ディップスで大胸筋を鍛える効果的なやり方。筋トレ初心者でもできる正しいフォームを解説
大胸筋下部と上腕三頭筋を鍛える最強の自重トレーニング「ディップス」。
ディップスは上半身のスクワットと呼ばれるほど大切な種目で、腕立て伏せと比較した場合に数倍もの負荷を大胸筋に加えられます。
この記事では、
- ディップスで鍛えられる筋肉
- ディップスのメリットや効果
- ディップスの正しいやり方&フォーム
- 大胸筋・上腕三頭筋それぞれを集中的に鍛える方法
- ディップスの効果をあげる4つのポイント
を紹介します。
ディップスで大胸筋や上腕三頭筋を効果的に鍛えて、キレのある厚い胸板を作りましょう!
そもそもディップスとは
ディップスとは、両腕のみで体を支えて上下運動をするトレーニングのこと。
大胸筋と上腕三頭筋に全体重がかかるため、他の上半身のトレーニングよりも高負荷になるのが特徴です。
また、重りをつけると負荷が調整しやすいのもディップスの大きなメリットです。
一方で、筋力が不十分な初心者には不向きな筋トレなので、ディップスを行う前に腕立て伏せなどに取り組むのがおすすめですよ。
ディップスで鍛えられる筋肉
ディップスの具体的なやり方を見て行く前に、ディップスで鍛えられる筋肉を紹介します。
ディップスは上半身の重要な筋肉を複数鍛えられますが、鍛える筋肉を意識すると筋トレの効率がアップしますよ!
1.大胸筋(特に大胸筋下部)
大胸筋は非常に大きな筋肉のこと。ディップスでは特に大胸筋の下部を鍛えられます。
大胸筋下部を鍛えると、大胸筋の輪郭がはっきりするため、メリハリのある胸を作れます。
大胸筋の下部を鍛えるには、ディップス以外にもデクライン系の筋トレに取り組むと効率よく発達しますよ。
【参考】大胸筋の下部を鍛えるデクラインベンチプレスの詳しいやり方とは
2.上腕三頭筋
上腕三頭筋は二の腕の裏側の筋肉のこと。
肘関節だけでなく肩関節にもつながる部分があるため、鍛えるとスポーツ競技全般におけるパフォーマンス向上になります。
普段の生活ではあまり使うことのない筋肉ですが、二の腕のたるみを解消できますよ。
【参考】上腕三頭筋の筋トレメニュー
3.三角筋・広背筋・体幹
ディップスで鍛えるメインの筋肉ではありませんが、バランスを取ろうとするので三角筋・広背筋・体幹なども鍛えられます。
トレーニングの時間を取れないときは、ディップスを行って上半身全体を鍛えるのがおすすめですよ。
【参考】広背筋の筋トレメニュー
【参考】三角筋の筋トレメニュー
ディップスは上半身のスクワット!
ベンチプレスやスクワットなどのBIG3と比べると、ディップスはややマイナーな筋トレ種目です。ただし、ディップスはBIG3に次ぐおすすめの筋トレメニューであり、上半身のスクワットと呼ばれることもあるほど重要なトレーニングです。ディップスの3つのメリットや効果
メリット&効果を理解して筋トレに対するモチベーションをあげましょう!
1.自重でありながら高負荷トレーニングができる
ディップスは自重で行う筋トレですが、自重トレの中では非常に高負荷のトレーニングです。
例えば、大胸筋を鍛える自重トレの「腕立て伏せ」では、足を床について行うため全体重が腕や胸にかかるわけではありません。
一方のディップスでは、全体重を腕や胸のみで支えるため負荷が非常に高いのが特徴です。
*加わる負荷は体重によって異なります。
2.怪我のリスクが少なく、1人でも追い込みやすい
ディップスはベンチプレスやダンベルプレスなどと比べて、怪我をするリスクが低く、1人でも追い込みやすいというメリットがあります。
例えば、ベンチプレスであればバーベルを上げられなくなった時のために補助として他の人についてもらう必要がありますし、補助がいない場合は限界まで追い込めません。
一方のディップスであれば、限界がきたら地面に着地すればよいだけなので、1人でも最後まで追い込めます。
ディップススタンドがあれば自宅でもできる!
ベンチプレスは専用の器具が必要で価格が高いですが、ディップスであればディップススタンドさえあれば自宅でも行えます。また、ディップススタンドは1万円しませんし、意外とスペースを取らない(高さがあるだけで幅はとらない)ので、自宅用の筋トレグッズとしておすすめですよ。【参考】自宅で使える最強のチンニングスタンド
3.くっきりと盛り上がった綺麗な大胸筋を作りやすい
ディップスは比較的鍛えにくい大胸筋の下部を鍛えられます。
そして、胸板の境界線をくっきりと出すためには、大胸筋上部だけでなく下部を鍛えるのが欠かせません。
ベンチプレスやダンベルフライばかりしてしまっている方は、ディップスを追加して胸筋全体を鍛えるようにしましょう。
ディップスの正しいやり方
まずはディップスのやり方を説明した以下の動画と、コツなどをまとめた箇条書きをご覧ください。
ディップスのやり方
肘を伸ばし腕だけで体を支える
上半身をやや前傾させ、足は膝を後方へ折り曲げる
ゆっくりと肘を曲げていく
肩と肘が平行になるまで下げたら止まる
ここまで下げるのが理想ですが、最初は無理のない位置で止めましょう。
ゆっくりと肘を伸ばしていく
大胸筋を絞り込んでいくイメージで伸ばしましょう。
体が振り子にならないように、まっすぐ上下動する
同じ動作を繰り返す
ディップスのコツ
- まっすぐ上下動する
- 足を振り上げない
- 上半身を起こし切らない
- 肩をはめないようにする
- 胸筋への負荷をあげたい場合は前傾姿勢を強める
- 上腕三頭筋への負荷をあげたい場合は上体を少し起こす
10回×3〜5セットが目安!
