バストアップに必要な筋肉「大胸筋」とは
女性・男性ともにバストの部分は大胸筋という大きな筋肉に覆われていて、胸骨から上腕に掛けて扇状に広がっています。
大胸筋は主に腕で何かを押す動作で鍛えられますが、日常生活では意外と使う機会がなく衰えやすい筋肉です。
女性の場合は、大胸筋を覆う筋膜と鎖骨の下から「クーパー靭帯」という紐状の組織が伸びており、これが乳房を支えることでピンと上を向いた美しいバストを形作っているのです。 クーパー靭帯が上から吊り下げるようにバストを支えつつ、バストの下から大胸筋が全体を支えています。
つまり大胸筋が弱い方はクーパー靭帯への負担が過剰になり、クーパー靭帯が伸びてしまってバストが垂れ下がり小さく見えてしまうのです。
胸の筋トレでバストアップできる理由
胸筋のトレーニングがバストアップに繋がる理由を解説します。
理由を知っておいた方が、トレーニングのモチベーションにもなりますよね。
1.クーパー靭帯への負担を和らげる
大胸筋を鍛えるとバストアップできるのは、バストを下から支える筋肉を鍛えることでクーパー靭帯への負担を和らげ、成長する余裕が生まれるからです。
また、大胸筋が盛り上がることでバストを土台から底上げする効果もあり、特に大胸筋上部を鍛えるとデコルテに張りがでてトップが上を向いた美しいラインができます。
2.筋トレでバストへの血流が良くなる
バストアップに筋トレが重要なもう一つの理由が、胸周りの血流が良くなることです。
大胸筋を鍛える筋トレでは主に腕を使って肩関節を動かすため、鎖骨下動脈からバストに流れ込む血液の流れが活発になり、バストに新鮮な酸素と栄養が供給されるようになります。 また適度な運動によってホルモンの働きが活性化し、バストを成長させる作用も期待できるのです。
自宅で行うバストアップ効果がある筋トレ5選
それでは自宅でできるバストアップ筋トレを紹介します。
以下のメニューを毎日10分行うだけでも、バストに張りが出てボディラインを美しくする効果が期待できますよ。
1.合掌ポーズ
合掌ポーズは胸の前で合掌するように手を合わせ、左右から押し合うトレーニングです。
大胸筋は腕を使って押す際に鍛えられる筋肉なので、左右の腕同士で押し合うことで簡単に鍛えられます。
腕立て伏せが苦手な方でもはじめやすく、まず大胸筋に力を入れる感覚を掴むためにも最適な筋トレです。
合掌ポーズのやり方
- 胸の前で合掌
- 左右から思い切り押し合う
- 1回30秒
- 10秒休憩して3セット
合掌ポーズのコツ
- 肘を開いて前腕を水平にする
- 脇を開きすぎずみぞおちの前あたりで行う
- 胸の筋肉に力が入っている感覚を掴む
2.らくだのポーズ
らくだのポーズはヨガの一種で、膝立ちから上半身を大きく後ろに反らせるエクササイズです。
腹筋と脊柱の柔軟性が必要な難易度の高いポーズですが、完璧にできなくても続ければ成果はでます。
大胸筋と腹筋をストレッチし、バスト周りの筋肉をほぐして血流を活発にする効果が高いポーズです。
らくだのポーズのやり方
- 膝立ちになりつま先を立てる
- 上半身を後ろに反らせ腕は真下に下ろす
- 限界まで反らせて20秒キープ
- 10秒休憩して3セット
らくだのポーズのコツ
- 息を吐きながら反らせる
- 腕を真下に下ろして胸をストレッチする
3.エアチェストフライ
エアチェストフライは大胸筋の筋トレであるチェストフライを、ダンベルも何も持たずにエアで行うエクササイズです。
「フライ」の名の通り鳥が羽ばたくように腕を水平に動かして、大胸筋を目一杯動かすことで血流を活発にする効果があります。
普段から運動不足の方はこれだけでも筋トレの効果があり、肩こり予防もできる運動ですよ。
エアチェストフライのやり方
- 背もたれの無い椅子に座り背筋を伸ばす
- 両腕を水平に伸ばし前後に大きく振る
- テンポよく30回
- 10秒休憩して3セット
エアチェストフライのコツ
- 前側では両手がぶつからるまで閉じる
- 背中側では肩甲骨をグッと寄せる
4.膝つきワイドプッシュアップ
膝つきワイドプッシュアップは膝つきで行う腕立て伏せです。
通常の腕立て伏せよりも手幅をやや広くし、指先も「ハ」の字に開いて行うことで大胸筋により効かせやすくなります。
普通の腕立て伏せができない方でも膝つきなら行いやすく、バストアップの自重トレーニングの定番です。
膝つきワイドプッシュアップのやり方
- 膝を床につき両手を肩幅より広くつく
- 肘を曲げて胸が床につくまで下ろす
- 胸に力を入れて体を持ち上げる
- 1セット10回
- 30秒休憩して3セット
膝つきワイドプッシュアップのコツ
- 肘は外側ではなく足側に向けて曲げる
- ゆっくり胸の筋肉を意識して行う
5.インクラインプッシュアップ
インクラインプッシュアップは机などを利用して斜めに行うプッシュアップです。
腕を付く位置が高くなるため床の腕立て伏せより難易度が低く、机と足の位置を近くするほど負荷が軽くなります。
膝つきプッシュアップも難しい方におすすめのトレーニングで、大胸筋の下部を鍛えてバストを下から支える効果が高まる筋トレです。
インクラインプッシュアップのやり方
- 机などの段差に手を付き身体を斜めにする
- 肘を曲げて身体が机に付くで下ろす
- 胸に力を入れて体を持ち上げる
- 1セット10回
- 30秒休憩して3セット
インクラインプッシュアップのコツ
- 肘は外側ではなく足側に向けて曲げる
- ゆっくり胸の筋肉を意識して行う
ジムで行うバストアップの効果がある筋トレ3選
ジムにあるマシンやダンベルを使ったバストアップ筋トレを紹介します。
ジムで効率的に鍛えたい場合は、まず以下の3種目を重点的にやってみましょう!
