効率よく脂肪を燃焼するサーキットトレーニングのメニューとやり方を現役トレーナーが解説!
サーキットトレーニングとは、筋トレと有酸素運動を休むことなく行い、「脂肪燃焼」と「筋肉をつける」2つの効果を期待できるトレーニング方法です。
また、効果が高い割に短時間で行えるため、時間がない方や飽き症の方にもおすすめです。
この記事では、
- サーキットトレーニングとは
- サーキットトレーニングの効果
- サーキットトレーニングの具体的なメニュー
- サーキットトレーニングの効果を高めるポイント
- 健康的に痩せていくための食事法
について紹介していきます。
短時間で効果をあげたい方はサーキットトレーニングをやってみましょう。
サーキットトレーニングとは?
サーキットトレーニングとは、異なる種目を組み合わせ、休憩を入れずに繰り返し行うトレーニンング方法。
基本的には「筋トレ(無酸素運動)→有酸素運動」を交互に行ない、短時間でも効果的に筋力や持久力を強化することができます。
また、ダイエットなど目的に合わせてトレーニングを組み合わせれば、効率的に脂肪を燃焼させることもできます。
サーキットトレーニングがダイエットに効果的な3つの理由
サーキットトレーニングは脂肪燃焼効果があるだけでなく、通常のトレーニングと比べて短時間で効果を得られるので、非常に運動効率が良いです。
具体的なメニューを見ていく前に、まずはサーキットトレーニングがダイエットに効果的な理由からみてきましょう!
理由1:筋トレを挟むことで脂肪燃焼の開始が早くなるから
無酸素運動(筋トレ)と有酸素運動を交互に行うサーキットトレーニングは、有酸素運動だけ行うよりも脂肪燃焼のタイミングが早くなります。というのも、体についている脂肪(中性脂肪)は普段はエネルギーとして使われることはなく、運動をして脂肪を分解し血液中に「遊離脂肪酸(脂肪細胞から分解された脂肪)」として放出されて初めて脂肪がエネルギーとして消費されます。
この中性脂肪を遊離脂肪酸に分解する効果が高いのが、無酸素運動なのです。なので、筋トレを組み合わせることで、有酸素運動だけを行う場合と比べて脂肪燃焼の開始時間が早くなるんです。
理由2:有酸素運動時の脂肪燃焼効率が上がるから
筋トレをすることで遊離脂肪酸が大量に分泌すると、有酸素運動はその遊離脂肪酸をどんどんエネルギーとして使うようになります。
エネルギーの元がすでに血液中にある状態から有酸素運動を始められるので、有酸素運動だけをやるよりも脂肪燃焼効率は非常に良くなります。
理由3:体の基礎代謝が向上するから
サーキットトレーニングは筋トレも行うので、筋肉量の増加も期待できます。
筋肉の量が増えると、基礎代謝が向上するので、筋トレをやっていない期間(要するに日常)でも脂肪の燃焼を期待できるんです。
有酸素運動のみだと筋肉はほとんど増えないので、基礎代謝が変わりません。
厚生労働省の運営するe-ヘルスネットによると、1日に消費される総エネルギーは基礎代謝が約6割を占めるので、脂肪を燃焼するには基礎代謝がとても大事です。
この理由から、有酸素運動のみよりも、サーキットトレーニングで基礎代謝アップを狙った方が、脂肪燃焼効率が高まると言えます。
痩せたい部位別のサーキットトレーニングメニュー
次に具体的なサーキットトレーニングメニューをご紹介します。
痩せたい部位別(全身・お腹・下半身)にメニューを紹介しますので、是非参考にして取り組んでみてください。
また、一緒にできる10分間のサーキットトレーニングをYoutubeにアップしているので、「10分間の高強度サーキットトレーニング」も合わせてご覧ください。
全身の脂肪を燃焼したい人向け
全身の脂肪を燃焼したい方のメニューはこちらです。
以下の6種目をテンポよく行っていきましょう。(1種目30秒が目安)
1.スクワット
まずは脚の筋肉を鍛えるスクワット。
ハムストリング・大腿四頭筋・大臀筋など主に下半身を鍛えることができます。
スクワットの正しいやり方
- 肩幅くらいに足を広げて立ちます
- 両手を真っすぐ前に出して、お尻を突き出してしゃがみます
- 元に戻します
スクワットのコツ
- 膝を曲げるのではなく、股関節から曲げるイメージを持つ
- サーキットトレーニングのスクワットはハーフスクワット(膝をそれほど深く曲げない)で、テンポよく行う
- 背中は常に真っすぐで丸めないこと
【参考】スクワットの正しいやり方
2.もも上げ
有酸素運動1種目目は「もも上げ」です。
もも上げは下半身全体の筋肉に刺激を与えるため、代謝アップや血流改善効果があります。
もも上げの正しいやり方
- 背筋を伸ばしてリラックス
- 体を真っすぐにした状態でももを交互に上げる
