筋肉痛にならなくても筋トレ効果はある!筋肉痛とトレーニングに関する重要な考え方とは

筋肉痛にならなくても筋トレ効果はある!筋肉痛とトレーニングに関する重要な考え方とは

2023/02/19

筋肉痛がこなければ筋トレの効果がないと思い込んでいませんか?

実は、筋肉痛にならなくても筋トレの効果があることが最近の研究で判明しています!

筋肉痛がこなければ筋トレ効果もないと思い込み、筋肉を休むまもなく追い込もうとしますが、これは間違い

日常生活に支障をきたすような筋肉痛を和らげながら、筋トレ効果もしっかり得るための考え方を解説します!

この記事でわかること!

  • 筋トレ効果と筋肉痛の関係
  • 筋肉痛がこない理由
  • 筋肉痛と上手に付き合う筋トレ方法

筋トレと筋肉痛の関係を知って、よりよい筋トレライフを送りましょう。

この記事を書いた人

林ケイスケ

uFit代表トレーナー

Youtubeチャンネル「林ケイスケ」は登録25万越え。自重トレーニングのメニューをはじめ、筋トレやダイエットの知識について執筆。著書に学研から出版した「30日で体を変える 超効率的自重ワークアウトプログラム」がある。

筋肉痛にならなくても筋トレ効果はある!

筋肉痛にならなくても筋トレ効果はある!

しっかり筋トレしたのに、筋肉痛にならない!これじゃ効果ないの?

こんな風に思ったことはありませんか?

そもそも、筋肉痛は一時的な筋肉の損傷と炎症により起こる遅発性筋肉痛(DOMS)であり、主な原因が伸張性筋収縮(エキセントリック筋収縮)です。

林ケイスケ

伸張性筋収縮(エキセントリック筋収縮)とは

重いダンベルなどを持った時に筋肉を縮めようとしています。

しかし重さに耐えきれず、筋肉が引き伸ばされながらも収縮している状態のこと。

筋肉が引き伸ばされながらも収縮し、力を発揮することで筋繊維にダメージを与えやすいため、筋肉痛が起こりやすいのです。

また、エキセントリック筋収縮以外にも他に筋収縮には2種類あります。

  • 筋肉がしっかり縮む短縮性筋収縮(コンセントリック筋収縮)
  • 筋肉が縮みも伸びもしない等尺性筋収縮(アイソメトリック筋収縮)

筋肉の収縮(アイソメトリック・コンセントリック・エキセントリック)

筋肉痛が起こりづらい順としては以下のようになるため、しっかりトレーニングをしていても筋肉痛がこない原因はここにあるかもしれません。

軽い重量のトレーニングや無理に重い重量を上げようとして動作が小刻みになっていると筋肉痛になりづらいともいえます。

伸張性筋収縮 >> 等尺性筋収縮 >> 短縮性筋収縮

とは言っても始めた頃のような激しい筋肉痛がこなくなり、筋トレ効果が無くなっているのかと不安になりますよね。

上記の理由以外に、筋トレをしても筋肉痛にならない原因は何なのか、トレーニングの質を上げるには何をしたらいいのかをこれから紹介します。

筋トレで筋肉痛にならない3つの原因

筋トレで筋肉痛にならない3つの原因

筋肉痛は筋トレ効果とは直接関係ありませんが、筋肉痛が起きなくなるのは「身体が運動に適応している」証でもあり、筋肉の成長が間接的に滞っている場合がありますよ…

以下の原因を振り返ってみて、自分のトレーニングメニューも見直してみましょう!

1.トレーニング内容がマンネリ化している

筋トレを始めた頃は毎日激しい筋肉痛になっていたのに、筋トレが習慣になってきた頃には気がつくと筋肉痛にならなくなってきた。

これは、典型的な身体の適応によるもの。

同じ動作の筋トレばかり繰り返していたため、身体が動作に適応して筋肉痛が起きなくなってしまっています

このケースだと筋肉の成長も滞るので、筋トレメニューを新たに組み直すなどの対応が必要です。
【参考文献】Costa BDV et al. Does Performing Different Resistance Exercises for the Same Muscle Group Induce Non-homogeneous Hypertrophy? Int J Sports Med. 2021 Jul;42(9):803-811. 

2.トレーニングの負荷が足りていない

筋肉が動作に適応したのではなく、単純にトレーニングの負荷が足りていない場合もあります

筋トレによって筋肉が成長したのに、同じ負荷のトレーニングばかりやっていては筋肉は成長しません。

筋トレには「漸進性過負荷の原則」という原則があり、筋肉の成長にしたがって少しづつ負荷を増やしていく必要があります

特に自重トレーニングをしている人には多いパターンなので、重りをつけるなど筋トレの負荷を増やす工夫をしてみましょう

【参考】自重筋トレに負荷を増やすおすすめの器具20選!

