「どの太ももの筋トレメニューをやったらいいか分からない…」
「強い下半身を作るために太ももをしっかり鍛えられるメニューを知りたい…」
という方向けに、
- 太ももを構成する筋肉
- 太ももを鍛えるメリット
- 自宅で太ももを鍛える筋トレ
- ジムで行う太ももの筋トレ
について解説していきます。
太ももを鍛えるメニューは自宅とジムの両方を紹介するので、自分のライフスタイルに合わせて選び、理想の太ももを作り上げましょう。
この記事を書いた人
林慧亮
uFit代表
Youtubeチャンネル「林慧亮」は登録30万越え。自重トレーニングのメニューをはじめ、筋トレやダイエットの知識について執筆。著書に学研から出版した「30日で体を変える 超効率的自重ワークアウトプログラム」がある。
太ももを構成する3つの筋肉
太ももはカラダ全体の中でも多くの筋肉の集合体であり、筋力が非常に高い部位です。
そんな太ももを構成する代表的な3つの筋肉についてご紹介します。
1.大腿四頭筋(だいたいしとうきん)
大腿四頭筋は太ももの前側を覆う4つの筋肉の総称です。
大腿直筋・内側広筋・中間広筋・外側広筋からなる大きな筋肉で、膝を持ち上げる動作やイスから立ち上がる、階段を登る際に作用します。
下り坂、下り階段では転ばないよう速度調整をする役割もになっています。
大きな筋肉なだけに見た目の変化が現れやすく、強化することで太くも細くもすることが可能です。
また、他の部位よりも代謝量が多くダイエット効果を促進するため、ボディメイクをする方は積極的に鍛えたい部位でもあります。
【参考】大腿四頭筋を鍛える筋トレまとめ
2.ハムストリングス
ハムストリングは太もも裏に存在する3つの筋肉の総称です。
半腱様筋・半膜様筋・大腿二頭筋からなる筋肉で、膝を曲げる・イスに座るときの速度調整・歩行や走る際にカカトをお尻に近づけて蹴り上げる(加速する)動作において働きます。
鍛えることで歩幅と歩行速度の向上、ダッシュやジャンプ力の向上、上り坂や上り階段を楽に登れるようになるため疲れにくいカラダを作りたい方やパフォーマンスを向上させたい方は積極的に鍛えましょう。
骨盤の坐骨〜膝裏まで付着しているので、お尻と太もも裏の境い目を引き締めるヒップアップ効果も期待できます。
また、反張膝の方は鍛えることで膝痛の予防ができるため、積極的に鍛えることをおすすめします。
3.内転筋
内転筋は1つの筋肉ではなく大内転筋・長内転筋・短内転筋・薄筋・恥骨筋の5つからなる筋肉の総称です。
脚の開閉、膝の向きの調整、膝の曲げ伸ばしに作用します。
骨盤の腸骨や恥骨〜膝の内側に付着しており、鍛えることで内ももの引き締め・内股やO脚の改善・下半身全体の筋力発揮能力を向上させる効果があります。
大腿四頭筋やハムストリングスと同時に働くため補助的な役割を担いますが、日常生活を快適に過ごすためには非常に重要な筋肉です。
太ももを鍛えるメリット
太ももを鍛えることで得られる効果をご紹介しまう。1.基礎代謝が上がり痩せやすい体になる
基礎代謝とは何もしていないなくても消費するカロリーのことです。
筋肉量が多い方ほど、基礎代謝が高く痩せやすいカラダと言えます。
太ももには10個以上の筋肉があり、面積も大きいため鍛えることで他の部位よりも基礎代謝を上げやすいです。
2.成長ホルモンが分泌され、アンチエイジング効果がでる
成長ホルモンとは、栄養を体内に取り込むアナボリック(合成)作用を促進させるホルモンです。
- 筋肉の合成
- 肌の代謝促進
- 体脂肪の燃焼効果
- ダイエット・美容・アンチエイジング効果
が期待できます
筋肉に日常以上の負荷が加わることで分泌され、分泌量は筋肉の動員数がカギとなります。
二の腕のような小さく筋肉の部位は動員される筋肉の数が少ないため分泌量も少ないですが、太もものような多くの筋肉が存在する部位を鍛えることで分泌量を増やすことができます。
3.血液が循環してむくみが取れる
現代はデスクワークが主流になり、血流が悪くむくみやすいです。
また、座りっぱなしによりお尻や太もも裏の血管が圧迫されるため血液循環も悪くなっています。
