「パワーだけで世界を制することはできない」世界で躍進中のクライミング・楢﨑智亜 ダイナミックな動きを実現する身体のヒミツとは

「パワーだけで世界を制することはできない」世界で躍進中のクライミング・楢﨑智亜 ダイナミックな動きを実現する身体のヒミツとは

2024/06/21

クライミング日本代表として活躍中の楢﨑智亜さん。
その実力は高校時代から頭角を現し、現在に至るまで世界の舞台で活躍を続けています。

そこで今回は、楢﨑選手の強さの核心に迫る『身体のヒミツ』を徹底解剖。
真骨頂とも言えるダイナミックな動きで多くのタイトルを獲得し、ファンをも虜にしたパフォーマンスの真髄に迫ります。

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楢﨑智亜

スポーツクライマー

2016年のワールドカップ優勝を皮切りに、日本スポーツクライミング界のエースとして数々の世界タイトルを獲得する。高い身体能力を生かしたダイナミックな動きが特長で、自身で編み出した技 “トモアスキップ” は世界中のクライマーが取り入れている。2023年からはuFitブランドアンバサダーに就任。。

誰にも負けない強みは ”ダイナミックな動き”
身体を支える基盤は圧倒的なパワーにあった

 

楢﨑智亜

 ーー 年間を通して多くの国際大会でのご活躍、素晴らしいです。
迫力と見応えのあるパフォーマンスが多い印象がありますが、ご自身ではクライマーとしての強みはどこにあると感じていますか?

楢﨑 ダイナミックな動きがなによりの強みです。ホールドからホールドへ飛びつく動作や、1度に複数のことを同時に行なうパフォーマンスを得意としています。

ーー ときには腕1本で全身を支えるクライミング競技。
ダイナミックな動作の多い楢﨑選手の腕力は計り知れないものがありそうですね。

楢﨑 選手のスタイルによって差はありますが、私は広背筋が大切な要素になってくるかと考えています。腕力ももちろん必要かもしれませんが、なるべく大きな筋肉で全身を支えた方がパフォーマンス全体の安定感は増す感覚があります。

ーー 広背筋を使っているとは…意外でした。それでは筋トレもかなりされている?

楢﨑 基本はクライミングで自然に鍛えられています。壁を登ること自体がトレーニングになっていますね。
ただ、ウォーミングアップでは懸垂を取り入れています。ここで手の幅や、クライミング時に身体を引き上げるフォームを意識しています。
懸垂後にクライミングをすることで、背中が鍛えられる感覚が増すんです。

ーー 鍛え上げられた背中はまさに練習の賜物ですね。

楢﨑 背中はクライミングと懸垂でここまで大きくなりました。
実は懸垂も握り方ひとつで効き方に違いがあって。広背筋に効かせたいときは、小指側に力を入れて握り込んでいます。
目的に合わせて握り方も細かく調整しているんです。

国際大会で感じた世界の壁「パワーだけでは勝ち切れないと痛感した」

 

 ーー 鍛え上げられた広背筋とパワーはまさに世界を見てもトップレベルですね。
国際大会をも勝ち抜く上で、パワーの他に求められる要素はありますか?

楢﨑 柔軟性はかなり大切な要素です。
いくらパワーがあっても、柔軟性がないと力を適切な方向にかけられません。クライミングは自分の身体を自在にコントロールすることが求められる競技。柔軟性があれば身体を動かす自由度も向上し、パフォーマンスアップに繋がると思っています。
逆に、柔軟性がないと全ての動作はパワーに依存することになります。そうすると筋肉が過度に大きくなり、動きのしなやかさも失われてしまうのです。

ーー 柔軟性の大切さに気づいたきっかけは?

楢﨑 正直、高校時代は柔軟性の大切さに気づけていませんでした。
しかし、他国の選手の研究や、自分の課題克服に必要なものを考え抜いた結果 ”パワー×柔軟性” の両立は必須であると考えるようになりました。

ーー ご自身の柔軟性が実践で発揮されていると感じる瞬間を教えてください。

楢﨑 無駄な力がうまく抜けているときですね。
力任せな動作はどうしても稼働時間に限界があります。そのため、ベースは最低限の力で動くことを意識。そして、ここぞというときに最大出力のパワーを発揮させるのです。
これは柔軟性があるからこそできるテクニックだと思います。

特別公開!クライミング・楢﨑智亜のトレーニング講座

 

楢﨑選手の強さのヒミツは ”パワー×柔軟性” に隠されていました。
ここからは、楢﨑選手が日頃から取り入れているトレーニングを紹介していきます。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。

広背筋を鍛えるにはこれしかない!楢﨑流・懸垂トレーニング

懸垂は広背筋へダイレクトに効かせられるトレーニング。
クライミングでは複合的な要素が多いため、狙った部位へ効かせることが難しいです。そのため、ウォーミングアップとして取り入れ、背中を使って身体を引き上げる感覚を養っています。
最も意識すべきはフォーム。腕ではなく背中で身体を引き上げる意識は忘れてはいけません。小指に力を入れて握ることで、広背筋への刺激が入りやすくなりますよ。

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背中に柔軟性をつけよう!キャット&ドッグ編

 キャット&ドッグは背骨(脊柱)の動きと広背筋の動きを活性化させる運動です。
骨盤も動くため、ダイナミックな動きにも繋がる重要なメニューであると言えます。

ひねり動作で背中をほぐそう!回旋ストレッチ編 

ひねりの動作は広背筋を伸び縮みさせることができます。
クライミング後の背中の張りはつきもの。広背筋を伸縮させ背中をほぐすことで、疲労回復の効果が期待できます。

まとめ

 

今回は、楢﨑智亜選手の『ダイナミックな動きを実現する身体のヒミツ』を大解剖しました。

パワーと柔軟性の融合が大きなカギを握っていたとは…。新しい発見ですね。
これからは今までとは異なる視点で、楢﨑選手のパフォーマンスを楽しむことができそうです。

uFitはこれからも楢﨑智亜選手のご活躍を応援します!

 

▼楢﨑選手とのコラボ動画を見たい方はこちらから!

【1】オリンピアンの自宅練習場直撃したらすごかった

【2】プロクライマーの握力ってどのくらい?

【3】クライミング初心者とプロの違い

【4】プロクライマーとラダー競争してみた

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