そもそもMCTオイルとは?
MCTオイルは、「ヤシ・パーム・ココナッツオイル」から作られた中鎖脂肪酸(Medium Chain Triglyceride)100%のオイル。
一般的なオイルに比べて、エネルギー源として利用されやすく、食後の血中中性脂肪が増えにくいため、脂肪として蓄積されにくいオイルです。
また、数年前ブームになったココナッツオイルも中鎖脂肪酸ですが、ココナッツ特有の香りがして料理に使いにくいというデメリットがありました。
MCTオイルは無味無臭でどんな料理にも合わせやすいため、多くのアスリートもトレーニング中の食事に取り入れています!
MCTオイルに含まれる中鎖脂肪酸とは?
中鎖脂肪酸は、牛乳、母乳、ヤシ油(ココナッツオイル)に含まれているオイル。
一般的なオイル(大豆油・なたね油・コーン油・ごま油など)には、長鎖脂肪酸が含まれています。
2つのオイルの大きな違いは、脂肪酸を構成する「炭素」という元素の数で以下のような違いが見られます。
- MCTオイル(中鎖脂肪酸)
一般的なオイルに含まれる長鎖脂肪酸よりも炭素の数が少なく、食べたあとカラダの中にすばやく吸収されるため、体脂肪として蓄積されにくい
- 長鎖脂肪酸
消化・吸収されたあと、脂肪組織などにいったん蓄えられて、必要に応じてエネルギーとして使われる
MCTオイルに含まれる中鎖脂肪酸は小腸から直接吸収されて肝臓で分解されるため、すぐにエネルギー分解される点から体脂肪がつきにくく「特定保健用食品」にも使われています。
MCTオイルの効果やメリットとは?
ここからは、MCTオイルがダイエットに効果的と言われている理由を詳しく解説します。
◆MCTオイルのダイエット効果
1.脂肪燃焼を促進する効果
MCTオイルには、脂肪燃焼を促進する効果があります!
通常、私たちのカラダは糖質を主なエネルギーとして使っていますが、MCTオイルを摂取するとケトン体と呼ばれる物質が生成され、糖質の代わりに脂肪を分解してエネルギー源にしてくれます。
脂肪を分解してエネルギー源としてくれるため、普段の食事にMCTオイルをプラスするだけで、より効率的に脂肪を燃焼できます。
主に「ケトジェニックダイエット」というダイエット方法でMCTオイルを取り入れてみるのがおすすめですよ。
2.脂肪が燃えやすい体質になる
MCTオイルには代謝を促進する作用があり、脂肪が燃えやすい体質に変えることが期待できます。
代謝には、DIT=食事誘発性熱産生(消化・吸収・運搬するときにエネルギーを消費している状態)が関係しており、MCTオイルはDITの値を向上させる効果があります。
【参考】Comparison of diet-induced thermogenesis of foods containing medium- versus long-chain triacylglycerols
また、「DITの値はトレーニング向上につながる」とも言われているので、MCTオイルとトレーニングを組み合わせると、よりスピーディーに脂肪を燃焼できますよ!
MCTオイルをダイエットに活用する際は、ぜひトレーニングも一緒に行うようにしましょう。
【参考】食事誘発性熱産生とは(e-ヘルスネット)
【参考記事】プロトレーナーが痩せるトレーニングを紹介!
3.効率良くエネルギー補給できる
MCTオイルは、消化吸収のスピードが普通のオイルに比べて4~5倍なのでより効率的にエネルギーを補給できます。
また、素早く吸収・分解されるので、脂肪として蓄積されにくいという特徴も!
【参考】The Use of Medium-Chain Triglycerides in Gastrointestinal Disorders
糖質(炭水化物)などのエネルギー源は、摂りすぎてしまうと中性脂肪として体脂肪を溜め込んでしまうこともありますが、MCTオイルは中鎖脂肪酸100%なので糖質が0%!
トレーニング前のエネルギー補給としてもMCTオイルはおすすめですよ!