1.チェストプレス
チェストプレスはどこのジムにもある大胸筋トレーニングの定番マシンです。
プッシュアップを椅子に座って行うような格好になりますが、マシンで負荷を細かく調整できるので自重より軽い負荷でもスタートできます。
自重のプッシュアップができない方にも最適なトレーニングで、バストアップにも効果が期待できますよ。
チェストプレスのやり方
- マシンに座ってバーを乳首の高さにセットする
- 背もたれに全身を預け両手でバーを押す
- 押し切ったらゆっくりと戻す
- 1セット10回
- 1分休憩して3セット
チェストプレスのコツ
- 脇を開きすぎず肩がすくまないように
- 背筋を伸ばして胸を張る
【参考】チェストプレスの正しいやり方
2.ダンベルフライ
ダンベルフライは大胸筋内側を鍛える定番の筋トレです。肘を伸ばしたまま大胸筋の動きだけでダンベルを持ち上げます。
プッシュアップが「前に押す」動作なのに対し、ダンベルフライは「胸を開いて閉じる」イメージですね。
プレスより重量は落ちますが、大胸筋内側を集中的に狙えるので効果的なトレーニングです!
ダンベルフライのやり方
- ベンチに仰向けになり両手にダンベルを持つ
- 胸を開くようにダンベルを下ろし、閉じるように上げる
- 息を吐きながら上げ、吸いながら下ろす
- 1セット10回
- 1分休憩して3セット
ダンベルフライのコツ
- 肘はピンと伸ばすと痛めやすいので、やや曲げる
- 脇を開きすぎない、肩がすくまないように
3.バタフライマシン
バタフライマシンは大胸筋の内側を鍛えられる定番の筋トレマシンです。
チェストプレスが肘も使うのに対し、バタフライマシンは大胸筋だけを集中して狙います。
大胸筋は外側から発達していくので、内側まで発達させればバストの谷間を作るのにも有効です。
プレスだけでなく、フライも組み合わせて効率的に鍛えていきましょう!
チェストフライのやり方
- マシンのパッドを乳首の高さにセットする
- 両手でパッドを抱えて胸の力で閉じる
- 息を吐きながら閉じ、吸いながら開く
- 1セット10回
- 1分休憩して3セット
チェストフライのコツ
- 脇を開きすぎない、肩がすくまないように
- 反動を使わずゆっくり行う
バストアップを狙った筋トレをするときのポイント
バストアップ筋トレをする際の注意点について解説します。
間違った方法で筋トレをするとバストアップどころか逆効果になるので、以下のポイントはしっかり確認してくださいね。
スポーツブラを着用する
筋トレ中やスポーツを行う際は必ずスポーツブラを着用するようにしてください。
スポーツブラよりは普通のブラよりも揺れに強く、クーパー靭帯を守る働きがあります。
正しくブラを着用していないとクーパー靭帯が伸びてしまい、バストが垂れ下がる原因に。
スポーツブラは速乾性にも優れているので、汗をかきやすい運動中のあせもを防ぐ働きもあります。
トレーニング中は呼吸をする
筋トレをする際は必ず呼吸を行いましょう。力を入れてウェイトを持ち上げる際にゆっくりと息を吐き、ウェイトを下ろす際にゆっくりと息を吸います。
これは息を吐くときが最も力を入れやすいからで、一回一回持ち上げる際にしっかり全力を出すことで、効果的に筋肉を鍛えることができます。
また、無酸素状態で筋トレをすると筋肉が硬くなってしまうため、バストアップ目的の場合は呼吸をする方が適しています。
休息日を設けて無理をしない
筋肉は筋トレによって筋繊維が傷つき、その傷が修復される際に大きく成長していきます。 このため筋トレと同じくらい休養が重要で、バストアップ筋トレも毎日は行わず1日おきに休息日を設けるようにしましょう。
無理に筋トレをしてしまうと筋肉を痛めるだけでなく、身体をつくる栄養が不足して筋肉やバストが萎縮してしまう危険もあります。
【参考】筋トレに最適な時間帯と頻度を解説
良質なタンパク質を摂取する
筋トレには休息と共に栄養が重要で、筋肉もバストも成長させるには特にタンパク質が必要です。
クーパー靭帯はタンパク質の一種であるコラーゲンでできているため、バストを美しく成長させるために肉・魚・卵・大豆などからタンパク質を摂取することを心がけましょう。
タンパク質が豊富な食材は「タンパク質の摂取におすすめの食事を紹介」で管理栄養士の方に解説してもらっているので参考にしてください。
また、カロリー過多が心配な方は、無駄なカロリーを極力抑えられるプロテインを活用するのもおすすめです。
まとめ
バストアップの筋トレ方法についてまとめて紹介してきました。
大きく美しいバストは、女性にとって永遠の憧れ。バストの大きさは遺伝的な要素もかなり多いですが、努力次第で大きくできる部分も相当あります。
この記事で紹介したポイントを踏まえ、今日からバストアップ筋トレをはじめましょう!