もも上げのコツ
- 常に体は真っすぐに保つこと
- リズム良くももを上げる
- ももを上げるときに足をしっかり上げる
3.腕立て伏せ
次は上半身の筋肉を鍛える腕立て伏せを行います。
大胸筋も大きい筋肉ですので、鍛えると基礎代謝が上がります。
腕立て伏せの正しいやり方
- 両腕を肩幅よりやや広めに床に置き、両足を揃えて伸ばす
- 体は真っすぐに保った状態で肘をゆっくりと曲げる
- 胸が床に着きそうになったら再び肘を伸ばす
腕立て伏せのコツ
- 体は常に真っすぐに保つこと
- 頭ではなく胸を床に着けるつもりで行う
- 30秒間行うのが辛い場合は、膝をついて行うこと
【参考】腕立て伏せができない初心者におすすめのステップアップトレーニング
4.シャドウボクシング
次はエアーでボクシングを行う「シャドウボクシング」です。
全身を動かすので、かなりのダイエット効果が期待できるトレーニングです。
シャドウボクシングの正しいやり方
- 足を前後に開き両手でファイティングポーズを取る(利き手側の手足が後ろ)
- 相手がいると思ってジャブやストレートを打つ
- ジャブを連続で打ってストレート、フック、アッパーなどコンビネーションを意識して行う
シャドウボクシングのコツ
- 拳は強く握らず、軽く握る程度にする
- パンチを打ったときに前のめりにならないこと
- 腕だけを使ったパンチではなく、体も捻って打つこと
- 左右交互に打っていても飽きてしまうので、色々なパンチを組み合わせること
5.ライイングバックエクステンション
次は背中を鍛える「ライイングバックエクステンション」です。
背中はトレーニング中に意識しにくい部位なので、他のメニューよりも背中に効かせる意識を強く持って取り組みましょう。
ライイングバックエクステンションの正しいやり方
- 手足を伸ばした状態でうつ伏せになります
- 手を徐々に曲げながら上半身を起こしていく
- 上まで起こしたら徐々に元に戻す
ライイングバックエクステンションのコツ
- 3段階くらいで上半身を持ち上げると背中に刺激が上手く入ります
- 戻すときも徐々に戻すこと
- 戻したときに足と手が床に完全には付かないようにすること
6.バービージャンプ
最後は全身運動の「バービージャンプ」です。
有酸素運動の6倍の効果があると言われているので、是非取り組んでみてください。
バービージャンプの正しいやり方
- 立った状態からしゃがみ、両手を地面につける
- 足を真っすぐ後ろに伸ばす
- 伸ばした足をしゃがんだときの位置まで戻す
- 立ち上がり、そのままジャンプする(両手は万歳の姿勢でジャンプ)
バービージャンプのコツ
- 足を伸ばしたときは体が一直線になること
- 余裕があるのなら、足を伸ばした後に腕立て伏せを入れると負荷を強くできる
- ジャンプはきちんと跳ぶこと
お腹の脂肪を落としたい人向け
次にお腹の脂肪を落としたい人向けのメニューをご紹介します。
1種目30秒で行ってください。
1.スクワットスタンドアブズ
スクワットダイエットの5種目目は「スクワットスタンドアブズ」。
下半身だけでなく腹筋も鍛えることができる種目なので、お腹の脂肪を落とすにはぴったりです。
スクワットスタンドアブズのやり方
- ノーマルスクワットと同様にスクワットを行う
- しゃがんでから戻ってくるときに、右足をあげて左肘とくっつける(腹筋を収縮させる)
- 元の姿勢に戻る
- スクワットから逆側も行う
スクワットスタンドアブズのコツ
- おへそを見ながら足をあげる
2.プランク
2種目目は体幹トレーニング「プランク」です。
プランクはかなりの種類があるので、プランクのみでサーキットトレーニングも効果的です。
プランクの正しいやり方
- 床にヨガマットなどを敷く
- 両肘とつま先だけを床に着けて体を固定する
- 体を真っすぐにした状態を30秒間キープ
プランクのコツ
- お尻が下がったり上がったりすると負荷が低くなるので体は常に真っすぐにキープすること
- 負荷が弱いようなら動画で紹介しているように手や足を動かして負荷を増やすこと
3.クランチ
クランチはピンポイントでお腹を鍛える種目です。
腹筋に効かせる意識を持って取り組んでみてください。
クランチの正しいやり方
- 仰向けに寝転び、膝を90度程度に立てます
- 手を頭の後ろに組み、上半身だけを丸めます
- 腹筋が十分収縮しているのを感じたらゆっくりと元に戻します
クランチのコツ
- 腹筋のみの筋トレなので完全に起き上がらないようにすること
- うまくできない場合は、椅子などに足を乗せて行うこと
- 腹筋のトレーニングなので腹筋を常に意識して行うこと
4.ニートゥエルボー
