする
- 下ろす動作はゆっくりと体幹を意識して行う
- ダンベルが腰骨に当たって痛い場合はクッションを挟んだりタオルを巻く
- 肘やももの筋力を使わず、大殿筋のみで行うことを意識する
ヒップスラストと合わせて行うべきヒップアップ効果の高いトレーニング3選
ヒップスラストは単体で行うよりも、他の筋トレ種目と組み合わせて行う方が均整の取れた下半身を作れます。
引き締まったお尻を手に入れるために色んなメニューを試してみてくださいね。
1.デッドリフト
お尻の大臀筋をはじめとする体の後ろ側にある筋肉を鍛える「デッドリフト」。
高重量&高負荷で大臀筋を鍛えられるので、ヒップスラストの前に行うのがおすすめです。
ただし、やり方を間違えると腰痛の原因になってしまうので、正しいフォームを確認しながら行いましょう。
デッドリフトのやり方
- 脛(すね)にバーベルを沿わせて、両手でバーベルを持つ(両手は肩幅、上体は45度に前傾)
- 肩甲骨を寄せ、胸を張った状態で体幹部に力を入れる
- 上半身を真っ直ぐにキープし、バーベルを持ち上げる
- 最後まで伸展させたら、バーベルをゆっくり下ろす
- 8〜10回を1セットとして、3セット行う
デッドリフトのコツ
- 肩に力を入れないようにする
- 膝が前に出ないようにする
- 呼吸を止めずに行う
2.スクワット
大臀筋を鍛える王道トレーニングの「スクワット」。
スクワットは、下半身のほぼ全ての筋肉を強化できます。
ヒップスラストとセットを組む場合は、「スクワット→ヒップスラスト」の順番で行うようにしましょう。
スクワットのやり方(フォーム)
- バーベルを僧帽筋の上部に乗せる
- バーベルの真下に足を置き、ラックからバーベルを持ち上げる
- 手幅を狭くし、肩甲骨を寄せて胸を張る
- 胸と頭、骨盤の3つをまっすぐな位置関係にする
- 膝をやや外側(つま先と一致させる)に開きながらしゃがんでいく
- 太ももが床と平行になるまで下げたら、一気に持ち上げる
- 8〜10回を1セットとして、3セット行う
スクワットのコツ
- 体幹部に力を入れ、上半身をまっすぐにキープする
- 顎を上げずに、腰を反らないようにする
- 足の中心に負荷がかかるようにする
- 地面に対して垂直にバーベルが動くように身体を動かす
3.ブルガリアンスクワット
大殿筋・大腿四頭筋・ハムストリングスなどの下半身の主要な筋肉をまんべんなく鍛えられる「ブルガリアンスクワット」。
バランスをとるのが難しく、バランスを取ろうとすることで中臀筋や体幹も鍛える効果があります。
また、自重で行えば初心者にも向いたトレーニングですよ。
基本的なバーベルスプリットスクワットのやり方
- ダンベルを持って、足を前後に開いて立つ後ろ足をベンチの上に乗せる
- 前足のふとももが床と並行になるまで膝を曲げて腰を落とす
- 足裏で床を押して膝を伸ばしてスタートポジションに戻す
- 逆足も同様に行う
- 10回を1セットとして、3セット行う
ブルガリアンスクワットのコツ
- 膝の角度は90度まで曲げる
- つま先より前に膝を出さない
- 背筋を伸ばす
- 前足に重心を乗せる
- 負荷を上げたい場合はダンベルを使う
まとめ
ヒップスラストの基本的なやり方をはじめ、大殿筋を効果的に鍛える筋トレメニューを紹介してきました。
ヒップスラストで効果的に大殿筋を鍛えるには、膝の角度を90度にして、腰を反らさず、お尻の力のみで行うことがポイントです。
ヒップスラストで「丸く盛り上がって引き締まったお尻」と「後ろから見て長い足」を手に入れましょう!