ケーブルプレスダウンがうまくできていない人の共通点は、肘や腕を含めた上半身の使い方がわかっていない点です。
上半身を使いこなすと、ケーブルプレスダウンで上腕三頭筋に刺激が入るようになります。
この記事では、
- ケーブルプレスダウンの正しいやり方
- ケーブルプレスダウンの重量と回数設定
- アタッチメントの選び方
- ケーブルプレスダウンの効果を高める3つのコツ
- ケーブルマシンを使った上腕三頭筋トレーニング3選
を紹介します。
正しいフォームでケーブルプレスダウンを行って、上腕三頭筋を追い込みましょう!
この記事を書いた人
林ケイスケ
uFit代表トレーナー
Youtubeチャンネル「林ケイスケ」は登録27万越え。自重トレーニングのメニューをはじめ、筋トレやダイエットの知識について執筆。著書に学研から出版した「30日で体を変える 超効率的自重ワークアウトプログラム」がある。
ケーブルプレスダウンで鍛えられる筋肉の部位
ケーブルプレスダウンで鍛えられる筋肉は上腕三頭筋です。
上腕三頭筋は「長頭」「短頭(外側頭&内側頭)」の3つの部位で構成されており、プレスダウンを行う際は、それぞれの筋肉を意識しながら行うことが大切。
1.長頭
長頭は肩甲骨から肘にかけてついていて、肘関節の曲げ伸ばしや、真上に上げた腕を横に降ろす時に働く筋肉。
長頭を鍛えると、横から見た時の腕の太さに貢献するため腕を太くしたい人は長頭を鍛えるのがおすすめです。
プレスダウンでは、バーを押し下げるときにひじを外側に向かって絞り、手首をひねりこむと効果的に鍛えられます。
2.短頭(外側頭&内側頭)
長頭に対して外側頭と内側頭を合わせて短頭と呼ばれ、肘関節の曲げ伸ばしで働く筋肉。
短頭を鍛えると、前から見た時の腕の太さと腕の見た目に貢献します。
プレスダウンでは、肘を閉じてバーを押し下げると効果的に鍛えられますよ。
ケーブルプレスダウンの3つのメリット
ケーブルプレスダウンのメリット
1.ケーブルマシンを使うので動作が簡単
ケーブルマシンを使用すると軌道が安定し、動作が楽になります。
また、ほかの筋肉に負荷が分散するのも少なくなるので鍛えたい部位に確実に負荷をかけられ、効率よくトレーニングを行えます。
まずは軽めに筋トレを始めたい初心者の方にもおすすめです。
2.肩関節の柔軟性を必要としない
プレスダウンは肘を固定してバーを下げる動きだけなので、ダンベルなどをつかう行うトレーニングに比べて、肩関節の柔軟性を必要としません。
もともと体が硬くて肩回りの可動域が狭いという方でも、安心して取り組めるのがケーブルプレスダウンの特徴です。
3.肘に負担がかかりにくい
ケーブルが両腕に均等に負荷をかけてくれるので、肘に負担がかかりにくく、怪我のリスクを抑えられます。
実際に、筋トレをしていて肘を痛める人は多くいます。
長く筋トレを続けるためにも、肘への負担を軽減するのは重要です。
ケーブルプレスダウンの正しいやり方
ケーブルプレスダウンの正しいやり方と注意点を紹介します。シンプルな動きだからこそ、細かなポイントまでしっかり意識するようにしましょう。
ケーブルプレスダウンの正しいやり方
ケーブルを顔より高い位置に設置する
肩幅ぐらいの足幅で立つ
脇をしめ、腕幅は肩幅に開きバーを握る
上体を軽く傾斜させ、お尻から首まで真っすぐに伸ばす。
肘の角度が90度になるくらいで、胸の位置までバーを降ろして止める
肘を固定した状態で腕が伸び切るまでバーを押し下げる
肘が動かないようにしながら、ゆっくり3の位置までバーを戻す
同じ動作を繰り返す
ケーブルプレスダウンの注意点
- 肘を固定して動作する
- 反動をできるだけ使わない
ケーブルプレスダウンの重量・回数設定
はじめから高重量を扱うと肘に痛みが出やすくなるため、以下のレベル別の重量・回数表をもとにケーブルプレスダウンに取り組むといいですよ。
重量 | 回数 | セット数 | |
初心者 | 体重×0.15kg | 20回 | 2~3セット |
中級者 | 体重×0.3kg | 12~15回 | 3セット |
上級者 | 体重×0.4kg | 10~12回 | 3セット |
初心者の方は、フォームを身体に覚えさせるために軽い重量で回数を多く行うと効果的です。
セット間のインターバルは1分~1分30秒ほど取って行いましょう!