ニートゥエルボーはわき腹の筋肉を鍛えることができます。
膝の高さを下げないように取り組んでみてください。
ニートゥエルボーの正しいやり方
- 立った状態で膝を持ち上げる
- 膝を持ち上げると同時に逆の肘を膝に付けにいく
- 元の姿勢に戻り、逆の手足で行う
ニートゥエルボーのコツ
- 膝は常に腰より上に持ち上げること
- 持ち上げた膝に肘を付けにいくイメージで行うこと
- 足のトレーニングではないので、お腹を常に意識して行うこと
5.ニートゥチェスト
ニートゥチェストも腹筋に強烈な刺激が入る筋トレ種目の一つです。
首や背中を丸めるように引きつけると効果が増すので、意識して取り組んでみてください。
ニートゥチェストの正しいやり方
- 足を伸ばして座り、支えるために手を床に着いておく
- 両足を床から浮かせる
- 両足を揃えて胸に向かって引き付ける
- ゆっくりと元に戻す
ニートゥチェストのコツ
- 膝を引き付けるときには首や背中を丸めるようにすること
- 膝を引き付けるときには息を吐くようにすること
- 足を伸ばしたときにつま先を床に着けずに続けて行うこと
【参考】ニートゥチェストのやり方
6.空中自転車漕ぎ
最後は自転車漕ぎをエアーで行います。
足の高さを保つことで、下っ腹に力が入るので、意識してみてください。
空中自転車漕ぎの正しいやり方
- 仰向けに寝転びます
- 両足を60度程度持ち上げます
- 片足を曲げて体の方に持って行きます
- 伸ばしている足はかかとを蹴り出す
- 足の曲げ伸ばしを交互に行う
空中自転車漕ぎのコツ
- サーキットトレーニングで行う場合は、テンポよく30秒間繰り返すこと
- 徐々に足が下がって来るので高さをキープして行う
- 空中にペダルがあって、自転車を漕いでいるイメージで行う
下半身の脂肪を落としたい人向け
主に下半身の脂肪を落としたい人は、こちらのメニューに取り組んでいきましょう!
・下半身の脂肪を落としたい人向けメニュー
1.ワイドスタンススクワット
ワイドスタンススクワットは、太ももやお尻を効果的に鍛えられる種目です。
下半身を鍛えつつ、基礎代謝アップ効果があるので、最初に取り組んでいきましょう。
ワイドスタンススクワットの正しいやり方
- 足を肩幅の2倍程度に開き、つま先は斜め45度に向ける
- 背中を真っ直ぐ伸ばす
- 膝をつま先の方向に曲げていき、少しずつお尻を下げていく
- 膝が90度になるまでお尻を下げる
- 元の状態に戻る
- 15回1セットとして、3セット行う
ワイドスタンススクワットの注意点
- 膝がつま先よりも前に出ないようにする
- 膝が内側に入らないようにする
- 手は体の正面に伸ばすか、腕を組む
【参考】ワイドスタンススクワットのやり方
2.踏み台昇降運動
2番目の種目は踏み台昇降運動です。
運動というイメージを持っていない方も多いかもしれませんが、立派な有酸素運動です。
踏み台昇降運動の正しいやり方
- 踏み台を用意します(雑誌などをまとめたものでも可)
- 腕を大きく振って片足を台の上に乗せます
- 若干上半身を傾けて台に上ります
- 上った足を下します
踏み台昇降運動のコツ
- 台を見ながら行うと目線が下になり、猫背になりがちなので慣れたら前を見て行うこと
- 上るときに台を押し込むようなイメージで行うこと
- 30秒と短いのでスピードを上げてテンポよく行うこと
3.ランジ
次は「ランジ」です。
ランジは足のトレーニングですが、体幹も同時に鍛えることができます。
ランジは様々な種類がありますが、今回はフロントランジを紹介させていただきます。
ランジの正しいやり方
- 胸を張って立った状態から片足を大きく踏み出します
- 踏み出した足の膝を90度程度まで曲げる
- 地面を蹴って元の立ち位置に戻ります
- 逆の足で同じことを行います
ランジのコツ
- 膝はつま先の方向へ曲げていくようにすること
- 背筋は真っすぐにして行うこと
- 膝は曲げたときにつま先より前に出さないこと
- 太ももの裏やお尻を鍛えたい場合はバックランジを代わりに行うこと
4.マウンテンクライマー
有酸素運動の2種目目は「マウンテンクライマー」です。
ハイプランクの状態でダッシュをする体幹トレーニングなので、腹筋に負荷を与えながら全身運動ができる種目です。
マウンテンクライマーの正しいやり方
- 腕立ての姿勢をします
- 片足ずつ胸に引き付けるように曲げます
- 30秒間テンポよく交互に行います
マウンテンクライマーのコツ
- お尻が下がったり、上がったりしないようにしてください
- 交互にテンポよく行います
- 体幹トレーニングでもあるので、お腹を意識して行うと体幹にも効いてGood!