3.オールアウトできていない

筋トレの負荷に関連して、トレーニングの際にオールアウトできていない(最後まで追い込めていない)のも筋肉痛が起きない原因です。

持ち上げた物をゆっくり下ろす時のように、腕を収縮させる方向とは逆方向に伸びながら力を発揮する「エキセントリック筋収縮」が、筋繊維が激しく傷つき筋肉痛が起きやすくなります。

【参考文献】久保下 亮 et al. 遅発性筋肉痛における筋硬度と筋力との関係. 2012
【参考文献】野坂 和則 エキセントリック運動による筋損傷と適応. 2020 年 69 巻 1 号 p. 8

筋トレで「もう持ち上げられない」ところまで行った後に、思いっきり反動などを使って強引に持ち上げ、「ゆっくり下ろす」ところだけを何回か繰り返すと、エキセントリック収縮によって筋肉を限界まで追い込めますよ。

筋トレは「もう限界!と思ってから2回が一番効果的」と言われるのはこのためですね。

【参考】筋トレBIG3!高負荷なトレーニングメニューを紹介

筋トレの効果を高める3つのポイント(筋肉痛を緩和する方法)

筋トレの効果を高める3つのポイント(筋肉痛を緩和する方法)

筋トレの効果を高め、なおかつ筋肉痛も緩和して日常生活に支障が出なくなれば理想的。

実は筋肉痛の予防に有効とされることは、全て筋トレの効果を高めるのにも有効なのです。

筋トレの際にやるべきポイントについて、詳しく見ていきましょう!

1.筋トレ前にダイナミックストレッチで体を温める

筋肉痛の原因は、筋繊維が損傷する際に発生する老廃物が筋肉の中にたまり、その老廃物に対する一種の炎症反応だと考えられてます。

筋肉痛を予防するには、高負荷の筋トレの前に身体を動かして全身の血流を増やし、老廃物が速やかに洗い流されるようにすること

そのために有効なのがダイナミックストレッチで、代表的なのが「ラジオ体操」です。

体全体を動かし、関節をほぐして筋トレの準備を整えましょう。

林ケイスケ

ダイナミックストレッチについては、以下のYouTube動画「筋トレ前にやるべき全身ウォームアップ(準備運動・家トレ)」で紹介しています。

トレーニング前に活用してみてください!

2.筋トレ後にフォームローラーやマッサージで筋肉をほぐす

体全体を動かすダイナミックストレッチだけでなく、特定の関節をしっかりと伸ばすストレッチも筋肉痛の予防に有効です。

筋肉は「筋膜」という膜に覆われて全身と繋がっていますが、ずっと座っていたり長時間同じ姿勢でいると、筋肉と筋膜が癒着して動きがこわばってきます。

フォームローラーでグリグリと押したり、静的ストレッチでゆっくり関節を伸ばすことで、この癒着が剥がれて筋肉がスムーズに動くようになり、老廃物の蓄積も抑えられますよ

フォームローラーはコンパクトタイプなものが多いので、自宅に1つあると隙間時間にストレッチすることができるので便利です。

【参考】自宅で使えるおすすめのフォームローラー特集
【参考】鍼灸師が解説する部位別フォームローラーの使い方

3.筋トレ中はこまめに水分補給。筋トレ前後にプロテインやEAAを活用する

筋肉痛を防ぐには、筋トレによって発生する老廃物を速やかに洗い流すことが重要です。そのために一番大事なのが「水分」

水分不足になると血液がドロドロになり、血管の流れが悪くなるだけでなく、血液の飽和度が高まって老廃物を溶かし込めなくなります。

また、筋肉にとって重要なアミノ酸であるEAAやプロテインも、筋肉疲労の予防効果があるとされています
【参考文献】下村 吉治, 北浦 靖之. スポーツ医学的観点からのアミノ酸機能. 2014 年 52 巻 3 号 p. 143-144 

筋トレ中だけでなく、筋トレ前後でもプロテインやEAAから水分を摂るようにしましょう。

【参考】筋トレやダイエットに効果的なプロテインおすすめランキング!
【参考】筋トレの効果を上げるEAAおすすめランキング!

トレーニングにおける筋肉痛との上手な付き合い方

トレーニングにおける筋肉痛との上手な付き合い方

トレーニングの翌日に筋肉痛になると、不思議な達成感に満たせれて、さらなる筋肉痛を求めたくなりますが、痛すぎて普段の生活に影響が出たり、仕事や勉強に集中できないようでは本末転倒。

最後に生涯トレーニーとして、筋肉痛との上手な付き合い方を解説します。

筋肉痛になったら基本的には休む

筋肉は筋トレによって成長するのではなく、筋トレで破壊された筋繊維が修復される時に成長します

つまり「筋トレ」と「休養」は同じくらい大切。筋肉痛の時は筋肉を休め、修復と成長を促しましょう。

そもそも筋肉痛のときでは100%の力を発揮できないので、筋トレをしても効率が悪くなってしまいます

部位を分けて筋トレをすることで効率よく全身を鍛える

筋肉痛がきている時に休むのは、痛くなっている筋肉だけでも大丈夫

例えば腕の筋トレをした翌日には、元気な脚の筋トレをするなど部位を分けると、効率よく筋トレのメニューが組めます。

胸→背中→肩→腕→脚

のように、週5日でローテーションを回して筋肉痛と筋トレのバランスを取っていきましょう!

【参考】ジムで全身をまんべんなく鍛えられる1週間メニュー

まとめ

筋肉痛と筋トレ効果の関係についてまとめてきました。

筋肉の成長と筋肉痛は直接関係ないとはいえ、筋肉痛になるくらい筋トレした方が成長が早いのは確かです。

筋肉痛の原理と付き合い方をよく理解して、ワークアウト・ライフ・バランスを充実させていきましょう!

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