糖質制限ダイエットとは?
糖質制限ダイエットとは、食事における糖質の摂取量を減らすことで体重を落とすダイエット方法のこと。
糖質を多く含む炭水化物を控える食事法のため、糖質制限ダイエットは「炭水化物抜きダイエット」と呼ばれることもあります。
また、糖質制限ダイエットには基本的にカロリー制限がなく、カロリーを気にしながら食事をする必要がないので人気を集めています。
しかし、実は、
- 糖質制限ダイエットで痩せることができる人
- 糖質制限ダイエットで痩せることができない人
がいるんです。
糖質制限ダイエットによって痩せるメカニズムを知り、あなたが糖質制限ダイエットに向いているかどうか確かめましょう!
糖質制限ダイエットで痩せる理由
糖質を減らすことで、「糖質が脂肪として吸収されることを防ぎ、さらに脂肪を消費しやすくなる」のが、糖質制限ダイエットの理論。
ここでは、糖質制限ダイエットの理論を詳しく解説した上で、どんな人に効果的なのかを紹介します。
糖質が余り、脂肪になるのを防ぐ
そもそも糖質は、ブドウ糖に変化して身体を動かすエネルギーとなる栄養素です。
エネルギーとして使われなかったブドウ糖は、グリコーゲンに変化して貯蓄されます。
そして、グリコーゲンはブドウ糖が不足した時に再びブドウ糖に戻りエネルギーとなります。
糖質は多少余ったとしても時間差でエネルギーとして使われるため、普通の食事をしていれば太りません。
しかし、
- 糖質を摂取しすぎる
- 運動不足でエネルギー消費が少なすぎる
などの理由により、グリコーゲンの貯蓄限界を超えてしまうとブドウ糖が余ってしまいます。
ブドウ糖が余り血糖値が上昇するとインスリンが分泌され、インスリンの作用によって糖が脂肪に吸収され体脂肪が増えるというわけです。
さらに、糖質過剰な習慣が続いてくると、インスリンの働きが鈍くなるインスリン抵抗性という状態に。インスリン抵抗性になると、血糖値が下がらず糖尿病につながります。
糖質制限を行うことで、糖質が脂肪に変わることを防ぎ痩せやすくなるのです。
糖質制限ダイエットは糖質を摂りすぎの人には有効
糖質制限ダイエットは、糖尿病治療の現場でも使われていますし、現時点で糖質を摂りすぎている人にとっては効果的なダイエットだと言えます。
糖質を控えると脂肪が消費される
体のエネルギーを生み出す時は、- 糖質
- 脂肪
の順番で基本的に消費されます。(もちろん、運動強度によって優先順位は変わりますが、多くの場合で糖質が優先的に消費されます)
これは、脂肪より糖質の方がエネルギー効率が良いからです。
糖質制限ダイエットのメカニズムとしては、糖質の摂取量を少なくすることで、脂肪がエネルギーとして消費される量を増やすのです。
ただし、糖質を減らすと体内で糖質を生み出す糖新生という作用が起き、その際にタンパク質が消費されて筋肉が落ちてしまうので要注意。
糖質制限ダイエットではすぐに体重が減りますが、脂肪と同時に筋肉も落ちて”基礎代謝が落ちる”ため、以前よりも太りやすい身体になってしまいます。
糖質制限ダイエットを行う時は、タンパク質の摂取を多くしましょう。
糖質制限をしていると、筋肉の材料になるタンパク質が多く消費されてしまうので、普段以上に多くのタンパク質を摂取するのがオススメです。(参考:タンパク質を手軽に摂取できるオススメのプロテイン)
糖質制限ダイエットが効果的な人、そうではない人
ここまで説明をまとめると、糖質制限ダイエットで効果が出やすい人は、- 普段から糖質摂取が多い人
- 肥満体型の人
- 血糖値が高い人
- 糖尿病の人
- そこまで太っていない人
- 体が健康な状態の人
- スポーツなどの減量目的の人
- 普段の食生活が整っている人
です。
続けて糖質制限の具体的なやり方を説明していきます。ここまでを読んで、自分は糖質制限ダイエットで効果が出なそうだと分かった方は、記事後半の「糖質制限ダイエットよりおすすめのダイエット方法を紹介!」をご覧ください。
糖質制限ダイエットの具体的なやり方
ここからは、具体的な糖質制限ダイエットのやり方を紹介します。
糖質制限ダイエットでは、糖質が多い食べ物を控えて糖質が少ない食品を食べるようにしましょう。
糖質制限ダイエットで食べていいもの・食べてはいけないもの
まず、糖質を多く含む炭水化物は食べる量を減らしましょう。
日常で摂取する糖質の多くは炭水化物に含まれるものなので、主食を抜くだけでも効果が期待できますよ。