ディップスの回数の目安は、10回×3~5セットです。初心者の方は1セットの回数を5回程度に減らしても問題ありません。ただし、筋肉を限界まで追い込める回数に設定することをお忘れなく。【ディップスの応用編】大胸筋・上腕三頭筋それぞれを重点的に鍛えるやり方
ディップスの基本的なやり方が分かったところで、大胸筋と上腕三頭筋それぞれをメインに鍛えたい場合のアレンジ方法を紹介します。
大胸筋をメインに鍛えたい場合
大胸筋をメインに鍛えたい場合は、以下の2点を意識して行いましょう。
- 前傾姿勢を意識して、大胸筋への負荷を高める。
- 肩をすぼめないようにする。
肩をすぼめてしまうと大胸筋が限界までストレッチしないので、効果的に鍛えられません。
上腕三頭筋をメインに鍛えたい場合
上腕三頭筋をメインに鍛えたい場合は、以下の3点を意識すると効果的です。
- 前傾姿勢をつくらずに上体を起こして、上腕三頭筋への負荷を高める。
- 脇を閉めて身体に近い位置に固定する。
- 肘を伸ばし切らない。
肘への負荷も大きいため、違和感を感じたらやめましょう。
林ケイスケ
フォームが身についてきて、自重でもの足りないときは「加重ベルト」を使いましょう。
加重ベルトを使うと、自体重に重りが足されるのでさらに負荷を掛けたい人におすすめですよ。ディップスの効果を上げる4つのポイント
以下のポイントを意識すると、筋トレの効率がアップするので理解しておきましょう。
1.上半身は前傾させ、後ろ重心にしない
上半身を前傾させるとより大胸筋への負荷が高まります。
重心が後ろになってしまうと、大胸筋ではなく肩関節の靱帯に負荷がかかり、怪我の原因となってしまうので注意してください。
2.肩の力を抜き、肩をすくめない
ディップスは大胸筋と上腕三頭筋を主に使うトレーニングであり、肩の筋肉を鍛えるトレーニングではありません。
肩に余計な力が入ってしまうと、
- 大胸筋を十分にストレッチさせることができない
- 肩の関節に余計な負荷がかかり怪我の原因になる
3.肘は身体の近くに固定する
上下運動をする際、肘を横に開いてしまうと大胸筋や上腕三頭筋以外への負荷が高まってしまい、効果的な筋トレになりません。
肘より上の部分だけで動かすイメージを持ちましょう。
4.1回1回の動作をゆっくり行う
ディップスをゆっくり行うと、バランスの取りづらさが増して体幹なども同時に鍛えられます。
上がる動作を素早く行うと負荷が高まるのですが、バランスを崩しては意味がないので、ある程度慣れるまではゆっくり行いましょう。
ディップスができない初心者は基礎トレーニングから始めよう!
ディップスはかない高負荷の筋トレなので、いきなりディップスができない…という方のために基礎的な筋トレメニューを紹介します。
基礎トレーニングでディップスをするために十分な基礎筋力をつけましょう。
1.腕立て伏せ
ディップスができない場合に不足している大胸筋を鍛える「腕立て伏せ」。
もっとも基本的な筋トレメニューですが、回数を重ねると大胸筋を徹底的に追い込めます。
腕立て伏せの正しいやり方
- 肩幅より少し外に開いて、肩が45度になるように手をつく
- 頭からかかとまで身体を一直線にする
- 息を吐きながらゆっくりと下げる
- 息を吸いながらゆっくりと上げる
- 3~4の動作を繰り返す
腕立て伏せのコツ
- 肩の真横に手をつかずに、45度くらいになるようにする
- 体を一直線にキープする
- 胸は開くように意識する
- 目線はやや前を見る
2.リバース・プッシュアップ(リバース・ディップス)
ディップスができない場合に不足している上腕三頭筋を鍛える「リバース・プッシュアップ」。
以下の動画のように、椅子程度の台に両手をかけて、足を伸ばした状態で身体を上下させると上腕三頭筋を追い込めますよ。
リバース・プッシュアップの正しいやり方
- トレーニングベンチ(椅子でもOK)に肩幅で両手を置く
- 足を伸ばす(負荷を下げる場合は膝を曲げる)
- 肘を曲げてゆっくりと体を下ろして行く
- 肩と肘が平行になるまで下げる
- ゆっくりと肘を伸ばして行く
リバース・プッシュアップのコツ
- 手(指先)と体の方向を同じにする
- 膝の曲げ伸ばしで負荷を調整し、限界まで追い込む
3.チェアーディップス
ディップスの負荷を軽くして行う「チェアーディップス」。
大胸筋と上腕三頭筋を意識しながら、上半身を真上に押し上げるイメージで行いましょう。
*正しいやり方やコツは通常のディップスと同じです。
まとめ
ディップスの効果的なやり方をはじめ、鍛えられる筋肉やメリットなどを紹介しました。
ディップスは非常に効果の高い筋トレです。
ポイントを意識しながらより上半身をたくましく鍛え上げましょう。