5.ヒップリフト
次はお尻と腰を主に鍛えられるヒップリフトを行いましょう。
ヒップリフトは腰痛予防や代謝アップの効果があり、自宅で気軽に取り組めるおすすめ種目です。
お尻を持ち上げるときに腰を反らさないよう注意をして取り組んでみてください。
ヒップリフトの正しいやり方
- 仰向けに寝転びます
- 膝を立てます
- お尻を上に持ち上げます
- お尻に力を入れてフィニッシュ
ヒップリフトのコツ
- 骨盤を後傾して行うようにすること
- お尻のトレーニングなので腰や足に力を入れ過ぎないこと
- 腰を反って行うと腰痛の原因になるので、腰に痛みが出たらフォームを見直すこと
6.縄跳び
最後は縄跳びを紹介します。縄跳びはランニングと比べても、脂肪燃焼効率の良い有酸素運動です。
跳ねて着地する動作で、大腿四頭筋や腰の筋肉への刺激、ふくらはぎの引き締め効果もあります。
縄跳びの正しいやり方
- 長さの合った縄を用意する(持ち手がへそと胸の中間くらいになる長さがおすすめ)
- 縄を持って、脇を締めて回す
- 体は真っすぐに保ち、縄が回ってきたらつま先でジャンプする
- テンポよく30秒行う
縄跳びのコツ
- 必要最小限の着地時間でリズムよく飛ぶようにすること
- 視線は下に落とさず前方をしっかり見て飛ぶこと
- 慣れてきたら二重跳びや駆け足跳びなどに挑戦して負荷を上げること
サーキットトレーニングの効果を高める4つのポイント
サーキットトレーニングの効果を高めたい方は、以下の4点を意識して取り組みましょう。
どうせ運動するなら、効果が高い方がやる気の維持にもつながりますよ。
1.トレーニング中はしっかり呼吸をする
サーキットトレーニングをやっている最中は、呼吸をきちんとするようにしましょう。
力を入れるときに呼吸を止めてしまう方も多いですが、体脂肪を燃焼させるためには酸素を体に取り入れる必要があります。
慣れるまでは意識的に呼吸をするように心がけましょう。
2.2〜3日に1回くらいのペースで定期的におこなう
サーキットトレーニングは毎日やる必要はなく、2・3日あけてしっかりと疲労を取ってから行うのがおすすめです。
もし毎日できるくらい体力が余っている場合は、強度が弱い可能性があるので、少し負荷を上げるようにしましょう。
2・3日以上に間隔をあけてしまうと習慣化しないので、2・3日に1度がベストの頻度です。
3.トレーニング後はクールダウンやストレッチをしっかりする
サーキットトレーニングは、複数の種目を短時間で行うので、動画を見ているよりも強度が高いトレーニングです。
終わった後はきちんとクールダウンやストレッチを行い、筋肉のケアをしましょう。
筋肉のケアを怠ると疲労が溜まっていき、怪我の原因ややる気の減少に繋がります。
カッコイイ体を手に入れようとトレーニングを始めたにも関わらず、怪我をしてしまうと本末転倒ですよね。
4.高タンパク・低脂質な食事を心がける
サーキットトレーニングで体脂肪は燃やすことができますが、食事を見直して、正しい食生活を送るとさらに脂肪燃焼効果が高まります。
食事の基本的な考え方は、「筋肉の材料となるタンパク質と体を動かすエネルギーになる炭水化物は少し多め、脂肪のもとになる脂質は少なめ」です。
高タンパクかつ低脂質な食材の代表は「ささみ・卵・納豆」です。
朝ご飯は卵と納豆を取り入れたり、夜ご飯にささみを使った食事を取り入れてみてください。
まとめ
サーキットトレーニングは、短時間で効率よく体を鍛えられるトレーニング方法です。
筋肉を鍛えながら、脂肪も燃やせるという一石二鳥のトレーニングですので、是非やってみてください。