筋トレBIG3の1つであるベンチプレスの正しいやり方について解説します。
美しい上半身を作り上げるにはベンチプレスは欠かせません。
この記事では、
- ベンチプレスの効果
- ベンチプレスの正しいやり方
- ベンチプレスのバリエーション5選
- ベンチプレスのよくある間違い
を解説し、あなたが正しく効果を出すためのベンチプレスの情報を紹介します!
目次
ベンチプレスで鍛えられる筋肉
ベンチプレスで鍛えられる筋肉はほとんど全身に及びますが、ここではメインの3つの筋肉に絞って紹介します。
どこの筋肉に効くかを知っておくと、実際にやったときに上手に効かせることができるので、理解していきましょう。
・ベンチプレスで鍛えられる筋肉
1.大胸筋(胸の筋肉)
大胸筋は胸を全体的に覆っている大きな筋肉で、全身では5番目、上半身では三角筋に次ぐ体積を持ちます。
いわゆる「胸板」にあたる部分で、上半身のカッコよさを求めるなら必須の筋肉。
ベンチプレスで一番メインで鍛えられる部位です。
他にも胸部には小胸筋、前鋸筋などの筋肉がありますが、ほとんど大胸筋の下に隠れており、一緒に働きます。
2.三角筋(肩の筋肉)
三角筋は肩関節を覆っている大きな筋肉で、全身では4番目、上半身では最も大きな体積を持っています。
三角筋が肥大すると肩が砲丸のように丸くなり、肩幅の広いたくましい印象を与えることができます。
バーベルを胸から上げるときの後半でよく使われるのですが、肩に効きすぎると怪我の原因になるので注意が必要です。
肩関節は非常に複雑で、他にもローテーターカフと呼ばれる細かな筋肉群が重なり合っており、ベンチプレスではこれらの筋肉も鍛えることができます。
3.上腕三頭筋・前腕筋(腕の筋肉)
上腕三頭筋は上腕の背中側に位置する筋肉で、上半身では3番めに大きな筋肉です。
いわゆる「力こぶ」となる上腕二頭筋の反対側ですが、体積では上腕三頭筋の方が大きいため、腕を太くしたいなら上腕三頭筋を鍛えたほうが効率的。
またバーベルを握って安定させる前腕の筋肉も使われるため、血管の浮き出たたくましい前腕をつくるのにもベンチプレスは適しています。
ベンチプレスで得られる効果
ベンチプレスで得られる効果について、3つのポイントに分けてまとめました。
これを読めば、ますますベンチプレスをやらずには居られなくなりますよ!
・ベンチプレスで得られる効果
1.目に見える成長を感じられる
ベンチプレスで鍛えられる大胸筋は、大きな面積を有するかつ、皮下脂肪がもともと少ない部位なので見た目の変化がわかりやすいのが特徴。
成果が出やすく、筋トレの楽しさを感じやすい部位です。
ベンチプレスを続けると男らしい胸板を手に入れることができ、変化していく自分の体を見てさらに筋トレへのモチベーションが高まるでしょう。
2.基礎代謝が上がる
ベンチプレスで鍛えられる大胸筋・三角筋・上腕三頭筋は、上半身の大きな筋肉トップ3です。
大きな筋肉を鍛えればそれだけ基礎代謝があがり、太りにくく痩せやすい体質になってくのです。
もちろんベンチプレスでは腹筋や背筋の関与も大きいため、実はダイエットにも副次的な効果があります。
3.成長ホルモンが分泌される
大きい筋肉を動かすと、それだけ成長ホルモンも分泌されやすくなります。
成長ホルモンの分泌は、
- アンチエイジング効果
- 免疫機能を正常に保つ
- 気分が上がる
- 脂肪燃焼
など様々な効果があります。
成長ホルモンは10代後半をピークに年々減っていきますが、筋トレによって分泌量を増やせることがわかっているのです。(参考:Strength Conditioning Journal)
ちなみに人体で一番大きい筋肉は大腿四頭筋(太もも)であり、その次が大殿筋(お尻)、ハムストリングス(もも裏)と続き、その次が上半身の三角筋となります。
それぞれの筋トレメニューはこちらの記事で紹介しています!
ベンチプレスの正しいやり方を種類別に紹介
ベンチプレスと一口に言っても、様々なバリエーションがあります。
ここではノーマルなベンチプレスから、マシンを使った初心者向けのベンチプレスまで、正しいやり方と共に紹介していきます。
・ベンチプレスの正しいやり方を種類別に紹介
ノーマルベンチプレス
ノーマルベンチプレスは、フラットベンチで行う一般的なベンチプレスです。
ベンチプレスの基本を覚えるためにも、まず最初にやるべき種目で、全ての人におすすめできます。
最も重量を上げやすいトレーニングでもありますので、まずはノーマルベンチプレスに挑戦して、身体の基礎を作りましょう!
ノーマルベンチプレスのコツは、バーベルがアゴの上に来るように寝て、両乳首の上にバーベルを下ろして肩への負担を少なくすることです。