林ケイスケ
※拮抗筋とはメインで鍛える筋肉と反対の働きをする筋肉のこと。
アタッチメントの選び方
ケーブルマシンを扱うジムの多くは、アタッチメントを数多く取り揃えているところも多いですよね。
代表的なアタッチメントとその効果を紹介します。
アタッチメント次第で効かせやすくなる部位も変わるので、目的に合わせてアタッチメントを選べるようになりましょう!
ロープ
バーを引き下ろしたときに肘を外側に絞り込みやすいロープは、上腕三頭筋全体を鍛えるのに向いています。
ロープを下に引くときは、手を外側に開くように(ハの字を描くように)引くことを意識するとより上腕三頭筋全体に負荷が入りやすくなりますよ。
EZバー
V字バーを握り方が同じなので、上腕三頭筋の外側頭(がいそくとう)を鍛えるのに向いています。
V字バーの問題点は、骨格が大きい方にとってグリップ幅が狭すぎてやりづらいという点。
対して、EZバーは比較的広めのV字バーなので、骨格が大きい方でも取り組みやすいですよ!
ストレートバー
肘をしっかり閉じてトレーニングを行えるストレートバーは、上腕三頭筋の内側頭(ないそくとう)を鍛えるのに向いています。
バーの握り方は、親指を使わない「サムレスグリップ」で握り、小指側で押すように意識するとより内側頭に負荷をかけられますよ。
ケーブルプレスダウンを最大限効かせるための3つのポイント
ケーブルプレスダウンを最大限に効かせる3つのポイントを紹介します。トレーニングの際は必ず以下のポイントを意識するようにしましょう!
1.肘の位置を固定する
肘が上下に動かないよう固定すると、上腕三頭筋に集中的に負荷をかけられます。
また、ケーブルプレスダウンで鍛えられる筋肉のところで紹介したように、肘の使い方次第で上腕三頭筋のなかでも鍛えられる部位が変わります。
プレスダウンを行うときは、肘の使い方を意識することが効果を高めるために重要です。
2.バーを戻すときに力を抜かない
バーをゆっくりと戻すと、上腕三頭筋から負荷が抜ける瞬間がなくなり、よりトレーニング効果を高められます。
また、筋肉を収縮させた状態から急に力を抜くと、筋肉を傷める原因になります。けがを防ぐという意味でも、ゆっくりとバーをもとの位置に戻すことは重要です。
3.上半身を動かさない
上半身を動かさないようにすると体重を利用して重りを上げるのを防ぎ、効果的に上腕三頭筋に負荷をかけられます。
また、上半身をまっすぐにすると腰への負荷も防ぐので、腰を傷める危険も少なくなります。
ケーブルマシンを使った上腕三頭筋トレーニング3選
最後にケーブルマシンを使った上腕三頭筋を鍛える筋トレを紹介します。
プレスダウンと違う刺激を上腕三頭筋に加えられるので、合わせて行うようにしましょう!
1.ケーブルフレンチプレス
プレスダウンと異なり、長頭のみにターゲットを絞ったトレーニングです。
ケーブルフレンチプレスのやり方
- ケーブルの位置を一番下にセットする
- マシンを背にして立ち、ロープを握る
- 肘を固定して、斜め上にロープを引き上げる
- ゆっくりと元の位置に戻す
- 10回を1セットに3セット行う
ケーブルフレンチプレスの注意点
- ひじを固定して行う
- マシンから離れて、腕の可動域を確保する
- 戻すときはゆっくりと負荷を感じながら戻す
2.リバースプレスダウン
やり方はプレスダウンとほぼ同じですが、アタッチメントを逆手に持って行います。
逆手で行うので肘が自然に閉まり、内側頭に効くトレーニングとなります。
リバースプレスダウンのやり方
- 足幅は肩幅に立ち、体を少し前傾させる
- 肘は90度に固定して、バーを持ちゆっくりと下す
- ゆっくりと元の位置に戻す
- 10回を1セットに3セット行う
リバースプレスダウンの注意点
- 肘をしっかり閉める
- 上腕三頭筋の内側頭を意識する
- 手のひらを床へ垂直におろすように動かす
【参考】腕を太くするトレーニングまとめ
3.ケーブルトライセプスエクステンション
頭上から前へ引っ張り、上腕三頭筋の短頭を鍛えるトレーニングです。
ケーブルトライセプスエクステンションのやり方
- 片足を前にだして体を少し前傾させる
- 肘を曲げて頭上で構える
- 頭上から前へ引っ張る
- ゆっくりと元の位置に戻す
- 10回を1セットに3セット行う
ケーブルトライセプスエクステンションの注意点
- 上半身は常に前傾姿勢をキープする
- 腕を伸ばしきって上腕三頭筋が縮まっているのを感じる
- 顔は下を向ける
まとめ
プレスダウンの正しいフォームや、効果を高める方法などを紹介してきました。
プレスダウンの動きはシンプルだからこそ、フォームの細かなところまで注意すると、最大限に効果を高められますよ。
普段のトレーニングにプレスダウンを取り入れて、太くてかっこいい腕を目指しましょう!