さらに、ケーキや菓子類は砂糖を多く含むためNG。また、果物類も果糖を含むため我慢するのがおすすめです。
一方で、糖質制限中は肉・魚・卵類は食べても大丈夫です。むしろ、炭水化物を減らした分のエネルギーを補うために、多めに食べるようにしてください。
野菜に関しては、カボチャやニンジンなど根菜類は糖質を多く含むので控えましょう。レタスなどの葉物類やブロッコリー・トマトなどがおすすめですよ。
紹介しきれなかった食べ物も含め、食べていいもの・食べてはいけないものリストをまとめておくので、ダイエット中の参考にしてください。
食べていいもの・食べてはいけないものリスト
食べてもいいもの- 肉・魚・卵(*ソーセージなど加工食品はNG)
- 糖質カットされた主食(ロカボ麺など)
- レタス・ブロッコリー・トマトなどの野菜
- ヨーグルト
- 塩・コショウ・酢といった調味料
- 焼酎・ウイスキーなどの蒸留酒
- 米・麺・パン
- ソーセージやカマボコなどの加工食品
- カボチャ・ニンジンなどの根菜類
- ソース・みりん・ケチャップなどの調味料
- ビール・日本酒などの醸造酒
糖質はどれくらい制限すべき?
糖質制限ダイエットでは、糖質を完全に断つわけではありません。
糖質は人体の活動に必要なエネルギー源です。極端な糖質制限は体調不良になる可能性も。
なので、「炭水化物を食べるのは3食のうち1食だけにする」のように糖質の摂取量を減らすというイメージで行いましょう。
糖質制限ダイエットはいつから効果が出る?
糖質制限ダイエットを行ってからどれくらいで効果が出るのかは、個人差がかなりあるので一概に言えません。
糖質制限ダイエットは肥満の度合いによって効果の出やすさが大きく変わります。
今まで糖質を多くとりすぎていた人は、2週間程度で効果を実感できる方もいれば、1ヶ月~2ヶ月でやっと効果が出る人も。
早めにダイエットを成功させたい人は、食事の制限だけでなく適度な運動も並行して行うのがおすすめですよ。
糖質制限ダイエットのデメリット
実は、糖質制限ダイエットは、すぐに体重が落ちるメリットがある反面、さまざまなデメリットも指摘されています。
そもそも糖質制限ダイエットは、糖尿病や肥満の治療で行われていた背景もあり、成功させるために緻密な栄養管理が必須です。
医師や栄養士の指導があってできるものを、あなた個人の中途半端な知識で成功させられると思うべきものではありません。
何も知らずに糖質制限ダイエットを始めてしまうと、効果が出ないばかりか身体に悪影響が出る可能性もあります。
1.リバウンドしやすい
既に説明した通り、糖質制限ダイエットを行うと少なからず筋肉が減ります。
筋肉が減ると日常生活でのカロリー消費が低下。糖質制限ダイエットを辞めた後、以前の食生活に戻すことで簡単にリバウンドしてしまいます。
糖質制限ダイエットは、糖質を抑えると同時にタンパク質の摂取量を増やして行わなければなりません。
さらにリバウンドを防ぐために、筋トレなどを行い筋肉を落とさないように心がける必要があります。
2.生活習慣病のリスクが高まる
タンパク質を増やした方が良いと説明したあとで矛盾しているようですが、タンパク質を過剰摂取すると生活習慣病のリスクが高まります。
例えば、スイスの大学病院が低炭水化物高タンパク質の食事法が動脈硬化を進展させたと報告しています。
さらに、肉中心の生活によってLDLコレステロールが増加してしまうことが原因と考察を加えています。
無暗にタンパク質を増やすのも体に良くないため、糖質制限ダイエットでも丁寧な食事管理が大切です。
3.便秘になる
糖質制限ダイエットは炭水化物の摂取を控えることが基本ですが、炭水化物は糖質以外の重要な栄養素を多く含んでいます。
その代表的な栄養素が「食物繊維」。
食物繊維の重要性をわざわざ説明する必要はないと思いますが、糖質制限ダイエットをすると食物繊維不足になりやすいです。
そして、食物繊維が不足すれば、便秘になったり、腸内環境が乱れたり、肌荒れするなどのデメリットがが発生してしまうのです。
糖質制限ダイエットのデメリットのまとめ
糖質制限ダイエットのデメリットをまとめると、- リバウンドしやすい
- 生活習慣病のリスクが高まる
- 便秘になる
繰り返しになりますが、糖質制限ダイエットは、医師や栄養士の指導のもとで行うダイエット方法だと言うことを理解しておきましょう。
結論として、生半可な知識をもとに、個人の判断で糖質制限ダイエットをすることはオススメしません。
糖質制限ダイエットよりおすすめのダイエット方法を紹介!