太もも周り筋トレをすることで筋肉や皮膚の伸縮が加わり、血流を改善させ、むくみの解消をすることができます。
4.運動能力が向上する
人間の筋肉はバランスのセンサーとしても機能しており、常時脳へ情報伝達をしています。
太ももの筋肉は姿勢を保つ・歩く際の加速と減速・左右のバランスの保持としての役割も担っており、当たり前のように日常生活を過ごすためには非常に重要な筋肉です。
太ももの筋トレを行うことで筋肉のセンサー機能がより活発になり、効率的な動きができるようになるため疲れにくいカラダを手に入れることができます。
筋力もつけばジャンプやダッシュなどのスポーツパフォーマンスも向上するので、年を重ねても元気でいたい方はぜひ太ももを鍛えましょう。
自重で太ももを鍛える筋トレ7選
ここからは自体重で行える太ももを鍛える筋トレをご紹介します。
自宅でも行えるのでジムに行く時間がないという方も、ぜひ実践してみてください。
1.ノーマルスクワット
ノーマルスクワットは大腿四頭筋・ハムストリングス・お尻を鍛えることができる筋トレです。
太ももの筋トレの基本となる種目なので、筋トレ経験のない方はまずノーマルスクワットから初めてみましょう。
下半身の筋力を高めたい、太ももの筋肉を動かす(使う)感覚を掴みたい方におすすめです。
ノーマルスクワットのやり方
- 足を肩幅より拳1つ分大きく開く
- 両手を胸の前でクロスさせて、指先は肩にふれる
- 太ももが床と平行にある深さまでしゃがむ
- 地面を押すように立ち上がる
- 3〜4を1回として10回×3セット(30秒休憩)を行う
ノーマルスクワットのコツ
- 背筋は伸ばして行う
- 膝が内側に向かないよう、つま先と膝を斜め外側に向ける
- 立ち上がるときに息を吐く
2.ワイドスクワット
ワードスクワットは足幅を広く開いておこなうため、内転筋を鍛えることができる筋トレです。
足幅が広くなることで大腿四頭筋への負荷が減り、内ももとお尻、ハムストリングスへ刺激が入りやすくなります。
内ももを引き締めたい、O脚を改善したい方には非常におすすめです。
ワイドスクワットのやり方
- 足を肩幅の1.5倍の広さで開く
- つま先を膝を斜め外(左足:10時、右足:2時の方向)に向ける
- 太ももが床と平行以下の深さまでしゃがむ
- 地面を押すように立ち上がる
- 3〜4を1回として10回×3セット(30秒休憩)を行う
ワイドスクワットのコツ
- 背筋は伸ばして行う
- 膝が内側に向いてしまう人は両手で膝の内側を押しながら行う
- 立ち上がるときに息を吐く
- 膝は伸ばしきらない
3.ブルガリアンスクワット
ブルガリアンスクワットはお尻、大腿四頭筋、ハムストリングスを強化する筋トレです。
脚を前後に開き、主に前足に重心をおくので両足で行うスクワットよりも強度が高い種目になります。
お尻と大腿四頭筋への刺激が強く、ヒップアップやスポーツパフォーマンスの向上を目指す方におすすめです。
ブルガリアンスクワットのやり方
- 足を前後に開き、後ろ足はイスの上に乗せる
- 背筋を伸ばし、お辞儀するように上半身を前かがみにする
- 太ももが床と平行になる深さまでしゃがむ
- 前足で地面を押すように立ち上がる
- 3〜4を1回として10回×3セット(60秒休憩)を行う
ブルガリアンスクワットのコツ
- 後ろの膝を曲げながらしゃがむ
- お尻を後ろに突き出すようにしゃがむとお尻、太もも裏に効きやすい
- 前足の膝が内側に向かないよう、つま先と膝を正面に向ける
- 立ち上がるときに息を吐く
4.レッグランジ
レッグランジは大腿四頭筋・ハムストリングス・お尻を主に鍛えることができる筋トレです。
直立の状態から片足を前に踏み出し、地面を蹴るようにして元の位置に戻るため着地の瞬間と地面を蹴る瞬間に最も太ももへ刺激が入ります。
バランス感覚を鍛えたい、太もも全体を鍛えたい方におすすめです。
レッグランジのやり方
- 両手を腰に添えて、足を肩幅に開き、直立
- 片足を大きく前に出して両膝を曲げてしゃがむ
- 地面を蹴るように1の位置に戻る
- 1〜3を1回として10回×3セット(30秒休憩)を行う
レッグランジのコツ
- 上半身は床に対して垂直の姿勢を保つ