- フラットベンチで仰向けになる
- 手幅は肩幅より広めにバーベルを握る
- バーベルを胸まで下ろし、脚を踏ん張って持ち上げる
- 重量:8RM(8回持ち上げられる重量)
- セット数:5
- 休憩:2~3分
インクラインベンチプレス
インクラインベンチプレスは、インクラインベンチを使って斜め上にバーベルを持ち上げるベンチプレスです。
大胸筋の上部と三角筋の前部を鍛えることができ、上半身のカッコよさを求めるフィジーク選手には定番の種目になっています。
Vネックから見えるたくましい胸元や、砲丸のような肩を作りたい方におすすめです。
インクラインベンチプレスでは、ベンチの角度が高すぎるとショルダープレスになってしまい、低すぎるとノーマルベンチプレスになってしまいます。
45度くらいになるよう調整し、バーベルを下ろす位置は鎖骨の下あたりを意識しましょう。

- インクラインベンチを45度にセットし仰向けになる
- 手幅は肩幅より広めにバーベルを持ち上げる
- 鎖骨の下にバーベルを下ろし脚を踏ん張って持ち上げる
- 重量:10RM(10回持ち上げられる重量)
- セット数:3
- 休憩:2~3分
インクラインベンチプレスで大胸筋上部に効かせるコツについては「インクラインベンチプレスの正しいやり方」で解説しているので参考にしてください。
デクラインベンチプレス
デクラインベンチプレスは、腹筋台などを使ってお腹側に向かってバーベルを持ち上げるベンチプレスです。
大胸筋の下部を集中的に鍛えるトレーニングで、腹筋と大胸筋の間の段差を際立たせたい方におすすめです。
腹筋台が無くても、フラットベンチの上に膝立ちになることでも代用できます!
注意点として、セーフティーバーを確実にセットするようにしてください。
ノーマルベンチプレスなどでは最悪脱出の方法もありますが、デクラインベンチプレスで潰れるとバーベルが首に落下する恐れがあり、非常に危険です。
セーフティーバーは入念に確認してから行うか、ダンベルでも良いでしょう。

- 腹筋台の角度を45度にセットし仰向けになる
- 手幅は肩幅より広めに持ちバーベルを持ち上げる
- みぞおちの上にバーベルを下ろし脚を踏ん張って持ち上げる
- 重量:10RM
- セット数:3
- 休憩:2~3分
デクラインベンチプレスについて詳しくは「デクラインダンベルプレスのやり方や胸筋下部に効かせるコツ」で紹介しているので参考にしてください。
ナローベンチプレス
ナローベンチプレスは、手幅を狭めに握って行うベンチプレスです。
手幅を肩幅より狭くすることで肘関節の可動域が広がるため、大胸筋よりも上腕三頭筋をメインに鍛えるトレーニングです。
またトップポジションで大胸筋を収縮させやすいため、大胸筋の中央部を鍛えたい方にもおすすめです。
ナローベンチプレスは肘への負担が大きいため、重量は軽めにして回数を増やします。
大胸筋の内側を鍛えたい場合は、トップポジションで肘をグッと内側に絞り大胸筋を収縮させましょう。

- バーベルがアゴの上に来るように仰向けにねる
- 手幅は肩幅より狭めにバーベルを持ち上げる
- 肘が十分に曲がるまで下ろし、脚を踏ん張って持ち上げる
- 重量:15RM(15回持ち上げられる重量)
- セット数:3
- 休憩:1~2分
ナローベンチプレスの効果について詳しく知りたい方は「ナローベンチプレスの正しいやり方や効果を解説」で解説しているので参考にしてください。
スミスマシンベンチプレス
スミスマシンベンチプレスは、その名の通りスミスマシンを使って行うベンチプレスです。
バーベルの軌道が安定するため重量を上げやすく、手首をひねればすぐにラックオンできるので安全でもあります。
特に女性が初めてベンチプレスに挑戦する場合は、スミスマシンの方が安全なのでおすすめです。
このラックオンが初めてだと意外と戸惑うので、まずはプレートを付けない状態で何回か練習してからベンチプレスに挑むようにしましょう。

- バーベルがアゴの上に来るように仰向けに寝る
- 手幅は肩幅より広めに持ち上げる
- 胸までバーベルを下ろしたら脚を踏ん張って持ち上げる
- 重量:10RM(10回持ち上げられる重量)
- セット数:3
- 休憩:1~2分
スミスマシンベンチプレスの効果については「スミスマシンベンチプレスの効果的なやり方」で解説しているので参考にしてください。
【参考】トレーニングベンチのおすすめを紹介