糖質制限ダイエットは、そこまで太ってない人にとって効果が小さく、さらに健康的に痩せるのが難しいのでオススメしません。
「運動はせずに簡単に痩せたい…」
「◯◯を食べないだけで痩せる方法を知りたい…」
と希望を持つ方も多いですが、最短のダイエット方法は運動とバランスの良い食事を「コツコツと継続すること」です。
最後に、できるだけ簡単で続けやすい運動方法と食事方法を紹介するので、まずは1日だけでもいいので始めてみてください。
1週間・1ヶ月と継続していくうちに、ダイエットが成功していくのを実感できますよ。
短時間で手軽に脂肪を落とす運動方法「HIIT」
HIITはたった4分の運動で1,000kcalも消費カロリーが増えるトレーニング方法。
1,000kcalは、だいたい20kmのランニングに相当するので、非常にダイエット効果が高いトレーニングです。
さらにHIITは、
- 筋肉がつくため見た目も美しくなる
- リバウンドしにくい体になる
- 頭の回転が良くなる
- メンタルにも好影響(参考:運動とメンタルの関係とは)
など、ただ痩せるだけではない良い影響がたくさんあります。
HIITは、1回あたり4分のトレーニングを週3~4回行えば良く、自宅でも行えるので非常に手軽。
時間が無い人でも、運動が苦手な人でも始めやすいので、試してみてください。
下記はHIITトレーニングの参考動画です。再生しながら一緒にトレーニングしてみてくださいね!
・HIITトレーニングのやり方
「20秒筋トレ→10秒休憩→20秒筋トレ→10秒休憩」を繰り返し、4種目を2周、合計4分行います。
4種目は自由に設定してかまいません。筋トレに詳しくない方は、編集部が作成した動画をYoutubeで公開しているので、参考にしてください。
uFitチャンネル「HIITトレーニング」
HIITについて、もっと詳しく知りたい方は下記の記事を読んでみてください。
短時間×栄養バランスを叶える食事法「ミールプレップ」
HIITトレーニングを行えば、少しずつ痩せていきます。
しかし、いち早くダイエット効果を出したいなら、食事にも気を付けましょう。
食事では、炭水化物を控えるのではなく、低脂質高タンパク質を心がけるのがおすすめ。
とは言え、低脂質高タンパク質の食事を毎食用意するのは大変ですよね。
そこでおすすめの食事方法がミールプレップ。
栄養バランスを考えた食事を1週間分作り置きしておく食事法で、実は海外でボディメイクやダイエットに取り組む人に大人気なんです。
下記で詳しく紹介しているので、興味がある方は参考にしてください。
【参考】ミールプレップのやり方を解説!
まとめ
炭水化物を我慢する糖質制限ダイエットは、既に肥満体型の方や糖尿病の方にとって間違いなく体重を落とせる痩せ方です。
しかし、「タンパク質や食物繊維など他の栄養も多めにとる」「運動も並行する」など、気を付けるようにしましょう。
また、そこまで太っていない人には糖質制限ダイエットの効果がほとんどないため、別のダイエット方法を行いましょう。
中でも、おすすめはやっぱり運動をすること。紹介したHIITは非常に手軽なので、取り組んでみてください。