- 膝が内側に向かないよう、つま先と膝を正面に向ける
- 足を出す位置にペットボトルやマーカーなど目印を置くとフォームが安定する
5.レッグカール
レッグカールはハムストリングスの強化に特化した筋トレです。
うつ伏せの状態からカカトをお尻に近づける動作を行います。
太ももやふくらはぎを引き締めたい方におすすめです。
レッグカールのやり方
- 床にうつ伏せで寝る
- 両手をアゴの下にセットする
- 両足のカカトをくっつけて、床から手のひら1枚分浮かせる
- カカトをお知りに近づけるように膝を曲げる
- ゆっくり膝を伸ばして3の状態に戻す
- 3〜5を1回として10回×3セット(30秒休憩)を行う
レッグカールのコツ
- 太もも裏の収縮感を保つため、常に力はゆるめない
- 腰に力みを感じる方はお腹にバスタオルやクッションを敷いて行う
- 膝は伸ばしきらない
6.バックエクステンション
バックエクステンションは背中を主に鍛える筋トレとして知られていますが、共働筋としてハムストリングス、大臀筋も鍛えることができます。
美しい姿勢、腰痛予防効果があります。
バックエクステンションのやり方
- 床にうつ伏せで寝る
- 両手を真横に開き、肘を90度曲げる
- 膝を軽く曲げて、床から拳3つ分カカトを持ち上げる
- 背中と股関節を支点に上半身を床から浮かせる
- 背中の収縮を保ったままゆっくり3の位置に戻す
- 3〜5を1回として10回×3セット(30秒休憩)を行う
バックエクステンションのコツ
- 腰を支点にすると腰痛を誘発するので、体幹はニュートラルを保つ
- 足の付根にある骨盤の突起(上前腸骨棘)が床から浮かないように行う
7.サイドレッグレイズ
サイドレッグレイズは内転筋とお尻の横にあたる中臀筋を鍛える筋トレです。
カラダを横に向けて床側の足と肘でカラダを支えるため、脇腹も同時に鍛えることができます。
内転筋に対してはアイソメトリック(等尺性)収縮をにより、静止した状態で刺激を与えることができます。
ワイドスクワットで内転筋に疲労を与えたあとに行うことで、より追い込むことができるのでサイドレッグレイズはトレーニングメニューの後半に持ってくることをおすすめします。
内ももを引き締めたい、お尻も鍛えてヒップアップをしたいという方に最適です。
サイドレッグレイズのやり方
- 両足を伸ばして、床に横向きで寝転がる
- 肩の真下に肘をセットする
- 頭から足先までが一直線になるようにカラダを起こす
- 天井側の上になっている方の足を、股関節を支点にゆっくり持ち上げる
- ゆっくり足を下ろし、3の状態に戻す
- 3〜5を1回として10回×3セット(30秒休憩)を行う
サイドレッグレイズのコツ
- 持ち上げる方の太ももの向きはやや斜め上を向ける
- 腰が床方向に沈んでいかないよう、お腹とお尻が常に踏ん張った状態を保つ
- 姿勢の保持ができない場合は両膝を90度曲げて行う
ジムで太ももを鍛える筋トレ4選
1.バーベルスクワット
バーベルスクワットは肩にバーベルを担いで行い、大腿四頭筋とハムストリングスを強化する筋トレです。
基本フォームはノーマルスクワットと同じですが、バーベルの重さにより自体重以上に負荷が加わるため、太ももの筋力をより強化することができます。
また、背骨のアライメントの保護とバランスを保つため、同時に体幹の強化にもなります。
太ももの筋力や筋肉量を増やしたい方、運動能力を高める基礎筋力をつけたい方におすすめです。
初めて行う方は10kgのEZバーから始めて、フォームを保てるようになれば20kgのバーベルを利用しましょう。
女性は体重の半分の重さ、男性は体重分の重さを10回×3セットできる筋力の獲得を目標にまずは行ってみてください。
バーベルスクワットのやり方
- バーベルを肩に担ぐ
- 足を肩幅より拳1つ分大きく開く
- 太ももが床と平行にある深さまでしゃがむ
- 地面を押すように立ち上がる
- 2〜4を1回として10回×3セット(30秒休憩)を行う
バーベルスクワットのコツ
- 左右対称にバーベルを担ぐ
- 腰が丸まってしなうと前方へ転ぶ恐れがあるため、常に背筋は伸ばす