ベンチプレスのフォーム|効果を高めるポイント
ベンチプレスの正しいフォームについて、気をつける点を詳しく紹介します。
なおベンチプレスには目的に応じて様々なフォームがありますが、今回は最も高重量を挙げられるパワーフォームです。
このパワーフォームがベンチプレスの基本となるので、まずは基本を習得しましょう!
・ベンチプレスの効果を高めるフォームのポイント
肩甲骨と腰を近づけるようアーチを作る
バーの下に目線がくるようにして、首・頭・肩甲骨の位置を固定し、足を床につけます。
腰ではなく背中を反らして、肩甲骨と腰を近づけて背中を縮めるイメージで行います。
肩甲骨を寄せて胸を張る
肩甲骨を寄せて胸を張って、胸の伸び縮みを感じながらバーを上下させてください。
このとき肩はすくませずに、首を長くするようなイメージを持つと上手く肩が固定できます。
バーは肩幅の1.5倍・親指をかけて握る
手幅を決める時、肩の1.5倍程度の位置に親指をかけて握ってください。
身長にもよりますが、バーに刻まれている81cmラインに人差し指がくるくらいが目安です。
このとき指で握って支えようとせず、手のひらで支えるイメージで持ちましょう。
バーは乳首付近に落とす
バーを落とす位置は、両乳首を結ぶライン上です。
これより頭側だと肩がすくんでしまい、怪我のリスクが高くなります。
脚側にズレると肘に前腕の角度が倒れるため、バーベルを支えられなくなってしまうので注意しましょう。
お腹と足に力を入れる
ベンチプレスは胸の筋トレと思われがちですが、腹筋を収縮させて体幹を安定させ、脚を踏ん張って力を発生させることも重要です。
踏ん張った足で背中をベンチに押し付けるようにし、その反発力を利用してバーベルを持ち上げましょう。
ベンチプレスで起こる怪我のパターン
ベンチプレスは取り組む中である程度重量が上がっていき、重量が上がると怪我のリスクが高まります。
ベンチプレスで怪我をする代表的なパターンを確認して、しっかりフォームを確認しながら行いましょう。
・ベンチプレスで起こる怪我のパターン
肩に力が入ってしまい負傷する
ベンチプレスで一番多いのは、肩の負傷です。
肩甲骨をしっかり寄せてベンチに押し付け、肩関節がガッチリはまった状態であれば、肩を痛めることはありません。
しかし肩がすくんでグラグラ動くような状態だと、バーベルの重みが肩に集中して細かい腱や筋肉を痛めてしまいます。
ベンチプレスの際は肩甲骨を寄せて肩をすくめない、肩を固定するイメージを大切にしましょう。
腕で上げてしまい肘を痛める
ナローベンチプレスで無い限り、ベンチプレスは大胸筋で持ち上げるのが基本です。
主動筋は大胸筋であり、上腕三頭筋は補助筋のはずですが、肘だけで挙げようとすると怪我をします。
高重量の場合は特に、手幅を広めにして肘だけで挙げないように意識しましょう。
指で握って手首を曲げてしまう
バーベルを握る際、指の付け根のあたりで握ってしまうと、バーベルの重みで手首が反り返ってしまいます。
これでは大胸筋の力を伝えづらくなりますし、手首を痛める原因になります。
バーベルは手のひらと親指の付け根でしっかり受け止め、手首を立てることを意識しましょう。
また、手首の怪我を防止するにはリストラップの使用がおすすめ!こちら「リストラップおすすめ10選」の記事でおすすめを紹介しているので参考にしてください。
ウォーミングアップをせずに高重量を扱う
ベンチプレスに限らず全ての筋トレに言えることですが、ウォームアップをせずに高重量を扱うのは危険です。
軽めの重量でウォームアップセットをこなすことで、筋肉がほぐれて動きやすくなり、血流が増えて身体が温まっていきます。
このプロセスを飛ばしていきなり高負荷をかけるのは、特にベンチプレスでは怪我の元ですのでウォームアップセットは欠かさないようにしましょう。
まとめ:ベンチプレスは正しいフォームで安全に行おう!
ベンチプレスの効果や、正しいフォームについて解説してきました。
ベンチプレスは上半身のカッコよさを追求するなら最も重視すべき種目ですので、まずは基本のノーマルベンチプレスをマスターしましょう。
さらにベンチプレスはスクワット・デッドリフトと合わせて「筋トレBIG3」といって、3種目で主要な筋肉をすべて鍛えることができる筋トレの王道種目です。
ベンチプレスに取り組んだら是非スクワット・デッドリフトにも挑戦してみましょう!
【参考】筋トレの王道種目BIG3に取り組もう!

【参考】ベンチプレスのあとはプロテインを飲もう!

【参考】自宅で胸を鍛えたい人はトレーニングベンチが必要!