【参考】特定保健用食品としての中鎖脂肪酸
MCTオイルの副作用2選
ダイエットに効果的なMCTオイルですが、たくさん摂取すると副作用もあるので要注意。
ここでは、MCTオイルにまつわる2つの副作用とMCTオイルが合わない人について紹介します。
1.消化機能に問題を起こす可能性がある
空腹時に大量に摂取すると、腹部の不快感や下痢、嘔吐などの症状が起こる恐れがあります。
消化機能の問題を顕現するために、胃腸が弱い人は特に少量(小さじ1杯)から試してみましょう。
2.過剰に摂取すると太る
MCTオイルはあくまでも油(オイル)なので、普段使っているオイルと同じエネルギー量があります。
大さじ1杯(13g)で約120キロカロリー。なたね油やオリーブオイルなどの一般的なオイルとほぼ同等のエネルギー量です。
普段使っているオイルの量をそのままにMCTオイルを追加してしまうと、エネルギー量の摂りすぎで太ってしまうため、調理で使うオイル全体で大さじ1ぐらいに調整しましょう。
MCTオイルが合わない人の特徴とは
MCTオイルは疾患などを持っている人にとって、悪化させる可能性もあるので気をつける必要があります。
MCTオイルが合わない人
- 妊娠中や授乳中の方
- 糖尿病の方
- 心臓病や肝臓病などの疾患をお持ちの方
おすすめのMCTオイルの使い方3選
MCTオイルには副作用があるとはいえ、嬉しい効果がたくさん!副作用を把握したうえで、普段の食事に取り入れましょう。
以下では、具体的なMCTオイルの使用方法を解説していきます。
1.カフェオレや豆乳に混ぜて飲む
カフェオレや豆乳に混ぜて飲むと、美味しくmctオイルを摂取できます。
ブラックコーヒーよりも牛乳が入ったカフェオレの方が、オイル特有の脂っこさが目立たなくなり美味しく飲めますよ!
海外では、「Bulletproof Coffee」と呼ばれるコーヒーにバターとMCTオイルを混ぜた飲み物があり、以下の効果を得られます。
- 空腹感の減少
- 断食のしやすさ
- 集中力の増加 など
日本では「バターコーヒー」や「完全無欠コーヒー」と呼ばれて話題となっていて、朝食と置き換えて飲むと効果的ですよ。
2.サラダのドレッシングとして利用する
MCTオイルをドレッシングに使うのもおすすめです。
以下で、MCTオイルを使った簡単で美味しいドレッシングを紹介しているので、ぜひ試してみてください。
和風ドレッシング(2人分)
材料
- MCTオイル:大さじ1杯
- しょうゆ:大さじ1杯
- 酢:大さじ1杯
- 砂糖:お好みで少々
- (すりごまを入れてもおいしいですよ。)
作り方
深めのガラス食器などにドレッシングの材料を入れて、混ぜるだけ!
トマトやキュウリの角切り、大豆水煮などを入れて和えるのがおすすめです。
3.食事に混ぜたり調理に使用する
MCTオイルは、食事や調理に使用するのもおすすめです。例えば、以下のように活用できます。
MCTオイルは無味無臭なので、食事や調理にそのまま使用しても邪魔になりません。
- スープやカレー、シチューに少量混ぜる
- 納豆に少量加えて混ぜる
- ほうれん草のごま和えなどに少量入れて和える
- ご飯を炊いたあとに混ぜる
- マリネのオイルに使用する
いくらダイエットに効果的とはいえ、使いすぎは太る原因になるので注意してください。
◆MCTオイルのおすすめ商品
ココナッツの香りと甘さが口コミで評判の「レインフォレストハーブジャパンMCTオイル」。
コーヒーやサラダやカレーに入れると、ココナッツの香りが広がり、いつもより上品な味わいに仕上げられます。
お値段も1,000円前後とお手頃なので、ぜひ一度試してみてください!
MCTオイルを使用する際の注意点3つ
MCTオイルを使用する際の注意点についてお伝えします。一般的なオイルと違い、中鎖脂肪酸100%特有の特徴があることから、次の点に気をつけましょう。
1.加熱調理に注意する
MCTオイルの発煙温度は一般的なオイルよりも低いことから、加熱すると煙が出ます。
炒め物や揚げ物への使用は、白煙や泡立ちが発生して危険です。
料理の仕上げにプラスする、ドレッシングや飲み物・汁物に入れるなどして利用しましょう。
2.ビンやガラス食器で保管する
カップ麺などの容器に使用されているスチレン系樹脂(発泡スチロール、ABS樹脂など)のプラスチック容器は、樹脂が溶けるおそれがあります。
保管するときはビンやガラス食器がおすすめですよ。
また、保管は冷暗所で保管しましょう。(他のオイルも同様です)
3.MCTオイルの摂る量を考える
MCTオイルは「ダイエット効果があるから!」と言って摂りすぎと太ります。
カラダに良いからといって今の食生活にプラスしてしまうと、余ったエネルギーが体脂肪のもとに。。
有酸素運動や筋トレなどの運動をして筋肉をつけると、代謝がアップして太りにくいカラダになります。また、副作用もあるので、まずは少量から試すようにしましょう。
【参考記事】室内でできる有酸素運動をパーソナルトレーナーが紹介!
まとめ
MCTオイルの期待できる効果、使い方、副作用についてお伝えしました。
他の食品にも言えることですが、「カラダに良いから!」と言ってそればかり食べると、健康を害することもあります。
また、逆にダイエット中は脂肪の摂取を控える人が多いと思いますが、むやみに減らすのはカラダのためにはよくありません。
MCTオイルを使用する際は、主食(ご飯、パン、麺類)主菜(肉類・魚類・卵・大豆製品)副菜(野菜料理)をしっかりと摂ることも意識していただけたらと思います。