- 膝が内側に向きやすいので、つま先と膝は常にやや外側へ向けるよう行う
2.レッグエクステンション
レッグエクステンションは大腿四頭筋に特化したマシンで行う筋トレです。
膝の曲げ伸ばしだけを行うシンプルな動作で、つま先とスネの向き次第で効かせるポイントを変えることができます。
太もも前側の全体を強化したい方はつま先とスネを真っ直ぐ、内ももを鍛えたい方は外側、太もも外側を鍛えたい方は内側に向けることで刺激の入りやすい部位の調整が可能です。
大腿四頭筋の強化させたい方は12〜15回できる重さで8〜10回×3セット(60秒休憩)行うと太ももの発達が見込めます。
キレを出したい、引き締めたいという方は低重量(30回できる重さ)で20回×3セット(60秒休憩)から始めましょう。
レッグエクステンションのやり方
- マシンのシートに座り、シートとパットの位置を調整する
- 肩の真下に肘をセットする
- 頭から足先までが一直線になるようにカラダを起こす
- 天井側の上になっている方の足を、股関節を支点にゆっくり持ち上げる
- ゆっくり足を下ろし、3の状態に戻す
- 3〜5を1回として10回×3セット(30秒休憩)を行う
レッグエクステンションのコツ
- 反動や勢いを付けずに1回ずつ丁寧に行なう
- 背もたれの位置は太ももの長さに合わせて、膝裏がシートに触れている位置
- 足首のパットの高さは、つま先を上に向けたとき足の甲がパットに触れる高さ
3.レッグプレス
レッグプレスは大腿四頭筋、ハムストリングス、内転筋の太もも全体を鍛えることができる筋トレです。
フォームもシンプルで行いやすく、全種目の中で最も重い重量が扱えるため初心者の方でも十分に追い込むことができます。
シートに座りフットプレートを押し出すだけで腰痛のリスクも少ないため、腰に不安を抱えている方でも実施可能です。
男性は体重以下、女性は体重の半分からトレーニングを開始して重さを調整しましょう。
お尻と太もも裏の境い目を引き締めたい、太もも全体を強化したい方におすすめです。
レッグプレスのやり方
- シートに座る
- 膝と股関節が90度になる位置にフットプレートをセットする
- お腹に力を入れるように踏ん張り、両足でフットプレートを押す
- 2の位置まで戻る
- 3〜4を1回として10回×3セット(30秒休憩)を行う
レッグプレスのコツ
- 膝は伸ばしきらない
- お尻はシートから浮かせず行う
- 膝が内側に向かないよう、つま先と膝の向きを同じにする
4.スプリットスクワット
スプリットスクワットは大腿四頭筋とお尻の大臀筋を主に鍛えることができる筋トレです。
両手にダンベルを持ち、足を前後に開いた状態でしゃがむ&立ち上がる動作を行ないます。
片足ずつ行うため前足の太ももに負荷が集中するので、両足で行うスクワットよりもハードに追い込むことが可能です。
ヒップアップしたい、大腿四頭筋を強化したい方におすすめです。
スプリットスクワットのやり方
- 両手にダンベルを持ち、足を肩幅に開き直立
- 足を前後に開いて、足幅はしゃがんだときに前足と後ろ足の膝が90度に曲がる位置へセットする
- 後ろ足の膝が床に着く手前までしゃがむ
- 前足で床を押すように立ち上がる
- 3〜4を1回として10回×3セット(30秒休憩)を行う
スプリットスクワットのコツ
- ダンベルを持つ前に自体重のみで行ない、15回以上可能であればダンベルを持つ(最初は2kg〜がおすすめです)
- 膝が内側に向かないようつま先と同じく正面に向ける
- 背筋は常に伸ばして行う
まとめ:太ももを鍛えて強い下半身を作ろう!
太ももの筋トレについてまとめました。
筋肉量が多い部位である太ももは、
- ダイエットであれば代謝の向上
- ボディメイクにおいて見た目のハリ感や厚み
- スポーツではジャンプやダッシュなどの瞬発力とバランス能力の向上
に大きく関与しています。
見た目の変化や局所的な強化をしたい方は、太もも全体を鍛えつつ、大腿四頭筋。ハムストリングス・内転筋の気になる部位を単体で鍛えることが重要です。
ご自身の目的にあった筋トレを実践して、人生史上最高のカラダを手に入れましょう。
【参考】おすすめパーソナルジム徹底比較